日本一“熱い街”熊谷の社長日記

組織論の立場から企業の“あるべき”と“やってはいけない”を考える企業アナリスト~大関暁夫の言いっぱなしダイアリー~

管氏圧勝は「民意」の勝利~今こそ「民意を読む=MY政治」を

2010-09-14 | ニュース雑感
実質、日本国の総理大臣を決める民主党の代表選が本日おこなわれ、管直人現総理が大差で小沢一郎前幹事長を破って再選されました。

14日間の選挙戦中マスメディアでは、「管氏やや有利」が伝えられながらも連日「接線」と騒いでいましたが、終わってみれば得票ポイントで「6:4」の明確な差がつく結果に。内容を見てみると国会議員票は管氏が上回っているものの僅差。地方議員票は「6:4」で管氏。しかしながら職業政治家ではない党員・サポーター票ではなんと「8:2」の管氏圧勝で、これが雌雄を決した形になりました。選挙期間前から盛んにおこなわれていた各メディアによる世論調査では、この党員・サポーター票に近い結果がたびたび報じられていただけに、まさに「民意」が反映された「民意の勝利」であったと思われますし、間接民主制の我が国の首班選びとして好ましい結果であったと思います。

しかしながら気になる点がひとつ。政治家が「民意を読めているのか」と言った観点で考えると、民主党国会議員の「両者互角」の票の入り方は「管:小沢=8:2」という「民意」から著しくかい離があるではないかという問題です。派閥の論理はさておき、無記名投票である今回の国会議員投票では誰がどちらに投票したのかは分からない訳であり、ふたを開けてみれば「民意」に近い投票結果になるのではないかと多少期待して見守っていたのですが、やはり「管:小沢=5:5」が精一杯。せめて地方議員票と同レベルの「6:4」ぐらいはと思いましたが…。「民意を読めない」政治家センセのあまり多さに今さらながらに落胆を覚えました。この点は政権運営をしていく上で、埋めなくてはいけない“政治家と一般常識とのズレ”として党としても是非ご認識いただきたい部分であります。

さて、勝った管首相。まずは「管VS小沢」の二者択一の選挙戦で「管に○」ではなく「小沢に×」という、相手の「×」に助けられた消極的な当選であるという「民意」も十分に理解しなくてはいけないと思います。すなわち言い換えれば、発足から3カ月にして既に、国民の強い支持が得られていないのはなぜであるのか、今一度よく考えてみる必要があるということです。「民意」に助けられ小沢氏に圧勝した管政権ですから、「民意を読む」=「“KY”ならぬ“MY”な政権運営」=「“MY(マイ)政治”の実現」、なんていうキャッチフレーズはいかがでしょう。「民意」を読んで今国民が望んでいることへの回答を決断力を持って遂行していく、そんな政権運営をとりあえず期待したいところではあります。