◎何も変わっていない
(2021-03-21)
オウム真理教事件があってから、世に宗教勧誘と聞けばそれだけで拒否反応を起こされるケースが多くなり、ヨーガ教室や能力開発セミナーなどの形で、カルトの勧誘は地に潜ったと言える。
いまや半島系などの新興カルト信者も、家庭を作り子供を持ち、二代目信者三代目信者ができてきており、時々社会面をにぎわす事件報道として出ることがある。カルトの世襲の時代ということになる。
日本では政教分離。国家神道が国家総動員、治安維持、戦争遂行の重要なエンジンとして機能した時代の教訓から政教分離となったのだが、某政党が公然と政教分離していないのは、これまではアメリカの意向があったのだろう。これからは知らない。
カルトでは、百パーセント終末思想(世の終わり、末法)で人を脅し、十中八九現世利益で人を釣り、その宗教に加入する以外のベストな選択はないのだと思い込ませる。そして、家産を教団に思い切って寄付できた人間が、教団の幹部にのし上がるなどの構図があった。その中で、一旦内部の信者となってしまえば、宗教教義や道徳が必ずしも優先するわけではなく、組織維持と組織締め付けの論理が優先されてしまう。
その典型例がオウム真理教であって、殺人もテロも組織の命令として信者に実行させたようだ。
長年オウム関連本を読んで来て思う謎は、
- なぜ無差別テロを行わなければいけなかったかという理由が未だに明らかになっていない。教団自らハルマゲドンを起こすなどというマンガチックな説明がなされているが、組織も人もそんな動機では無差別テロを起こさない。
- 覚醒剤工場を作ったり、自動小銃工場を作った目的が不明である。それはまず宗教的動機ではない。そしてそれらはすべて信者が作ったことになっているが、資材・原料調達にしても、工程管理にしても、設計にしても「新入社員」が何百人集まっても短期間にできるものではない。別にプロの顧問団がいて、彼らが高学歴信者を隠れ蓑にしていた可能性があるのではないか。
- 信者にLSD入りドリンクなどをふんだんに提供しているが、材料、製造管理、保管、用法用量など、これまた実際の利用の側面では、「新入社員」では手に負えないのではないか。アドバイザリーがあったのではないか。
- チベット密教教義では、一般に初歩の生起次第は明らかであるが、ハイレベルな究竟次第は公開されていない。それにしても、真に覚醒を求める教義であれば、魔境を避ける教義になるのではないか。
- オウム真理教事件は、教祖周辺の13人が死刑執行され、後継団体も監視継続で一応の決着は見たことになっている。だが当時から政治家やマスコミ関係者、他の宗教関係者、反社などの関与が噂されてはいたが、表面化していない。
他にも謎はいろいろあると思うが、大まかに言って、終末思想と現世利益で一旦人を信者にしてしまえば、思想規制と行動規制と組織の論理で信者を奴隷となし、政治家やマスコミ関係者を取り込めば、同様の事件は起こせるのだろう。
当時に比し、世界の事態は更に深刻となり、クロスボーダ-勢力が真剣に世界の終末実現を企図していたり、スマホでもって万人の金と思想と行動を監視し操作しようとしていたりする。
今般のLineデータが中国韓国に流れていたなどは、如何に政治家を含め日本人が日本に敵意を持つ国家や、他人を悪意を持って利用しようとするグループに対し、脳天気かという証左であり、オウム真理教事件がまた起こる素地が変わっていないということである。
なお、このブログは何年も多くの宗派の本を漁っているので、オウム系の読書録も少々ある。
真相不明のままのオウム真理教事件(麻原の最終解脱の真偽など)
オウム真理教特番〔オウム20年目の真実~暴走の原点と幻の核武装計画〕(松明に火がついたけれど何も変わっちゃいない)
私にとってオウムとは何だったのか(組織宗教の悪しき面の露見)
オウム真理教 無罪主張と死刑(アンチ・テーゼは呈示されたが)
日々冥想を。