◎その体験を見ている自分
本山博の最初の神様とのコンタクトは、20歳くらいの時。
本山博は、戦時中、鉄道の大きなレールみたいなものの先を尖らせて、それを吊るして、10人くらいで山の岩を掘ってトンネルを掘る作業をしていた。
そうした合間に、彼が一週間ほど前に亡くなった義弟が成仏するように壕のトンネルの中で一生懸命お祈りをしていたら、急に回りが光ったというか彼の身体も多分光った。その時に本当に神様とつながりができた。これが最初の神様とのコンタクト。
2回目は、最初の体験から7年くらい経って、二十四、五歳の時で、ヨーガを初めて1~2年経った時。この時に神様はこういう方で、自分の役目はこうで、自分はどういうところに神様によって上げられたかということが自覚できたそうだ。
(出所:神秘体験の種々相2/本山博/宗教心理出版P144-145)
霊がかり気味だし、体験とは言えない体験とまでは言えないかも知れないが、神様とのコンタクトは起きることは起きたのだろう。
ただそれをきちんと自覚して、評価するまでは、何年もかかることがある。評価するためには、「見ている自分」を冥想によって養っていくということが必要なのだろうと思った。
こういう話を率直にできる本山博氏は極めてフランクな人である。フランクなのは覚者の特徴ではある。