連休ということで 夫が都市対抗野球の応援兼ねて帰宅。
わたくしは特に予定もなかったので お迎えにと称して
青山のファーマーズマーケットに買い物に誘ってみる。
待ち合わせは渋谷駅。
自慢じゃないが 渋谷新宿六本木といった人の多いところは
相変わらず苦手なうえ 待ち合わせ場所も思いつかない。
案の定 ハチ公改札で待ち合わせたけれどすぐには会えなかった(ハチ公改札は枝分かれしている)
マ ソレハサテオイテ
渋谷で待ち合わせのころから 夫が妙に「お上りさん」的になっていたのに気づく。
渋谷の人ごみに反応したり その後 わたくしのお気に入りの表参道~原宿周辺の散歩コース
喜々として画像を撮っている。
以前来たのは何年か前に映画を見に来ただけだものね。
ファーマーズに来たのは初めてなので 「野菜を買う」とだけ言っていたから
朝市のようなものだと思っていて ちょっとしたカルチャーショックを味わっていた模様。
わたくしの好きな 路地裏などをご案内しつつ
そういえば 趣味のすれ違いも多々ある中 これはきっと好きだろう、
わたくしも 取り壊される前に一度外観だけでもカメラに収めたかったので再開発が決まっている
青山北町団地に行ってみる。
青山通りの喧騒から一本の道を折れるだけで
信じられない静かなたたずまいの都営住宅があります。
うっそうとした夏の緑のなか すれ違う人もなく団地へのいざない。
団地というと…
わたくしの育った実家近くは銀行の社宅がいくつも建ち並ぶエリアでした。
勧銀、第一銀行、日銀 北陸銀行…今となっては どの銀行がわからなくなっているものも。
一戸建てに住んでいたので 社宅の集合住宅がなんとなく憧れでした。
今日は勧銀、明日は日銀…というように わたくしたちの遊び場にもなっていました。
青山通りに通じる道の両側に アパートメントが立ち並んでいます。
友達の家に行っても 同じ間取りなのに暮らしぶりがそれぞれ違い
高層から眺める街の風景や 今でいう公団型のダイニングや
ベランダに向いたフローリングのお部屋とか。
ないものねだりなんでしょうけれど。
結婚して二つ目の住まいが 集合住宅でしたが
ごく普通のマンション。
その後もなんどか引っ越しをして 団地タイプの集合住宅にも住みましたが
小学生のころ憧れた 社宅のような雰囲気はすでにありませんでした。
きっとわたくしの中で 集合住宅へのあこがれがなくたっていたのかもしれません。
年月を経て 老朽化した壁。
つぎ足すように増築されていった浴室とその配管が
なんだか工場のような近未来的な気配さえ感じられる。
一方で 上九一色村で見たあの恐ろしい建物をほうふつさせたりもする。
団地への憧れもほとんど忘れていた十数年。
実家へ帰った時に 久しぶりに見た大塚の同潤会アパートメント、
青山の同潤会アパートに 妙に心惹かれて
ネットをたどっていくと 同じ嗜好の人たちがたくさんいたことを知って驚く。
おそらく 消えていくものへの執着か。
定規できちんと書かれた図面のような階段。
もう上り下りする人もほとんどない建物に
きちんと役目を待っている。
植木の伐採のためなのか 物を運ぶためなのか
くたびれたリヤカーがスタンバイ。
狭くて暗い団地入り口。
どの入り口にも 小さなトビラのついたダストシューターが備え付けられている。
今 このシューターのついた団地はここだけらしい。
自然にドライフラワーになっていくアジサイと 夜になっても灯りのつかないであろう窓。
左側の小部屋がシューターからの回収口。上層階から ごみをここに落としていたらしい。
当時としては 階段を下りなくてもゴミが捨てられる画期的なシステムだったに違いない。
(ちなみに写真がうまく撮れていなかったので これは夫撮影のを拝借)
社宅の人たちは 植物をいろいろ植えていたのを思い出す。
自分のベランダの前に見事に花を咲かせたり。
でも社宅だったから いろいろ上下関係やおとなりとの兼ね合いも
一般の集合住宅に比べて たいへんだったのでしょうね。
この 青山北町も 一番草いきれの時期だったのもあるけれど
すでに手入れも滞りがちであろうに うっそうとしている。
そんな中で
立派な畑。
読むところによると 都営住宅なので青山のこの一等地でありながら
収入にもよりけりですが 破格のお家賃。
年金生活の高齢者は 再開発のための立ち退きには 応じたくないでしょう。
食料も自給自足か…と夫。
そして見事なひまわり畑。
さるすべりの花のピンクとのコントラストが美しいです。
過去になる でもまだそこに生きており
吾の影消すほど 息の苦しい昼下がり
(今日のinstankaより)
そこに住んでいた人たちの長い歴史、どんな会話があったんだろう
どんな食卓を囲んでいたのだろう
もちろん 団地でなくてもそれらは存在することなのだけれど
消えゆく建物を見ていると すすけた壁や 不便そうな配管や
重たいドアや…
そんなものをたくさん話しかけてくる。
うわぁぁ
と かなり熱く語り(笑)
ちなみに まだ住まわれている方はいらっしゃるので
楽しむのは あくまで外観だけね。
サテ
水分補給に 通りすがりの「氷」に導かれ「木と水と土と」へ吸い寄せられるように入る。
心は決まっているのだ。桃のかき氷だ。夫はいちごにするという。
まるで子供のように宣言して ドアを開ける。
これまでの古さとは逆に 新しく明るい店内。
そして運ばれてきて まさにびっくりぽん。
直径が丼ほどの器に どっさりの氷。
ちなみにこのスプーン、カレーなどを食べる大きいほうのスプーンね。
大きいなら大きいって 最初に言ってよ―――(笑)
これが二つ来るのか…この時点でかなり負けてしまった気がする。
しかしながら 甘さ濃度控えめの桃のシロップは実に優しかった。
でも 結局わたくしは全部は食べられなかったけど…
そして あとから入ってきた人たちが
わたくしたちの氷を見て ひそひそと相談を始める。
どうする?どうする?
「あのおじさんのいちごとか すごいよね」(はい、わたくしは聞きましたよ)
結局一組は 二人で一つをシェアしようとしたが
オーダーは一人一つということで アイスコーヒーを頼んでいた。
(一部始終聞いてました)
またべつな二人は 果敢に挑戦してたな(笑)
ゆったりとしたいいお店でした。
今度こちら方面へ誰かとくる機会があったら
ぜひお連れしたいお店がまたひとつ。
ではではまたまた
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