アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

ケン・ウィルバーの結跏趺坐

2022-12-07 10:48:10 | 【アートマン】【ザ・ジャンプ・アウト-10】neo

◎空とワン・テイスト

アメリカの見性者ケン・ウィルバーは25年も結跏趺坐でやってきたという。私は半跏がほとんどだったが、結跏趺坐で行ってみようと思い直している。いろいろ聞くとやっぱり半跏ではダメかもしれないと思われるところがある。

ケン・ウィルバーは、ヨーガの死体のポーズ(仰向けになって全身脱力。脚を揃え、腕を開いて横に置く)を始めたなどと書いてもいるので、私がヨーガしていても死体のポーズは省略することが多いので、今度は死体のポーズもやろうと思う。

ケン・ウィルバーは、ワン・テイストとは単純な存在の感覚に近いとする(ワン・テイスト(下)/ケン・ウィルバー/1997年11月/コスモスライブラリーP194)。それからすると、ワン・テイストとは、どうもアートマンのことを指しているように思われる。というのは、ワン・テイストは「神が神を神している」感じではないからである。

さてケン・ウィルバーは、以下の文で、純粋な〈意識〉は、三つの状態(目覚めている状態、夢を見ている状態、眠っている状態)すべてに存在する唯一のものだとするが、これがワン・テイストのことであり、アートマンのことであるように思われる。

『4.適応とは単純に、所与の意識レベルとの、不断の、永続する接触を意味する。私たちの多くは、すでに物質、身体、そして心に適応している(あるいは、進化している)。(だから、あなたは自分が望むときにいつでもそれら三つのすべてと実質的に接触することができるのだ)。
何人かは、超個的レベルの至高体験を得たことがある(心霊、微細、元因、非二元)。しかし実際の実践において、私たちはそうした高次の領域の高原体験に進化することができ、さらに実践を積み重ねると、そうした高原体験は永続する適応になることがある:心霊、微細、元因、非二元の機会との不断の接触――自然神秘主義、神性神秘主義、無形神秘主義、統合的神秘主義との不断の接触――それはすべて、現在の意識にとって物質、身体、心がそうであるように、簡単に接触できるようになる。

同じように、これは三つの状態すべて――目覚めている状態、夢を見ている状態(あるいは、サヴィカルパ・サマーディ)、眠っている状態(あるいは、ニルヴィカルパ・サマーディ)――を貫く不断の意識(サハジャ)によって証明される。

そのとき、「夢を見ない眠りの中に存在しないものはリアルではない」という理由が明らかになる。〈リアル〉は、夢を見ない深い眠りを含めた、三つの状態すべてに存在しなければならない。そして純粋な〈意識〉は、三つの状態すべてに存在する唯一のものである。

この事実はあなたが純粋な、空っぽの、無形の<意識>に休息して、<不動>、<無変化>、<未生>にとどまりながら、すべての<形>である純粋な<空>、輝く<すべて>である<ワン・テイスト>の中に解放され、三つの状態すべてが生起し、とどまり、過ぎ去っていくことを「見守る」ときに完全に明らかになる。』
(ワン・テイスト(下)/ケン・ウィルバー/1997年11月/コスモスライブラリーP217-218から引用)

この純粋な意識とは、絶対と相対を見守る時に知る意識ということになる。そして、すべての形である純粋な空とは、色即是空の空のことであり、色つまり現象の生起が意識されているので第六身体=アートマンのことを言っている。アートマンは不変であるが、転々と変化する現象の窮極と呼ぶべきものは、アートマンであるとする。

また輝くすべてであるワン・テイストとは、宇宙意識であり、神のことである。この「輝く」という表現が、パッと入るところが、それを見た者である証拠のひとつになると思う。

これらのことを前提に、彼は、ワン・テイストとは窮極のスピリットだと言い、ワン・テイストは時間の中には全くないと言う。そして相対の世界では、アートマン(第六身体、プラトンのイデア界)がリアル(永久普遍の実在)であり、絶対の世界(第七身体、神、仏、タオ)では、アートマンも非アートマンもリアルではないのである。

また、世に言う宇宙意識の体験というものは、彼にいわせれば、ほとんどが、空の一瞥でもワン・テイストの一瞥でもない、単なる神秘感覚的な体験に止まっている。

ケン・ウィルバーは、窮極の悟り(宇宙意識の一瞥)に至るには、禅では平均6年の集中的な瞑想セッションの期間が必要であると述べており、これは、いきなり気持よい体験があってそれを宇宙意識体験と呼ぶのはおこがましいと警告しているのだと思う。ただし前世での修行の成果というもう一つのファクターというものがあるようで、年少の頃から精神の暗夜から宇宙意識に飛び込んでいける人がいることも事実である。

コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 原初の光を見る | トップ | ケン・ウィルバーの意識状態 »

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

【アートマン】【ザ・ジャンプ・アウト-10】neo」カテゴリの最新記事