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No565『ある日どこかで』~透きとおるような一途な恋~

数十年の時制を超えて恋に落ちる、SF恋愛映画。
いわば、時を超えたひとめぼれ。

冒頭、パーティで主人公の青年リチャードを見つめる
美しく品のよい老女の謎を秘めた登場といい、
すっとひきこまれる。

懐中時計、コイン、ボールと小道具の使い方もうまく、
リチャードを演じるクリストファー・リーヴの
魂を奪われるほどに、恋に落ち、
時間を超えて、彼女に会おうとする姿が
ひたすら一途で、懸命で
心優しき好青年ゆえに
清潔感と品のよさとで本当に美しい恋路となった。

老女がホテルに帰り、
窓からレースのカーテン越しに
外の海(湖?)を眺めてのタイトルイン。
(このカーテン越しの光景がとても美しいです)

数年後、あるホテルで、リチャードは、
何十年も前の美しい女優さんの肖像写真に釘付けになる。
ある日どこかで会った女性・・
青年が魂を奪われた一瞬。
それ以来、当時のスーツを買いそろえたり、
とにかく、彼女に会うために一途な姿が、とてもすてき。

この女優さんのなんて美しいこと。
ボンド・ガールにもなったジェーン・シーモアが演じてます。

マネージャーに邪魔されて
もう会えないと落ちこむリチャードがベンチにうなだれて座っている。
その背景、遠くのところに、
水色のドレスの彼女の姿がみえた時のときめき。
二人が再会し、階段を走り、抱き合うシーンも美しい。

ラフマニノフの音楽にのって、
燃え上がるというよりは、
どこまでも透き通るような美しい恋。
窓辺からみえた、透き通るような青い海に似ている。

ホテルマン、アーサーの思い出話が、
上手に結びつくのはほほえましいし、ラストも美しい。
まるで『ベニスに死す』じゃないけれど
青年の魂を奪うほどの強烈な恋がとても幸せに思える。

クリストファー・リーヴは、スーパーマンを演じた人で
第1作『スーパーマン』に抜擢された2年後、1980年の作品。
この人、本当に恋をしたんじゃないかと思うほど
自然でさわやかな演技でした。

今週、TOHOシネマズなんばでは
朝10時以外に、木曜10日だけ、
午後5時50分からと
8時15分からのレイトショーでの上映があるそうです。
2週間後のTOHOシネマズ西宮での午前10時が難しい方はぜひ。

この週末5、6日は、朝10時からの1回しか上映がなく、
日曜は約100人の小さなスクリーンで、前々日の晩には売切状態。
どうしてもっと大きいスクリーンでやらないのか、
ちょっとひどいと思う。
土曜が180人程のところでまだあいてたので、ネット予約したのですが、
着いたら満席になってました。
恐るべき人気です。
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