アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

アイヌ民族自治組織で財産管理

2010-08-31 10:02:40 | インポート
昨日の北海道新聞社会面(34面)に、十勝のアイヌ民族共有財産をアイヌが自治組織で管理していたという帳簿が見つかったという記事が出ていました。
北大名誉教授の井上勝生さんが確認したところによると、旧土人保護法施行前にアイヌ民族自身が共有財産を自治管理、運用した実態が判明するのは初めてとのこと。
井上さんによると当時のこの地域のアイヌ民族は鮭が豊漁となり、現代に換算すると数億円規模の現金を含む共有財産を蓄え、アイヌと和人と共同で手元に置いた。その後、管理は開拓使~札幌県~道庁と変還。その内の1849~1899年まではアイヌ民族が管理権を取り戻しており、帳簿はその間のものと見られるようです。

この緻密な帳簿の発見によって、明治政府は「アイヌには財産管理能力が乏しいことを旧土人保護法の制定理由のひとつに掲げていましたが、その根拠を覆したことになります。

この記事には書かれていませんが、共有財産の管理経過も明確になっていくのではないでしょうか。帳簿を見られた井上さんから直接お話を伺いたいと思います。
井上さん講演内容は過去ブログ参照(左下の検索機能で井上さんのお名前を入れたらいくつか出てきます)。
WEBで記事が記載されたら紹介します(今日も掲載されていないということは、購入するようにということかも)。

今日は、さっぽろ自由学校“遊”の若者が語る講演を聞きにいきがてら、北大の保存庭園やアイヌ頭骨の収められている医学部納骨堂を実習生と回って来ようと思います。
WIN AINUから学習会の案内が届いています。ほんとうに9月は盛り沢山。


世界先住民族ネットワークAINU 第3回学習会

 2010年に名古屋で開催される「生物多様性条約第10回締約国会議」(COP10)において、WIN-AINUは関わっていきます。第一弾として、7月に実施された第2回目学習会が帯広市で行われました。
 「WIN-AINUの関わり/経緯~行動と発信」をテーマに講師:WIN-AINU事務局長の秋辺日出男から講義がありました。また、今回の学習会は第2弾です。
 COP10にむけ、COP10パートナーシップ事業に共催をしていきます。アイヌ民族を中心に、世界の先住民族・SATOBITO(里人)の国際的連携、COP10に連携し、愛・地球博(環境共生と多文化共生)の理念を継承することを趣旨としています。
 また、「先住民族サミットinあいち2010」(主催:愛知県立大学・朝日新聞・WIN-AINU):10月15日~18日フォーラム「先住民族文化と生物多様性:研究と実践」&マウコピリカ音楽交流祭に参加します。
 みなさんの多数のご参加をお待ちしております。詳細は下記のとおりです。

【第3回 学習会のお知らせ】
◆と き 2010年9月18日(土)14:00~16:00
◆ところ かでる2・7 8F「特別会議室」札幌市中央区北1条西7丁目
◆講 師 山岸 喬(やまぎしたかし)
◆テーマ 「北海道の自然の恵み」
     先人のアイヌ民族の自然に対する知識も交えながら、北海道の自然の恵みについてお話をされます。
参加費:無料  資料代500円
○講師プロフィール
山岸 喬(やまぎしたかし)1945年生まれ
現在、北見工業大学教授。東京理科大学薬学部卒業、北海道立衛生研究所研究員、ノースカロライナ大学客員研究員、住友金属工金属(株)HQL研究所、薬剤師、薬学博士。
問い合わせ 世界先住民族ネットワークAINU
札幌事務局:島崎(電話090-2056-0272 FAX011-593-0655)
阿寒事務局:秋辺(電話090-9519-9392 FAX0154-67-2457)
http://www.frpac.or.jp/event_s/event_s_SearchDetail.aspx?ID=2492


過去写真。旭川から嵐山方面から留萌に帰る道。もうこの道は通れなくなりました。いい道でした。