アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

台湾原住民族委員会メンバーと交流会 報告1

2012-06-15 19:13:41 | インポート
5月29日の白老ポロトコタンにて開催された台湾原住民族委員会メンバーとアイヌ民族の文化交流会の報告(一部)をします。
台湾からは5民族10名が白老のアイヌ民族の皆さんと交流。その中で以下の4つの講演が行われました。

1.台湾原住民族15民族の生存空間 Omi原住民宣教委員会幹事
2.アイヌ民族の歴史と現状 村木美幸アイヌ民族博物館副館長
3.台湾原住民族の言語と聖書翻訳 Shing Olam台湾基督長老教会副総幹事
4.アイヌ民族が運営する博物館の意義 野本正博 アイヌ民族博物館学芸員

講演題をメモし忘れたものもあるので、正確ではないですが録音や当日配布の資料はまとめています。
興味深かった部分のみを紹介します。

Omiさんの話は、「国に認められなくともその先住民族が自らを否定しない限り先住民族として存在するのだ」という言葉から始まり、現在の台湾における15民族を紹介。2011年12月21日統計の民族人口は以下の通り。

アミ   183,799人
パイワン  88,323人
タイアル  80,061人
ブヌン   51,447人
ルカイ   11,911人
プユマ   11,850人
ツオ   6,733人
サイシャット 5,900人
タオ(ヤミ) 3,748人
ゾウ    600人    
カバラン  1,218人
タロコ   25,857人
サキザヤ   556人
セジャク  6,600人


この他、未承認の民族が13民族記されており、その人口は25,943人。上記に加えて「平埔族郡」が入って15民族。この「平埔族郡」は国に認められていない民族とのこと。

歴史も簡潔に語られましたが、先日から話題になっている映画「セディック・バレ」の史実である霧社蜂起の際の、セジャク民族の生首が並べられその後ろに得意げに映っている日本軍の写真はとても衝撃的でした。




現在、台湾では原住民議席を獲得しており、6議席があるとのこと。しかし、核廃棄物問題等のたくさんの課題がまだまだある、と。先住民族政策が進んでいるように感じる台湾にも、今も多くの課題があるのですね。他の報告は後日に。


さて、昨日からメールにて「アイヌ民族副読本」問題の署名願いを大量に発信し、多くの方から賛同を頂いています。まだまだ、広げたいと思いますので、どうぞ、拡散をお願いいたします。北海道内の諸教会には今度の日曜日に呼びかけて頂けるように、本日の午前中に署名願いを発送しました。よろしくお願いします。


な、なんと、次回マレウレウ祭り(9/1)の出演者発表があり、OKI、民謡歌手/太鼓奏者の木津茂理さん、そして、細野晴臣さんがゲストに決定したと!!
あ、あの忌野清志郎、坂本冬美と音楽ユニットHISのメンバーの! 「鴨かも知れない~鷲ではないだろ~」や、「500マイルの~」「恋人はいな~い」と強烈な印象をわたしに植え付けたHIS~の細野さんが!!

「マレウレウ祭り特設サイト」 http://marewrewfes.jimdo.com/


昨日は夕焼けがきれいでした。


アイヌ民族副読本改悪問題の署名

2012-06-14 13:02:11 | インポート
アイヌ民族副読本改悪問題の署名依頼が届きました。少々長いですが、全文を掲載します。

国会決議を無視した、「アイヌ民族副読本」の改悪を許さず、先住民族アイヌの歴史をみんなで共有するための署名
 財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構 理事長 中村睦男 様
 かつて、北海道はアイヌの人たちの土地であり、明治政府によって北海道と名付けられて日本の領土とされるまで、本州の中央政権からは長い間「外国」と見られていました。
 それは、2008年に全会一致で採択された『アイヌ民族を先住民族とすることを求める』国会決議が明らかにしているように、アイヌの人たちは本州の人が渡ってくる前から北海道に先住し、独自の言葉・宗教・文化を持ち、とりわけ北海道を中心として長い歴史を創り上げてきたからです。
 また、同決議文で「我が国が近代化する過程において、法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的事実について、政府として改めて、これを厳粛に受け止めたい」と述べているように、文化も含めたアイヌ民族の歴史を全ての国民が知って:理解することは、いろいろな民族の人たちが暮らす日本にとってはとても大切なことであったはずです。
 その意味では2001年以来、アイヌ民族の歴史や文化を教育の場できちんと教えることを目的に作成し発行されてきたアイヌ民族読本『アイヌ民族:歴史と現在』は、その先を行っていたものとして高く評価され、学校での活用が年々拡大されてきていました。
 しかしながらアイヌ文化振興・研究推進機構(略・アイヌ文化振興財団)は、『国会決議』の趣旨とは正反対の内容で行った国会や北海道議会の一議員の質問や、それに全く答弁できなかった道の対応に何のコメントもせず、反対に現行副読本の執筆者の正式な理解を得ることなく、編集委員会も開催しないままに一方的に記述の変更(書きかえ)を、全国の教育委員会に通知したのです。
 書きかえの内容と、一議員の質問への議論もないままに「国や推進機構とも連絡をとりながら必要な対応について検討する」とした道や、それに従って副読本の作成に関わった編集委員会の了解も得ないで記述を書きかえたアイヌ文化振興財団の一連の行動は、明らかに非民主主差的なものであり、絶対に容認できないものです。
 以上の理由から、署名をもって以下のことを財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構に要求します。
                     記
1.アイヌ文化振興・研究推進機構は、先住民族に対する国連宣言やアイヌ民族に関する国会決議、「アイヌ政策のあり方に関 する有識者懇談会報告」などの成果を踏まえ、『アイヌ民族副読本』の記述内容を改悪・改ざんしないこと。
2.今回「修整」するとした「通知」を早急に撤回し、現行の副読本を速やかに会道・全国に配布すること。
   氏名 住所
取扱い団体 アイヌ民族副読本問題を考える会 連絡先 清水裕二 江別市3条2丁目2 1番2号TEL 011:-382-7556


日本キリスト教団北海教区内の全教会・伝道所・各センターには郵送をしますが、メールにおいても賛同署名を集めようと思います。ご署名いただける方は、①お名前②ご住所を ororon38@hotmail.com (三浦メール)へお送り下さい。
第一次集約は今月中とのことですが、それ以降も続けるとのことですので、当ブログにおいて第二次集約日前にお知らせいたします。



旭川へ向う途中でよく出会うおねだり狐。餌欲しさに近づいてきますが何もあげません。


とかちエテケカンパの会 創立22周年記念 宇梶静江氏 講演会のご案内です。

「すべてを明日の糧として~今こそ、アイヌの知恵と勇気を~」
絵本(アイヌ語)よみきかせと講演
主 催 とかちエテケカンパの会
日 時 2012年6月23日(土) 午後4時~午後6時
会 場 帯広市生活館 
     住所:帯広市柏林台東町2丁目2番地  電話:0155-34-6552
資料代  300円(高校生以下無料)
お問い合わせ 芦澤 満(白樺学園高等学校 0155-62-6811)


宇梶静江さんには9日のマウコピリカ音楽祭や11日に副読本改悪問題で署名集めをされていたところでお会いしました。
ご自身のことを書かれた『すべてを明日の糧として』(清流出版)は、過去blogでも紹介いたしました。
帯広協会訪問を兼ねて、この記念講演を聞きに行こうと考えています。お会いできるのを楽しみにしています。


菜の花と海 留萌の海岸近くにて


アイヌ民族副読本 編集委員会

2012-06-13 12:20:26 | インポート
11日は推進機構が会合を開くと聞いて傍聴をしたいと思い、札幌へ。しかし、あっさりと断られてしまいました。マスコミの知人が会合後に取材できると教えてくれたので、連絡を待つことに。
報道では12日に北海道新聞に以下の記事が掲載されました。引用します。

書き換え部分再検討へ アイヌ民族副読本 機構が方針転換
小中学生向けのアイヌ民族に関する副読本を不当に書き換えられたとして、執筆者らが書き換えの撤回などを求めていた問題で、発行元のアイヌ文化振興.研究推進機構(札幌)は11日、執筆者らを集めて開いた編集委員会で、書き換えた部分を元に戻すなどの対応を行う考えを初めて示した。
編集委員会は非公開で、編集委員12人中9人、問機構側は西田俊夫専務理事ら6人が出席した。
編集委員と問機構によると、会議は当初、同機構側が書き換え部分の再検討はせずに、新たな編集委員会で新副読本を発行する方針を示したが、編集委員は「書き換えの理由が判然としない」などと反発し、議論は予定の2時間を超え5時間に及んだ。
最終的に、今月中に再度編集委員と機構側のメンバーで会合を開いて、再検討することになり、その結果を反映させた上で副読本を印刷し、対象の小中学生に配布する。
編集委員会のメンバーでアイヌ民族副読本問題を考える会の清水裕二代表は「アイヌ民族や全国の支援者の心が一つになり、訴えてきたことが認められた」と話した。
一方、新たな編集委員による新副読本について、西田専務理事は「作製する方針は変わっていない」と話し、編集委員側は「次回の編集委員会で議論する」とした。(北海道新聞 2012年6月12日)


また、同日に朝日新聞には以下の記事が掲載。引用します。

今年度は現編集委で アイヌ副読本
■内容再検討、発行へ
 小中学生用のアイヌ民族副読本「修整」問題で、発行元の財団法人アイヌ文化振興・研究推進機構(札幌市)は11日の編集委員会で、発行を延期している今年度用の副読本について、今の編集委で従来の副読本の内容を再検討した上で再発行する意向を表明した。修整に対し、出席した委員全員が反発したためで、6月中に編集委を再度開き、修整箇所も含めて内容を検討する。
 財団や委員によると、11日の編集委には委員12人のうち9人が出席。財団の西田俊夫事務局長が、編集委を開かずに修整通知を全国の教育委員会などに送ったことについて「手続きが不十分だった」と謝罪した。明治初めの北海道について日本政府がアイヌ民族に「ことわりなく、一方的に日本の一部とした」との記述を財団が削除した点は、委員の総意として抗議があったという。
 財団は今年度用以降の副読本の編集を「新たな編集委で」としていたが、修整通知の内容と手続きなどについて、今の委員側から異論が相次いだことから、今年度用は今の編集委で発行する方針に転換した。
 学校への配布は2学期を目標に進める。新編集委による新たな副読本の編集・発行作業は今年度用の発行作業後になる見通しだ。
 現編集委員長の阿部一司・北海道アイヌ協会副理事長は「これからも(財団側と)話し合うということで、今日の段階では納得した」と話した。(朝日新聞 2012年06月12日)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001206120006


記事上では編集委員会も開かずに修整通知を全国に出したことを謝罪したとありますが、編集委員のお一人から直接うかがったところ、「謝ってもらったとは感じない」と。もう少し、詳しい情報を得たいと思いますが、道新記事では「書き換えられた部分を元に戻すなどの対応」を行うとありますが、一度、全国の教育委員会に通達した「修整」願いを再度、撤回する通知を出すということでしょうか。混乱させたことへの謝罪をも含めて「修整」の訂正をするのがいいでしょう。

これは「手続き」上の問題として捉えられているのか、振興財団は新たな編集委員会を立ち上げて新たに副読本の編集・発行する考えは変えていないようです。どこをどのように変える必要があるから新体制を作るのだということを少なくとも現編集委員には伝えるべきだと思います。新たな情報を待つと共に、アイヌ民族副読本問題を考える会(代表・清水裕二)が、改悪を許さない署名を開始しましたので、近く皆さんに賛同をお願いいたします。


推進機構の入っている1・7プレス前で署名活動をする方たち


9日にマルコピリカ音楽祭の前半部分を鑑賞しました。
はじめにアニメ「七五郎沢の狐」予告編が流れ、とてもいいオープニングでした。このアニメはアイヌ・アート・プロジェクト代表の結城幸司さんの版画をアニメ化したもので、現在、制作途中。完成が楽しみです。お金がかかるというのでサポーターを募集中とのこと。わたしもサポーターになりました。
詳しくはタネ・プロジェクトURLへ。http://taneprojp.web.fc2.com/index.html

その流れから、アニメの音楽担当の橋本隆行さんがシンセサイザーを用いながらトンコリを現代風に披露。なかなかよかったです。橋本さんとは2008年の世界先住民族サミットでお会いし、その頃から現代アレンジのアイヌ音楽を作りたいと聞いていましたが、いい感じでした。コンサートにも出演しているとのこと。今後も要チェックですね。

次に謎のトンコリ奏者ふたり組みによる演奏、そして、カムイユカラの語り(メモし忘れてお名前を忘れました。ごめんなさい)、マーキージョモラのヘニュード演奏と続き、どれもとてもよかったです。
まだまだ聞きたかったですが、ここで帰路に着きました。翌日は礼拝後、稚内教会の牧師就任式があり稚内を往復。

マウコピリカ音楽祭で、「アイヌの治造」(原田詠志斗著)を購入。読むのが楽しみ!
浦川治造さんのドキュメンタリー映画『カムイと生きる』も公開中のようです。これもいつか観たいです。
http://www.kamuytoikiru.com/introduction.html


8日開催された知里幸恵さんを偲ぶ「銀の滴降る日」のカムイノミ


野焼きの集い「アイヌ文化体験」

2012-06-09 13:45:41 | インポート
もう一つ大事なイヴェントを紹介するのを忘れたのでUPします。

留萌のお隣の小平町で、野焼きの集い「アイヌ文化体験」が16日(土)に開催されます。
講師に平取町二風谷在住の貝沢守さんと関根真紀さんをお迎えし、アイヌ模様のコースター、神秘の響きのムックリつくりをするそうです。
午後2時から陶工房おびら(0164-59-1144)にて、いずれも先着30名様限定ということです。
原材料費がムックリは350円、コースターは500円別途必要。
主催は小平町陶芸施設実行委員会・野焼きの集い実行委員会。

昨年も関根さんが小平に来られ、こどもたちにお話されたと伺いました。盛会となりますように。
わたしは残念ですが樺太移住殉難者墓前祭に参列し、そのまま道南に向います。

このチラシを持ってきてくれた小平町教育委員会社会教育係の長澤政之さんは東北学院大で榎森進さんのもとで学ばれたとのこと。親しみを感じ、はじめて出会ったとは思えぬほど突っ込んでアイヌ史の話をしてしまいました。
ご挨拶にと、彼の書いた論文のコピーを頂きましたので、後日に紹介しましょう。


トレップ(おおうばゆりの根)の粉つくりを今年も作っています。 今年は1番粉だけではなく、2番粉、3番粉もうまく作れそうです。写真は左が昨年の一番粉、そして二つのトレップ。


振興財団が作成したDVD「アイヌプリ~アイヌの心をつなぐ」(30分)を阿寒のアイヌ文化フェスティバルの際に頂いたので鑑賞しました。
日高の姉茶在住の遠山サキさんやお孫さん、そして、よくお会いする方たちがたくさん登場され、親しみを感じました。アイヌの歴史も分かりやすく解説されています。
同じく配布されていた小さな冊子「アイヌプリ~アイヌの心をつなぐ」には、歴史がより詳しく記されています。この小冊子は擦文文化時代以降、現代までの歴史が簡潔に記されています。

推進機構はこの度の副読本「修整」問題、そして「改定」の動向がある中、これらのような推進機構が出している小冊子との整合性はどうなるのでしょう。




「アオテアロア・アイヌモシリ交流プログラム」

2012-06-09 12:05:28 | インポート
二つの報道を紹介します。
ひとつは、2013年1月21日から1カ月、アオテアロア(ニュージーランド)で開かれる「アオテアロア・アイヌモシリ交流プログラム」の件。アイヌ民族の参加者と賛同寄付を呼びかけています。以下、引用。

 アイヌがニュージーランドの先住民族、マオリの文化や言語を学ぶ「アオテアロア・アイヌモシリ交流プログラム」が平成25年1月21日から1カ月、ニュージーランドで開かれる。現在、アイヌの参加者約10人と、賛同者の寄付を募集している。
 同プログラムでは、ラタナ生誕祭などマオリの伝統行事に出席。またニュージーランドの公用語として指定されたマオリ語の復興の仕組みなどを学ぶ。同プログラム実行委員会では「まだアイヌであることを公にしていない方もぜひ参加してもらいたい」としている。参加の応募締め切りは今月30日。
 渡航費用など約300万円が必要で、賛同者からの寄付(個人1口1000円)を受け付けている。問い合わせはメール(aaep2012@gmail.com)で。
(MSN産経ニュース 2012.6.7) http://sankei.jp.msn.com/region/news/120607/tky12060721450021-n1.htm


ことの発端はマオリ国会議員のテ・ウルロア・フラヴェルさん(マオリ党)が、先だって来日した際にアイヌ民族と交流し、現状の一端を見聞。アイヌの先住権回復のために手を差し伸べたいと今回の案が届き、実行委員会を結成。
プログラムにはマオリの重要な祭の参加が書かれています。
① ラタナ聖誕祭(1/25) T,W,ラタナはマオリのリーダーの一人で、1920年代にキリスト教のラタナ教会を興し、マオリの権利回復に人生を献げた人物。信仰がどのように権利回復の原動力になったのか、わたしも学びたいです。
② ワイタンギ・デー(2/6) 1840年、英国とマオリ諸部族との間で結ばれた条約を記念する祭。マオリの復権に思いをはせる日。
③ マタティニ・フェスティバル(2月後半) 隔年で開催されるマオリ最大の歌と踊りのパフォーマンス・フェスティバル。

また、研修に関しては、マオリの復権運動の柱の一つとなったマオリ語教育の現場研修をベースにマオリ語放送、観光業を中心としたマオリ産業、マオリの政策・政治などを研修。 
マオリの権利回復のための働きについては過去blogに書いてきました。先進的で具体的な取り組みをしているマオリの皆さんの働きをアイヌ民族が現地で実際に見て豊かな学びとなるようにわたしも応援したいと思います。


初めて留萌で見つけたセミ


北海道では運動会シーズンです。教会に遊びに来ているこどもたちも明日が運動会で、練習成果を目の前で見せてくれています。そんな中、運動会でアイヌ民族の古式舞踊を全学年で踊る学校が紹介されていました。以下、引用。

■千歳・末広小、9日披露
 アイヌ文化の体験授業の取り組みで知られる千歳市の市立末広小学校の全校児童が、9日の運動会でアイヌ民族の古式舞踊「ホリッパ」を踊る。学年ごとの授業で踊りを学んできたが、児童全員で踊るのは初めて。
 「サケヘ、サケヘ」。5日に校庭であった総練習では、約480人の子どもたちが歌いながらリズムよくステップを踏み、4種類の踊りを踊った。
 終了後、アイヌ文化伝承者の野本久栄さん(61)が「大きな声で歌うように。本番を頑張りましょう」と講評すると、アイヌ語のお礼の言葉「イヤイライケレ」で応じる児童もいた。
 末広小では1993年から、野本さんらの指導を受けながらアイヌ文化の学習を開始。今では学年ごとにカリキュラムを組み、歌と踊りやサケ漁、保存食づくりなどを学んでいる。
 運動会で歌をリードするのは野本さんの妻、敏江さん(60)。末広小の卒業生だが、在校時はいじめられることも多かったという。「ここでホリッパをするなんて、夢のよう。つらい思いもしたけれど、忘れられるくらいです」と喜ぶ。
 昨年まで運動会ではフォークダンスを踊っていたが、秋沢裕校長がアイヌ民族の踊りをプログラムに入れることを発案した。「当日は保護者もぜひ踊りの輪に入り、アイヌ文化に触れてほしい」と話している。
(朝日新聞 2012年06月06日)
http://mytown.asahi.com/hokkaido/news.php?k_id=01000001206060005


どんどんアイヌ民族の文化、権利回復のための学びが授業で取り入れらるよう願います。

5月29日の台湾原住民族委員会メンバーとアイヌ民族の文化交流会の報告、同日のさっぽろ自由学校遊の小川早苗さんの講演報告はもう少し後に報告をUPします。

少しさかのぼって報告します。
5月26日は旭川嵐山にてチノミシリに参列しました。トノトという穀物で作られる祭儀用の飲み物が使われるのですが、発酵していないので飲ませていただきました。その美味しかったこと!
昨日(6/8)は知里幸恵さんの誕生日にあわせ、毎年行われる知里幸恵文学碑記念「銀の滴降る日 集い」が旭川北門中学校で開催され、横山孝雄さん(漫画家・横山むつみさんのお連れ合い)の講演「マンガと旭川と幸恵さん」を聞いてきました。

今日はこれから札幌にて「マウコピリカ音楽祭」があるので聞いてきます。2008年6月、国会にてアイヌ民族が日本の先住民族であることを「求める」決議がなされ、まる4年が経ちます。遅々として進まぬ先住権回復の願いを込めて・・・・楽しんできます。

来週以降のご案内
① 11日(月)午前10時~ 推進機構がこの度の副読本書換えに関する説明会を行うとの情報が入りました。
急な話ですので迷いましたが、どのような説明をするのか聞いて来ようと思います。

② 16日(土)午後2時~ 江別市営墓地にて樺太移住殉難者墓前祭
③ 17日(日)午後2時~ TKPガーデンシティにて「アイヌ民族党・アイヌモシリの集い」(政治資金パーティ)。 

16日から道南地区の利別教会に招かれ礼拝奉仕をしてくるため、八雲教会訪問や所用を兼ねて数日間、道南に出かけます。


デジカメがやっと修理から戻って来ました。


5月後半の報道および活動報告

2012-06-01 13:09:24 | インポート
6月に入りました。最近の報道や活動報告をまとめます。

アイヌ民族副読本関連ニュースの続報として、北海道アイヌ協会が5月18日の定期総会にて「歴史的事実に基づき歴史を正しく記述すること」を求める決議を行い、推進機構に申入れを予定しているとの報道がされていました。以下、一部を引用します。

道アイヌ協:副読本「正しい歴史を」 研究機構に 道アイヌ協申し入れ(一部のみ引用)
 道アイヌ協会は「政府がアイヌの人たちにことわりもなく(北海道を)一方的に日本の一部とした」との副読本の記述は、歴史研究でも明らかとし、同機構が「誤解を招く」と見直しを決めたことに反発。さらに、執筆に当たった編集委員会の了解も得ていないなど、内部手続き上の不備もあるとしている。副読本の内容をめぐり道議会で議論されたが「政治的介入に屈せず、アイヌを先住民族と認めることを求めた国会決議などを踏まえるべきだ」としている。
毎日新聞 2012年05月18日 23時54分
http://mainichi.jp/area/hokkaido/news/20120518hog00m010003000c.html


副読本が全面的に悪いほうに書き換えられる危惧を感じる中、アイヌ民族の権利回復への道が後戻りしないように、そして、「正しい歴史」をこどもたちに伝えられるように推進機構の動きを注視していく必要があるでしょう。
道アイヌ協会総会には出席できず、その際の議論は聞けませんでした。代わりにセンタースタッフのディヴァン宣教師に出て頂き、資料を頂きました。


アメリカ先住民族の血を引いているジョニー・デップが最新の映画『ザ・ローン・レンジャー(原題) / The Lone Ranger』で、ネイティブ・アメリカンのトント役になり、先住民族のコマンチェ族から名誉家族として養子に迎え入れられたと、報道されています。ジョニーはコマンチェ族の言葉で「形を変えるもの」という意味の「マー・ウー・メイ」という、俳優にちなんだ名前を与えられたそうです。
インフォシーク 05/24 http://woman.infoseek.co.jp/news/celebrity/story.html?q=cinematodayw_N0042415


5月18日から所用で大阪、京都、三重と行って来ました。20日は三重松坂の松浦武四郎記念館を見学。
http://www.city.matsusaka.mie.jp/www/contents/1000001187000/index.html



つい、昨日も朝日新聞記事で、武四郎のことが記事になっていました。蝦夷地調査の過程でアイヌ民族と交流し、和人によるアイヌへの暴力、差別を告発した武四郎ですが、彼の功績をたたえる記念碑が北海道新ひだか町のアイヌ民俗資料館に建立。アイヌ民族による武四郎の記念碑建立は、弟子屈(てしかが)町の歌碑に次ぎ二つ目だそう。
記事によると武四郎の銅像や顕彰碑など道内に50カ所以上もあるようです。留萌近隣には小平、天塩にあります。彼がアイヌ・モシリを北海道と命名した地である音威子府に「北海道命名ノ地」という碑が建てられているとのこと。近く、訪ねたいと思います。
小冊子まんが「松浦武四郎」を購入しました。
(朝日新聞 2012年05月31日 http://mytown.asahi.com/mie/news.php?k_id=25000001205310003)

その日は、松坂教会の礼拝に飛び込み参列し、家族のいる桑名に帰宅。木曾三川(木曾、揖斐、長良)が集まる桑名にてシジミをとりました。

21日は大阪の民族博物館へ。一日中見学し、先住民族の知恵に感動。映像に旭川でお世話になっているSフチの亡くなったお連れ合いの若かりし姿を見つけ、後日、Sフチにお伝えしました。


民族博物館は「太陽の塔」の後ろ側にあるため、「太陽の塔」の後姿を撮りました。


29日は午後いっぱいを白老ポロトコタンにて開催された台湾原住民族委員会メンバーとアイヌ民族の文化交流会に参加。台湾からは5民族10名が約一週間の滞在で函館、八雲、白老のアイヌ民族の皆さんと交流されました。白老での詳細は後日に書きます。
夜は、さっぽろ自由学校「遊」の連続講座「日本がアイヌにしてきたこと~アイヌ民族が本当に求めている政策とは?~」第1回講座に参加。小川早苗さんがアイヌ高齢者の生活保障についてお話くださいました。
まだまだ、差別が厳しい中、エカシやフチの具体的な生活保障に触れて提案がなされました。このことも、後日に詳しく書きます。

さて、ご案内です。
本日から前沢卓写真展「永遠のイコロ(宝) アイヌ民族命と誇り」が札幌市中央区大通西6丁目1番地 富士フイルム札幌ビル1階にて開催されます。
写真展開催初日である今晩の午後5時に、床 絵美さん、郷右近富貴子さん両氏による、ムックリ、トンコリ演奏、ウポポ(歌)のオープニングライブがあるというので今から行って来ます。


新千歳空港の国際線に設けられたアイヌ民族紹介スペース
この小ささと設置場所が分かりにくい隅っこにあることが残念でした。
カナダのバンクーバ空港にはたくさんの先住民族のモニュメントが色鮮やかにいたるところに飾られており、先住民族の土地であることがよく分かりました。少なくとも新千歳空港も、先住民族アイヌ色をもっと打ち出してほしいものです。