アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

道アイヌ生活実態調査のミス

2010-08-29 20:25:39 | インポート
道が2006年にまとめた道アイヌ生活実態調査の報告書のデータに誤りがあったという報道について、過去blog(8/27)に扱いましたが、北海道新聞(08/27 08:47)に続報がありました。
それによると、道アイヌ協会札幌支部は26日、ミスが起きた経緯について説明するよう文書で申し入れたのに対し、道アイヌ政策推進室の村井篤司参事は、同支部役員らに「相当の時間が経過してから誤りが発覚したことをおわびしたい」と謝罪したようです。しかし、同支部は調査をしてから、あらためて謝罪してほしいと述べたようです。http://www.hokkaido-np.co.jp/news/donai/248146.html

アイヌ長老会議の小川隆吉エカシは、「アイヌ民族の実態調査について思うこと」で、これは単なる調査結果ではなく結果を基にこれまでの様々なアイヌ政策が進められて来たという重要性を考えると、アイヌ協会は行政訴訟を起こし北海道庁の責任を糾するべきだと意見を述べ、自身が主張を続けてこられた「エカシ・フチに民族年金を支給する」ことを日本政府の責任で実行することを要望されています。

確かに、たいへんな誤りです。
そもそもこの問題が発覚したのは、政府の「アイヌ政策推進会議」が現在、全国実態調査をするために議論を進めていますが、その資料提供をするべく道が調査手法や内容について道のデータを精査したところで発覚したというのですから。今回も重要な「資料」扱いされていたわけです。
朝日新聞(2010年8月22日) http://mytown.asahi.com/areanews/hokkaido/HOK201008210004.html


今年はトマトが豊作でした。トマトペーストにもして蓄えました。それを使ってのスパは評判です。


9月4日(土)朝9:25~9:54にNHK総合テレビ「世界遺産への招待状」 パラグアイ 宣教師たちの夢の跡 ~パラナ川流域のイエズス会伝道施設~が、放送されるという情報をwakkaさんから頂きました。http://www.nhk.or.jp/sekaiisan/invitation/index.html
これは、ロバート・デニーロ主演の『ミッション』(1986年)によって映画化されています。
http://www.allcinema.net/prog/show_c.php?num_c=22838

ただ、「ミッション」は実際のものではなく、16世紀末から18世紀にかけて南米各地に建設されたイエスズ会伝道所の活動について史実の流れに沿ってはいるもののの「史実にヒントを得た創作」映画です。今回の放送は、この創作を実際の歴史に近づけようとしているとわたしは想像しているのですが、それは、見てからのお楽しみ。
「ミッション」は宣教(伝道・布教)とは何かを考えさせられる映画です。

宣教というと、札幌在住の小野郁夫さんという方が個人的な趣味で自主制作された「知里幸恵」に、興味深い映像が流れていました。
それは、1805年に有珠の善光寺では、アイヌ民族を教育するお寺と位置づけられ、アイヌ民族にカタカナを教え、お経の一部をアイヌ語に翻訳してカタカナで印刷して配った、と(寺には現在もアイヌとのかかわりを示す品が保管されているそうですのでいつかお訪ねしたいと思います)。
ナレーションはさらに、「もし、この時代にお経だけでなく、土地や川や海の権利のことを教えられていたら、その後の歴史は変わっていたでしょう」と述べられているのを聞き、ふと、映画「ミッション」の時代や、J.バチェラーの宣教と重ねました。バチェラーも善光寺がカタカナを教えた70年後に活動を始めるのですが、緒権利を教えていたという記述はありません。もし、教えていたなら、と。



昨日の夕方の写真の数分後。

ちなみに、「ミッション」は当センターでもDVD購入しました。他に「アバター」レンタル落ち1500円、「北の零年」レンタル落ち950円も、一応、購入。