アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

宇宙飛行士と老化、放射線障害-2

2023-02-18 06:46:21 | ハタ・ヨーガ(冥想法3)neo

◎まずはできることから

(2011-06-17)

 

「宇宙飛行士は早く老ける?/ジョーン・ヴァーニカス/朝日新聞社」では、宇宙飛行士のリハビリについて、運動による筋力回復と食事を中心に述べている。ホルモン療法、薬物、サプリメントも若干は書かれてあるが、メインの位置づけではない。基本は食事と運動である。

 

以下同上書から抜粋。

 

Ⅰ.食事

1.食事によるカルシウム補給。ほうれんそう、キャベツなどの緑黄色野菜、牛乳、チーズ、卵。食べ過ぎないようにし、カルシウム摂取量を上げるために日常は活動的にする。

2.腸でのカルシウム吸収を促すビタミンDを増やすために日光浴をする。食事なら野菜、レバー、卵。

3.骨を構成するたんぱく質を作るのに必要なビタミンKの摂取。かんきつ類、パパイヤ、いちご、トマト、じゃがいも、レタス、ブロッコリー、ほうれんそうなどの緑黄色野菜。

4.関節の主成分のコラーゲンを作るビタミンC。ビタミンCは、身体が酸化することも防ぐ作用がある。

5.骨を作るのに必要なもう一つの要素のリン。ヨーグルト、卵、チーズ、ナッツ等に含まれており、通常は不足になることはない。

 

Ⅱ.運動

1.有酸素運動(汗をかくほどの運動量)。代謝率を高める。

2.無酸素運動。炭水化物のエネルギーへの変換。

3.運動前のストレッチ

4.筋力強化のウェイトトレーニング

5.良い姿勢の維持(背筋、腹筋、首回りの筋肉の強化)

6.ピラティス・エクササイズ(腹横筋を鍛える運動)

 

ざっとこのようなものが挙がっている。運動の方は肉体系のものだけなので、エーテル体系の気功・導引などがあるとベターであり、放射線障害を意識するならば、放射性物質の排出を促進する手段が更にあるといいと思う。

 

いずれにせよ放射線障害対策は、日本全体の英知を結集して対策を立てる話だが、まずはできることから。そして冥想ですら十分な時間を充てられないのに、運動に十分な時間を充てられるかという問題がある。平常から相当意識していないと継続的に実行できないという点では冥想も同じではある。食材の汚染の問題も避けては通れない。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

宇宙飛行士と老化、放射線障害-1

2023-02-18 06:42:57 | ハタ・ヨーガ(冥想法3)neo

◎浦島太郎の玉手箱

(2011-06-16)

 

今を時めく放射線障害に宇宙船内の飛行士はいつも晒されており、かつ無重力という特殊な環境で、宇宙飛行士の老化の進行は早い。

 

さて、体内で、フリーラジカルとは、余分な電子をもっているために、他の分子から電子を奪い取る力が高まっている原子や分子のこと。これは、イオンよりも活性度が高く、分子を引き離したりして、生細胞を完全に破壊してしまうことがある。

 

フリーラジカルは、酵素を使ってブドウ糖からエネルギーを作り出すときに細胞の中に出現する。このフリーラジカルが、他の分子から電子を奪うのが酸化で、酸化の連鎖は、細胞の膜を傷つけたり、DNAを損傷させたりする。

 

身体内の酸化が進むのは、老化であって、より損傷した細胞が増えた状態である。

放射線にさらされると体内の酸化が進むので、東日本の人々は老若男女を問わず、平常時より老化が進む環境に晒されているということになる。放射線障害では、放射線により、DNAが損傷し、体内の酸化が進行して、居住地域による程度の差はあれ、より老化が進みやすい状態となる。

 

若くして老化が進む典型例として宇宙飛行士の宇宙滞在がある。

宇宙飛行から帰還した宇宙飛行士は、次のような状態になることが知られている。

 

1.骨からカルシウムが溶け出して骨量が減少する(骨粗しょう症)。

2.赤血球の数が減って貧血状態

3.背骨を支える筋肉と下肢の筋肉が衰える(筋肉が落ちる)

4.腸の働きが悪くなり小腸からのカルシウムの吸収効率が低下

5.免疫系の働きが悪くなり、体調が不安定。

6.暑さ寒さをとても敏感に感じるようになり、眠りが浅くなる。

7.視力が低下してものがぼんやり見える。

これらの症状は、全体として見れば急激な老化であって、浦島太郎の玉手箱状態である。宇宙飛行士の体調不良は宇宙酔いだけでなく、もっと深刻だ。

(参考:宇宙飛行士は早く老ける?/ジョーン・ヴァーニカス/朝日新聞社)

 

そこで、我々の放射性障害に対する対策は、宇宙飛行士がとっている体調回復策を参考にすることができるのではないかと考えた。(対策篇に続く)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

88歳の佐保田鶴治

2023-02-18 06:39:26 | ハタ・ヨーガ(冥想法3)neo

◎健康第一

(2011-01-17)

 

佐保田鶴治は、ハタ・ヨーガの第一人者であったが、先年騒がれた某教団の研究テキストの主たる部分は、佐保田鶴治の紹介したシヴァ・サンヒターであったのではないかと思う。佐保田鶴治がシヴァ・サンヒターをもたらした意義は大きかったように思う。

 

佐保田鶴治は、以下に自分の解脱観を紹介しているが、これを見ると、彼はクンダリーニ・ヨーギではなく、ハタ・ヨーギであったことがよくわかる。健康第一で、人間としての現実感が揺らいでいないようにみえるのだ。

 

『落ち着いた、静かな、そしてあったかい、そういうものが人間の中でどんどん成長してゆき、その反対のものが押さえられてきて、自分のエゴというものがそれほど力を持たなくなると、やがてその果ては、無限の世界、自由な世界となってゆくんです。

これが解脱だなあ、とおもうんです。

だから私は解脱には行っていませんけれど、解脱の方向に行ってるということは感じているんです。』

(八十八歳を生きる/佐保田鶴治/人文書院P104-105から引用)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハタ・ヨーガからクリヤ・ヨーガへ

2022-11-15 10:37:17 | ハタ・ヨーガ(冥想法3)neo

◎カイバリヤから世界平和へ

 

今ネットでヨーガと言えば、ハタ・ヨーガのこと。ハタ・ヨーガをやると身体快調で、健康回復、老化防止、気力回復にも役立つなどいいことづくめだと宣伝するものだ。

※クリヤ・ヨーガとはクンダリーニ・ヨーガのこと。

 

だが、パタンジャリのヨーガ・スートラを見ると、ハタ・ヨーガの位置づけとは、身体の快適さ、健康増進ではなく、人間のあらゆる苦悩からの解脱、カイバリヤである。

 

パラマンサ・ヨガナンダの説明では、まずハタ・ヨーガとプラーナを用いた呼吸のコントロール、オームを学ぶ。

 

その後サンヤマ(ヨーガの8行法中の、総持(ダーラナ)、定(ジャーナ)、三昧(サマディー)を同時に行うのをサンヤマ(samyama)という)を行い、最後は、独存(カイバリヤ)と呼ばれる神人合一を目的とする。

 

ただしサンヤマと言っても、有相三昧、無相三昧は、それ自体神人合一だから、サンヤマを経てから独存なのかと見るとわかりにくい。

 

パタンジャリのヨーガ・スートラでは、超能力の説明が沢山書いてあるが、超能力をバンバン使いなさいと言っているわけではなく、超能力を濫用するようでは、先のレベルには行かないので、用いてはいけないと注意のために置いてある。

 

ハタ・ヨーガで得られる健康も、それが単に快適な生活を暮らすことに留まるならば、本当の愛にも真理にも智慧にも出会うことはない。

 

今ウクライナで戦争が始まっているが、ハタ・ヨーガからクリヤ・ヨーガに進んでカイバリヤを実現する人が増えなければ、世界平和はないだろうということはある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

自分だけのためのハタ・ヨーガやボディ・セラピー

2022-11-15 10:21:17 | ハタ・ヨーガ(冥想法3)neo

◎流行の癒しの構造

 

ケン・ウィルバーは、人間は、1身体⇒2心⇒3魂⇒4霊(スピリット)と進化する、とする。個は3魂まで、世界全体のアートマンは、4霊(スピリット)。

勿論、出来上がりは、二重のリアリティたる4霊(スピリット)。

 

SNSを見るとハタ・ヨーガやボディ・セラピー(武道、気功、ロルフィングなど)をやる人が非常に多い。人間は、幼児期には、1身体が意識そのものである時期にある。2心は2歳頃から出現しはじめどんどん発達していき、思春期になる頃には、自分の生き生きとした生命の躍動や感情の豊かさを失い、1身体と2心の分離に苦しむことになる。

 

青年になってハタ・ヨーガやボディ・セラピーを行うことで、

失われた1身体と再接触する。充分に1身体と再接触すれば、2心⇒3魂⇒4霊(スピリット)の順路で進み自分を超越することができる。

 

ところが漫然とただハタ・ヨーガやボディ・セラピーを行っている場合、失われた1身体と再接触して、抑圧され疎外され忘れられた幼児期の幸福な感じを得られはする(それも癒し)が、それだけでは自分が強固になるだけであり、4霊(スピリット)に届かず、結局「退行」となる。「退行」にいるままでは、自分を超えられず、真の世界平和はない。

 

2心⇒3魂⇒4霊(スピリット)の順路では、234の高次のレベルは、常に1肉体を包含し、抑圧せず包容する。

 

自分が世界全体、宇宙全体にならねば真の世界平和はないが、

自分が世界全体、宇宙全体になるというのは、社会では絵空事と思われている。だが、そこをしらふで取り組んで行かねば、世界は何も変わらない。

 

(参照:ワン・テイスト(下)/ケン・ウィルバー/コスモス・ライブラリーP58-67)

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

背骨をまっすぐにする技術

2022-11-15 10:18:19 | ハタ・ヨーガ(冥想法3)neo

◎日課への組み込みと継続

 

精神状態が坐相、つまり坐った姿勢を決めるという側面はあるが、冥想時に背骨をまっすぐに立てるのは基本中の基本である。

 

クンダリーニ・ヨーギ本山博が、背骨をまっすぐに矯正する体操を説いている。たとえば、一日中マウスを握る仕事だと、右肩が下がりがちなものだ。

 

彼の背骨矯正体操は以下4種

1.飛び出した背骨をもとに戻す。

(1)手足を伸ばしてうつぶせに寝る。

(2)両足首をつかみ、身体を反らして2、3秒止める。

(3)元に戻す。

 

2.引っ込んだ背骨をもとに戻す。

(1)手足を伸ばしてあおむけに寝る。

(2)手を使わないで、腹筋だけで上体を起こす

(3)そのまま上半身を前に倒し、額を膝につけ、2,3秒止める。

(4)元のあおむけに戻る

 

3.背骨の左右のズレを直す。

(1)片足は伸ばし、もう一方の足を尾てい骨の下にかかとを敷くように折って坐る。

(2)右足を折っている場合は、右手、左足を折っている場合は、左手を、伸ばした方の足の膝の外側に当てる。

(3)反対の手は、背中に回す。

(4)右足を折っている場合は、左側にはずみをつけて、上体をねじり2、3秒止める。 

左足を折っている場合は、右側にはずみをつけて、上体をねじり2、3秒止める。

(左右同じ回数やる)

 

上記1から3の体操を日に数回、2、3か月継続することで、背骨が矯正されるという。

(出典:自分でできる超能力ヨガ/本山博/宗教心理出版P68~73)

 

あおむけ・エビぞりと上体ねじりは中高年でもできるが、額に膝が付くのは少々時間がかかるかもしれない。中高年にあっては、筋力の衰えを自覚するものだから、筋肉増強系を第一に考えがちなものだが、冥想にあっては内分泌系の活性化が一番なので、こうした柔軟系の体操を根気よく続けることが必要。

 

老境の禅者が、臨終近くになって、骨折?しても無理やり足を折って坐るようなシーンを時々読むことがあるが、そうならないように冥想修行者ならあたりまえの身体の柔軟性メンテナンスは、老境であるからこそ必要だと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ハタ・ヨーガの特徴

2022-11-09 11:49:42 | ハタ・ヨーガ(冥想法3)neo

◎浄化の日課

 

寒の入りの頃は、体調を崩しやすく、心なしか法事の類も多いように思う。体調を整えるために飲食を節制するのは、気の利いた人ならやっているが、聖者、覚者、修行者、錬金術者も、それぞれの細かな飲食のルール、生活のルールを守ってやっているものだ。

 

食物により体内に発生するガスを抜くのは、その代表的なもので、加えて発汗、血行促進、柔軟体操、神経系を長期的に刺激する気功系の導引などの運動、若干の呼吸法などを組み合わせて採用しているものである。飲酒も喫煙もしない、菜食オンリーという場合もままある。

 

そこで、今更ながらハタ・ヨーガの定義。

 

『ハタ・ヨーガ

 

ウパニシャッド時代を過ぎると、肉体は、苦痛の源泉ではなくて、「死を征服する」ための有力な道具とみなされ、肉体を可能な限り持続することが求められた。肉体を神的な肉体に変成することをめざして、12世紀ころにカーンパタ派のヨーガ行者ゴーラクナートGorakhnathによって始められたのがハタ・ヨーガである。

 

それは単なる競技や衛生のための体操ではなく、タントラ教の教義によると、hathaとは、「暴力」「激烈な努力」の意であり、haは太陽、thaは月であって、太陽と月の結合によってヨーガを形成するものである。

 

その実践は「浄化」を目的とし、Dhauti、Basti、Neti、Nauli、Trataka、Kapala bhati の六部に分けられ、たとえばダーウティは、「内面的洗浄」、歯の洗浄、直腸の洗浄などに分けられて、長い布を嚥下し、しばらく胃の中にとどめておくといった行法を行う。

 

また神経機能を統御する能力を養い、心臓のリズムと呼吸のリズムを自在にすることができる。また不随意筋を随意筋のように働かせ、尿道、直腸による液体の吸収と排泄、精液の射出の停止(これは「左道」のタントラ教の最大の特徴である)を意のままに行う。Eliade,Patanjali and Yoga,pp.185-190 および Yoga, Immortality and Freedom,pp 227,fによる。』

(鍛冶師と錬金術師/エリアーデ/大室幹雄訳/せりか書房p171訳注から引用)

 

精液の射出の停止は、「左道」のタントラ教だけに見られるものではなく、よくある。

 

Dhautiは、内臓、歯、のど、直腸の浄化

Bastiは、腸の下部の浄化

Netiは、鼻孔内の浄化

Nauliは、腹部の収縮

Tratakaは、凝視

Kapala bhatiは、肺の浄化

 

と並べてみると、ホット・ヨーガとかエアロビクスでは、腹部の収縮ってあまりやらないのではないか。

 

でもってハタ・ヨーガでは、腹をつくることに関心がない。腹を造るとは臍下丹田(スワジスターナ・チャクラ)の強化であるが、丹田が出来ている人は腹が出ているものであり、この世をその胆力で渡りやすい(だから良いとか悪いとかの議論はあるが、それは別の視点)。それは、腹の収縮をやるのと関係がないのだろうか。

 

さて、ハタ・ヨーガでは、浄化して、「それ」に至る。一生を賭けた肉体中心の禊(みそ)ぎによって、次の転生でパーフェクトなボディ(肉体)に乗って、冥想修行(クンダリーニ・ヨーガですね)しようというものである。

 

この考え方は、今生で悟らないことを前提にしていること、人生一回きりのチャンスをかなり棒に振っている可能性があること、今の切羽つまった時代に間に合うのかどうか怪しいことなど、いくつかの問題点がある。

 

これらは、ハタ・ヨーガも正統的な求道だからいいじゃないかという正論とは別のところにある議論ではあるが、看過できないポイントであると思う。

 

多忙な現代人は、「迷いのままに悟る」。ならば、そのポスチャー(坐法)は、やはり只管打坐主流となるのではないだろうか。

コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする