アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

ニュース&イヴェント情報

2011-05-26 12:43:51 | インポート
シンポジウム 「さまよえる遺骨たち アイヌ墓地“発掘”の現在」の準備を兼ねて、資料を見直しています。気がついたことなど、開催前にUPしたいと考えています。
来週も被災地の釜石入り予定ゆえ、ニュースやイヴェント案内を紹介します。

まずは、さっぽろ自由学校「遊」主催の「季節とともにアイヌ文化体験~春~山菜料理をつくって、味わおう68」。 
「自然とともに生きてきたアイヌ民族の暮らしやその中で育まれてきた文化の一端を、季節に応じて体験」するプログラム。石井ポンペさんを講師に迎えての山菜料理やお話。こういう企画をわたしたちも立てたい!

●日時 5月28日(土)10:00~15:00  ●会場 札幌エルプラザ4F料理実習室
●インストラクター 石井 ポンペ 北海道アイヌ協会札幌支部
●参加費 おとな 2,000円   子ども(高校生以下) 1,000円 *材料費含む。山菜のおみやげ付。
<材料と調理例>・フキ~キンピラ ・オハウキナ(二輪草)~汁もの ・うど~天ぷら/キンピラなど
*申込~事前に「遊」事務局まで要連絡TEL.011-252-6752 FAX.011-252-6751
E-mail:syu@sapporoyu.org



WIN AINU音楽祭のご案内が届いています。

希望の詩・東日本大震災チャリティーコンサートを開催します。
日時:2011年6月4日(土) 1:30p.m~ 場所:札幌エルプラザ3階大ホール  参加費:1,000円
出演者:アイヌアートプロジェクト・Toytoy(小川もとい)・石井ポンペ・熊谷たみ子・宇梶静江・長澤まろい・フンベシスターズ・マーキージョモラ・橋本隆行
問い合わせ:札幌事務局(島崎)090-2056-0272  E-mail:naomi1959@jcom.home.ne.jp





第1186回世界ふしぎ発見「山と海の秘境へ あなたの知らない台湾」(2011/05/14(土)21:00放送)
を録画しました。よかったですね。
ルカイ民族の結納の映像もよかったです。アバイは食べてみたい!
台湾南部の蘭嶼島のタウ民族の家や、男魚と女魚の説明も興味を持ちました。
島では形が悪かったり匂いがきつい魚を男魚、食べやすかったり栄養があるものを女魚と言って、女性が旨いものを食べるそう。
また、漁の帰りを待つ「髪振り」の踊りは、アイヌ民族の「フッタレチュイ」の踊りとそっくりなのにびっくり。いろいろと楽しませて頂きました。ディヴァン宣教師によると、ツォウ民族(映像がよく出ていた阿里山に住む先住民族)のことが取り上げられていなかったのが残念だったと。なるほど。台湾原住民の14民族に関しては過去ブログ参照。
http://pub.ne.jp/ORORON/?search=11138&mode_find=word&keyword=%E5%8F%B0%E6%B9%BE%E3%80%80%E5%8E%9F%E4%BD%8F%E6%B0%91%E3%80%80%EF%BC%91%EF%BC%94

上の写真はルカイ民族の教会にあった椅子に似ていますが、これはブヌン民族村にあった椅子。一昨年に訪ねたときの写真。


以下のニュースが目に止まりました。原住民族のみなさんはとても歌が上手。たくさんのアーティストが活躍しているようです。2007年に旭川で生歌を聞いたJiajiaも感動しました。アーメイの歌もいつか聞きたいです。

歌姫アーメイが米CNNインタビュー登場、極貧生活や亡父への愛語る―台湾
中国ニュース通信社 2011-05-21 12:24:04 配信
 2011年5月19日、台湾の歌姫アーメイ(張恵妹)がこのほど、米CNNのトーク番組「TALK ASIA」インタビューに登場。これまでのアーティスト人生を語った。中央社が伝えた。
 11年ぶり、2度目の「TALK ASIA」出演。複数回登場は中華圏芸能界で前人未到の快挙。ファンから「台湾のマドンナ」と呼ばれ、男女を問わず高い人気を誇るアーメイが、これまでのアーティスト人生を振り返った。
 92年から歌謡オーディション番組に参加し、96年に正式デビューを果たしたが、一番の心残りはデビュー直前に最も応援してくれていた父親が他界したことだという。台湾の先住民族・ピュマ族出身の出自に誇りを持っている彼女は、キャリアを存分に重ねた後の09年、本名のクリーライ・ アミト (Gulilai Amit)を名乗り、別人の歌手としてアルバム「阿密特」をリリース。同アルバムでは楽曲「掉了」を父親に捧げ、長年の心のつかえを取り除いている。
 幼い頃は実家が貧しかったため、あやうく養女に出されかけたと過去の思い出も語った。「自分の歌声が関係緩和に貢献できたら…」と、台湾と中国の微妙な政治問題についても語っている。(翻訳・編集/Mathilda)
http://www.recordchina.co.jp/group.php?groupid=51452&type=5



遺骨「収集」? 「盗掘」?

2011-05-20 06:34:14 | インポート
六週間被災地入りしていたため手付かずでしたが、かろうじて報道ブログもイヴェントブログも更新しています。どうぞ、ご覧下さい。
報道    http://blog.goo.ne.jp/ivelove/
イヴェント http://blog.goo.ne.jp/sakura-ive


今日はアイヌ協会総会が10時から2・7かでるで開催されます。所用のため遅れますが傍聴します。
明日はWIN AINUの総会です。http://www.win-ainu.com/


さて、アイヌ民族の遺骨「収集」に関して続けます。
有識者懇談会第2回会合(2008・9・17)にて、加藤忠アイヌ協会理事長はアイヌ協会の見解として以下のように言及しました。

「人類学の分野では、江戸時代後期にイギリスとの間で外交問題となったアイヌの墓からの人骨盗掘事件が起こっています。
また、全国の大学に、盗掘の結果収集されたアイヌ人骨の返還や人類学研究のあり方とその対応策を進め、全国的な啓蒙(ママ)と和解の象徴となるような施設の設置ができればと考えております」
(有識者懇談会第2回「議事概要」 P9.)


遺骨発掘は「盗掘」だと。その後の有識者懇の文書には「盗掘」という言葉はなくなります。

国立科学博物館人類研究部の篠田謙一さんは現在、「民族共生の象徴となる空間」作業部会のメンバーですが、以前に、有識者懇談会第5回会合(2009・2・26)に招かれ、「自然人類学から見たアイヌ民族」と題して報告をしています。「議事内容」に以下が書かれています。

「本土の日本ではそこの人々自体に収集の目的、ないしはその意義を説明して人骨を集めましたが、残念ながらアイヌ人骨の中にはそのような手順を経ずに集めた人骨がかなり混ざっています。これは人類学者としても率直に反省しなければいけない点だというふうに思っていますが、(以下、略)」
(有識者懇談会第5回「議事概要」 P5)


「盗掘」という表現はしていませんが、同じことを言っていると受け取っていいでしょうか。
では、「手順を経ずに集めた人骨がかなり混ざって」いると述べているのは何を根拠にしているのでしょう。資料開示が必要でしょう。そして「反省」すると言うのなら、極力、その盗掘問題を明らかにして、謝罪と誠実な対応をするべきです。

補足しますが、先の篠田さんの報告の省略した続きを記しておきます。

「が、このような人骨の研究、特にDNAの研究などは、今後更に研究が進めば、より多くのデータを得る可能性があります。ですから、このような人骨も合わせて、慰霊とそれから研究というものの両方ができるような設備が整って、今後アイヌ研究あるいは日本人全体の成り立ちの研究といったものが更に進むといったことを私どもは願っております。」

研究者側からの率直な願いが述べられています。こちらを優先すると「反省」したことが口だけになるのでは? 

4月18日に開催された「民族共生の象徴となる空間作業部会」第12回会合では、以下のことが記されています。

・各大学等に保管されているアイヌの人骨について、遺族等への返還が可能なものについては、各大学等において返還するとともに、遺族等への返還の目途が立たないものについては、象徴空間に集約し、尊厳を持って保管する方向で検討
・集約に際しては、施設の設置場所に留意するとともに、地元の理解を得るよう努めるほか、集約した人骨については、アイヌの歴史を解明するための研究に寄与することを可能とする 等
(第12回「議事概要」 P3)


「遺族等への返還が可能なものについて」とあるので、「盗掘」者とその日時、そして場所とどなたの遺骨なのかが調べられているということでしょうか。さらにその際、「副葬品」も同時に(どれだけの数を)掘ったか、その後の管理はどうかを調べているということ?
だったら、北大はそのことを明らかにするでしょうが、されていないということは・・・・。
これらの件もシンポジウムで明らかにしていきたいものです。



そういえば、アイヌ民族関連の論文や著書をインターネットで検索するサイト「CiNii」を時おり利用させて頂いています。著者や論文名でどの書籍にはいっているか、どこの図書館にあるかを検索するのに大変、重宝しています。
そのサイトを製作?管理?しているというMさんと被災地のボランティアで偶然ご一緒しました。友人つながりで身近におられたとは感動でした。Mさんも認知度が低い中でCiNiiを利用している人と出会うこともめずらしいとか。
http://ci.nii.ac.jp/


シンポ さまよえる遺骨たち アイヌ墓地“発掘”の現在

2011-05-18 14:15:59 | インポート
14日に釜石から戻りました。前回にくらべ体力的には疲労感は半減したものの、精神的にはさらに重く感じました。医療チームと一緒にこころのケアーチームの一員として一夜だけ避難所を3か所まわり、課題・問題の多さに困惑しました。
できない事だらけでしたが出来たことはできたなりに、出来なかった事はできなかったなりに用いられたと思います。



さて、当センターも発足時から関わらせて頂いている北大開示文書研究会からのお知らせです。
きたる6月10日(金)に、シンポジウム「さまよえる遺骨たち アイヌ墓地“発掘”の現在」を開催します。
多くの方においでいただきたいです。
18:30より札幌エルプラザ中研修室にて。

なお、詳細は当研究会のブログ「さまよえる遺骨たち」をご覧下さい。
http://hokudai-monjyo.cocolog-nifty.com/blog/


北大開示文書研究会とは、2008年3月から9月にかけて、アイヌ民族の小川隆吉氏が北海道大学から開示を受けた「北海道大学医学部、児玉作左衛門収集のアイヌ人骨の台帳とそれに関連する文書」など多数の資料を精査し、当時「研究」の名の下、道内外でおこなわれたアイヌ墳墓「発掘」の真実を明らかにすることを目的に、2008年8月5日発足。工芸家、団体職員、教員、僧侶、牧師、会社員、ジャーナリストら約10人で構成。共同代表は清水裕二さんと殿平善彦さん。この一員として当初からわたしたちセンターも関わらせて頂いています。

「アイヌ墓地発掘問題」については、このブログでも度々書きました。この度の政府がすすめている
「民族の象徴となる空間」作業部会では、慰霊と研究を兼ね合わせた空間が話し合われています。
それ以前に、アイヌ民族の人骨の発掘と収集の歴史的経緯を明らかにすることや倫理的問題、「管理」問題、遺骨の今後をどうするのかをしっかりと明らかにする必要があります。

また、「発掘」に伴い多くの副葬品が出土したはずにも関わらず、その多くの行方が分からなくなっています。アイヌ民族の小川隆吉さんは北海道大学にアイヌ墓地発掘問題に関わる文書の開示を求め、交渉を続けてきました。しかし、事態は進展しているとはいえません。これらの問題をみなさんと共にお考えいただこうとシンポジウムを計画いたしました。多くをお誘い下さい。


さまよえる遺骨たち アイヌ墓地“発掘”の現在
【日 時】 2011年6月10日(金) 18:30~21:00
【会 場】 札幌エルプラザ中研修室 札幌市北区北8条西3丁目 TEL:011-728-1222(代表)
【参加料】 無料(申し込み不要です。シンポ資料を500円でお分けします)
【プログラム】(変更される場合があります)
報告1「私が北大に文書開示請求した理由」 小川隆吉さん(アイヌ長老会議)
報告2「暴かれたお墓の真実」 城野口ユリさん(浦河文化保存会、少数民族懇談会)
講演「なぜ遺骨問題なのか?歴史的背景」 植木哲也さん(苫小牧駒澤大学)
パネルディスカション「さまよえる遺骨たち」
パネリスト(敬称略、順不同)小川隆吉/城野口ユリ/清水裕二/植木哲也ほか
コーディネーター 殿平善彦
集いの提言
【主 催】 北大開示文書研究会 TEL(FAX)0164-43-0128 E-mail ororon@jade.plala.or.jp
【後 援】 少数民族懇談会、強制連行・強制労働犠牲者を考える北海道フォーラム、さっぽろ自由学校「遊」




帰留後、うれしいことに早速、近所の子どもたちが来てくれました。六週間見ない間にみな成長しており、新6年生からは「ORORON背が縮んだ」と言われました。確かに6キロ痩せましたが背は縮んでない!こどもの成長は早いです。