アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

アイヌ民族自治組織で財産管理

2010-08-31 10:02:40 | インポート
昨日の北海道新聞社会面(34面)に、十勝のアイヌ民族共有財産をアイヌが自治組織で管理していたという帳簿が見つかったという記事が出ていました。
北大名誉教授の井上勝生さんが確認したところによると、旧土人保護法施行前にアイヌ民族自身が共有財産を自治管理、運用した実態が判明するのは初めてとのこと。
井上さんによると当時のこの地域のアイヌ民族は鮭が豊漁となり、現代に換算すると数億円規模の現金を含む共有財産を蓄え、アイヌと和人と共同で手元に置いた。その後、管理は開拓使~札幌県~道庁と変還。その内の1849~1899年まではアイヌ民族が管理権を取り戻しており、帳簿はその間のものと見られるようです。

この緻密な帳簿の発見によって、明治政府は「アイヌには財産管理能力が乏しいことを旧土人保護法の制定理由のひとつに掲げていましたが、その根拠を覆したことになります。

この記事には書かれていませんが、共有財産の管理経過も明確になっていくのではないでしょうか。帳簿を見られた井上さんから直接お話を伺いたいと思います。
井上さん講演内容は過去ブログ参照(左下の検索機能で井上さんのお名前を入れたらいくつか出てきます)。
WEBで記事が記載されたら紹介します(今日も掲載されていないということは、購入するようにということかも)。

今日は、さっぽろ自由学校“遊”の若者が語る講演を聞きにいきがてら、北大の保存庭園やアイヌ頭骨の収められている医学部納骨堂を実習生と回って来ようと思います。
WIN AINUから学習会の案内が届いています。ほんとうに9月は盛り沢山。


世界先住民族ネットワークAINU 第3回学習会

 2010年に名古屋で開催される「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)において、WIN-AINUは関わっていきます。第一弾として、7月に実施された第2回目学習会が帯広市で行われました。
 「WIN-AINUの関わり/経緯~行動と発信」をテーマに講師:WIN-AINU事務局長の秋辺日出男から講義がありました。また、今回の学習会は第2弾です。
 COP10にむけ、COP10パートナーシップ事業に共催をしていきます。アイヌ民族を中心に、世界の先住民族・SATOBITO(里人)の国際的連携、COP10に連携し、愛・地球博(環境共生と多文化共生)の理念を継承することを趣旨としています。
 また、「先住民族サミットinあいち2010」(主催:愛知県立大学・朝日新聞・WIN-AINU):10月15日~18日フォーラム「先住民族文化と生物多様性:研究と実践」&マウコピリカ音楽交流祭に参加します。
 みなさんの多数のご参加をお待ちしております。詳細は下記のとおりです。

【第3回 学習会のお知らせ】
◆と き 2010年9月18日(土)14:00~16:00
◆ところ かでる2・7 8F「特別会議室」札幌市中央区北1条西7丁目
◆講 師 山岸 喬(やまぎしたかし)
◆テーマ 「北海道の自然の恵み」
     先人のアイヌ民族の自然に対する知識も交えながら、北海道の自然の恵みについてお話をされます。
参加費:無料  資料代500円
○講師プロフィール
山岸 喬(やまぎしたかし)1945年生まれ
現在、北見工業大学教授。東京理科大学薬学部卒業、北海道立衛生研究所研究員、ノースカロライナ大学客員研究員、住友金属工金属(株)HQL研究所、薬剤師、薬学博士。
問い合わせ 世界先住民族ネットワークAINU
札幌事務局:島崎(電話090-2056-0272 FAX011-593-0655)
阿寒事務局:秋辺(電話090-9519-9392 FAX0154-67-2457)
http://www.frpac.or.jp/event_s/event_s_SearchDetail.aspx?ID=2492


過去写真。旭川から嵐山方面から留萌に帰る道。もうこの道は通れなくなりました。いい道でした。


9月は盛り沢山

2010-08-30 04:52:49 | インポート
砂澤ビッキさん(1931~89)の晩年の大作で、札幌芸術の森野外美術館(札幌市南区)に展示されている「四つの風」の一部が今月初めに倒壊したというニュースが入りました。
作品は高さ5・4メートルのアカエゾマツ4本を東西南北に向けて配置したもので、原因は木の腐食。しかし、作品が自然にかえる姿を見せるのも芸術だという作者の考えに従い、朽ちゆくままに展示が続けられているとのこと。
朝日新聞(2010年08月26日) http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001008260005 )。

実は、まだ行ったことのない芸術の森美術館。倒壊前に見たかったですが、倒壊後も興味があります。昨日までスタジオ・ジブリレイアウト展も開催していたのでチャンスを狙っていたのですが・・・。作者の精神に従って、自然の中で変化していく様も作品として見ていくという方針で、キノコが生えキツツキが巣を作ったこともあったそうです。
北米の先住民族が作っているトーテムポールも自然に朽ちたままにすると言いますし、アイヌ民族の墓標クワ(魔除けとして匂いのきついエンジュの木を使用)もそうすると聞いています。
音威子府の砂澤ビッキ記念館にも倒壊した作品が展示されていました。倒壊前の姿を小さなレプリカにして展示していました。

今日から実習生が来ます。急なことでしたが9/1の旭川アイヌ民族フィールド・ワークに旭川の教会員数名が参加連絡をしてきて下さいました。楽しみです。


トリカブト。アイヌ民族が狩猟の際にこの根の毒を使った。


秋のイヴェントは盛り沢山!! まだまだ情報が続きます。
9月11日は登別市民会館で一人芝居「知里幸恵の生涯」上演。12日は札幌で「アイヌフォーラム北海道2010」開催。
日曜日の午後2時からの札幌講演は普段だと参加は無理です。しかし、今回は幸いなことに在日大韓基督教会札幌教会と交換講壇(牧師が交換して説教)の依頼があり、間に合いそうです。土曜は札幌に泊まることにして、前日の登別行きも大丈夫そうです。10月開催のフィールド・ワークの準備も兼ねて室蘭、登別、白老と回ろうと思います。J.バチェラー、金成太郎の関係する愛隣学校の跡地にある看板も前回は見つけられなかったので探してきます。


神々の謡 ~知里幸恵の自ら歌った謡~
◆日時 9月11日(土) 開場 17:30  開演 18:00  ◆場所 登別市民会館
◇作・演出・美術・出演  舞香 ◇音楽・演奏・唄 いわさききょうこ
■料金(前売・当日) 全席自由<開館記念特別料金>1,000円  *未就学児は入場できません。
■主催  一人芝居「知里幸恵の生涯」登別公演実行委員会
■後援  登別市・登別市教育委員会・北海道新聞室蘭支社・室蘭民報社・NHK室蘭放送局
■協力  劇団「ムカシ玩具」
■チケット取扱
 登別市民会館・鷲別公民館・母子会売店(市役所)・セイコーマートなりた(登別市東町2丁目)
問い合わせ 登別市教育委員会 TEL 0143-88-1129 FAX 0143-85-9744
http://www.frpac.or.jp/event_s/event_s_SearchDetail.aspx?ID=2493



アイヌフォーラム北海道2010

日時:2010年9月12日  会場:京王プラザホテル札幌2F エミネンスホールB
アイヌ民族の神聖な祈り、歌や踊りなどの芸能実演、静内地方に伝わる口承文芸をベースにした人形劇などアイヌ民族の歴史と文化について理解を深める「アイヌフォーラム北海道2010」を開催いたします。子どもから大人まで、楽しみながら学ぶ事ができるプログラムが満載です。ぜひ、この機会にご来場ください。
◇プログラム
【第1部】
14:05~14:30
 アイヌワンポイントセミナー 「アイヌ政策のこれから ~新たなアイヌ政策の実現に向けて~」
 講師:北海道大学アイヌ・先住民研究センター長    常本照樹 教授
14:30~15:00
 やまびこ座プロデュース アイヌ人形劇  アイヌの神さまのおはなし 「金のひしゃく銀のひしゃく」
 出演:札幌市こどもの劇場やまびこ座
【第2部】
15:10~15:50
 アイヌ古式舞踊特別公演  特別プログラム 「サッポロ タ アイヌ民族博物館 エク」
  ~アイヌ民族博物館がやってきた~   出演:財団法人アイヌ民族博物館
◆主催 北海道
問い合わせ 北海道環境生活部アイヌ政策推進室 電話011-231-4111(内線24-137)
http://www.frpac.or.jp/event_s/event_s_SearchDetail.aspx?ID=2490




過去写真です。


道アイヌ生活実態調査のミス

2010-08-29 20:25:39 | インポート
道が2006年にまとめた道アイヌ生活実態調査の報告書のデータに誤りがあったという報道について、過去blog(8/27)に扱いましたが、北海道新聞(08/27 08:47)に続報がありました。
それによると、道アイヌ協会札幌支部は26日、ミスが起きた経緯について説明するよう文書で申し入れたのに対し、道アイヌ政策推進室の村井篤司参事は、同支部役員らに「相当の時間が経過してから誤りが発覚したことをおわびしたい」と謝罪したようです。しかし、同支部は調査をしてから、あらためて謝罪してほしいと述べたようです。http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/248146.html

アイヌ長老会議の小川隆吉エカシは、「アイヌ民族の実態調査について思うこと」で、これは単なる調査結果ではなく結果を基にこれまでの様々なアイヌ政策が進められて来たという重要性を考えると、アイヌ協会は行政訴訟を起こし北海道庁の責任を糾するべきだと意見を述べ、自身が主張を続けてこられた「エカシ・フチに民族年金を支給する」ことを日本政府の責任で実行することを要望されています。

確かに、たいへんな誤りです。
そもそもこの問題が発覚したのは、政府の「アイヌ政策推進会議」が現在、全国実態調査をするために議論を進めていますが、その資料提供をするべく道が調査手法や内容について道のデータを精査したところで発覚したというのですから。今回も重要な「資料」扱いされていたわけです。
朝日新聞(2010年8月22日) http://mytown.asahi.com/areanews/hokkaido/HOK201008210004.html


今年はトマトが豊作でした。トマトペーストにもして蓄えました。それを使ってのスパは評判です。


9月4日(土)朝9:25~9:54にNHK総合テレビ「世界遺産への招待状」 パラグアイ 宣教師たちの夢の跡 ~パラナ川流域のイエズス会伝道施設~が、放送されるという情報をwakkaさんから頂きました。http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/invitation/index.html
これは、ロバート・デニーロ主演の『ミッション』(1986年)によって映画化されています。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=22838

ただ、「ミッション」は実際のものではなく、16世紀末から18世紀にかけて南米各地に建設されたイエスズ会伝道所の活動について史実の流れに沿ってはいるもののの「史実にヒントを得た創作」映画です。今回の放送は、この創作を実際の歴史に近づけようとしているとわたしは想像しているのですが、それは、見てからのお楽しみ。
「ミッション」は宣教(伝道・布教)とは何かを考えさせられる映画です。

宣教というと、札幌在住の小野郁夫さんという方が個人的な趣味で自主制作された「知里幸恵」に、興味深い映像が流れていました。
それは、1805年に有珠の善光寺では、アイヌ民族を教育するお寺と位置づけられ、アイヌ民族にカタカナを教え、お経の一部をアイヌ語に翻訳してカタカナで印刷して配った、と(寺には現在もアイヌとのかかわりを示す品が保管されているそうですのでいつかお訪ねしたいと思います)。
ナレーションはさらに、「もし、この時代にお経だけでなく、土地や川や海の権利のことを教えられていたら、その後の歴史は変わっていたでしょう」と述べられているのを聞き、ふと、映画「ミッション」の時代や、J.バチェラーの宣教と重ねました。バチェラーも善光寺がカタカナを教えた70年後に活動を始めるのですが、緒権利を教えていたという記述はありません。もし、教えていたなら、と。



昨日の夕方の写真の数分後。

ちなみに、「ミッション」は当センターでもDVD購入しました。他に「アバター」レンタル落ち1500円、「北の零年」レンタル落ち950円も、一応、購入。


「Forest Story」・「TOKYOアイヌ」公開試写会

2010-08-28 19:11:52 | インポート
当センターが設置されているのが留萌宮園教会。
「どうして留萌?」と思われる方も多いかと思いますが、理由はいたって簡単で、主事に任命されたわたしが当教会の「牧師」ゆえです。財政困難ゆえ、主事がセンターの看板も背負って歩いているのです。
日本キリスト教団出版が発行しています月間誌「信徒の友」に当伝道所が取材を受け、9月号の“ここに教会がある”に掲載されました。いい感じに教会形成について書いて頂きました。取材時には申し上げたつもりでしたが、ご理解頂けていない部分もあり、近く、文章にしておきたいと思います。


さて、十勝毎日新聞(2010年08月27日 14時53分)の記事に、5人のアイヌ民族のアーティストによる作品展「Forest Story~神話と心話の世界の語り~」が開かれる記事が出ていました。
紋別アースディの際に友人からチラシを頂いていましたので、宣伝を兼ねて記事を一部引用してご紹介します。

 ハポネタイ(アイヌ語で母なる森)は惠原代表ら関東在住のアイヌ民族有志が中心となって、昨年から本格的に整備を進めている。森の中に作品の展示スペースやステージを設け、昨年夏にアイヌ文様をモチーフにした絵やシルバーアクセサリーを制作する芳野省吾さん、アイヌにかかわりが深い動物などを描く小笠原小夜さん=いずれも東京在住=による二人展を開催した。
 第2弾の今年は結城さんと芳野さん、小笠原さんのほか、彫金作家のagueさん=東京在住=、縄文工芸作家の平田篤志さん=神奈川県在住=が出品する。作品展のほか、9月25日午後1時からは、アイヌの伝統的なササぶきの仮小屋「クチャ」を作るワークショップ、同6時からは結城さん率いる「アイヌ・アート・プロジェクト」などのライブと交流会を予定している。総合プロデューサーの惠原詩乃(うたえ)さんは「開放的な森の中での展覧会は珍しく、屋内で鑑賞するのとは違う感じ方、空気感を味わえる。作品を鑑賞する中でアイヌ文化に触れてもらいたい。昨年来てもらった人にも新しい物を見せられると思う」とし、多数の来場を呼び掛けている。
 開場は午前11時~午後5時。入場無料。ライブと交流会は参加費1500円(1ドリンク、1フード付き)。ワークショップ、ライブと交流会はEメール(haponetay@livedoor.com)で予約。期間中の問い合わせは(080-5429-5237)へ。
http://www.tokachi.co.jp/news/201008/20100827-0006444.php





チラシ:クリックしたら拡大しますのでご覧下さい。
わたしも時間を見つけて訪ねたいと思います。
ちょうど、この秋に長年北海道で牧師をされた牧師が引退されることになり、新得にお訪ねしたいと考えていたところです。S牧師は旭川六条教会で長年牧会され、新得に移られました。豊かなお働きを感謝。



もうひとつのニュースを紹介します。秋はイヴェントが盛りだくさんですね。

9月5日(日)~12(日)(一週間連続企画)ドキュメンタリー「TOKYOアイヌ」公開試写会
(監督/森谷博、2010年度、カラー、16:9、約120分)
9月5日(日)、11日(土)、12日(日)は3回上映12:00~、15:00~、18:00~
9月6日(月)~9日(金)まで平日は2回上映14:00~、18:30~
料金/協力者は無料(送付したチケットを必ずご持参ください)   一般1,800円(資料代込)
会場・問合せ/スペース・オルタ(TEL:045-472-6349) 主催/TOKYOアイヌ製作委員会 

さらに、北海道・新得でのShintoku空想の森映画祭に、「TOKYO アイヌ」出展決定。
今年のテーマは「マイノリティ」として、映画祭2日目にアイヌ民族が取り上げられ、「TOKYO アイヌ」は2日目の2本目として上映予定。
日程/9月19日(日)13時~上映。その後、帯広のフンベシスターズによる歌・踊り、夜はOKI DUB AINU BANDのコンサート!!
詳しくは映画祭ウェブサイトを確認。http://www.kuusounomori.com/


北海道では試写上映をしないようですので、協力者チケットを東京の友人に送ろうと思います。



今日は、午後1時から10名のこどもたちが遊びに来ました。暑さでみんな一緒に何かをするというより、単発的にいろいろなゲームをして遊びました。最後は、椅子で迷路を作っておいかけっこ。教習所から帰宅した次男も合流し、激しさにこどもたちは大騒ぎ。よく汗をかきました。終わって6時の夕日を撮りに海岸へ。


旭川アイヌ民族プチ・フィールド・ワーク

2010-08-28 06:41:38 | インポート
来週から関西学院大学の神学部生がアイヌ民族について短期の実習をしたいと留萌を訪れます。
ご本人は生まれも育ちも名寄ですが、アイヌ民族に関しては知らないことばかりなので出会いと学びを希望してこられます。旭川、名寄、二風谷をお訪ねしようと思っています。

そこで急なことですが、9月1日水曜日午前10時より旭川アイヌ民族プチ・フィールド・ワークを計画しました。
10月開催の室蘭~登別~白老でのフィールド・ワーク(2010//blogに予告)の予備学習も兼ねて、知里幸恵さんのことに重点を置きます(近く発行予定の「北海教区通信」に知里さんのこと書きました。あわせてご覧ください)。
以下の通り、ご案内いたします。資料を用意してお待ちしています。

日 時 : 2010年9月1日(水) 午前10時 ~ 午後3時解散。
集 合 : 旭川川村カ子トアイヌ記念館 
川村カ子トアイヌ記念館、常盤公園「風雪の像」、知里幸恵文学記念碑、聖公会伝道所跡他訪問。
参加費 : 無料 但し、現地までの交通費、アイヌ記念館入館料(500円)、昼食は各自負担。
申込み : 下記の電話・FAX・E-mailにて、参加希望者のお名前と連絡先をお送りください。
  電話(FAX) 0164-43-0128(留萌宮園伝道所)
  E-mail ororon38@hotmail.com(三浦専用)




春にこども達と植えたミニ・キャロット。種を密集させて蒔いたのでとても小さく育ちました。
クレヨンぐらいの太さ。そのままサラダに!


さっぽろ自由学校“遊”では、若い世代のアイヌ民族の方々をゲストに迎えて行なっているシリーズ「アイヌ新時代」、第4回講座が8月31日に開催。
今回は、多原順也さんをゲストに迎え、参加者の皆さんとやりとりをしながら、「アイヌ民族」のイメージについて考えるということです。この講座は楽しみにしていますので、実習生と参加予定です。

アイヌ新時代~若者たちと語り合う、民族の現在と未来~第4回「かっこいいアイヌ? かっこ悪いアイヌ?」
日時:8月31日(火)18:30~20:30
会場:さっぽろ自由学校「遊」
受講料(単発):一般1,500円 会員・アイヌ民族1,000円 学生500円
●講師 多原 順也(たはら じゅんや)さん 1971年、札幌生まれ。札幌育ち。
 アイヌ民族に生まれて、日本人として育った自分。そんなボクが、アイヌとして、日本人として思うこと。これからどのようにしてアイヌとして生きられるか?アイヌはどのようになればいいか?みんなで考えましょう。




26日から30日までの間、旭川では夜の19時41分に肉眼で国際宇宙ステーションが確認できるのだと旭川のSさんからメール頂きました。南西から東北東へ。留萌からも見ることが出来たらいいと願っていますが、連日曇です。今夜は見ることが出来るでしょうか。


講座「近代における金成太郎の座標」

2010-08-27 12:07:00 | インポート
イヴェント情報や秋の活動の多さから、blog記事も加速していきます(引用も多いですがあしからず)。

昨夜の推進機構の講座「近代における金成太郎の座標」(富樫利一さん)は驚きました。
以前にわたしが調べたものはバチェラー関連の方面から特に仁多見巌さんの記述やキリスト教史方面でしたが、富樫さんは過去の新聞記事や資料をもとにわたしの知らない金成太郎が話されました。
これらは詳しくは富樫さんの最新作「維新のアイヌ 金成太郎」(未知谷出版)に書かれているとのこと。それを手にしてからここで紹介したいと思いますが、ひとつだけ。
バチェラーの書の中に金成太郎がアルコール依存にかかり、愛隣学校長を解かれたとありますが、富樫さんはその同じ年に太郎の自著の資料をもとに、アルコール依存症の字と思えない達筆と評し、「アル中解雇説」に疑問符を投げつけました。その後、仁多見さんの「いちど復帰したが結核で死亡」という説も否定。バチェラーのもとで同じ「ペテロ」という洗礼名の熱心なアイヌ信徒が当時、結核で亡くなっているが、仁多見さんがその人物と金成太郎とを勘違いしたのだ、と(講演後にその名前を聞いたのですがメモし忘れました。確か「チリパ」だったか、と)。
太郎はアイヌアイヌ保護の請願をするべく奔走し、1897年函館にて客死。

以前に書きましたが、ここに出てくる「愛隣学校」は1892年に室蘭郡から不法建築として取り壊しを命ぜられます。そのあと地に幼い頃のわたしの母が祖父母と共に移ったとのこと。

愛隣学校はその後、函館に開設され、金成マツ・ナミの姉妹他5名が学ぶことになります。
函館に出来たアイヌ協会函館支部の方が先日、調べで愛隣学校跡地が分かったということを言われていました。


紋別アースディで造った笹舟。ちゃんと浮いてます!(yanagiさん提供)


先住民族の10年市民連絡会から以下の集会案内が届きました。
かなり無理があるのですが、どうしても聞きたい内容ですので、暑い東京に行って来ようと思います。以下、案内文を引用します。

「先住民族の権利に関する国連宣言」採択3周年記念集会
アイヌ民族と琉球・沖縄民族の若者からの提言

 2007年9月13日、国連総会にて「先住民族の権利に関する国連宣言」が採択されました。歴史上画期的なこの先住民族権利宣言の採択は、世界の先住民族に大いなる勇気と希望を与えています。
 日本では、2008年6月、衆・参両院で「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議」が採択され、同年7月、内閣官房長官の私的諮問機関「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」が発足しました。2009年7月、有識者懇談会の報告書が発表され、それに基づき、同年12月、内閣官房の下に「アイヌ政策推進会議」が設置され、現在、具体的な政策についての議論がなされています。
 琉球・沖縄に関しては、2008年、国連自由権規約委員会は日本政府に対して「琉球・沖縄人の先住民族としての権利を認めるよう」勧告し、また2010年、国連人種差別撤廃委員会は沖縄における不均衡な軍地基地の集中が住民の経済・社会・文化的権利を侵害していると勧告しています。沖縄の米軍基地移設問題が首相交代の要因だったことは記憶に新しいところです。
 先住民族権利宣言の採択3周年を迎える今年は、今後をみつめ、次代を担う若者たちの思いを語っていただきます。お誘い合わせのうえ、ご参加ください。

日時 : 2010年9月3日(金)午後6時30分~8時30分(6時開場)
お話:
 「アイヌ政策に期すること」
   ――能登 千織(北海道白老町学芸員、「アイヌ政策推進会議」委員)
 「沖縄の現状と将来への思い」
   ――知念 幸見(琉球弧の先住民族会)
 「2009-10 アイヌ民族と琉球・沖縄民族に関する論点」
   ――上村 英明(市民外交センター代表、恵泉女学園大学教授)

会場:東京麻布台セミナーハウス 2階 大研修室    [東京都港区麻布台1-11-5]
    ・地下鉄日比谷線「神谷町駅」1番出口より徒歩3分
    ・都営大江戸線「赤羽橋駅」赤羽橋口より徒歩8分
参加費:1000円(資料代含む)※予約不要。どなたでも参加できます。
主催:先住民族の10年市民連絡会  協力:市民外交センター
●お問い合わせ:先住民族の10年市民連絡会
 Tel/Fax:03-5932-9515 E-mail:indy10-Lj@infoseek.jp


今年の1月始めの毎日新聞に能登さんのインタビューが載っていました。わたしのストックから紹介。
「新春インタビュー:/3 政府のアイヌ政策推進会議メンバー、能登千織さん /北海道」
http://blog.goo.ne.jp/ivelove/e/b3481dcd5c944feed8863d197b7bc11e
そう言えば、推進会議のメンバーとなったアイヌ民族の皆さんのお話を伺う機会がないですね。審議状況や個人的な思いなど伺う企画を持てないものでしょうか。なにか考えられたらと思います。
沖縄からや上村さんの発題も期待しています。


天塩の教会員Yさんの牧草地。育成をいれて100頭の乳牛農家です。今年の留萌は雨がたいへん多く、先日は天塩でも水害があり、牛が流されるなどの被害が出ました。上水道の貯水場にも土砂が入り断水するなど大変だったと伺いました。


「北海道外アイヌの生活実態調査」作業部会

2010-08-27 07:33:31 | インポート
アイヌ政策推進会議の「北海道外アイヌの生活実態調査」作業部会は3月から4回開催しており、「議事概要」は以下のURLでダウンロードできます。
(第4回「議事概要」によると、8月中に第5回会議をおこなうとありますので、もしかすると会議録にはまだUPされていませんが、5回目を開催したかもしれません)
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/kaisai.html

調査対象の絞込みという大変むずかしい部分を扱っていますが、十分に多くのアイヌ民族の皆さんからの意見を聞くべきだと思います。審議にも入っていますが政策に活かされる調査を望みますし、たいへんデリケートな調査ゆえ、丁寧におこなって頂きたいですね。
第4回議事概要にプリテスト用の調査票を作ってプリテストをすると書いていますが、この数日の報道でアイヌ政策推進会議の第2回目の全体会議がおこなれたことが載っていました。以下、道新記事を引用します。


道外アイヌ民族の生活実態、10月にも調査開始 推進会議
(北海道新聞 08/25 07:58)
 政府のアイヌ政策推進会議(座長・仙谷由人官房長官)の第2回全体会合が24日、首相官邸で開かれ、道外のアイヌ民族の生活実態調査を10月にも始める方針を確認した。
 調査は道外に住むアイヌ民族の収入や学歴などを把握するのが狙いで、新たに道外でも実施する生活・教育支援策の参考にする。15歳以上(10月1日現在)が対象で、道内のアイヌ民族の親族をたどるなどして国が調査対象者の確定作業を進めている。
 調査は郵送で行い、年内に回収。来年2月をめどに結果をまとめる予定だ。
 アイヌ政策推進会議の全体会合は今年1月以来。同会議のもとに設置され、3月以降に議論を重ねてきた「道外での生活実態調査」「民族共生の象徴空間づくり」の両作業部会が中間報告を行った。両部会は来春にも最終報告をまとめる。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/247842.html


朝日新聞(2010年08月25日)の記事には、少し詳しく以下のことが書かれていました。

 生活実態については、調査対象を明治時代以降に道外に転居したアイヌの人々またはその子孫の15歳以上(10月1日現在)とすることや、北海道アイヌ協会を通じて道外のアイヌ民族の2千世帯を一つの目安とすることなどが示された。
 現在、委託を受けた北海道アイヌ協会が調査対象者を集めており、対象者を9月末までに確定させた上で10月から調査票を郵送。内閣官房が年内中に回収し、来年2月末までに集計を終えたいという。
 会議では調査でたずねる質問案も示された。今のところ、(1)現在の仕事内容や年収、教育の状況などの生活実態(2)アイヌ文化とのかかわり(3)差別やアイヌ民族としての誇りなどの意識や考え――などが想定されている。
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001008250001


他、毎日新聞(2010年8月25日 地方版)
http://mainichi.jp/hokkaido/seikei/news/20100825ddlk01010189000c.html
日本経済新聞 (2010/8/24 19:15)
http://www.nikkei.com/news/category/article/g=96958A9C93819695E0E6E2E09C8DE0E6E2EAE0E2E3E29180EAE2E2E2;at=ALL
時事ドットコム(2010/08/24-19:28)
http://www.jiji.com/jc/c?g=soc_30&k=2010082400808


過日の紋別でのマレック漁(写真はyanagiさん提供)


これらの報道に交じって、驚きのニュースが入っています。
道が2006年にまとめた道アイヌ生活実態調査の報告書のデータに誤りがあったのです!!
現在の生活ぶりを尋ねた質問の回答は「とても苦しい」が0.3%、「多少困る程度」は18.3%としていたが、実際はそれぞれ29.7%、51.4%と大幅に違っていた、と。どうも、「とても苦しい」から「豊かだ」までの4段階の数字をそっくり逆に記載したようです。道アイヌ政策推進室は「報告書をつくる際に入力する数値を誤った。申し訳ない」と説明。
朝日新聞(2010年8月22日)
http://mytown.asahi.com/areanews/hokkaido/HOK201008210004.html

毎日新聞(2010年8月25日 地方版)では
北海道アイヌ協会札幌支部が道に抗議し経緯の解明を求める声明を発表したと報道。
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20100825ddlk01040190000c.html

生活実態調査は問題がありますが、いろいろなところでこの数字を紹介していました。簡単なパワーポイントを作っていたのを今回、カナダに帰国報告に出かけたウイットマー宣教師にも貸して英訳して持っていかれたので、早速訂正メールを出そうと思います。
しかし、4年も間違ったままこの結果が使われていたとは・・・困ったものです・・・



24日は天塩と初山別の家庭集会に行ってきました。途中の海の写真です。

平取で「第41回チプサンケ」が行われていたのですね。道新関連記事はこちら。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/247606.html


普及啓発セミナー

2010-08-26 11:03:47 | インポート
アイヌ文化振興・研究推進機構の普及啓発セミナーが今日行われます。
毎年たのしみにしているのですが、今夏のセミナーは忙しかったのでほとんど出られませんでした。
今日は富樫利一(知里真志保を語る会会員)さんの「近代史における金成太郎の座標」講演ですので、奨学金事務を兼ねて札幌に聞きに行こうと思います。優秀だった金成太郎でしたがアイヌであるゆえに差別と偏見にあい、若くして亡くなっています。過去ブログに書きました(07/11/29 blog)。

各セミナーは文章になって下記のURLでもダウンロードして読めますし、冊子にして無料配布されていますから聞き逃しても後日に読めて勉強になります。推進機構が出来てから続けられているのですから、相当な資料になっています。多くの方が利用したらいいと思います。
http://www.frpac.or.jp/rst/sem/index.html#

イヴェント案内も最近充実しています。
http://www.frpac.or.jp/evt/index.html

それを今日見て、わたしのイヴェント案内も久しぶりに更新しました。他に情報を頂いたのもUPします。
http://blog.goo.ne.jp/sakura-ive


紋別カリヨン広場にたつ巨大な蟹足のモニュメント 高さ12メートル!
月をつかまえました。


北海民友新聞(8月24日付)にも、「アースデイ紋別」の記事が掲載されていましたね。
http://www.minyu.ne.jp/digitalnews/100824_4.htm
市内の造林会社に勤める3人が中心となって実行委員会を組織したとか。そのお一人は2年前の稚内から対雁までを歩いたアプカシのメンバーの一人で、久しぶりの再会でした。とてもあたたかい青年です。他に、川村カ子トアイヌ記念館のチセ作りでご一緒した方や、いろんなイベントで顔をあわせたことのある面々が集まっていました。そのお一人yanagiさんから写真も送って頂いたので笹舟が浮いたことや、アイヌ伝統漁法のマレック漁の様子もわかりました。感謝。
若者と交じると自分が若くなった気分になりますな・・・。

笹船づくりのときにはアイヌ式漁法の下準備を見学していたので、実際には参加できませんでしたが、4メートルほどの立派なものが出来ていました。記事の写真でミュージシャンが座っているのが実物です。興味のある方はごらんになってください。yanagiさんの了解があったらこのblogにも写真を掲載させていただこうと思います。
笹の準備をしながら、「笹なら無料で腐るほどあるよな」「むしろ笹地獄だよな」「これ作れるようになったら笹天国だな」と会話が弾みました。指導に当たった石川仁さんは「冒険家」だったのね。

アイヌ協会紋別支部のサケ漁は驚くほど獲れたと川村シンリツ・エオリパックアイヌさんが後日談をして下さいました。


天気が良かったので日焼けし、翌日の礼拝後はこどもたちから「ゆでダコ」とからかわれてしまった・・


マレウレウ 記事

2010-08-26 07:08:44 | インポート

旭川アイヌの歌を伝承している四人の女性グループ「マレウレウ」が初のミニアルバムを出したというニュースが入りました。
MSN産経ニュース(2010.8.21 12:00)
http://sankei.jp.msn.com/entertainments/music/100821/msc1008211201001-n1.htm

アルバムは7月から全国発売されていますので、すでにお手元にある方も多いかと思います。わたしは自主制作CDを購入したものの全国販売ものはまだ買っていません。ヒサエさんが中身は同じと言われていましたから曲は聴きましたが、とてもいいです。今日、札幌に行きますので買ってこようと思います。
紙面の抜粋を引用します。

・・・メンバーは「アイヌに興味のない人がこのCDを持っている、という状況になってくれれば」と広がりを期待している。
 マレウレウとは、アイヌ語で「蝶」を意味する。11年前に結成されたが、4年前からはレクポ、マイ、ヒサエ、リエの20~40代の女性4人で活動している。
 アイヌ文化の伝承に力を注いだ川村カ子ト(かねと)を祖父に持つリーダーのレクポは、物心ついたころからアイヌの歌や踊りがごく近くにあった。それでも「忠実に再現するのは、なかなか難しい」と打ち明ける。
 「日本語とは発声が違うし、昔のテープを聞き取るだけでも大変。これ、どういう意味なんだろ、とか調べながら再現しています」と話す。
 初のミニアルバム「MAREWREW」(チカルスタジオ)に収められている曲は、ウポポと呼ばれる座り歌が中心だ。大勢が集まってお酒を飲んだりして楽しむときに歌うものだという。その中で、旭川市周辺で伝えられてきた6曲を収録した。
 これらの歌は、ウコウクという輪唱のスタイルを取っており、同じような節と言葉を一人一人、重ね合わせていく。「トランス状態になれるというか、とにかくかっこいいんです」とレクポ。 略
 「多くのミュージシャンがそうであるように、自分たちの音楽を伝えていきたい、という気持ちは強いですね。ちょっとなぞっただけの若い子の歌を聴いて、アイヌの音楽ってたいしたことないなと思われたら困る。観光の延長ではなく、純粋に音楽として活動したい。たとえばフジロックに出るとか」。マイがほほ笑んだ。

記事最後のマイさんは、過日のさっぽろ自由学校“遊”の講座でも言っておられました(2010/6/3 blog)。アイヌだからというのではなく、純粋に音楽として聴いてもらいたい、と。

毎年10月に北海教区内の牧師たちが集まって三泊四日の研修会が新篠津で行われますが、
その枠のひとつをアイヌ民族委員会が受け持たせていただき、アイヌ民族の方にお越し頂いてお話を伺う機会を持っています。
今年は思い切って、純粋に音楽を聴いていただこうとマレウレウの皆さんをお招きすることにしました。とは言いつつ、マレウレウの皆さんは多忙な日々を送っておられるので、全員が集まれないかも知れませんが、唄の解説や古い時代に唄われた音声資料などを紹介頂きながら音楽を楽しみたいと思います。
10月13日午後4時から行います。




先日の「アースディー紋別」の産廃施設予定地視察の時の夕方の写真
撮影のために立っている場所は、「アースディー」会場から見えたはげ山(砕石所)の頂上。
夕焼けがきれいでしたが、その足元には山が削られてとても痛々しそうでした。木を切り、山を削るということは当然、山の保水機能もなくなるということで、近年の大雨でどれほどの影響が出ているのかが心配になりました。この工事現場もリテック社が行っているとのことですが、視察に同席された方が同社の方に、前回の大雨で避難勧告が出たようなことを訴えておられたのが耳に入りました。お年を召された方は避難されなかったということも。
この山の裏側が産廃施設予定地となります。


紋別 産廃処理場計画地 説明会

2010-08-24 08:21:41 | インポート
8/23 北海道新聞(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki4/247612.html)の記事にもなりましたが、自然環境の大切さを訴えるイベント「アースデイ紋別2010」が21~22日とあり、土曜日は紋別まで行ってきました。
石川仁さんが指導し、世界初のささ舟作りから始まり、アイヌ民族伝統漁法体験、音楽ステージと盛り沢山でした。

とは、言いつつもわたしは「アースディ」が目的ではなく、同時開催のアイヌ協会紋別支部の畠山敏さんが中心になって異議を唱えている産廃処理場の現地説明会に参加。北大大学院の小野有五さんが来られ、今回の工事を担当するリテック社の説明のもと、現地で説明を受けて来ました。

産廃処理場の詳しい資料を頂いて来なかったので詳しくここで説明出来ないのが残念ですが、藻別川の河口から上流のほうを眺めると、ひと山がはげ山になっている所が見えます。そこは現在、砕石場となっている山ですが、その裏側に入った、そうとう広い一本の沢をまるまる使って処理場を作る計画がなされていました
。この沢は藻別川の支流である豊丘川につながっていますので、万が一、有害なものが産廃から漏れたら藻別川の汚染につながることを畠山さんらは懸念しています。



写真も全体を撮ることが出来ませんでしたが、写真手前が施設予定地の頂上部分で、ここから20メートルほど下がった写真中央の道から沢の下の80メートルほどが埋まる計画。

大まかに説明すると、設計図の赤の部分が山の尾根。黄色が山々の頂点。青い部分が沢。沢を埋め立てるかたちで施設ができ、堆肥化施設や汚水処理場も設置。緑が上の写真を矢印の方向に撮った位置。黒線が沢に造られる処理場を囲うために作られる壁です。図が見にくくてすみません。


説明会の際には、近年の異常な雨量の多さに対応できるのか、100年後を考えて安全と言えるのか、最初の説明ではホタテのうろ(カドミウム含)は受け入れないと言っていたのに途中から報道で違うことが言われるようになったのが信用ならん、等、激しい質疑もあり、リテック社も持ち帰って検討すると答えていました。
わたしも今後、資料を取り寄せて、詳しく追って報告していきます。

その夜は「アースディ」にて小野有五さんのトーク・ライヴもありましたが、わたしは翌日に備えて帰路につきました。



「アースディ」では、藻別川の河口でアイヌ民族伝統漁法での漁を行いました。ここ数年、認可を受けて鮭漁を開催しているとのこと。
とは言いつつ、22日にアシリ・チェップノミ(新しく鮭を迎える儀式)を行った後に本格的な漁をしたようですが、わたしは前日の準備で丸木舟を使って網を仕掛けるところまでの参加のみでした。
現在、この藻別川にはかつてあった孵化施設も撤廃しているため、畠山さんは、いつかアイヌの手で孵化施設も再建して鮭を獲って暮らしたいと夢を語っておられました。そのためにも上流に造られようとしている産廃施設についてもきちんと意見を言っていく、と。


「民族共生の象徴となる空間」作業部会「議事概要」

2010-08-19 20:32:31 | インポート
アイヌ政策推進会議の「民族共生の象徴となる空間」作業部会の第5回までの議事録「概要」がURLにやっとUPされました(ちょっと前かも知れません)。以下のURLをチェック!!
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/kaisai.html

5/28の第4回議事録では、有識者ヒアリングとして、①駐札幌米国総領事ダーナ・ウェルトン氏と②北海道環境財団理事長辻井達一氏の話した概要を掲載。
しかし、②は「北海道の現在の植生状況、潜在的な植生状況(現在の条件の下で、過去の植生状況に回復するとすればどこまで回復できるかを類推)について紹介」、「全道7地域における自然環境、気候環境の紹介。イオル計画における自然環境(特に植生)の特徴づけ等について提言」とあるだけで、内容は???
 
これではオープンとは言えないでしょう。配布資料もあったと思うのですが、それもUPされていませんから、「紹介」も「7地域」も、イオル計画に関する「提言」もさっぱり!

その後の「主な意見」は、少し内容が分かりますが、まだ混沌としている状態。
人骨問題に触れている意見が一つありました。以下、引用。

人骨問題は、アイヌが置かれている問題を全て集約していると言えるかもしれない。歴史的経緯を踏まえた問題をどう解決するかは、共生空間をどう作るかそのもの。将来へ向けてどういうスキームを作っていくか。教育が解決の一つの鍵になるのでは。

わたしもそのことを注視しています。「研究」がどのように行われるかも・・・

6/15の第5回では、この「研究」について篠崎さんが話をされています。
その前に、秋辺さんの「要望」は、なるほどと思いました。引用すると長くなりますので、ファイルを開いてどうぞお読み下さい。

さて、篠崎さんですが、報告内容は箇条書きに分かりやすくまとめられていて、とてもいい。
1980年代後半から盛んになった生物考古学的研究は、人骨に残された情報から当時の人々の社会状況や生活内容を復元するものらしい。
「例えば、北海道の入江貝塚で発見された縄文時代の18歳くらいで亡くなった女性は、人骨の特徴から小児麻痺を罹患していたことが分かり、このことから、当時の社会では寝たきりの人であっても周りの人たちがケアを行っていたことが分かった」(引用)と言うように。

その研究は和人の人骨を用いたものは進んでいるが、アイヌ人骨に関しては研究が行われていない。だから過去のアイヌの社会を知るためにも、この分野の研究は必要である、と。
その他、研究することの益について述べられていますが、以下が引っかかりました。
「これまで、研究成果をアイヌの方々に還元してこなかったことが問題。共生空間の中で、過去の経緯もつぶさに説明するとともに、過去のアイヌに関する研究成果も知ってもらうことが出来れば良いと考えている。」

「共生空間」をつくる前に、つぶさに説明するのが筋では?説明不足が不信を呼び、また研究材料として扱われるのではという不安を起こすのではないでしょうか。

北大が過去に「収集」したアイヌ頭骨や副葬品も含めて、過去のアイヌ墳墓からの遺骨・副葬品収集に関しては国をあげて調査し、明らかにすることを望みます。




アイヌ民族関連ニュースから

2010-08-18 21:38:09 | インポート
在宅中は、ほぼ毎日、新聞各社のHPを訪問し、アイヌ民族関連の記事を読んでは、わたしたちのHPの「関連ニュース」blogにストックします。
(http://blog.goo.ne.jp/ivelove/)それほど利用されていませんが、情報収集としても大切と思いつつ続けています。

今日は新聞各紙の記事を読みながら、それらを紹介したいと思います。

まず一つ。前回にご紹介しましたが、紋別のアースディ開催の記事。
今週末の21日から二日間のイヴェント。サブタイトルは「アイヌモシリの大地を次世代に~オホーツク紋別の値から、自然環境の尊さを発信~」。
流木で沸かした五右衛門風呂入浴やアイヌ伝統漁法などを体験しながら自然環境の尊さについて考えるとのこと。会場はカリヨン広場(流氷科学センター前)。
わたしも21日は参加しようと思います。
北海民友新聞社(8月15日付け)http://www.minyu.ne.jp/digitalnews/100815_1.htm


毎日新聞(2010年8月15日)の「今週の本棚:『ともいきの思想』 著者・阿部珠理さん」記事も注目。
http://mainichi.jp/enta/book/hondana/news/20100815ddm015070023000c.html

過日の7月23日に行われた「アイヌ民族学校設立の展望と課題」討論会(7/27blog参照)のパネラーのお一人だった萱野志朗さんのお話に紹介された本です。早速、見つけて読みたいと思います。


次は、「道内の外国人教師ら9人 絵本「イオマンテ」英訳 「アイヌ民族の心、共有したい」」(北海道新聞 08/17 15:14)の記事(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/246689.html)

道内の英語教師らがアイヌ民族の儀式を主題にした絵本「イオマンテ めぐるいのちの贈り物」(文・寮美千子、画・小林敏也、パロル舎)を英訳した話。英訳を手掛けたのは、函館ラ・サール中学、高校のカナダ人英語講師ピーター・ハウレットさん(55)ら9人のグループら「プロジェクト・ウエペケレ」。
ハウレットさんはカナダ合同教会から名寄の道北クリスチャンセンターに派遣されたピーター・ハウレット宣教師のご子息。現在の道北センターの館長であるロバート・ウイットマー宣教師もプロジェクトメンバーのお一人(また、アイヌ民族委員会の委員長)。仲間が活躍くださっていることをうれしく感じます。一冊頂こうっと!


その次は、「ひと交差点:「ウコ・チャランケの会」代表・石井ポンぺさん」(毎日新聞 2010年8月18日 地方版)の記事。
石井ポンぺさんが、農業体験施設「サッポロさとらんど」にある縄文遺跡の全面発掘の実現に力を入れておられるとのこと。近く、ゆっくりお話を伺いたいと思います。
http://mainichi.jp/hokkaido/shakai/news/20100818ddlk01070003000c.html


今日はここまで。
ご自分の読まれている新聞にはアイヌ民族関連のニュースは何もないとお感じでしょうが、ネットで出ているのでもこれだけあるのです。新聞社はネット上に流すのは「ショー・ウインドウ」という扱いですから、購入して読んでもらいたい記事はネットでは流さないと聞いたことがあります。
それらを当銃砲センターはどう扱うかは考えて行きたいところです。
明日も記事を紹介したいと思います。


今日は初山別の家庭訪問にいってきました。途中で、初秋の海を撮りました。
帰宅後、帰りが遅いと怒られながら、こども達と合流。北海道のこども達は今日が2学期始業式。
久しぶりに来る子も含め、みんな元気そうでした。


アイヌ民族フィールド・ワークの計画中

2010-08-17 04:01:57 | インポート
留萌では15日前から秋の風になり、過しやすい日中を過ごせています。

わたしたち北海教区では、教区内の連帯を強めるためA4版で40頁ほどの教区通信を年に3~4回発行しています。教区内の教会からの情報や各委員会の頁もあり、アイヌ民族委員会も毎回、1ページ分の情報を出しています。
今回は、来る、10月4~5日に計画しているフィールド・ワークの案内を載せました。
まだ煮つめているところですが、大枠は以下の通りです。

2010年度 アイヌ民族フィールドワーク 

開催日時 : 10月4日(月) 午後6時 集合   5日(火) 午後14時 解散
交通手段 : 各自、室蘭知利別教会集合
学習内容 : 4日 夜 知里幸恵 関連ビデオ鑑賞※  学習会
※「北海道フロンティア人物伝 銀の滴・知里幸恵の生涯」(89/11/16 45min)
        5日 午前中 知里幸恵記念館「銀の滴館」見学   午後 白老ポロト・コタン見学
参 加 費 : 1,000円(食費、施設入場料各自負担)
教会に宿泊させて戴きます。寝袋持参(ふとん希望者は実費800円)。

参加希望の方はアイヌ民族情報センター宛にメール(ororon38@hotmail.com)ください。


関連で、いま知里幸恵さんの関係する書物を読み直しています。
藤本英夫著「知里幸恵 十七歳のウエペレケ」に、旭川近文につくられたいわゆる「土人学校」である「上川第五尋常小学校」(1918年に豊栄尋常小学校と改称)について書かれていたことに目が止まりました。もとの資料は筆で書かれた丁寧な記録「豊栄小学校沿革史」(道立図書館にも道内の図書館にもないようです)。
その中に、開校の1910年から閉校(1923)までの13年間に、実に15,446人の来校参観者の一覧が記録されているとのこと。最初は少ないけれど後半は年に1,000人を超え、計算でいくと毎日4名、1918年の北海道博覧会の年は一番多く、6,320人の「見物客」が来たとか。「見世物」として扱われたとしか思えません。
さらに、「この学校の授業風景の絵葉書がある。来客向け土産としたものらしい。」とも書かれていました。著者はそのことに関して何も感じていないようですが、土産まで用意しているというのは、やはり「観光地」の「見世物」扱いだったということでしょう。

さる7月23日に行われた「アイヌ民族学校設立の展望と課題」討論会(7/27blog参照)のパネラーのお一人だった川村シンリツ・エオリパック・アイヌさんが豊栄小学校のことに触れて、軍人が来るたびにイオマンテのまねごとをさせられていたことや、校長がアイヌ児童の写真を5,000枚の絵葉書にして売っていたことを言われていましたが、それと一致するのでしょうか。
この件に関してはもう少し追っていきたいと思いますが、最後に小川正人著「近代アイヌ教育制度史研究」にアイヌ学校での教師の評価が当時の行政とアイヌとで違う場合がある例として書かれた一文を記します。

例えば、上川第五(豊栄)の教員、赤松則文(1916~18年)、佐々木長左衛門(1918~23年)は、当局からは「熱心」だとの評価を受けていたが、生徒だったアイヌは、「手工時間にアイヌ細工を作らせ」て「それを一般参観者に売って私服を肥やしていた教師もいた」と回想している。(P253)

補足:「私服を肥やしていた」に対し、「児童の学用品の足しにした」(留萌文学89号 2004/7/25 藤本英夫)という記述もあります。

知里幸恵さんに関連する保存DVDは以下の通り。
「北海道フロンティア人物伝 銀の滴・知里幸恵の生涯」 (1989/11/16 45min)
「驚きももの木20世紀 アイヌ少女の悲劇 知里幸恵」 (1997/9/19朝日放送 54min)
「その時、歴史は動いた 神々のうた大地にふたたび~アイヌ少女 知里幸恵の闘い」(NHK総合 2008/10/15放送 44min)
「知里幸恵」小野邦夫作(58min)


調べ中に近文コタンの古い地図が見つかりました。今日、旭川に行くので、その地図を頼りに知里幸恵さんの暮らしていた伝道所を確認してこようと思います。


増毛の別狩。
14日は北海教区の教区横断メンバーが突如、来られて少々お話をしました。二泊三日で道内の教会訪問をされているとか。わざわざ留萌まで来て頂き、感謝でした。
15日は礼拝後に平和を願う会を教会にて開催。増毛町在住の92歳の畑中明子さんから樺太引き揚げ者としてご苦労されたお話を伺いました。内容に関しては「九条を考える増毛の会」ブログ2009/8/27~28を!
http://mashike9jo.net/modules/wordpress/


暑中お見舞い

2010-08-12 18:13:39 | インポート
暑い夏です。みなさんお元気にお過ごしですか。
ノヤ最新号発送や夏の行事で更新が滞ってしまいました。
行きたいと思っていた遊講座や国際先住民の日記念事業(於・サッポロピリカコタン)も行けず残念でした。
そろそろお手元にノヤ38号が届けられるかと思います。皆さんのお祈りとご支援を感謝します。


先日のさっぽろ自由学校「遊」の講座(7/27)でお話くださった“担い手研修生”の記事が8月9日付の苫小牧民報に出ていました。川村このみさんが「フッタレチュイ」の激しい踊りをしている写真も載っていましたよ。ご活躍を祈りつつ、以下、記事を引用します。

【白老】アイヌ文化の担い手研修生が子どもたちに手ほどき(苫小牧民報 2010年 8/9)
 アイヌ文化の担い手として、白老町のアイヌ民族博物館で学習に励む研修生が7、8日、子供たちを迎えて体験模擬授業を開いた。
 アイヌ文化を夏休みの自由研究テーマにしてもらおうと、研修生5人が針入れ「チシポ」の製作、オオウバユリからのでんぷん採取、アイヌ文様の切り絵、民族舞踊、アイヌ刺しゅうのコースター作りを企画した。
 民族舞踊の授業では、バッタの動きをまねた「パッタキリムセ」(バッタの舞)など三つの踊りに挑戦。研修生の動きに合わせて、体をのけぞらせたり、手拍子を取ったりと、子供たちは小さな体をいっぱいに使って踊りを楽しんだ。
 2日間続けて参加した白老小6年の工藤蓮君は「踊りは動きが面白かった」と笑顔。網走管内美幌町からやって来た木村大喜君(小学5年)は「アイヌの文化をもっと勉強してみたくなった」と話していた。
http://www.tomamin.co.jp/2010s/s10080902.html



小平蘂ダムでよく見かけるハヤブサ。堂々として逃げません。


もう一つ、重要なニュースです。
北海民友新聞(7/30付)に、紋別のモベツ川に予定されている産廃最終処理施設計画に対し、道が設置を許可したことが掲載されていました。
http://www.minyu.ne.jp/digitalnews/100730_4.htm

反対はあるが必要なものだし、手続きを踏んでいるのだから皆も納得いくだろう、という流れが感じられる報道です。なぜアイヌ協会紋別支部が反対しているかには触れていません。
さっそく、チ・カラ・ニサッタのメンバーらが動き、8月6日に道に説明を求める時間を取りました。
これも残念ながらわたしは名寄での会合があったため断念(北大アイヌ納骨堂でのイチャルパも参列できませんでした)。
今後、出来るだけ早く紋別を訪れて、情報を得て発信をしていこうと考えています。道の許可がおりましたが、その後、開発局の許可も必要だとのこと。わたしたちも出来ることをしていきたいと思います。

別件ですが、来る8月21日(土)午後3時より、22日(日)17時まで、「アースディ紋別」というイヴェントが紋別カリヨン広場で開催されるという案内を友人のYanagiさんから頂きました。
アイヌモシリの大地を次世代に―オホーツク紋別の地から自然環境の尊さを発信―というサブタイトルがついている通り、環境問題を考え、体験する内容がいっぱいです。
初日は、冒険家石川仁さん指揮で笹舟作り、流木を拾ってそれを燃料に風呂に入ったり(いいですなあ)、北大の小野有五さんを招いてのトークライヴ、キャンプファイヤー。
翌日は、アイヌ協会紋別支部指揮でアイヌ伝統漁法体験(やりたいっ!)、アイヌ・アート・プロジェクトなどのライヴ、こどもイヴェントなど、盛りだくさん。みなさんにもご案内します。
問合せ先は園部さん E-mail okusea@hotmail.co.jp


過去写真で寒さをプレゼント。真冬には夏を恋しく思っていたのに、いざ、真夏になると冬が恋しい・・・

こどもたちが夏休みに入り、教会もにぎやかになっています。在宅している時は午後2時から夏休みの宿題タイム。一時間ほど見て、その後は5時半まで遊んでいます。ちゃんと数人は勉強にも来ます。
先日、次男が東京から帰省したので、一緒に勉強を見ていたら、こどもの一人が「『いいこと教えてやろうか』って、先生と同じこと言ってる~」と指摘。確かに言い方もタイミングもそっくりでした。