POWERFUL MOMが行く!
多忙な中でも,美味しい物を食べ歩き,料理を工夫し,旅行を楽しむ私の日常を綴ります。
 




 
ここ数日、東京地方では細かい雨が降り続いていました。私は傘を差すのが苦手です。軽量の折り畳み傘を外出時はいつも持ち歩いているのですが、よほど激しく雨が降らない限り、雨の中を歩く距離が少ないならば、傘を差さずに目的の場所へと小走りで走っていきます。片手がふさがるのが嫌なのです。

 妻「傘持ってているんでしょう。」
 私「うん。」
 「何で濡れるの。」
 「傘を差すのが面倒なんだよ。」
 「濡れるよりマシでしょ。」
 「いや、これくらいの濡れなら差さない方が、、、」
 「・・・」

日本ではこんな私は異端ですが、東南アジアの「スコール」や「シャワー」が降る地域では異端ではありません。スコールは激しい降雨ですが、一過性のもの。短時間で止んでしまいます。この地方の多くの人たちは「傘」を持ち歩きません。激しい降りなので傘が殆ど役に立ちません。激しい雨の中を歩けば傘を差していても、路面で跳ね返った雨水で靴やズボンの裾などの足元はぐっしょりと濡れてしまいます。すぐに止むのですから、雨の中を歩こうとはせず、雨宿りしている方が利口です。だから、傘の出番はありません。この地域では、分単位でパンクチュアル(punctual、几帳面)であることは要求されないですから、雨で多少約束の時間に遅れても誰も咎めはしません。

また、イギリスのように弱い雨がしとしとと長時間降り続く地域では、片手のふさがる傘を差す必要はなく、コート(overcoat)を羽織り帽子を被れば、身体を濡らすことなく歩くことができます。防水コートでは「バーバリー(BURBERRY)」が有名ですね。耐水性に優れたギャバディン(gabardine、防水加工した綿生地)でできていて、トレンチ・コート(塹壕コート、trench coat)と呼ばれ、耐水性に優れていることから第一次世界大戦時に軍服として使われていました。戦場で片手に傘を持っていたのでは戦えませんね。

なんとか傘を差さないことを正当化しようとしているのですが、雨粒が「ビー玉」程度(半径5mm~10mm)あれば、傘を差さないわけにはいきません。雨雲の中では、雲粒(半径が0.01mmが典型)が衝突を繰り返し、巨大化していきます。半径が0.1mmを超すほどになった「巨大雲粒」は、落下し始め、雨粒へと変身です。



媒体中(雨粒ならば空気中)を落下するする物質は、媒体(空気)からの抵抗力が大きくなる姿勢を保って落下して行きます。雨粒も同様で、まんじゅうの底面を下にして落ちていくわけです。雨粒の質量は、半径の3乗に比例し、雨粒の落下速度は、雨粒の半径の平方根(2分の1乗)にほぼ比例します。半径が大きくなればなるほど、運動エネルギーは急速に増すわけです。雨粒が凶器と化します。ビー玉大の大きさの雨が猛スピードで降ってきたら怖いですね。

しかし、雨粒にはスピードリミッター(速度抑制装置)が装備されているのです。最高速度が9m/秒をやや超えるとそれ以上は速くなりません。雨粒の最大速度9m/秒は時速に換算すると、32km/時ほど。自転車でスイスイと走る速さです。それに、雨粒はその半径を3mm以上には滅多になりません。3mmを超えると分裂をしてしまい、数個の小さな雨粒になってしまいます。ごく稀に、途中まで氷だったものが溶けて「巨大雨粒」(球形換算で半径4mmを超える。「まんじゅう」の底面では半径6mmを超える)として落下してくることもあるようですが、それでも10m/秒という速度を超えることはないようです。



速度抑制装置(スピードリミッター)とは、主に自動車の電子制御エンジンの燃料供給を調整して運転最高速度以上に加速できなくする装置をいいます。「道路運送車両法」で、大型トラックには、2003年9月にスピードリミッターの装着が義務付けられました。大型トラックの速度が時速90kmになったとき、この装置が働きます。大型トラックの高速道路での事故の大きな原因の一つに、大幅な速度超過があったことから法的に規制されるようになったようです。

また、自主規制により、国産の普通車は時速180km前後、軽自動車は時速130km前後でスピードリミッターが作動します。さらに、電動アシスト自転車(電池駆動のモーターで人力を補助する自転車)は、時速24km以上ではモーターの補助は得られなくなります。スピードの出し過ぎを防ぐためにそのように設計することが義務付けられています。一種の「速度抑制装置」といえます。

話があちこちにとび、まとまりがなくなったので、平成13年度の気象予報士の試験問題で終わりにします。

直径1mm程度の雨粒の落下速度(終端速度)について述べた次の文章の空欄を埋める数値として正しいものを下記の①~⑤の中から一つ選べ。

空気中を落下する雨粒の落下速度は、雨粒に働く重力(mg )と逆向きに働く抵抗力との釣り合いを表す次式から求められる。


ここで、m は雨粒の質量、r は雨粒の半径、V は落下速度、Cd は空気の抵抗係数、g は重力加速度、ρ は空気の密度である。

この式を使って大きさの異なる雨粒の落下速度を比較すると、雨粒の半径が2倍になったとき、雨粒の落下速度は約(  )倍になる。ただし、空気の密度、重力加速度、空気の抵抗係数は一定とする。

① 0.5  ② 0.7  ③ 1.4  ④ 2  ⑤ 4


では、与えられた(1)式を変形してみましょう。



半径 r を代入することで雨粒の落下速度V を求めようとするわけですから、まず、V を左辺に r を右辺に置く必要があります。それには辺々交換をします。→ (2)式



次に、球形の雨粒の質量m をその半径r の関数にするために「質量=体積×密度」の関係を使います。なお、球の体積は、「身の上に心配ある惨状(み(3)の上にしん(4)ぱい(π )ある(r )さんじょう(3乗))」で求めます。水の密度をρw と置いておきます。



これをm に代入すると次の(3)式になります。



式を整理するのですが、分母が煩わしいので、2と3の最小公倍数6をかけて、はらっておきます。 → (4)式



左辺にV のみを残すため、両辺をV 以外の数と文字で割ります。 → (5)式



整理します。 → (6)式



これをV で解くために、両辺を平方根にします。すべて正の数ですから、負の解にはなりません。 → (7)式
 


半径を2倍にするということは、r に2r を代入するということですから、解答は、2の平方根、1.41421356...(一夜一夜に人見頃)の近似値“1.4”です。

            (この項 健人のパパ)

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