ricetta della vita

イタリア料理教室「COMODO」主宰 
美味しい話をしましょう

10月31日 雨の日曜日

2010-12-31 | イタリア滞在記
現地時間の0時を回る頃に、ようやく学校に到着。深夜にもかかわらず、校長のGianluca氏と日本人の通訳さんが出迎えてくれた。この学校は、現在では世界各国からイタリア料理を学ぶ生徒がやって来るが、もともとは日本人のために設立された。現校長も数年間日本で過ごしているため、日本語がとても流暢だ。

学校の1階に厨房と広間が2つ。宿舎はその2階。ただし、1階と2階は中からつながってはいない。外の階段を上ると宿舎(つまり2階)の入り口が3つある。そのうちのひとつに私たちは3人で住むことになった。“トスカーナの典型的な家”らしい。いったいどのあたりが“典型的”なのだろうか?

翌朝は早めに目が覚めた。というか、雨が激しく降ったり弱まったりで寝ちゃいられない。インターネットがまだつなげられないためロフトにあったテレビをつけてみた。しかし、音は聞こえるが画面が映らない!…どういうこと?そういえばこの学校はだいぶ山の上の方にある。地図で見ると近くに墓地も!単に壊れているだけかそれとも何か別の原因か??? 仕方がないので、家の中の写真を撮ったりしてみる。写真におさめると可愛らしさが引き立つ。けれど、“典型的”の謎は解けない!

さて、この日は日曜日。スケジュールでは料理のレッスンは月~金。土曜はフリーだが日曜日はいろいろと行事が組まれていてこの日はルッカの町の見学。実は私、去年ひとりで来て城壁内はひととおり見ているんですが…。でもって、ひどい雨降りで気分が乗らないんですが…。さらにさらに、国際的アニメフェスタというのがルッカで開催されていて全然興味ないし、傘を持って人ごみはいやなんですけど…てなウチなる心の声はしっかり飲み込んで出かけてきました!

傘を閉じたり開いたりしながらお祭り状態のルッカの町をだらだらと歩き、郷土料理の店に入る。しかし店は大変混雑しており私たちの注文もいくつか忘れられた。この日は相当な人出だったのだから無理もない。しかし、ほとんど豪雨の中、買い物の紙袋の底が破れ、さらに頼んであったタクシーが遅れて…自然と無口になる私たち!ルッカの町をまず最初に見るのはいいのですが、できればこのフェスタの時は避けてほしかった。

お昼に食べたスペルト小麦のスープが美味しかった~!
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Torta delle rose

2010-12-30 | ドルチェ
滞在記も進んでいないのに、もう年末ですって!そうはいっても今回教わってきた料理の復習もしなければならないし、年末の大掃除もしないとね。。。しかし、優先順位なんて言葉が頭をよぎりながらも、やっぱり今日はドルチェをひとつ作りました。

「Torta delle rose」はロンバルディアやエミリア=ロマーニャのドルチェです。焼き上げるとバラの花のように広がってそれはそれは品のある美しさです。ドルチェというよりは砂糖とバターがたっぷりのパンに近いでしょう。

うまい具合に焼き上がりました。しかし、作ったものは全部私が平らげないと…正月も近いというのに!(^^;



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出張料理もしま~す

2010-12-27 | 料理教室
週末は知人宅のクリスマスパーティに遠征してきました~。あらかじめのリクエストが“簡単にできるイタリア料理”ということだったので、参加の方達も飾り付けをしながら作っている様子をチラチラ見たり、おしゃべりをしながら作り方を説明したりと、ゆる~い感じでの出張料理となりました。

前菜2品とパスタという本当に簡単バージョンでしたが、最後のエスプレッソまで残さず平らげてもらって、ひと安心でございました。出張料理は荷物が多いけれども(以前、料理をほとんどしない友人の家で出張料理をした時よりはずっと少なかった!)、楽しんでもらえるならこれからもやりますよ~!


出会いの始まり

2010-12-17 | イタリア滞在記
滞在記を書くといっておきながら更新が進んでいませんでした。ぼちぼちアップしていきますね。その前に、日本に帰ってきて2日後、ちょっとしたことが起きました。私の身に。朝、エスプレッソを作って口にしたところ「うわっ!」味が全然違う!1ヶ月の間、朝昼晩とエスプレッソは必ず飲んでいたので(昨年は違った)、現地の味を舌が記憶したようです。次の日から、エスプレッソはイタリアの水で作っています! 


では、今回のイタリア滞在記というか料理学校での1ヶ月間の様子をどうぞ。
台風が近づき天気が悪い。念のため前日から飛行機の運行状況を確認したが、特に遅れはないようだ。昨年と同様maritoと一緒に成田まで来たが、今年はなんと出発の日がmaritoの誕生日!申し訳ないけど、冷凍したカレーがプレゼントと思って凌いでもらおう。

今回は成田→ローマ→ピサを、久しぶりのアリタリアで行く。何かを期待したり、または機内を楽しもうなんて思ってはいけません。だって、それはアリタリアだから!

私の座席は機内のやや前方。通路を挟んだ右側には、イタリア人ご一行様が。空手の大会が日本であったらしい。どこまでが家族でそしてどこまでがスタッフかわからない。子どももいるが、学校の勉強道具みたいなものを持ち込んでいる。ま、いずれにしてもおしゃべりが止まらない!結局、機体の整備に時間を要して、定刻より1時間近く遅れての離陸。その間、イタリア人たちは席を立ってひたすら喋る喋る。この光景(乗った瞬間から、そこはもうイタリア!)があるから、アリタリアを嫌いになれない。ま、「好き」とも言えないが!

台風の影響で、日本の上空は揺れが激しかった。特に新潟あたりが。高度1万メートルくらいで揺れても気にしないけれど、日本国内の新潟ってところが微妙だった。

Maritoからは、機内食の写真を見たいとリクエストされたが、デジカメは手荷物のザックにあるし…それよりも、ビジネスクラスのすぐ後ろのブロックに席があったので、食事時にはどうしても本物のナイフとフォークがお皿とこすれ合う音が聞こえてくる。また体験したいなあと思いながら写真のことはすっかり忘れてしまったね。

ローマに着いて、今回の1ヶ月を一緒に過ごす2人の日本人と合流。なんとなく自己紹介を兼ねて話しながらピサ行きの飛行機を待った。彼女たちは台風を心配して北海道と愛知から前泊までしてやって来た。その後に何度も感じたことだが、今回の申込をしなければ出会わなかった(だろう)人たちだ。こういう出会いは大事にしたいね。

ピサ行きの飛行機は通路を挟んで左右2列ずつの小さなものだった。お隣さんとの密接度高し!私は通路側で、窓側には男性が座っている。私が辞書を開いたらちょっと覗かれてしまい、そこから色々と話をした。iphoneに子どもの写真が見えたので、子どもがいるのかとたずねたら、なんと、33歳のベイルート人(iphoneの表示文字がアラビア語だった!)で子どもが7人!最初の子は17歳のときで、相手は16歳だったと。上の2人は故郷にいてほかの5人は今の奥さん(イタリア人)とリヴォルノに住んでいる。「いいお父さんなの?」とたずねたら「ああ、僕はいいお父さんだよ、本当に!」と自身を持って言った。画一化された社会を抜け出すと、思いがけずこんな出会いもある。

さて、ここからが今回の国際色豊かな仲間たちとの出会いの始まり(?)になるのかな…。