イスラーム勉強会ブログ

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両親へ【1】

2009年02月01日 | 預言者の教育方法
子供の教育について
1.はじめに
子供が生まれてから初めて目にするものは、彼の家と家族です。彼らの状態、生活の仕方などの第一印象が子供の脳に焼き付きます。全てを吸収できる状態にある柔軟な子供に、これら全てが染み込んでいきます。そして全てに対する反応を示します。以上が、子供が出会う初めての環境について言えることです。

アル=イマーム・アル=ガザーリーは言っています:「子供は両親の許に置かれた預かりものです。子供の無垢な心は、手付かずの宝石の原石なので、これから彫刻されること全てを受け入れていき、また彼に向けられたものに傾きます。善行に慣れさせられ、それを教えられれば、そのように育ちます。そして両親と、子供に付いている先生や世話人は現世でも来世でも幸せになるでしょう。しかし子供がもし悪行に慣れさせられ、家畜のように無視されたなら、不幸になり、滅びてしまいます。その責任は子供の保護者にあります。アッラーの使徒(平安と祝福がありますように)は言われています:《子供は皆フィトラ(天性)をもって生まれてきます。両親が子供をユダヤ教徒や拝火教徒やキリスト教徒にしてしまうのです。》」

2.教育責任
アッラーの使徒(平安と祝福がありますように)は、両親に子供の教育に対する全ての責任を負わせられました。イブン・ウマル(アッラーのご満悦がありますように)によると、預言者は、《あなたたちは皆ラーイー(羊飼い・保護者)です。皆それぞれが持つライーヤ(羊の群れ・被責任者)に責任を持ちます。イマームはラーイーであり、彼は自分のライーヤに責任を持ちます。男は家族のラーイーであり、自分のライーヤに責任を持ちます。女は夫の家のラーイヤであり、自分のライーヤに責任を持ちます。召使いは主人の財産のラーイーであり、自分のライーヤに責任を持ちます。つまりあなたたちは皆ラーイーであり、自分のライーヤの責任を持つのです。》(アル=ブハーリー、ムスリム)と言われました。

アッラーは両親に子供を教育するよう命じ給い、責任を負わせ給いました:「あなたがた信仰する者よ、人間と石を燃料とする火獄からあなたがた自身とあなたがたの家族を守れ。そこには厳格で痛烈な天使たちが(任命されて)いて、かれらはアッラーの命じられたことに違犯せず、言い付けられたことを実行する。」(66/6)
アリー(アッラーのご満悦がありますように)によると、「人間と石を燃料とする火獄からあなたがた自身とあなたがたの家族を守れ」は、あなたがた自身とあなたがたの家族に善いことを教えなさい、と言う意味だと言いました。

またアル=ファハル・アッ=ラーズィーは自身の注釈書内で「あなたがた自身を守れ」は、アッラーがあなたがたに禁止されたことを避けることだ、と言いました。

またムカーティルは、「ムスリムは自分自身と家族をしつけ、彼らに善行を勧め、悪を禁じなければならない」と言いました。

注釈書「アル=カッシャーフ」によると、「あなたがたを守れ(ること)」は、悪行の放棄と服従行為の完遂で得られ、またあなたがた自身を責める事柄であなたがたの家族を責めることで彼らを守りなさい、という意味になります。

子供を正し、常に彼らの間違いを修正させ、善行に慣れさせるためには大きな努力が必要です。これは諸預言者と諸使徒の道なのです。ヌーフはかつて息子を信仰へ誘いましたし、イブラーヒームは息子たちにアッラーお一人のみを崇めることを言い残しています。

そのためアル=イマーム・アル=ガザーリーは自身の書簡「息子よ」の中で、作物がきちんと育つためにとげを除き、雑草を抜くことで成長が完遂されることは、教育の意味に似ているとしました。

イブン・カイイムは言っています:「ある学者が言いました:至高なるアッラーは審判の日に父親について息子に尋ねる前に、まず父親に息子について尋ね給います。実に父親が息子に対して権利を有するように、息子にも父親に対して権利を有しているのです。「われは人間に、両親に対して親切にするよう命じた。」(29/8)、「人間と石を燃料とする火獄からあなたがた自身とあなたがたの家族を守れ」(66/6)と至高なるアッラーは仰っています。アリー・イブン・アビーターリブは、「彼らを教え、しつけることだ」と言っています。またアッラーは「アッラーに仕えなさい。何ものをもかれに併置してはならない。父母に懇切を尽くし、また近親や孤児、貧者や血縁のある隣人に親切であれ。」(4/36)とも
仰っています。また預言者(平安と祝福がありますように)は、《あなたたちの子供を公平に扱いなさい》と言われています。」

続く

(参考文献:預言者の子供教育法/ムハンマド・スワイド薯)
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