◎ジェイド・タブレット-外典-12-9
◎悟りへの22段のパス⇒タロット・カード-9
◎クンダリーニの筒にして錬金術の炉
この塔はクンダリーニの筒にして錬金術の炉。またこの神の家は世界樹であって、「12吊るされた男」で神を知った後の人間はここでも脚を上に頭を下にする。というのは、世界樹は、根を上にして、枝葉、樹冠を下にする。よって人間から見れば、世界樹なる世界全体は逆転して存在する。同時に二人の人物が塔から落下するのは、悟った人間の視点からは、実は上昇を示す。
また16 塔から19太陽の図柄では、空気中に天の露が降る。これは大吉兆を示す。既に12吊るされた男で、見神、見仏、見性を終え、15悪魔にも出会って無事試練を通過したからには、善の側に不退転となった。生きる姿そのものが、善だけを行い悪を行わない姿(諸悪莫作衆善奉行)となったのだ。
家族の因縁などと言うが、こうなれば九族昇天すということで、生きているだけで家族の悪因縁はどんどん解消されてしまう。これが天の露が降るということ。
二人の人物が塔から(一旦上昇して後)落下しているのと、天から稲妻が下っているのは啐啄同機。覚醒の深まりに向けて、天も動き自分もそれに進む姿である。OSHOバグワンは第四ステップ(逍遥訣)終了後からそうなると説明している。
彼はこれを第五の秘密と呼ぶ。
『そして第五の秘密、秘法のなかの秘法とは、ものごとがひとりでに起こりはじめるということだ。あなたは何もする必要がない。むしろ、あなたが何かをすればそれは邪魔になる。今やあらゆるものがみずからの内なる力によって動いている。タオが、あるいは神があなたに乗り移っている。あなたは乗っ取られている! あなたは完全に消え失せ、今やあなたのなかには神しかいない。神が花として咲き、樹として繁るように、神はあなたのなかで黄金の華となって花を咲かせる。今や神のなすがままであり、あなたの出る幕はない。今やそれは神の意志であり、あなたの意志は仕事を終えてしまった。
最初の二つの段階では強い意志が求められ、次の二つの段階では進んで明け渡すことが求められる。そして四つの境地を体得し終えると、意志は必要でなくなるし、明け渡すことも必要でなくなる。
いいかね、明け渡しはまた意志を落とすためのものでもある。最初の二つの境地では意志の鍛練をしなければならない。次の二つの境地ではその意志を落とさなければならない。それが明け渡しだ。そして明け渡しによって意志が落とされたとき、究極の秘法のなかの秘法とは意志でもないし、明け渡しでもない。やはりここでも意志は男であり、明け渡しは女だ。第四を超えて行くことで、あなたは男と女の両方を超えて行く。意志が去り、明け渡しもまた去ってゆく・・・・もはやあなたはそこにはいない、どこを探しても見つからない。そこには何者でもないもの、〈無〉、涅槃(ニルヴァーナ)がある。』
(黄金の華の秘密/和尚/メルクマールP444-445から引用)
最後に、クンダリーニ上昇の最後は脱身。古事記で言えば、上筒男、中筒男、底筒男の3段のスシュムナー管をクンダリーニが上昇し、最後は頭頂サハスラーラ・チャクラから脱身していく。そのように炉の如き塔から微細身が上昇し発出される。
その様は、ダンテス・ダイジの『ニルヴァーナのプロセスとテクニック』や柳華陽の慧命経に詳しいが、一枚の絵に納めるにはやや無理があるので、大体何枚かに分けて説明されるものである。またパタンジャリのヨーガ・スートラでは、
『3.43「大脱身」とは、粗雑な身体を離れ、想像を超えたところで機能する技法である。大脱身を遂行することで、輝きを覆っていたものは破壊される。』
(現代人のためのヨーガ・スートラ/グレゴール・メーレ/ガイア社Pxivから引用)
これについて、OSHOバグワンは、“The Alpha and the Omega“の講話で、ヨーガ・スートラ3.43について
『メンタル体の外側にある意識状態に触れる力であり、考えられないもの、これを大脱身(MAHAVIDEHA)と呼ぶ。この力を通じて光の覆いは、崩壊する』と訳す。
さらに彼は、
大脱身とは身体を超えた人、身体に閉じ込められていない人のことであり、粗雑なあるいは微細な身体ということでなく、身体が境界がなく無限であることを知った人のこと。この際に、彼は心が目撃者であることを知る。
この無限を「光の覆いは、崩壊する」と表現する。このようにメンタル体が落ちれば、no-mind(ノーマインド)、思考のない状態を実現できる、と説明している。
大脱身から先は、17 星以降のことになる。