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日々の徒然、主にたべもの。
わたしの居場所~M's Lunch Boxes



ずっとずっと観ようと思っていたものの単館上映の悲しさで
上映スケジュールが合わずにいた「海炭市叙景
これが最後のチャンスかも…と1週間の上映最終日の深谷シネマへ。

加瀬くん出演ということでチェックを入れた作品ではあるけれど
調べていくと原作の佐藤泰志氏も 何度も芥川賞候補になりながら受賞に至らず
41歳の若さで自殺してしまったというプロフィールも 
まだ読んだことない作品もちょっと興味津々。
メインキャスト以外は ほとんど函館のエキストラさんが演じたという市民映画でもあります。

海炭市という架空の街を舞台に描かれる5つのエピソード。
公式サイトには 「どこにでもある出来事」と書かれていますが
わたくしが思うにどれも悲しいエピソードです。

でも ドキュメンタリーのように淡々と描かれていくので
心に波立つこともなく 涙を流すこともなく 観る側も淡々と観ていくような映画でした。

映画のお決まりで ばらばらのエピソードが最後にひとつの線上につながっていくという手法で
最後は観客を納得させるべくまとまりましたが
その割には 最後まで救われない気分のまま終わっちゃいました。
だって 悲しい気持ちまま終わってしまったんだもの。
救われないという点では 好きではないけれど 
映画としては 文学的な香りがして 嫌いではありません。

加瀬くんの演技は 相変わらず含みが多くて見ごたえありました。
それにしても 作業着がよく似合うなぁ。
なぜかどの作品でもよく出てくる「どした?」のセリフ 今回もありました。
今回は 父親が息子に言う「どした?」
この三文字のセリフが 役どころによっていろいろあるんですよ。

さて 今回初めて行った深谷シネマ。
入れ物も申し分なく萌えポイント満載。

酒蔵の跡地を使って作られた映画館で
同じ敷地内には 本物の酒蔵使用のホールもあり 6月にはジャズコンサートもあるらしい。
塗り壁や 木枠のまど、レンガの風情やささくれた外装などが わたくしを誘う。

そして この深谷という街、
ここの駅も 関東の駅100選のひとつで レトロな雰囲気ですが、
町並みも 古い蔵造りや看板建築、昔ながらの商店が並ぶ 静かな町並みが続きます。
商店街には 金物屋さんや鞄屋さん、いわゆる洋装店や毛糸屋さんなど
申し訳ないけど採算とれてるのかな?という感じの小売店が軒を連ねています。

映画が終わって薄暗くなった街で 実は帰り道が解らなくなったわたくし。
(映画館を探すのに ぐるぐる回ってしまったため、現在地が把握できなくなったのと
携帯で写真を取り過ぎて 電池が切れてしまい google mapも使えなくなる)

人に道を聞こうにも、商店街はシャッターが下りていて 人影すらない…。
やっと見つけたウォーキング中のおぢさまに「駅はどっち?」
相変わらずの方向音痴は覚悟していたけれど ちょっと不安になったりして。

それにしても 素敵な映画館に出会えました。
鑑賞料金も1000円均一というのも魅力だし、緩やかな町並みを歩くのも楽しいし、
観そびれてしまった作品が 短期間だけれども上映されるもの嬉しい。

まったく知らない場所だったけれど
思い切って 行ってみてよかった。そしてきっとまた行くと思う。


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