アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

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友愛政治

2009-10-27 20:39:25 | インポート
鳩山首相の所信表明が今朝の新聞で掲載されていました。その中でアイヌ民族のことが述べられています。「国民のいのちと生活を守る政治」の一部を以下、引用します。

本当の意味での「国民主権」の国づくりをするために必要なのは、まず、何よりも、人の命を大切にし、国民の生活を守る政治です。・・・(略)・・・
また、職場や子育てなど、あらゆる面での男女共同参画を進め、すべての人々が偏見から解放され、分け隔てなく参加できる社会、先住民族であるアイヌの方々の歴史や文化を尊重するなど、多文化が共生し、誰もが尊厳を持って、生き生きと暮らせる社会を実現することが、私の進める友愛政治の目標となります。
時事ドットコム:http://www.jiji.com/jc/c?g=pol_30&k=2009102600411



文中にもあるように、多文化共生・マイノリティ尊重という「友愛政治」が謳われています。
せっかくなのですから「アイヌ民族」と明言するのがよかったですね。あの有識者懇の報告書も他の引用以外に「アイヌ民族」を用いているのは「アイヌ民族の日」の記述のくだりでの二回と特別議席のところ、そして、まとめで各一回の四回のみで、他は「アイヌ」または「アイヌの人々」だらけなのが気になっていましたが。


多文化・マイノリティを尊重する社会となることを心から願います。
昨日にUPしたWIN AINU学習会で常本照樹さんが、すでに政府は多方面で動いていると言っていましたが、具体的に目に見えて動きがわかるといいですね。

内閣官房にアイヌ総合政策室が設置されましたが、この一年の有識者懇での情報公開のように、常にURLで動きをUPし、マジョリティーの国民納得させるよう努めることができたらいいと思います。
もちろん、窓口も広~くね。今後、アイヌ民族の皆さんと頻繁にその窓を叩いていければと願います。

10月に開催する予定であった懇談会については動きが見えません。選任も含め、これらもオープンにしていただきたいですね。

明日から一泊で山形の基督教独立学園に行って来ます。ディヴァン宣教師が講演に呼ばれたので、付き添います。台湾の原住民族とキリスト教との関わりでお話をしていただきます。楽しみです。



台湾原住民族のための牧師養成校 玉山神学校(写真中央) 


WIN AINU 学習会報告その2

2009-10-26 22:00:21 | インポート
前回blogの報告の続きです。常本照樹さんとWIN AINU学習会参加者との質疑内容をわたしのほうでピックアップし、まとめてUPします。
色変えして以下の通り。

今回の報告書に歴史記述が多いのは、有識者懇は国に対して具体的な政策の実施を促すものだから、その根拠となる部分を重要視した結果だ。細かい部分は批判もあろうかと思うが、①アイヌが日本の先住民族である。そして、②国家の意思として打撃を与えた。だから先住民族アイヌへの特別な政策を実施するには理由がある、ということは書けた。
では、「先住民族とは何か」については、本来は先住民族であるアイヌ民族が考えるべきことは百も承知しているが、今回は国に政策実施を促すのが有識者懇としての目的である以上、その限りで定義をすることは避けられなかった。この定義は二風谷ダム裁判判決当で用いられた定義だ。

報告書の大きな柱のひとつに、国民の理解を求めることがあるが、そもそも国民は加害者側であるわけで、被害者側の救済を要求するに当たって加害者に同意や理解を求めるというのは不当な話だ。それを重々承知の上でなお、今は国民が理解しないと政策が進まないのが事実であり、国民理解のないまま、あえて政策を強行すると新たな差別となることは過去の歴史をみればいくらでもある。その意味で原理的には不当だが、あえて国民の理解を求めることを書いた。

謝罪に関してオーストラリアのラット首相が謝罪したことは評価されることが多い。しかし、ラットにせよ、アメリカの各州にせよ、いろいろな謝罪が行なわれているけれども、それが直ちに具体的政策に結びついているかというと必ずしもそうではない。ラットにしても若干の教育・福祉に関する予算の付け足しはあったが基本的な政策は変わっていない。ハワイ(王国がアメリカに乗っ取られた)に対して、アメリカ政府は謝罪決議をしたが、その際、「これによって政策の変更はいっさい行なわない」と明言した。そういうことはいくらでもある。つまり、謝罪によって大きな政策の変化は望めないし、謝罪をめぐって議論に時間を費やすことで本来おこなうべき政策が遅れると考える。

最近ネットで「アイヌ優遇処置が始まった」ということばを見るが、この報告でも「アファーマティブ・アクション=優先処遇」とは言っていない。アイヌ民族と他の人たちとはそもそも同じ立場(平等)ではない。平等だけれど特別な理由で行なうのが「アファーマティブ・アクション」だが、そうではない。今回はあくまでもアイヌ民族の人々が自らを誇りをもって先住民族アイヌであることを選択できるようにすることが目的だ。

現在、具体的に政策として動いているのは以下の通り。
・ 学習指導要領に書き込む、教科書に記述するよう指導する、道内でしか配布されていないアイヌ民族の副読本を全国に配布する、教職員の研修を行なう、すでにアイヌ民族に関する学習を行なっている授業をモデルとして全国に紹介する、ユーカラ伝承者への表彰(文科省).
・ 人権擁護委員など人権に関わる人たちにもアイヌ民族への理解を促すものを配布する(国土交通省)。
・ 「アイヌ民族の日」をつくって、その日に全国的なキャンペーンを行なう。
・ アイヌ民族に関する映画やドラマ、アニメをつくって有効的なメディアで放映する(内閣官房と関連するすべてが協力)。
・ 象徴的な空間の整備(アイヌ民族への雇用も含む)
・ アイヌ語講座、指導者育成に関してこれまで以上に予算をつけたり、アイヌ語に関する音声資料収集と整理をする。あるいはアイヌ語地名由来研究を行なう(国土交通省、環境省他)。
・ アイヌ工芸品の技術向上・販路拡大、マーケティング調査、技術継承、アイヌブランド確立を国の後押しで行なう。
・ 自治体とアイヌ民族が協同して産業をつくっていく(内閣官房)
これらのことが具体的に予算要求として動き始めているから、アイヌ民族としてこれらの具体的な提案を国に投げてもらいたい。

8月12日に内閣官房にアイヌ総合政策室が設置された。内閣府と内閣官房は別物で、内閣府とは文科省などと同列だが内閣官房はその上にある総合調整機関で、官房長官の手足になって官僚組織全体を動かすもの。いちばんランクの高いところにアイヌ政策室を置いた。これがスタートとして今後より大きくなることはあるが消滅することはない。

審議機関の設置も言われているが、アイヌ民族を複数入れて永続的に発足させることを考えていると聞いている。



他に、日本の先住民族ということでは琉球もあるがどう考えたか、という質問も出ましたが、有識者懇としてはアイヌに関してのみ考えろとのことであったし時間も余裕もなかった、との応答がありました。


25日は札幌地区間交換講壇で札幌元町教会に行って来ました。
小さなこどもからお年を召された方、そして、障がいを持つこどもたちもたっくさん来られ、そのご両親も集まり、たいへんにぎやかでした。とても感動しました。
時間を頂いて、アイヌ民族情報センターの報告もさせて頂きました。特に、わたしたちの日本キリスト教団の教育委員会がアイヌ奨学金キリスト教協力会の献金を突如うち切ったことに議論が沸きました。みなさま、応援よろしくお願いいたします。


ところで、水戸黄門(月形龍之介時代)が松前藩まで出かけてアイヌ民族をいじめる悪人を倒す東映時代劇『水戸黄門海を渡る』を持っている方おられませんか? 見たい!


雪虫が舞う季節となりました。最近、よく虹を見ます。


有識者懇の報告書に関して

2009-10-24 20:48:40 | インポート
さる、8月31日、世界先住民族ネットワークAINU(WIN AINU)の第一回学習会にアイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会(以下、「有識者懇」)の委員のひとりであった常本さんが有識者懇の「報告書」についての説明をして下さいました。

その後に、北大アイヌ・先住民研究センターにおいても常本さんのお話があったようですが、所用のため行けませんでした。センター長であられるので同センターから内容全容の文書なり音声なりをURLにUPして頂けたら、多くの方が直接に見聞きできるのでいいと思いのですが、残念ながら今はやっていません(やってぇ~)。

WIN AINU学習会の際には、多くの人に聞いてもらって理解してほしい旨のことを言われていたので、せっかくですからわたしの方でテープ興しをしつつ要約を紹介させて頂きます。
以下の通り色変えして紹介します。

今回の報告書は有識者懇第2回(2008年9月17日)の加藤忠委員(北海道アイヌ協会理事長)が同アイヌ協会で機関決定されたアイヌ民族としての要望をまとめて報告されています※1が、それに対して答える形でつくられたもの。有識者懇のメンバーすべてが加藤委員の言われたことを出来るだけ実現しようという形で一貫して作業してきた。
どのように実現するかに関してはいろいろな考えがあったが、ひとつには先住民族の権利に関する国連宣言を参照せよというのが有識者懇に課せられた使命ですから、当然、具体的に参照してきた。もう一つは最高法規である日本国憲法の枠の中で、利用しつつ考えていった。
とにかく実現可能なことをつくろうとやってきた。いくら美しいものでも実現不可能なものだと意味がない。時間的猶予もない※2中で政府と議論して時間を費やす余裕がないので、実現できることを考えた。
また、この報告が最後ではないという認識を持っている。ご存知のようにこの報告書はアイヌとしてのアイデンティティーを尊重し強化していくことだ。しかし、アイヌ民族としての権利を担えるのは誰か、それを誰がどうやって判定するのかということが未だ整理されていない。しかし、その機は熟していないと有識者懇は判断した。それよりはまず、アイヌ民族のアイデンティティーというものを強化していく中で、おのずとアイヌ民族というものが明らかになってきて、その中で権利の担い手がアイヌ民族自身からもアイヌ民族以外の国民からも分かるときが来るに違いない。その時になって権利の議論をすることが実際的なのであろう。それまで権利の議論が出来る土台を作らなければならない(条件整備)というのが有識者懇の発想だ。
とにかく、実を取りたいと考えた。個々の政策も政府と不毛の議論をしないで実現できることをまずしていくことを考えた。報告書だけを見れば、理想からかけ離れているとの批判があると思う。それは甘んじて受けたいと思う。しかし、先の現状認識の上でのことだということもあわせて考えてもらいたい。


とのことでした。他にも質疑の際に語られたこともありますので、後日に紹介しましょう。

※1これは有識者懇のURLから見る事ができますし(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainu/kaisai.html)、
わたしの過去ブログにも要約をUPしています(8/14 blog日誌)
※2ことばの問題、老齢化の問題、文化の継承の問題等。


10月19日のWIN AINUの第3回学習会も、とてもよかったです。21日のさっぽろ自由学校「遊」の「植民地主義を解剖する~私たちの中に潜むコロニアリズム~」は、忙しくて行けずでした。残念。
コロニアリズムもこれから調べようと考えていたので、今後を楽しみにしつつ、やっと小熊英二著「単一民族神話の起源」(新曜社)も読み始めました。
22日の牧師たちの研修会での島崎直美さんのお話もよかったです。次回のわたしたちの機関紙「ノヤ」に掲載できると思います。


暑寒別岳の奥の沢。ぜったいザリガニおる!


秋の夜長の学習会

2009-10-17 08:05:45 | インポート
あれよ、あれよという間に月日は流れ・・・
ログイン方法も忘れてしまいそうになってしまいました・・・

しかし、お伝えしたい事も多くありますのでイヴェント情報だけでもUPします。

なお、報道関係 http://blog.goo.ne.jp/ivelove/
イヴェント情報 http://blog.goo.ne.jp/sakura-ive
は基本的に毎日UPしていますのでご覧いただけたら幸いです。

まずは、今日!
午後1時から、川村カ子(ね)トアイヌ記念館(旭川市北門町11)で第10回旭川アイヌ文化フェスティバルが開かれます。
川村シンリツ・エオリパック・アイヌ館長が館内を案内しつつ、アイヌ民族の暮らしを解説。
1時30分から、谷本晃久・北大准教授が「『保護地』自主管理の夢 近文アイヌの構想と運動をめぐって」と題して講演。
3時からは「アイヌ文学の世界 アイヌの物語」として「大きな古時計」をアイヌ語で歌ったり、「旭川親子アイヌ語教室」のメンバーによるアイヌ語での発表もある。
ワークショップでは簡単なアイヌ語を使ってみたり、歌や踊りを楽しんだり、旭川アイヌの文化伝承者杉村フサさんらの「トゥレップの会」が刺しゅうの実演あり。
入館料500円。子供から大人まで参加できる。問い合わせは同館(電)0166・51・2461。
関連ニュースは道新⇒ http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki4/194460.html

わたしは残念ながら、教会でのテャリティーフリマに専念します。先に訪問した台中の被害救援のために協力を頂きます。(下の写真は太麻里の原住民族の住む村の被害)



WIN AINUの第3回学習会が以下の通り
世界先住民族ネットワークAINU(World Indigenous peoples Network AINU)第3回報告・学習会
「国際会議参加報告について~(アオテアロア:ニュージーランド)」
報告者:島崎直美・島田明美・沖津翼
と き:2009年10月19日(月)18:30~20:00
ところ:札幌エルプラザ内 2階「環境研修室」・・定員36名
         札幌市北区北8条西3丁目 
問い合せ:「世界先住民族ネットワークAINU」 札幌事務局・島崎(TEL&FAX:011-593-0655)
参加費 無料(但し、資料代500円)



21日は前回のブログで紹介し損ねたさっぽろ自由学校「遊」のアイヌ民族関連講座の二つ目の後期講座が始まります。
テーマは「植民地主義を解剖する~私たちの中に潜むコロニアリズム~」
全6回(毎月1回水曜18:30~20:30)に開講します。植民地主義とアイヌ・モシリとの視点で学べるようです。
第一回案内は以下の通り 
トーク「若者たちと語る、日本社会のいま」
●朝鮮学校の生徒たち、アイヌ民族の若者など
私たちの生きる社会には、様々な文化的背景を持つ人たちが暮らしています。在日コリアン、アイヌ民族、中国帰国者などの若者たちと、現在の日本社会のあり方について語り合います。
http://www.sapporoyu.org/modules/sy_course/index.php?id_course=198


わたしも可能な限り聞きたいと思っています。

22日はわたしたち教団の北海道内の牧師たちの研修会があり、恒例のアイヌ民族の学びに、
島崎直美さん(WIN AINU事務局)をお招きしてお話を伺います。
新篠津温泉・たっぷの湯にて午後1時より開催。どなたがこられてもけっこうです。



秋が深まってきました
 

アイヌ民族と格差・貧困問題

2009-10-05 20:02:24 | インポート
さっぽろ自由学校「遊」の2009年後期講座が始まりますね。
アイヌ民族関連では2つの講座あります。
ひとつの講座は「アイヌ民族のこれから~奪われた権利の回復に向けて~」で、明日の6日から
月1回火曜 18:30~20:30 全6回です。
案内説明は以下の通り。

http://www.sapporoyu.org/modules/sy_course/index.php?id_course=203

2008年6月の「アイヌ民族を先住民族とすることを求める」国会決議を受けて設置された「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」の最終報告書が2009年7月に発表されました。これから、新たなアイヌ民族に関する政策策定に向けての具体的な動きがはじまっていきます。この講座では、懇談会の報告書の内容を評価・検討しながら、奪われたアイヌ民族の権利をどのように回復していけばよいのか、具体的に考えていきたいと思います。


第一回目はジャーナリストの中村康利さん(道新勤務)が、「アイヌ民族と格差・貧困問題」をテーマに話されます。
中村さんは少し前、「アイヌ民族、半生を語る-貧困と不平等の解決を願って」(自由学校「遊」)を出版されました。
同書には二十名近くのインタビューとその分析に裏づけられて、差別と貧困がアイヌ民族を追いやっている現状が記されています。
インタビューの際のみなさんの生の声が心に刺さります。


すこし乱暴ですが、中村さんの本からインタビューのあとのまとめを抜き書き引用させて戴いきます。

1:現在、収入の少ない社会人の多くは、子どものころ、主に生まれ育った家庭の経済事情によって進学が阻まれ、高校を卒業できず、十分な学歴を得られなかった。(P.162)
2:こうして高校を卒業しなかったり、高校を卒業しても安定した仕事に着く機会を逸したりした人たちは、いわゆるホワイトカラーやブルーカラーの正社員として働くという安定した生活コースにすすむことが出来なかった。(P.162)
3:多くの場合、収入の増える機会が少ないと将来の生活を見通すことはたやすくない。それどころか生活の安定を損ねる失業や解雇の危険と隣り合わせになっていることもある。その中でアイヌ民族向けの職業訓練を受講しても、安定した就業機会はなかなか訪れそうもない。(P.163)
4:結局、社会人として独立した後、収入を得ようと働こうとする場合、結婚相手を探す場合、子どもを進学させようとする場合、いずれの場面でも貧困は不利をもたらすといえる。そして、多くの貧困は、生まれ育った家族から引き継がれていた。教育や就業の機会に恵まれない中、本人や家族は苦境を乗り越えようと懸命に努力を続けたものの、個人の努力だけではそこから抜け出すことは難しい。(P.163)
5:アイヌ民族向けの修学資金は、十分とはいえないが、子ども達に高校や大学進学のチャンスを与える有効な手段であると考えられる。一方、アイヌ民族向けの就業支援は、十分な収入を得る機会を提供しているとは言い難い。親の生活が安定しづらいならば、子どもたちの進学機会を高めることにも結びつきづらい。(P.166)


この状況の打開をどうするかについては「貧困対策のあり方」で展開されていますが、ここでは省略。
みなさん買ってお読み下さい。
明日は楽しみです。


暑寒別川に鮭がのぼってきています


報告書の実現をすすめたい、と

2009-10-03 13:52:26 | インポート
しばらくぶりに活動日誌を再開します。
この間、8日間の台湾原住民族の出会いの旅に出かけたり、道内のアイヌ民族関連のイヴェントであったりと動いていました。台湾の報告などもまたUPします。
10月は少し落ち着いて資料や諸書をじっくり読みたいと願っています。が、どうなるでしょう。


あらためて、「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(以下、有識者懇)がまとめた報告書を7月29日に国に提出したあたりの新聞記事を読み直しました。


毎日新聞がいちばんわたしの知りたい事を書いているので引用します。

アイヌ:内閣官房に担当室設置へ
(毎日新聞 2009年7月29日 最終更新 7月29日 23時05分) 
 政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京都大名誉教授)は29日、河村建夫官房長官に報告書を提出した。アイヌを「先住民族」と認定したうえで、政策を確実に推進していくための新たな立法措置を求めた。根強い偏見や差別をなくすため学校教育の充実、生活・教育格差を解消する支援策も盛り込んでいる。河村官房長官は「苦難の歴史を厳粛に受け止め、報告書の各事項の実現を進めたい」と述べ、内閣官房にアイヌ担当室を設置し秋にも審議機関をスタートする意向を示した。
http://mainichi.jp/photo/news/20090730k0000m010151000c.html


ここには、政府(官房長官)は「報告書」をしっかり受け取り、「報告書の各事項の実現を進めたい」とコメントしています。さらに政府が「アイヌ担当室を設置し」、「審議機関をスタートする意向を示した」と加えています。
国が有識者懇の報告書にどう対処するか心配していましたが、これらの記事によると、国はそのままで受け取り、実現のために政策を進めたいと言っているのですね。なにか公式の文章が出るものだと思っていましたが、この報道だけなのですね。


具体的なこととして政府は8月12日に窓口を作り、秋に審議機関を発足させるとのこと。以下、引用

アイヌ総合政策室設置 政府省庁間の調整窓口に (北海道新聞08/13 06:33)
 政府は12日、アイヌ政策を一元的に総合調整する初の窓口機関として「アイヌ総合政策室」を内閣官房に設置した。政府が今秋にも発足させる新たなアイヌ政策審議機関の事務局を担当し、政策推進のかじ取り役を担う。
 アイヌ政策については、これまで国土交通省や文部科学省など複数の省庁が担当。政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京大名誉教授)が7月29日にまとめた報告書でも「国として政策全般を見渡せていない」として、窓口機関の設置を強く求めていた。
 初代室長には、懇談会の事務局「アイヌ政策推進室」=8月12日付で廃止=で室長を務めた秋山和美・国土交通省北海道局審議官(内閣官房審議官併任)を起用。秋山室長を含む政策推進室担当の14人全員が総合政策室に移り、今後、必要に応じて増員も検討する。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/182470.html



また、国は8月6日に中学校の歴史・公民の教科書でアイヌ民族の歴史や文化などに関連する記述を拡充するよう関係出版社に求めたり(朝日新聞8月7日)、法務省は8月28日、2010年度予算の概算要求を発表し、新規で「アイヌ問題に関する人権啓発活動費」として1千万円を計上し、広報資料の作成やインターネットのバナー広告を掲載すると報道(北海道新聞8/29)。
さらに、国土交通省北海道局は31日、10年度北海道開発予算の概算要求の中で新たにアイヌ民族の伝統文化の普及・啓発へ向けた調査費(2100万円)を盛り込んだ(毎日新聞9月1日)、
等々、具体的に指示や予算化されて実動態勢に入っているようです。


道としては、第3回定例道議会に提案する本年度一般会計補正予算案に、国が胆振管内白老町と日高管内平取町で整備を進めているアイヌ民族の伝統的生活空間「イオル」内で行う、アイヌ文化を発信するための事業に計2億円を計上(北海道新聞9/9)。
あるいは、高橋はるみ知事は7月30日の記者会見で、道内に住むアイヌ民族の子供に対する学業支援のうち、現在実施している大学・短大などへの修学資金の貸付制度を、助成制度に見直す考えを示唆(朝日新聞7月31日)するなどの動きもあります。

アイヌ政策推進室の具体的な動きがウェブ上で見る事が出来たらうれしいですね。あるのでしょうか?探してみましょう。



秋が深まってきました