日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

ブックレビュー~野口吉昭×2 その2

2010-09-17 | ブックレビュー
野口吉昭氏の新作2つ目です。

★「コンサルタントの軸思考術/野口吉昭(PHP研究所1000円)」

9月10日付発刊の最新作。こちらは、一貫してそのコンサルティングスタンスの軸がぶれない野口氏の「軸」の作り方に関する著作です。サイズ・装丁・表紙イラストまで昨年刊の「考え・書き・話す「3つ」の魔法」とそっくりなので、てっきり同じ幻冬舎からの新作かと思ったのですが、タイトルに「コンサルタントの・・・」の前フリ付きということでこちらがPHPでした。新書並みのサイズ・装丁でありながら新書よりも若干高めの価格設定というあたりは(新書よりも約200円割高)、著者の野口氏には関係ありませんが、ある程度売れると分かっている作家の書籍で少しでも多く儲けようという、PHPの商魂が垣間見れるようであまりいい気はしないものです。少し印象悪いです。

そのせいでもないのですが、やや内容は平坦です。「フレームワークは「枠」より「軸」が大事」とか、例によって「自分軸」とともに「相手軸」も大切さも強調しており、まさに軸のぶれない野口氏らしい著作ではありました。しなしながら、新書の三部作「コンサルタントの現場力」ベストセラーの「・・・質問力」「・・・解答力」に比べるといささか薄味。マガジンハウスの方は「観察力」と銘打ち、確かに「現場力」「質問力」「解答力」にさらに磨きをかける“第4の力”といった印象もあったのに対して、こちらは元祖「○○力」シリーズのPHPでありながら、タイトル通り“力不足”な感じです。野口氏の書籍ですから当然読む価値はあるのですが先の値段のこともあって、「○○力」シリーズより200円割高でこの内容?って感じはやや辛いところです。こちらは、10点満点で6点か7点かと悩んで6.5点。

野口氏の新作2作をどちらから読もうかと悩まれた方には、まず「観察力」の方をおススメいたします。