待望のボブ・ディラン、ライブ・ハウス・ツアーを見て参りました。根性で立ち見席のディラン真正面2列目を確保。開場から終演まで都合3時間の満員状態での立ちっぱはさすがにオヤジには堪えましたが、至近距離で“神様”のオーラを目一杯浴びさせていただきました。
アンコールを含めて17曲2時間弱のステージでしたが、ネットで連日セットリストを眺めていてよく分からなかったこのツアーのコンセプトが、耳にしてみてようやく私なりに分かった気がしました。テーマは、いわゆるアメリカーナ路線の60年代回帰ではないかと…。それは近作でもっともアメリカーナ的であった01年のアルバム「ラブ&セフト」からの選曲が多いことからも推察されますし、連日のセットリストでは自身の70年代の曲が極端に少なく、60年代特にフォーク・ロック路線の「ブリング・イット・オールバック・ホーム」「追憶のハイウェイ61」「ブロンド・オン・ブロンド」からの選曲が多いことからもうがい知れます。すなわち、現在のディランは自身の60年代の有名曲をアメリカーナの代表曲として“カバー”しているという理解でいいのではないかという推察なのです。
難しい話はそれぐらいにして、それにしても“神様”は元気一杯でした。「ラブ&セフト」のジャケットをみた当時は「なんか痩せてしまって、もしや癌?」などと心配したモノですが、今回間近で見たディランは血色もいいし、にこやかで(あの長い口角を伸ばしたとき笑い顔に見えるだけかもしれませんが…)本当に嬉しそうにステージを楽しんでいる感じでした。今回の演奏楽器はメインがキーボード、というか小型のオルガンですね。なんか60年代に、彼のアルバム・セッションでのプレイをきっかけに一躍有名になったアル・クーパーのオルガン・プレイをイメージさせるようなノリでした。それとブルース・ハープ。これはもうディランの専売特許ですからはずせません。それと私が見に行った日には、1曲ギターを持って超“ヘタウマ”リードギターを聞かせてくれもしました(曲の始めでいきなり違うコードで、不協和音突入した時にはどうなることかとハラハラさせられました)。
昔の曲は例によってほとんど跡形もなく崩されてしまい、かろうじて歌詞を聞くうちに「おーあれか」と分かるのが精一杯。個人的に大好きな「親指トムのブルースのように」なんぞは、「最近の曲かな、なかなか良い曲ジャン♪」と思って聞いていたら、最後の最後の歌詞「I'm going back to New York City.I do believe I've had enough.」が何気に耳に入ってきて、「しまった!「親指トム」だったんじゃん!」と好きな曲すら分からなかった自分にガックリくる始末でした。それでも「レイ・レディ・レイ」や「ハイウェイ61」「ライク・ア・ローリングストーン」などが聞けて大満足。当然崩しバージョンなので、私も含め誰も一緒には歌えませんでしたが。
最大のサプライズは、このツアー初の「風に吹かれて」の登場でした。ステージ奥に置かれたバイオリンが途中からずーっと気になっていたのでしが、アンコールのメンバー紹介で奥のキーボード氏がおもむろに弾き始め、そのままの始まったラスト・ナンバー。「あれ、ラストは確か『見張り塔からずっと』だったハズ。これ違わない???」と違和感を感じていると何と歌い出しが明らかに「風に吹かれて」のそれで場内大歓声!2ちゃんあたりでは、「今さら『風に吹かれて』聞いて何がおもしろい」的に書かれてもいますが、アメリカーナ路線がこのツアーのコンセプトであるなら、これ以上にアメリカーナな歌はない訳で最高の演出であったと思います。とにかく、一筋縄ではいかないことは今も昔も変わらずです。懐メロ・アーティストには絶対になり得ない、常に進化を遂げ続けているボブ・ディラン。この春69歳になる“神様”に改めて敬服の2時間でありました。
最後に今回のツアーの最大の目玉は、実はラストの「風に吹かれて」ではなくて、会場入口横で売られている「ボブ・ディラン・チロル・チョコ(写真)」かもしれません。なにしろディランのジャケット・デザイン50枚分をそのままチロルチョコのパッケージにしたという、紙ジャケファン涙モノの記念グッズなのです(2000円也。ファンの足元見たいい商売ですなぁ、チロルさん)。良くできてますよ。賞味期限は来年の1月ですが、食べないですよね、きっと。シールドすら開封したくないですから。最高の記念品ですね。ライブ見なくともこれだけでも買う価値アリかなと…(一般人には単なるチョコに過ぎませんが…)。ディランって、楽しげにマイクの前で踊ったり、カッコつけてポーズを決めてみたり、チロルチョコのグッズ化を認めちゃうあたり、“世捨て人”は作られたイメージであって実は至って俗人的じゃないのかなと、改めて思わされた一夜でもありました。とにかく最高でした。もう1回見に行きます。こんどはイス席でのんびり見てきます。
アンコールを含めて17曲2時間弱のステージでしたが、ネットで連日セットリストを眺めていてよく分からなかったこのツアーのコンセプトが、耳にしてみてようやく私なりに分かった気がしました。テーマは、いわゆるアメリカーナ路線の60年代回帰ではないかと…。それは近作でもっともアメリカーナ的であった01年のアルバム「ラブ&セフト」からの選曲が多いことからも推察されますし、連日のセットリストでは自身の70年代の曲が極端に少なく、60年代特にフォーク・ロック路線の「ブリング・イット・オールバック・ホーム」「追憶のハイウェイ61」「ブロンド・オン・ブロンド」からの選曲が多いことからもうがい知れます。すなわち、現在のディランは自身の60年代の有名曲をアメリカーナの代表曲として“カバー”しているという理解でいいのではないかという推察なのです。
難しい話はそれぐらいにして、それにしても“神様”は元気一杯でした。「ラブ&セフト」のジャケットをみた当時は「なんか痩せてしまって、もしや癌?」などと心配したモノですが、今回間近で見たディランは血色もいいし、にこやかで(あの長い口角を伸ばしたとき笑い顔に見えるだけかもしれませんが…)本当に嬉しそうにステージを楽しんでいる感じでした。今回の演奏楽器はメインがキーボード、というか小型のオルガンですね。なんか60年代に、彼のアルバム・セッションでのプレイをきっかけに一躍有名になったアル・クーパーのオルガン・プレイをイメージさせるようなノリでした。それとブルース・ハープ。これはもうディランの専売特許ですからはずせません。それと私が見に行った日には、1曲ギターを持って超“ヘタウマ”リードギターを聞かせてくれもしました(曲の始めでいきなり違うコードで、不協和音突入した時にはどうなることかとハラハラさせられました)。
昔の曲は例によってほとんど跡形もなく崩されてしまい、かろうじて歌詞を聞くうちに「おーあれか」と分かるのが精一杯。個人的に大好きな「親指トムのブルースのように」なんぞは、「最近の曲かな、なかなか良い曲ジャン♪」と思って聞いていたら、最後の最後の歌詞「I'm going back to New York City.I do believe I've had enough.」が何気に耳に入ってきて、「しまった!「親指トム」だったんじゃん!」と好きな曲すら分からなかった自分にガックリくる始末でした。それでも「レイ・レディ・レイ」や「ハイウェイ61」「ライク・ア・ローリングストーン」などが聞けて大満足。当然崩しバージョンなので、私も含め誰も一緒には歌えませんでしたが。
最大のサプライズは、このツアー初の「風に吹かれて」の登場でした。ステージ奥に置かれたバイオリンが途中からずーっと気になっていたのでしが、アンコールのメンバー紹介で奥のキーボード氏がおもむろに弾き始め、そのままの始まったラスト・ナンバー。「あれ、ラストは確か『見張り塔からずっと』だったハズ。これ違わない???」と違和感を感じていると何と歌い出しが明らかに「風に吹かれて」のそれで場内大歓声!2ちゃんあたりでは、「今さら『風に吹かれて』聞いて何がおもしろい」的に書かれてもいますが、アメリカーナ路線がこのツアーのコンセプトであるなら、これ以上にアメリカーナな歌はない訳で最高の演出であったと思います。とにかく、一筋縄ではいかないことは今も昔も変わらずです。懐メロ・アーティストには絶対になり得ない、常に進化を遂げ続けているボブ・ディラン。この春69歳になる“神様”に改めて敬服の2時間でありました。
最後に今回のツアーの最大の目玉は、実はラストの「風に吹かれて」ではなくて、会場入口横で売られている「ボブ・ディラン・チロル・チョコ(写真)」かもしれません。なにしろディランのジャケット・デザイン50枚分をそのままチロルチョコのパッケージにしたという、紙ジャケファン涙モノの記念グッズなのです(2000円也。ファンの足元見たいい商売ですなぁ、チロルさん)。良くできてますよ。賞味期限は来年の1月ですが、食べないですよね、きっと。シールドすら開封したくないですから。最高の記念品ですね。ライブ見なくともこれだけでも買う価値アリかなと…(一般人には単なるチョコに過ぎませんが…)。ディランって、楽しげにマイクの前で踊ったり、カッコつけてポーズを決めてみたり、チロルチョコのグッズ化を認めちゃうあたり、“世捨て人”は作られたイメージであって実は至って俗人的じゃないのかなと、改めて思わされた一夜でもありました。とにかく最高でした。もう1回見に行きます。こんどはイス席でのんびり見てきます。