政府の「アイヌ政策のあり方に関する有識者懇談会」(座長・佐藤幸治京大名誉教授)の政府への報告書を読んでいます。
過日の「チ・カラ・ニサッタ」での学習会は、内容審議に入らず、まずは率直な感想や疑問を出し合い、互いの感じ方に耳を傾けた時を持ちました。読み込んでいく必要を確認し、次回から内容を深めることにして、近く、報告書に対する何らかの行動をとろうと話し合いました。
実習生のMasaくんと昨日は読み合わせながら、いくつかの確認ができました。
まず、アイヌ民族の要望として有識者懇のメンバーでもあり、唯一のアイヌ民族のひとりであった加藤忠アイヌ協会理事長がご自身のヒアリングの際に出した要望と照らし合わせてみました。加藤さんは政府立案に当たっての基本的な三つの観点(「同化政策」「土地・資源」「法制度」)を挙げて、民族の自己決定権がないがしろにされて来た歴史と対話の必要性を訴えた上で、以下のことを提案しています。
政策提案
(1) 教育の充実への支援
(2) アイヌ研究・民族教育への支援
(3) 遺骨の返還、慰霊
(4) 広義の文化振興~経済活動との連携
(5) 文化振興等の基盤としての土地・資源の利用
(6) 啓発・教育の重要性
(7) 政治的参加への対応
推進手法
(1) 窓口機関・審議機関の設置
(2) 国連宣言の参照
(3) 予算の確保、新たな立法措置
(4) 先行事例調査
(2008年9月17日第2回有識者懇談会議事録参照)
政策提案(7)は、日本政府に対するというより、アイヌ民族内の体制つくりについてのことなので、外して考えると、提案(1)~(6)も、手法(1)~(4)も盛り込まれたと言っていいでしょうか(手法(3)(4)に関しては(1)の窓口機関設置と審議機関設置で審議・調査することが保障されれば、ですが)。
個々の意見や要望も出てきていますので、手に入り次第、照らし合わせようと思います。
イワキキンニ(ななかまど)の葉
イワ=山地の、キキ=魔を追い払うもの、ネ=~になる、ニ=木 の意味だそう。
有識者懇の報告書「3(1)①アb アイヌの人々が全住民族であるということ」に、有識者懇の先住民族の定義が書かれています。以下、引用。
「先住民族とは、一地域に、歴史的に国家の当時が及ぶ前から、国家を構成する多数民族と異なる文化とアイデンティティを持つ民族として居住し、その後、その意に関わらずこの多数民族の支配を受けながらも、なお独自の文化とアイデンティティを喪失することなく同地域に居住している民族である」
比較ができるであろうコーボゥ報告書による先住民族定義は以下の通り
「先住民族」が「自己の生活領域において発達した侵略前及び植民地化前の社会と歴史的連続性を有し,自己の領域又はその一部において現在優勢であるところの社会の中の他の部分と自己を異なるとみなす者」 コーボゥ報告書 5巻379
コーボゥ報告書のは「侵略」「植民地化」が使われています。
(コーボゥ報告書については過去ブログ参照)
アッニの葉 内皮であつし織りの布をつくる
昨日の北海道新聞によると、政府は内閣官房に「アイヌ総合政策室」を設置したようです。秋にも発足させるアイヌ政策審議機関の事務を担当することと、これまで複数の省庁が個々に当たっていたことを総合的に担当するためとのこと。
(北海道新聞08/13 06:33 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/182470.html)。
政府窓口が出来たことは進歩です。審議機関には複数のアイヌ民族が入って深い審議ができる事を願います。
先日紹介したカナダの審議機関は複数が先住民族であり、委員長も共同委員長として一方は先住民族代表、もう一方は非先住民族川で高裁判事の双方から出ていました。
対等な立場で設置していくことが求められているでしょう。
過日の「チ・カラ・ニサッタ」での学習会は、内容審議に入らず、まずは率直な感想や疑問を出し合い、互いの感じ方に耳を傾けた時を持ちました。読み込んでいく必要を確認し、次回から内容を深めることにして、近く、報告書に対する何らかの行動をとろうと話し合いました。
実習生のMasaくんと昨日は読み合わせながら、いくつかの確認ができました。
まず、アイヌ民族の要望として有識者懇のメンバーでもあり、唯一のアイヌ民族のひとりであった加藤忠アイヌ協会理事長がご自身のヒアリングの際に出した要望と照らし合わせてみました。加藤さんは政府立案に当たっての基本的な三つの観点(「同化政策」「土地・資源」「法制度」)を挙げて、民族の自己決定権がないがしろにされて来た歴史と対話の必要性を訴えた上で、以下のことを提案しています。
政策提案
(1) 教育の充実への支援
(2) アイヌ研究・民族教育への支援
(3) 遺骨の返還、慰霊
(4) 広義の文化振興~経済活動との連携
(5) 文化振興等の基盤としての土地・資源の利用
(6) 啓発・教育の重要性
(7) 政治的参加への対応
推進手法
(1) 窓口機関・審議機関の設置
(2) 国連宣言の参照
(3) 予算の確保、新たな立法措置
(4) 先行事例調査
(2008年9月17日第2回有識者懇談会議事録参照)
政策提案(7)は、日本政府に対するというより、アイヌ民族内の体制つくりについてのことなので、外して考えると、提案(1)~(6)も、手法(1)~(4)も盛り込まれたと言っていいでしょうか(手法(3)(4)に関しては(1)の窓口機関設置と審議機関設置で審議・調査することが保障されれば、ですが)。
個々の意見や要望も出てきていますので、手に入り次第、照らし合わせようと思います。
イワキキンニ(ななかまど)の葉
イワ=山地の、キキ=魔を追い払うもの、ネ=~になる、ニ=木 の意味だそう。
有識者懇の報告書「3(1)①アb アイヌの人々が全住民族であるということ」に、有識者懇の先住民族の定義が書かれています。以下、引用。
「先住民族とは、一地域に、歴史的に国家の当時が及ぶ前から、国家を構成する多数民族と異なる文化とアイデンティティを持つ民族として居住し、その後、その意に関わらずこの多数民族の支配を受けながらも、なお独自の文化とアイデンティティを喪失することなく同地域に居住している民族である」
比較ができるであろうコーボゥ報告書による先住民族定義は以下の通り
「先住民族」が「自己の生活領域において発達した侵略前及び植民地化前の社会と歴史的連続性を有し,自己の領域又はその一部において現在優勢であるところの社会の中の他の部分と自己を異なるとみなす者」 コーボゥ報告書 5巻379
コーボゥ報告書のは「侵略」「植民地化」が使われています。
(コーボゥ報告書については過去ブログ参照)
アッニの葉 内皮であつし織りの布をつくる
昨日の北海道新聞によると、政府は内閣官房に「アイヌ総合政策室」を設置したようです。秋にも発足させるアイヌ政策審議機関の事務を担当することと、これまで複数の省庁が個々に当たっていたことを総合的に担当するためとのこと。
(北海道新聞08/13 06:33 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/182470.html)。
政府窓口が出来たことは進歩です。審議機関には複数のアイヌ民族が入って深い審議ができる事を願います。
先日紹介したカナダの審議機関は複数が先住民族であり、委員長も共同委員長として一方は先住民族代表、もう一方は非先住民族川で高裁判事の双方から出ていました。
対等な立場で設置していくことが求められているでしょう。