アヴァターラ・神のまにまに

精神世界の研究試論です。テーマは、瞑想、冥想、人間の進化、七つの身体。このブログは、いかなる団体とも関係ありません。

失われた占星術の技法-4

2022-11-18 21:23:49 | 占星術  (冥想法6)neo
◎あるべき占星術の姿

これまでの失われた占星術の技法を見ると、天文学の発達や天体望遠鏡の機能向上とは裏腹に古来のテクニックを喪失し、片輪走行みたいになっている占星術の現代の姿がイメージできる。
いまや占星術は、現実の天球図とは異なる仮想の出生天球図でイメージされた人物像でもって占断を下すという、高度にインスピレーションを要する技になっているようだ。

ストーンヘンジやピラミッドが占星術のステーションだったという気は毛頭ないが、もともとあった占星術の姿はこのようなものだったと思う。

1.毎日肉眼や機器で惑星および主要な恒星の位置を観測、確認する。
2.恒星の位置に合わせた、黄道星座つまりサイデリアル黄道帯を使用する。
3.公的生活、外的生活は上半球(7~12室)、内面活動は、下半球(1~6室)だが、内面活動の見方については、冥想修行の可能性を見ることをメインとしてホロスコープを用いる。
4.惑星の動きだけでなく、一等星など恒星の影響についても解釈を加える。
5.占星術師は少なくとも悟っていること。占者が、何が善で何が悪かわからなければ、占断以前ではある。

こうしたものであれば、占者の高度なインスピレーションでもってホロスコープのずれを補正するみたいな負担は最小限にできるのではないか。

そうは言っても、ホロスコープでのんびり「その人にあった生き方、ライフスタイル」なんかをアドバイスすることで何とかなる時代は終わった。いまやその人が正しく生きているかどうかそのものが問われている時代となってしまった。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

イザヤの召命

2022-11-18 21:21:40 | キリスト者の秘蹟neo
◎木の切り株だけ残っても

イザヤ書の第六章は、イザヤが神に召命されて、神のために働くことになった段。
神が誰か地上に行ってくれるかという問いを発し、これに対してイザヤが「私が行きます」と応じたところ、神から指示が出た。

その指示の内容は、「民を悟らせないで鈍いままで、愚民化しなさい。」というもの。
イザヤが、妙なことを言うものだと怪訝に思って、神に対して、いつまでですかと問うと、
国の荒れ果て、国民の9割がいなくなっても更に残った1割をも焼き滅ぼす(つまり全滅させてしまう)まで、と神は答えた。

神はすべての人々が亡くなって、木が切られて残った切り株のような状態から、聖なる種族を創造すると説明している、と読める。

イザヤ書は、ユダヤ教の聖典の一つでもある。このように、一旦人類を皆殺しして、あの世から人類復興、人間の再構築を図る考えが古来よりあるのは、日常生活を営む我々にとっては恐ろしい発想である。神から見れば当然の発想かもしれないが、人間に対する愛、悟ってないその他大勢への憐憫はないのだろうか。

『主は言われた、「あなたは行って、この民にこう言いなさい、
『あなたがたはくりかえし聞くがよい、
しかし悟ってはならない。
あなたがたはくりかえし見るがよい、
しかしわかってはならない』と。

あなたはこの民の心を鈍くし、
その耳を聞えにくくし、その目を閉ざしなさい。
これは彼らがその目で見、その耳で聞き、
その心で悟り、
悔い改めていやされることのないためである」。

そこで、わたしは言った、「主よ、いつまでですか」。
主は言われた、
「町々は荒れすたれて、住む者もなく、
家には人かげもなく、国は全く荒れ地となり、

人々は主によって遠くへ移され、
荒れはてた所が国の中に多くなる時まで、
こうなっている。

その中に十分の一の残る者があっても、
これもまた焼き滅ぼされる。
テレビンの木またはかしの木が切り倒されるとき、
その切り株が残るように」。
聖なる種族はその切り株である。』
(イザヤ書第六章から)
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

失われた占星術の技法-3

2022-11-18 21:20:11 | 占星術  (冥想法6)neo
◎360度のシンボル

360度それぞれの度数に意味があるというのは面白いが、それについてはサビアンが有名になりすぎたが、サビアンのような心霊的なものが唯一ではない。サビアンも審神しなくては真偽の程は知れないのである。

さて各度数のシンボルはいくつかあって、テーバイの暦、16世紀の占星術師アンゲラスのアンゲラス度、スコットランドのウェームズの度のシンボルなど様々なものが古来よりあった由。

『度のシンボル{Degree Symbol}
獣帯の度による区分。度のシンボルの体系では、獣帯の各々の度には特別な意味があると想定される。その意味は割り当てられたシンボルによって表わされる。

そのような体系は数多くあるが、おそらくテーバイの暦、あるいは16世紀の占星術師ヨハネス・アンゲラスによって記されたいわゆるアンゲラス度のような、恒星の解釈にもとづいている。

ヘレニズムの占星術は、獣帯のそれぞれの度が特定の惑星に割当てられる体系モノモイラを使用した。スコットランドの占星術師ウェームズは、仮想惑星の意味も含め、度のシンボル体系を構築した。

度のシンボルの体系は、ほかに心霊的な方法により考案されたものもある。マーク・エドマンド・ジョーンズにより最初に「サビアン・シンボルズ」(Sabian Symbols) として出出版され、後にディーン・ルディアの有名な著作『占星術のマンダラ』(<An Astrological Mandara) で再解釈されたサビアン・シンボルは、今日ではもっともポピュラーな度のシンボル体系である。』
((図説 星の象徴事典/キム・ファーネル編著/東洋書林P170から引用))

もともと占星術には重要な意味を持つ特定の度が存在していた。
例えばサーペンティスと言われるさそり座の19度は、その一つで悲劇と不幸を意味する呪われた度である。太陽がここに来るのは毎年11月11日頃で、時々何か起こると騒がれることがある。

またチャートの支配性または月がその度にあると弱体化する位置がある。これはアジメーン(azimene)とよばれ、牡羊座の0度、牡羊座の6度から10度、双子座の0度、蟹座の9度から15度、獅子座の18、27、28度、乙女座の0度、天秤座の0度、さそり座の19、28度、射手座の1,7,8,18,19度、山羊座の2度から29度、みずがめ座の18,19度、うお座0度である。

また殺人星アナレタは各星座の29度。

更にクリティカル・ディグリーと呼ばれる28宿の宿曜のカスプ。これは、今では用途は不明となったが、非常に重要なものとされていた。

このようにサビアンに依らなくとも、古典占星術にも度数の意味を充てるネタは存在しており、おまけにこれら古典系の解釈が現代ではほとんど用いられないのも、失われた技法であると考えられる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

失われた占星術の技法-2

2022-11-18 21:18:42 | 占星術  (冥想法6)neo
◎黄道12星座の区分法

西洋占星術には、実際の恒星・星座の位置を基準に黄道12星座を区分するものがある。これにおいては、歳差の2万5千8百年たっても星座の区分は不変であり、各恒星からの影響をきちんと反映できる。これは、西洋では、サイデリアル占星術(sidereal)と呼ばれ、世間ではマイナーなものである。

これに対して、毎度毎年移動する天球上の春分点を牡羊座の0度の基準にして黄道12星座(獣帯)を区分するやりかたがある。天球上の春分点は72年に1度ずつ移動して行き、25800年で1周する。この移動春分点を用いるのはトロピカル占星術と呼ばれ、今や西洋占星術、ホロスコープと言えば、トロピカル占星術のことである。

ところが、歳差運動の影響で、サイデリアル占星術の12星座とトロピカル占星術の12星座は既に23度ほどずれている。23度×72年=1656年だから、西洋では4世紀頃この手法の分離が起こったことになる。

サイデアリアル占星術は、より精確であって東洋で主に用いられるというものの、インド占星術は別として、四柱推命や紫薇斗数では確かに固定した星座を使うので、この点はトロピカル占星術にまさる。ところが用いる惑星は、紫薇斗数の太陰みたいに実在しない惑星を用いたり、惑星の運行は端数切捨てでひどく大ざっぱで、何百年も使うことでその惑星運行そのものの信憑性が疑われるような代物といえないことはない。

一方トロピカル占星術の方は23度もずれてしまっては、諸恒星の影響を正確に反映しているとは言い難い。惑星はふたご座にあると言っても実際その惑星はおうし座にあるということが、平気で起きているのだ。

ルネッサンス以前の天体望遠鏡がちゃんとしていなかった時代の占星術師たちは、毎夜肉眼で惑星のみならず、恒星の位置も見ていた。トロピカルでは、恒星と惑星の会合は無視してかかっているが、ルネッサンス以前は、それをきちんと評価していた。これも失われた占星術の技法のひとつと言えよう。

コンピューター計算で恒星、惑星の位置を見ることですら、実際と計算のずれはあるものだろうから、本来は、自分の目で夜空を見るのが基本動作であるはずだと思う。

サビアンと言って、360度の一度一度に意味を振ったものがあるが、その意味は1925年に透視によって得られた由。その透視の正統性はさておくとしても、その意味ですら歳差によって72年以上経過したのであるから、既に1度ずれになっているのだろうと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

失われた占星術の技法-1

2022-11-18 21:17:46 | 占星術  (冥想法6)neo
◎アナレタ(殺人星) Anaretaなど

占星術でもって真剣に自分の運命を問うならば、まず寿命を知りたいと思うものだ。次に今生で永遠の命に出会えるかどうか、つまり悟りを開けるかどうか。この2点について最近の占星術は古いノウハウを喪失したためか、世相がそうなってしまったためか関心が薄い。世相とは闇を徹底して避けるアポロン型文明の特徴のことである。

そうしたポイントについて、昔はしっかりと対処していただろうと思われる形跡がある。それが最近の占星術では使われなくなったノウハウ群である。

たとえば寿命関連。
『アナレタ(殺人星) Anareta
死を意味する惑星。ギリシア語の「破壊者」に由来し、出生図でどのような死を迎えるかを示す。
肉体的な死に関わり、チャート上にはひとつしかない。
さまざまな計算方法があるが、ふつうは出生図でもディレクションでも、ヒュレグと不利なアスペクトをなす惑星である。
サインの29度がアナレタの度といわれている。』
(図説 星の象徴事典/キム・ファーネル編著/東洋書林P013から引用)

『ヒュレグ(寿命星)Hyleg
寿命を決定するのにもちいられた。「命を与える者」という意味で、寿命に影響する位置にある惑星のことをいう。五つの伝統的なヒュレグは、太陽、月、アセンダント、中天、そして幸運の座である。

もちいるべきヒュレグは品位の高さによって選ばれる。誕生直前の新月あるいは満月をもちいる占星術師もいる。昼の出生には太陽が、そして夜の出生には月がもっともふつうにもちいられる』
(上掲書P193から引用)

『アルココーデンAlcocoden/Alchochoden
寿命を決める惑星。「年を与える者」という意味で、人の寿命を表わす。中世の占星術で広くもちいられた。ふつうヒュレグ(寿命を決める位置、あるいはその位置にある惑星)の度のアルムーテン(感化力の一番強い惑星) である。現代の占星術では死亡日を予言することはあまりないので、使われることはまれである。』
(上掲書P19から引用)

これらあのノウハウが使われなくなったのは、ひとつには最近の占星術者の技量が落ちたということではなく、人間の進化の結果、ホロスコープに問うまでもなく、自分の運命も、自分の限界も、自分のなすべきことも、自分の日々犯している罪深さも、皆内心は知っているということもあるように思う。

天津金木や、筮竹やホロスコープを用いずとも、守護神に問わずとも、前兆は我が七つの身体が承知しているという側面もあるのだと思う。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

シロシベ-2

2022-11-18 20:19:32 | ソーマ・ヨーガ(冥想法5)neo
◎ウッタンカ仙人

シロシベは、精神活性アルカロイドのシロシビンとサイロシンを含有する、80種あると言われる幻覚性きのこの一種であり、世界中どこにでも分布している。

ただし、幻覚性きのこが呪術に結びついたと見られる事例は、南北アメリカにしか見られない。たとえば、紀元前1000年から紀元後300年のグァテマラの遺跡から多数のきのこの石器が発見されていることや、16世紀アステカの愛と春の神ソチピリの彫像の台座にキノコやタバコや朝顔などの精神活性植物のレリーフがある。

その伝統は、マサテコ族のマリア・サビナの他に、ヤキ・インディアンの呪術師ドン・ファン・マットゥス(カルロス・カスタネダのシリーズ小説で知られる)が生き残っていたことで、現代にまでその技術が伝承されていることがわかる。

人類学者のゴードン・ワッソンは、リグ・ヴェーダに出てくる神々の飲み物ソーマは、ベニテングタケであると考えていたが、偏見なく見れば、シロシベではないという証拠もない。ソーマの特徴とされる以下のものは、3.以外はシロシベにも当てはまってしまう。

1.ソーマは山に生えていた。
2.ソーマには、根、葉、花、種がない。だからきのこであろう。
3.ソーマは、生の絞り汁を飲む他に、それを食した人の尿にも幻覚性成分が残留しているので、その尿を摂取することでも幻覚を得られる。

確かにシベリアのベニテングタケの摂取例では、食した者の尿を飲む話は出てくる。ワッソンは、尿摂取の例として、インドラ神が尿の形で、不死の霊水アムリタをウッタンカ仙人に与えようとした逸話をあげているが、インドラ神が、その直前にソーマを食したということではないので、「尿摂取」がベニテングタケがソーマである証拠にはならない。

この逸話は次のような話である。

インド古代の叙事詩マハーバーラタの中で、大聖クリシュナが、彼が高く評価しているウッタンカ仙人が水を欲しいと望んだ時に、インドラ神に彼にアムリタ(飲むと不死になる霊水)を与えるように頼んだ。インドラ神は、死すべき者に対し、アムリタは与えるものではないと反対したが、とうとうクリシュナの要請に応じて、身分の卑しい漁師の姿になって、アムリタを多量の尿として、ウッタンカ仙人に与えようとした。ところがこの尿を、ウッタンカ仙人は、怒って飲まなかった。なおも漁師に繰り返し飲みなさいと勧められたが、結局飲まなかった。

結局ウッタンカ仙人は、アムリタではなく、水をいつでも飲めるようにクリシュナから雲をもらった。

シロシベを食した者の尿から、幻覚成分を摂取することが可能かどうかはわからないが、それはシロシベがソーマでない証拠ではないと思う。

不死の霊薬アムリタは、不死不壊なるものは、第六身体・アートマンレベルにしかないので、そのレベルのことであり、既に個人のことではなく、神々のことと考えられる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

占星術

2022-11-18 06:31:32 | Overview of the meditation 冥想の全体像
【第五章】冥想の種類
◎単体冥想の評価と方法
3. 単体冥想のいろいろ
(6)占星術

占星術には、東洋系と西洋系がある。西洋占星術では実際の惑星を使うが、東洋でも紫薇斗数は12宮と惑星であって元々は実際の惑星を使っていたと思われる形跡をうかがうことができる。だが、最近冥王星が準惑星に格下げされたことで、西洋占星術は、実は科学的ではないことが発覚したと言える。

西洋占星術も、ホロスコープをきっかけに自分の内面をのぞき込むという手法としては、易などと大差はない。だが、パソコンで作った天宮図でもって自分をのぞき込むことと、実際の満天の星でもって自分をのぞき込むことには、大差があるように思う。旅行先の海や山などで満天の星を見て、自分の運命以上のものを直感した経験がある人は少なくないのではないか。

その辺を踏まえて、ダンテス・ダイジは、PCのホロスコープ上の惑星と実際の惑星の位置には誤差があることを指摘している。その意味は、望遠鏡とPCで毎夜精確な惑星の位置を観測せよということではなく、自分に直面せよということなのだと思う。
また彼は、占星術で自分の人生上の傾向を知り事前に対策を打つような「処世術」は勧めていない。自分のカルマを解明し、自分の人生における使命を全うすることが占星術の狙いだとしてはいるが、彼がカルマ・ヨーガを肯定的に語ることは極めて少ないので、これは例外的な見解だと思う。(彼はカルマ・ヨーガは究極に至るまで時間がかかりすぎるので、あまり勧めていない)

ところが人生シーンで、大難を小難にできれば、その後予定されていた別の大難を日々善行を積むことでさらに小難にできる時間が与えられるということはある。人生は一回きりなので、そうした展開は、ある意味で望ましいところはある。勿論それをよしとしない人もいる。

冥想手法には、頓悟、漸悟、あるいは乾いた道、湿った道がある。占星術はどちらかと言えば漸悟タイプの手法であるとは思う。

冥想手法全体を眺めれば、最終的に自分も家族も自分の人間関係も、財産も信用も名誉も、自分の宇宙も、すべてを棄てて、本来の自己である自分自身に向き合って飛び込むことが最終的な運命であると見れば、占星術はとても中間的な技法ではある。

そういう観点からすれば、本来、占星術と「衆善奉行諸悪莫作」(善い事をして悪いことをしない)という行動基準はペアであって、現代のように毎日小悪大悪を平気で、あるいは半ば無意識にやるような人間が占星術を参考に生きるというのは、本来のルートからはずれた行き方だと思う。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする