ricetta della vita

イタリア料理教室「COMODO」主宰 
美味しい話をしましょう

08-09 冬のイタリア⑨ パドヴァであわや…

2009-01-31 | 旅行記
12/30(火)ホテルの精算を済ませ、Bolognaを去ることにする。初日の受付のおしゃべりな男性をのぞけば、ここは使いやすいホテルだった。3日間お世話になったパニーニ屋の写真を撮った。8時過ぎにもう開店していた。ちょっと駅に着くのが早すぎて、寒い中を1時間以上過ごした。またまた寒さに耐える一日の始まりだ!待合室には1980年にテロのあった場所があり、壁の一部がそのまま残されており、犠牲者の名前が記されている。その隣にあるBolognaの街の模型らあしきものを写真に納める。

昨日の二の舞はしないぞと、かなり早めに出発番線の地下で時間を過ごしていると、中国人女性から中国語で話しかけられた!なぜ?確かに、気づけば私の格好は中国製のものばかりではないか!昨日、駅で買ったマフラーも中国製。極めつけは、妹が編んだ毛糸の帽子。「出来上がりサイズが大きくなっちゃったから」と言って、私が引き取ったもの。かぶり方によっては肉マンを乗せているみたい…やっぱり中国か!

ユーロスターはものすごい混み具合だった。誰も彼も大きなスーツケースを持っているから車内もごちゃごちゃしている。日付的に混みそうな予感がしたのでこのチケットはネットで買っておいて正解だった。しかも、入線ホームが変更。9番線の予定が、駅舎から一番近い1番線に!アナウンスを聞いていると、「1番線」と言った瞬間、「えー、1番線!」とみな一斉に移動を開始。やれやれだね。

隣の若いカップルは途中でトランプを始めるし、通路を挟んだ男女4人はお金を持っている感じ。学生か?男性の1人が私の手元をじっと見ている。。。もしかして、漢字が珍しい?明らかに興味津々で凝視されているよ~!

11時少し前にPadovaで下車。駅が意外に大きい。そして人も多い。荷物の預け所では、なんだか態度がぶっきらぼうでちょっとひるんでしまった。パスポートも求められ、コピーをとられる。隣の有料トイレに入るが、係員がいてコインを入れる機械もある。機械があれば人はいらないし、人がいれば機械はいらないのでは?

駅から10分ほど歩き、ジョットのフレスコ画を見るべくスクロベーニ礼拝堂を目指す。トラムが走っていて道路も広い。こんなに大きな街とは思っていなかったので、少々びっくり。そして、中国人比率がかなり高い。うるさいぐらい目につく。今更ながら、中国の人口が13億人であることを思い出し、妙に納得する。

礼拝堂は緑地というか緑豊かな敷地の中にあった。外側からの簡素とも思える佇まいとは裏腹に、一歩踏み込んだ先は…2009年のイタ語のテーマは「イタリア人と口論しても負けない話力を身につけること」になりそうだ。というのは、切符購入窓口では2人の女性が対応していた。若い女性とオバチャンだ。ここでオバチャンの列に並んだのがそもそもの間違い!実は、ひと月程前に、インターネットで切符の予約をしていたが、出発日の1週間前ぐらいに時間を変更したい旨のメールを送信して、返事をもらっていた。もしも、イタリア語のガイドが不要ならば○○時でかまわない、というような返信だった。で、そのことを窓口のオバチャンに話したが…オバチャンは予約の時間が刻印された入場チケットをプリントアウトし、おまえが予約したのは15:40だ!と言う。いやいや、ここは私も引き下がれないと思い、自分が受け取ったメールの出力紙を指しながら、「ここに書いてあるじゃないの」と反論したが、オバチャンはその箇所のちらりとも見ずに、「おまえが予約したのは15:40」だとしか言わない。こっちも「なんでよー!」と精一杯の抗議(になってないが)をしたが、オバチャンはこのうるさいアジア人を追い返そうとして、先ほど刻印された15:40を消して、13:00と書き、どっちにするんだと有無を言わせない態度!この瞬間、「もういい、ジョットは見ずに移動だ!」と決めた。せっかくここまで来たけれど、?24はもう戻ってこないけれど、オバチャンの高飛車な態度に腹が立ち、「××ババー!!!」と悪態をつきながら駅へと歩き出した。

が、maritoが、じゃ、Padovaで昼ゴハンを食べて、やっぱりせっかくここまで来たのだからジョットを見て行こう。と言う。ゆっくり食べるまでの時間はなかったので、道すがらのBarでサンドイッチとカフェラテだけの昼ゴハンとなった。2人分で?5.9。対応はsinpaticaで少しだけ気分が軽くなる。

ジョットのフレスコ画は本当に貴重なもので、将来間違いなく世界遺産になるんだろうと思う。しかし、いくら人数制限だからといって、扉をピシャリと閉め切ったり、ガイドさんが説明していても時間がきたらベルをけたたましく鳴らしてさっさとドアを開けて見学者を外へ押し出す…高飛車にもほどがある。


08-09 冬のイタリア⑧ モザイコの街

2009-01-26 | 旅行記
ゆっくりゴハンの後、14時から観光をリスタート。まずはサン・ヴィターレ聖堂にて5カ所共通券1人?8.5を買う。すべて回るぞー!と気合いが入る。なぜなら、Ravennaはどうしても訪れたかった場所。私の持っているイタリア本の中でも、最も気に入っていて、行くぞ行くぞ行くぞーとずっと思っていた場所だから。感慨も一入だ。なにせ1500年も前のモザイコだ。観光客も多い。みな、頭上の芸術に目を奪われている。いつまでも眺めていたい。しかし、足元のモザイコもすばらしい。踏んでしまうのをためらう。こちらのモザイコもやはり緑がふんだんに使われていて自然と調和している様子をうかがわせる。

敷地の奥に、ガラ・プラキディアの霊廟がある。狭い空間だが、ここはいきなり頭上が真青そして星が光り輝いている。小鳥が左右から水を飲むモザイコが象徴的で、この図柄の土産をいくつか買った。

次はちょっと離れた場所の洗礼堂。外観が美しい。こちらのモザイコは椅子や部屋(?)などかわいらしい。内部はやや光に乏しい。時節柄しょうがないのか?しかし、ここは、唯一モザイコを目の高さで見ることができる。とても貴重な体験だ。まさにモザイコの街に生まれた子どもが洗礼を受けるにふさわしい場所だと思う。

最後は、駅近くのサンタポリナーレ・ヌオーヴォ聖堂。一部修復中だった。聖堂内部の側面を飾るのは男性、反対側の側面に女性のモザイコ。何人ずつ描かれていたのか?男性は王冠などを手に持ち、女性は衣の裾からのぞくインナーの柄がすべて違えてある。また、3人の王に貢ぎ物をする人(??)はタイツの柄が色鮮やかだ!

モザイコの美しさばかりに見とれていたが、実際のところこれらのモザイコ画が意味するところを全くわかっていない。土産のコーナーでガイドブックのような本(各国語でそろえてあったが、あえてイタリア語版を選ぶ)を買ってきたのでがんばって読んでみよう!

途中にスーパーがあり、チーズやグラッパを買う。Ravennaは小ぶりでおしゃれな街だ。自転車に乗る人を多く見かけた。人々も親切で歩いていても楽しい。日本人が荒らしていないこの街をまた訪れてみたいものだ。そうそう、リストランテで働いていたお姉さんは、若くはなかったが真っ白の半袖ワンピースにロングブーツでフロアを動いていた。後ろから見るとインナーのラインが見えない。お見事!インフォメーションのお兄さんの対応はとても丁寧で笑顔もよかった。スーパーのレジのお姉さんは「ぶおなしーら」「ありべでるし」って方言か?

帰りの電車で、maritoは少し眠っていた。今日はずっとカメラマンで疲れたのだろう。今日は子ども連れの家族や高校生の団体にも出くわした。若いうちからこのような質の高い芸術に触れる機会がある(というより囲まれている)のは本当に羨ましい。イタリア人の美意識が高い理由がわかるというものです。2007年に訪れたFirenzeでは、とにかく店のディスプレイが美しかった。ジェラート屋さんやパン屋さんなどの食品ばかりでなく、あらゆる商店が“魅せる”工夫をしていたし。

絵画ならば日本に「○○展」として見るチャンスもあるだろうが、モザイコは日本に来てくれないからね!

結局、この日の夕食もBologna駅前のパニーニ屋さんで気に入ったピアディーナを買ってしまった。Bologna滞在の3日連続!2人でこれをつつきながらワインを飲んだ。明日はいよいよPadovaとVeneziaへ移動する。結局のところ、Bolognaではほとんど街は見ていない。3泊するので、レストラン情報もたくさん仕入れていたけれど、どこにも行けずじまい。う~ん、いつかリベンジできるかな?



Dvc00105


08-09 冬のイタリア⑦ ラヴェンナへ

2009-01-25 | 旅行記
12/29(月)
朝食で、ビスコットも食べてみた。昔ながらの素朴な味だ。むしろ砂糖が足りないぐらい。昨日より体感的に寒くない。雪も降っていない。しかし、TVの天気予報で3局チェックしたが、気温が3局とも違っている!どういうことだ?

駅で切符を買ったが、窓口のおじさんは私のイタ語をちっとも聞き取ってくれない。往復と言ったのに片道にされた。2等車じゃなくて1等車に乗りたいと言うと、この電車は2等車しかないと言う。本当か?ていうかこのおじさん、かなり面倒くさそう。今度からまじめそうな人の窓口に並ぼう。

出発時間まで少し余裕があったので、駅の中の店などを見ていた。今日は平日なので、駅の中の店も開いていて活気がある。大きめのBarには生ハムが4本ぶら下がっている。駅のホームから生ハムが見えるってイタリアぐらい?有料トイレで?0.8(機械にコインを入れないと中に入れない。小銭がない人のために両替機まで備え付けてあり、きちんと反応するのでびっくり。このエネルギーを他に向けてほしい!)を払い、出るとすぐにmaritoが走り出した。どうやら私たちはホームを間違えて電車を待っていたらしく、出発時刻まであと数分!人ごみをかきわけて相当な距離を走り電車に乗込んだ。2階列車の2階部分に乗った。昨日とは違い、暖房が効いている。しかし、2階はかなり揺れる。速度が上がるとかなり激しく揺れるので、乗り心地が悪い。1階はきっと揺れない。でも暖房なし!どっちをとるか?

Ravennaまでは1時間20分程かかるが、風景が本当にのどかだ。昨日の雪が残っていて誰も歩いていないし、降りる人もまばらだ。このあたりで降りる人はいったいどこへ行くのだろう。季節のいいときなら景色は全然違うだろうし、実はこういう小さな町こそのんびり歩いてみたい。改札にやってきた車掌さんに、乗る前に機械で刻印を押すように言われた。すっかり忘れていましたごめんなさい。この車掌さん、サンタクロースの衣装がよく似合いそうだった。ちなみに、昨日の車掌さんは唇の左隅に小さなリングピアスをしていた。仕事ぶりはいたって真面目だったよ。隣に座っていたお姉さんには、私たちより少し手前の駅で降りたが、その間3度電話がかかってきていた。車内での電話に規制はないようだ。ま~、この国の人に話すことをやめろとは…いえないでしょうね。

Ravennaに着くと、やや風が強い。それでも昨日よりはまし。雪も降っていないし。駅前のバス会社でチケットを買う。?1。まずはBasilica S’Apolinare in crasseへは市バスで15分だ。乗り場はわかったが降りるバス停はなんだっけ?同じバス停にいた地元のおばさんに尋ねたり、運転手さんに尋ねたりして無事に到着。乗客はそこへ行く人も多かったので、もちろん運転手さんも教えてくれた。みんな親切だった。入場料は1人?3。入っていきなりのモザイコに圧倒される。飛び跳ねて今にも歩き出しそうな羊たちや植物の緑と、ところどころに咲く赤や白の花が牧歌的だ。天上からそっと差し出される片手は何を意味しているのか?我々は天上ではなく天井を見上げるのみ!

駅までバスで戻るとする。TABACCHIを見つけたが冬休みの貼り紙。隣のBarでバスチケットを買いたいと言うと、少し先にEdicoraがあるからそこで売っていると教えてもらった。親切なBarのお姉さん、目の周りがくまどりだ!

街の中心部のインフォメーションで地図をもらい(ここの人たちも親切だった)、腹ごしらえのための店を探す。調べておいたお店に入れるかと思ったが、どうやらその店はなくなっていた。最近の情報を仕入れたはずなのに…。仕方がないので、外観もおしゃれなリストランテに入ることにする。値段はそれほど高くなさそう。店の名前は「Ristorante Bella Venezia」。前菜で「カプレーゼ」と「クロスティーニ ボッタルガ」、プリモはおすすめを聞き、その中から「タリアテッレ ボロネーゼ」を選んだ。Mozzarellaが分厚く、そしてクリーミーだ。この店は当たりだ!そしてボッタルガにびっくり。クロスティーニなので、からすみがペースト状に乗っていると勝手に予想していたが、生ハムのように薄くスライスして何枚もパンの上に乗っている。運ばれてくると、海の香りが漂う。この店は当たりじゃなくて大当たりだ!口に入れるとパンとよく合って…ワインがすすむ!からすみをこんなふうにして食べるなんて、贅沢な瞬間だ。プリモももちろん、ソースがパスタになじんで、こちらは肉のエキスがたっぷりしみ込んだ一品!タリアテッレはモチモチの厚さではなく薄い。そのおかげでラグーの重さを感じさせない。いい組み合わせだ。すべて2人で分けて丁度よいボリューム。とてもセコンドまではたどり着けない。が、ドルチェにパンナコッタを選び、グラッパも美味しかった!もう一度Ravennaを訪れる機会があれば、ぜひこの店で食事をしたい。

私たちのほかの客は、まず常連らしい40代くらいの男性。こんな寒い日に開襟シャツを第3ボタンまで開けている。ボトムは真っ赤なパンツ。職業は何よ?それから旅行でやってきた英国人夫婦。食事のシメにスコッチをストレートで飲んでいた(奥さまも)さすがはイギリス人!そして、1~2才の男児を連れた若夫婦。お子ちゃまの巻き毛が愛くるしい。行く末はお父さんのようになるのか…。



Dvc00097


08-09 冬のイタリア⑥ パルマで凍える

2009-01-23 | 旅行記
それからDuomoへ行き、中へ入ってみる。天井画がすばらしい。というか天井画だらけ。祭壇を奥に見て左右に仕切りがあり、いくつものブース(じゃないけどそんな感じ)があり、ひとつひとつ天井画が違う。フレスコ画もだ。ここで礼拝をするときはいったいどこを見ればいいのか?隣の洗礼堂では結婚式が行われていたようで、花嫁と花婿がライスシャワーを浴びていた。ものすごく寒かったと思うよ。外で待っている人たちは!

そろそろお腹が空いてきたので、すぐ隣にあるリストランテ「ANGIOL D’OR」へ入る。ジョニー・デップ似のイケメンのカメリエーレからはずーーーっと英語で話しかけられる。つまんねー!ランチのラストオーダーが迫っていて、「ランブルスコのリゾット」という魅力的なメニューは食べられなかった。生ハムの盛り合わせ、サラダを注文。例によって、大皿1枚が1人前。なぜこんなに盛りが多いのかしら?日本人の胃袋をなめてもらっちゃぁ困りますわ!それともこの国はみんなギャル曽根かい?!ええ、もちろん取り皿をもらって分けて食べました。生ハムにはパルミジャーノ・レッジャーノ(卵2分の1程のサイズ)が2かけついていた。これをどーやって食べろというんだ!プリモはトルテリーニ。中はパセリとチーズ。バターを使っていてボリュームがあるひと皿で美味し~い。esoresso、ランブルスコをグラスで飲んで?54.5。場所もいいし、リストランテなのでお値段的にはこんなもんでしょうか。

あいにく日曜日なので、寄り道しようにも、お店らしいところが開いていない。天候も悪く、体がどんどん冷えてくる。もちろん防寒対策はしてきたつもりだがカシミアセーターも携帯カイロも効き目なしというか焼け石の水!。こちらではやはり毛皮のコートとロシア帽!このスタイルの人が普通に“うようよ”いる。動物愛護団体に訴えられてもかまわない。私にもそれを着せてくれ~!

Bolognaへ戻る際、直前になって電車の番線が変更になった。噂で聞くこれがそうか。すぐ隣のホームでよかった。なぜ変更になったかというと、本来くるはずのナポリ行きお電車が遅れていたため。2等車は外から見ても窮屈そうだ。それに車内も暗いので怖さ倍増だね!でも、本当にこれでナポリまで行く人がいるんだよ。何時間かかってもね。

私たちの乗った電車は2階建ての1階部分。きっと新しい車体なんだろう。車内にモニタがついている。ただし画面には何も映っていない。シートも新しい。背もたれについている手すり(持ち手かな?)は鉄でできている。軽量化は考えないのね。電源(?)がとれるようになっていて、その上についている吸い殻入れはゴミでいっぱい!ちっとも暖房が効かないと思ったら温風の吹き出し口(のようなもの)が網棚のあたりについている。暖められた空気が上に行くのでは…。行きの電車には暖房はついていたのになぜだ?おかげで1時間以上震えっぱなしだよ。それと、車内にはイタリア人とは明らかに違う人種ばかりで、震える原因はここにもあったか。次の日も電車移動があるが、maritoがこう言った。「明日は1等車にしよう」妻に付き合わされ、耐えかねた発言だ!!!


08-09 冬のイタリア⑤ パルマのレベルは高いです

2009-01-22 | 旅行記
Parmaへ着くと、雪はさらに激しくなってきた。傘を持ってくればよかった。ここでは、まっすぐピロッタ宮殿へ向かった。駅からは一本道でわかりやすい。国立美術館で1人?10を払い、maritoのザックを荷物預所に預けると、係の女性が笑顔で顔の前で手を合わせた。どーして“拝む”?日本人とわかっていたのか?ていうか日本人には“拝む”のか?ま、悪い感情は持っていないってことだよね。。。

ここでは、ちょうどコレッジョの展示が行われており、私たちには願ってもない催しだった。とにかく、どの絵画を見てもデッサンを見ても本当に絵が上手だ!絵画といっても、歴史的に価値があるもの、その時代を知るための手がかりとなるものなどさまざまあるが、このコレッジョという人は完成されている。特に髪の1本1本、布の質感、そして人物の表情がとにかくほかを圧倒している。多くの作品を残してくれてありがたい。気に入ったのが、女性がひとりで本を読んでいる絵だ。軽く目を落として本に向かっている様がなんともいえず落ち着いた柔和な雰囲気を漂わせている。見ているだけで気持ちが和んでくるようだ。そして、同じ展示室に、うっかり見落としてしまいそうな小さなダ・ビンチの板絵があった。女性の顔の部分だけを丁寧に描き、そのほかの髪などの部分はあまり手を加えていない。しかし、一瞬でダ・ビンチだとわかってしまう。この展示室だけでも雪の中を歩いた甲斐があった!さらに、この美術館には、パルミジャニーノの「トルコの女奴隷」がある。こちらは、小さめの展示室にいきなり現れた!これもまた質感がなんとも言えない。微細な装飾品が彩り豊でそして題材のとおり、女性の表情に深みがあって、今すぐ何かを語り出しそうだ!

しかし、この美術館のすごいところはこれだけじゃあない。というか、順路でそこにつながっていたのだが、突然、全くの異空間があった。“地球の歩き方”を引用すると、「ヴィチェンツァのオリンピコ劇場をモデルにした、ヨーロッパ最古の劇場として有名なファルネーゼ劇場」がそこにあった。見学者たちは一様に開いた口がふさがらない。石造りの宮殿内に観客席、舞台、床、装飾すべてが木でできている圧倒的な存在だ!ここで上演したのはわずからしい。客席も相当に広いが、まさか庶民が足を踏み入れたとは思えない。Parmaを訪れる機会があったら、ぜひここを見てほしい。絶対に!

Dvc00094