アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

「民族共生の象徴となる空間」作業部会「議事概要」

2010-08-19 20:32:31 | インポート
アイヌ政策推進会議の「民族共生の象徴となる空間」作業部会の第5回までの議事録「概要」がURLにやっとUPされました(ちょっと前かも知れません)。以下のURLをチェック!!
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/kaisai.html

5/28の第4回議事録では、有識者ヒアリングとして、①駐札幌米国総領事ダーナ・ウェルトン氏と②北海道環境財団理事長辻井達一氏の話した概要を掲載。
しかし、②は「北海道の現在の植生状況、潜在的な植生状況(現在の条件の下で、過去の植生状況に回復するとすればどこまで回復できるかを類推)について紹介」、「全道7地域における自然環境、気候環境の紹介。イオル計画における自然環境(特に植生)の特徴づけ等について提言」とあるだけで、内容は???
 
これではオープンとは言えないでしょう。配布資料もあったと思うのですが、それもUPされていませんから、「紹介」も「7地域」も、イオル計画に関する「提言」もさっぱり!

その後の「主な意見」は、少し内容が分かりますが、まだ混沌としている状態。
人骨問題に触れている意見が一つありました。以下、引用。

人骨問題は、アイヌが置かれている問題を全て集約していると言えるかもしれない。歴史的経緯を踏まえた問題をどう解決するかは、共生空間をどう作るかそのもの。将来へ向けてどういうスキームを作っていくか。教育が解決の一つの鍵になるのでは。

わたしもそのことを注視しています。「研究」がどのように行われるかも・・・

6/15の第5回では、この「研究」について篠崎さんが話をされています。
その前に、秋辺さんの「要望」は、なるほどと思いました。引用すると長くなりますので、ファイルを開いてどうぞお読み下さい。

さて、篠崎さんですが、報告内容は箇条書きに分かりやすくまとめられていて、とてもいい。
1980年代後半から盛んになった生物考古学的研究は、人骨に残された情報から当時の人々の社会状況や生活内容を復元するものらしい。
「例えば、北海道の入江貝塚で発見された縄文時代の18歳くらいで亡くなった女性は、人骨の特徴から小児麻痺を罹患していたことが分かり、このことから、当時の社会では寝たきりの人であっても周りの人たちがケアを行っていたことが分かった」(引用)と言うように。

その研究は和人の人骨を用いたものは進んでいるが、アイヌ人骨に関しては研究が行われていない。だから過去のアイヌの社会を知るためにも、この分野の研究は必要である、と。
その他、研究することの益について述べられていますが、以下が引っかかりました。
「これまで、研究成果をアイヌの方々に還元してこなかったことが問題。共生空間の中で、過去の経緯もつぶさに説明するとともに、過去のアイヌに関する研究成果も知ってもらうことが出来れば良いと考えている。」

「共生空間」をつくる前に、つぶさに説明するのが筋では?説明不足が不信を呼び、また研究材料として扱われるのではという不安を起こすのではないでしょうか。

北大が過去に「収集」したアイヌ頭骨や副葬品も含めて、過去のアイヌ墳墓からの遺骨・副葬品収集に関しては国をあげて調査し、明らかにすることを望みます。




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