◎冥想の深まり
本田親徳の幽斎のやり方七条は、こんな感じ。
1.身体衣服を清潔にしなさい。
2.落ち着いた場所で閑静な家を選びなさい。
3.身体を整えて、瞑目静座しなさい。
4.一切の妄想を除去しなさい。
5.感覚をなくし(蕩尽)、意念を断滅しなさい。
6.心と精神(心神)を清澄にして、感覚(感触)でもって乱れないようにしなさい。
7.ひたすらに(一意に)我が霊魂の天御中主大神の御許(もと)に至ることを黙然しなさい。
1~3は読んで字の如しで、しっかり冥想できる環境で坐りなさいということ。
それからは、だんだん冥想が深まっていき、4の自分勝手な妄想をなくす。
そして5の感覚蕩尽、意念断滅とは、ドン・ファンの言う時間を止めるであって想念停止が意識されている。
6に改めて心と精神を清澄に云々とあるのは、想念停止が起きるほどに修行が進んでも、戻ったり、悪に落ちることがあることを戒めているものと見える。
そして7では、霊魂が天御中主大神のところに到達するビジョンを観想するとあり、これは「無限」に飛び込むカルロス・カスタネダのイメージと重なるものがある。
本田親徳の古神道的窮極も、結局は中心太陽に飛び込むことをほのめかしていると思う。