アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

先住民族決議に関する報道

2008-05-31 11:53:57 | インポート
気になっている国会での「先住民族」決議のニュースが増えました。
http://u-ko-usaraye.cocolog-nifty.com/
昨日は北海道新聞だけに報道されていましたが、今日ウェブサイトを調べると、毎日、朝日とも昨夜から深夜にかけてUPされていました。

朝日新聞のほうは、道新とあまり変わらぬ内容でしたが、毎日新聞では少々、政府・自民党内の「警戒心」について記述しています。
政府・自民党内には先住権の認定が政治的権利や財産権の要求につながることへの警戒感があるため、先住権をどう具体化するかについては決議案に明記せず、有識者懇談会の設置を求める表現にとどめた。 毎日新聞 2008年5月30日 22時15分
http://mainichi.jp/select/today/news/20080531k0000m010129000c.html



「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」代表の「今津ひろしのホームページ」の活動ブログ 5月22日には、過日に日比谷大音楽堂にて行われたアイヌ民族の先住権利確立請願大会および、国会請願の様子を写真で見ることが出来ます。
http://hiroshi-i.net/2008/05/
しかし、29日の世話人会のことは一行もなしです。
各政党のアイヌ民族に対する施策はどうなのでしょう。
マニフェストに載っているのでしょうか。


いよいよ明日からPIRKA KEWTUM APKASの皆さんが出発しますね。
応援しています。
今月はブログ日誌をよく書きました。
これからも頻繁に書きたいと思いますが、明日から忙しくなります。
2日朝からPIRKA KEWTUM APKASの歩き始めにエールを送るべく稚内に行き、天塩・初山別の教会員宅訪問。
夜は札幌で行なわれる先住民族サミットのボランティア会議に出席し、帰宅。
4日も札幌で自由学校“遊”での小野有五さんの講演があるので聞きにいきます。
6日は知里幸恵さんの記念祭に参列し、その足で山形へ。
わたしたちの母校であり、いま次男が学んでいるキリスト教独立学園の父母会に参加して、
ついでに、夏に北海道へ修学旅行にくる3年生に旭川でのアイヌ民族フィールドワークの打ち合わせをしてきます。
その後は、盛岡カナンの園、青森の友人宅、三内丸山古墳を観て青函連絡船で函館へ。
翌日からは函館の諸教会をからはじめて北上しつつ教会訪問を続け、11日に戻ってきます。
どこかでパソコンがつながって元気なら日誌をUPします。



知里幸恵文学碑(北門中学校内) 6日午前9時から記念祭が行なわれます


今朝の北海道新聞

2008-05-30 09:45:41 | インポート
昨日は空いた時間に、6月1日から歩き始めるPIRKA KEWTUM APKASの皆さんへ、
歩くところのアイヌ語地名解説を留萌までつくって送りました。
ほぼ内容は山田秀三著「北海道の地名」の引用ですが、一応、萱野茂さんの「アイヌ語辞典」で確認しつつ40ほどの地名をあげることができました。いつか、松浦武四郎さんの資料などを元に、調査しながらわたしも歩いてみたいです。

さて、今朝(30日)の北海道新聞には、第一面と5面いっぱいにアイヌ民族関連の記事が載っています。
北海道新聞のウェブサイトにはまだUPされていませんので、先住民族関連の報道クリップ(u-ko-usaraye)にもUPできていませんが、第1面には二つの記事が載っています。

ひとつは北大がウタリ協会の協力を得て三年計画で実施する「アイヌ民族数千人調査」生活実態把握についての情報。
これまでアイヌ民族の生活の実態を把握するため、道は1972年から7年毎に「アイヌ生活実態調査」を行なってきました。最近では、06年の調査結果が昨年に出たのを道のウェブサイトで見ることが出来ます。
http://www.pref.hokkaido.lg.jp/ks/sum/soumuka/ainu/jittai.htm
以前にこの実態調査報告に疑問を感じたことを書きました(07年5月22日ブログ)が、今日の記事内容で、こんなことが書かれていました。

これまでアイヌ施策の基礎データーとなってきたのは、道がおおむね7年に一回実施してきたアイヌ民族の生活実態調査だった。しかし、聞き取り調査の対象が全道で700人程度と少ない上、調査地域や対象者選びにも偏りがあるなどとして、ウタリ協会や研究者から「実態を反映していない」と疑問視する声が出ていた。

そうそう。このあたりの調査内容も知りたかったし、「偏り」がないか疑問だったのです。
ぜひ、今回は詳細に調査・分析し、さらに、改善のための提言をして頂きたいですね。
期待します。


道新一面の二つ目の記事は、超党派の国会議員でつくる「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」の国会における先住民族決議案のこと。
29日に世話人会が行われ、前回、各党へ持ち帰って承認を得たものを付き合わせた結果、原案の一部を修正したこと、さらに、来月6日の衆参本会議で決議を目指すとのことが書かれていました。
修正部分として以下が原案から削除された部分

「アイヌの人びとが労働力として拘束、収奪されたため、その社会や文化の破壊が進み、また、いわゆる「同化政策」により伝統的な生活が制限、禁止されることで受けた打撃は大きく・・」

自民党から「感情的な表現は控えるべき」との意見に「配慮した」結果だとか。
事実としては認めるが控えるべきだ、と言うことでしょうか。
ちなみに、「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」懇談会のことは以前にUPしました(5月22日ブログ)が、その懇談会報告(96年4月)には、ちゃんと以下のことが書かれ、公になっていますが・・・。

松前藩が成立する過程でアイヌの人々の自由な交易が制限され、さらに、商場知行制からアイヌの人々を労働力として拘束し収奪する場所請負制へ移行する中で、アイヌの人々の社会や文化の破壊が進み、人口も激減した。
さらに、明治以降、我が国が近代国家としてスタートし、「北海道開拓」を進める中で、いわゆる同化政策が進められ、伝統的生活を支えてきた狩猟、漁撈が制限、禁止され、また、アイヌ語の使用を始め伝統的な生活慣行の保持が制限され、アイヌの人々の社会や文化が受けた打撃は決定的なものとなった。法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々は多数に上った。
当時の政府も様々な対策を講じ、明治32年の北海道旧土人保護法の施行に至ったが、その後の展開をみると、いずれの施策もアイヌの人々の窮状を改善するために十分機能したとはいえなかった。 (「1アイヌの人々」の「(4)我が国の近代化とアイヌの人々」)


道新5面では、一面つかって「先住権論議 深めよう」と、とても分かりかすく先住民族アイヌの先住権について書かれています。これだけ分かりやすく自然に説明できたらいいですね。



昨日の絵に光っている部分があるとメールを下さった方がいました。
ちょうど、カメラフラッシュがガラスに反射して写ったのです。
ぴったし火のところが光っていて、いい感じでしょ?
それと、時々、ブログ内容の数行が消えることがあるとも。そんなときは画面を前後に動かして消えた部分をいったん隠してから出せば見えるようになります。お試し下さい。
しばらく過去に撮った写真をUPしています。もうカメラの修理が終わったと連絡が入ったので、来週には新しい写真をUPできます。
下の写真は、数年前のものですが、野生のきつねです。
ポテトチップスか何かの袋が首に巻きついています。
わたしはあげないようにしていますが、餌をおねだりして待っているきつねといたるところで会います。




知里幸恵さん

2008-05-29 05:31:21 | インポート
知里幸恵さんのことは過去ブログ(06年10月22日)にも書きましたが、関連も含めてもう少し紹介します。

幸恵さんは、1903(明36)年、知里高吉・ナミ夫婦の長女として誕生。
6歳の時に一家の窮状に見舞われて、伯母である金成マツさんの養女として旭川にて祖母、叔母と共に暮らすことになります。(1910年にマツさんは近文聖公会伝導所に赴任)。
1910(明43)年、上川第三尋常小学校へ入学。
が、同じ年の9月には教育制度の改革でアイヌのこどもたちは「旧土人学校」である上川第五尋常小学校へ移されます(それが現北門中学校地です)。
とても優秀な方だったそうです。

幸恵さんはその後、金田一京助と出会い、「アイヌ神謡集」を世に紹介することになります。
しかし、その出版を待たず、心臓の病で十九歳三ヶ月の短い命を閉じます。
彼女の日誌や手紙には神さまへの問いかけや祈りなど、熱心なキリスト者としての面影が伺われます。

現在、幸恵さんの姪にあたる知里むつみさんが主宰する知里森舎を中心として、幸恵さんが生まれた登別(ヌプルペッ)に知里幸恵記念館「銀の滴館」を建設するための準備がすすめられています。
資金協力も募集していることを知り、わたしも微力ながら先日送らせて頂きました。
問い合わせは知里森舎 http://chirishinsya.client.jp/

建築にあたっての代表世話人が小野有五さん(北大大学院地球環境科学研究院教授)。
最近、小野さんの著書「自然のメッセージを聴く」(北海道新聞社)を読みはじめました。
とてもいい内容です。本書にはいたるところにアイヌ民族のことが散りばめられていますが、「シマフクロウの森で~知里幸恵のメッセージを聴く」に、幸恵さんのこと、アイヌ民族の苦渋の歴史、さらにご自身が幸恵さんらから受けた権利回復への働きについて書かれています。
まさに、人や自然とふれあい「行動する科学者」です。
「先住民族サミット」関連で今度、頻繁にお会いしますからサインもらっとこ。

最後のところで、道内のいたるところに立てられている地名説明の看板を変える働きかけについて書かれています。
わたしのブログでも紹介したように(07年7月14日のブログ日誌)、説明看板は最初に日本語の地名が大きく書かれてあり、その下に小さくアイヌ語で表記され、さらに小さい時で解説が載っています(これは確か河川課の管轄だったでしょうか)。それを、アイヌ語と日本語の並列にするべきだという主張をされ、いくつか改良されたというのです(旭川教育委員会生涯学習課のウェブサイトに改良後の看板が掲載されています)。
http://www.city.asahikawa.hokkaido.jp/files/syougaigakusyu/bunkasinko/ainugotimei/ainugotimei.html

以前に小野さんの講演でそのことを伺い(同じころにアオテアロア=NZでのマオリ語標記のことも)、わたしも地名を並列にして道内のキリスト教会所在地のアイヌ語解説を書きました(08年3月3日のブログ日誌)。




旭川市博物館第52回企画展「カムイのもとに暮らして~アイヌの人びとの四季」
(昨年10月はじめから12月まで特別展示場で開催)で、展示された黒瀬さんの絵です。
繊細できれいな絵でした。
絵本「くまのしっぽが短くなったわけ」や合唱劇「カ子ト」旭川講演ポスターのデザインも彼女です。
下の絵はカムイが熊の肉と毛皮をまとって人間のところに来てくれる場面でしょう。
絵をクリックしたら大きくなります。




知里幸恵さんの記念祭

2008-05-28 10:39:05 | インポート
数年、鮭やホタテ漁のアルバイトをしていたので、くせになって早起きです。
外が明るくなりはじめたら目が覚めます(動物みたいだと言われます)。
前日が早い場合は2時に起きる事も度々ありますがその日の昼は眠い・・・。
祈りと共に目を覚まし、パソコンに向うとまずはウェブサイトの朝刊チェック。
アイヌ民族関連のニュースを集めてUP。
そして、記事の紹介や、前日の活動報告を日誌ブログに書き込みます。
それから一日の仕事に取りかかります。
今日は違う仕事を最初にしてから記事をUP。
北海道新聞にも記事が出ていましたので、ニュースブログにUPしておきました。

さて、昨日は旭川で会議があったので川村カ子トアイヌ記念館にお寄りして
諸情報を得てきました。

まずは、毎年、恒例の知里幸恵さんの誕生記念カムイノミの案内です。
例年ですと幸恵さんの誕生日とされている6月8日に行なうのですが、
今年は、6日(金)、午前9時から開催。
旭川北門中学校(錦町15丁目)の講堂で講演と川村さんたちの民族舞踊があります。
今年の講演は、昨年もこの会に来られてユーカラを紹介してくださった港敦子さんとのこと。
港さんは東京在住で、吟遊詩人としてご活躍。
昨年、彼女のユーカラの朗読を聞いて、とても感動しました(07年6月18日のブログ参照)。
15分以上の暗記も驚きでしたが、アイヌ語での朗読はことばに節を付けて歌うように語り、
日本語での訳は、ストーリーに吸い込まれていくような魅力的な語りでした。
わたしもワクワクしながら物語の中に入っていったことを思い出します。
今回もとっても楽しみにしています。生徒達もとても良かったと言っていたそうです。

港さんのウェブサイトを調べていたら・・・
な、なんと、TOPページに当ブログをリンクしてくださっているではありませんか!(感謝)
(け、けど・・・試しにクリックしてみたら「期限切れ」となっていた・・・残念!)

港さんもいろいろなところに出向いておられる様子。
知里幸恵さんのユーカラ集を韓国語に翻訳して冊子に掲載もされたり、今回は「カネト」も翻訳されるとのこと。ご活躍をお祈りします。
港さんのウェブサイト http://homepage2.nifty.com/at_port/


次に、7月20日開演の合唱劇「カネト」のポスターと前売りチケットが完成しました。
ポスターはチラシと同じ、デザインは旭川在住のデザイナー、黒瀬さん。
先日の嵐山カムイノミで久しぶりにお会いしたので、少しお話しましたが、現在、グリーティングカードのデザインをされているとか。新しい絵本も出版したというので、また読みたいと思います。

「カネト」の前売りはわたしも預かっています。一枚2,000円。ご協力お願いします。




旭川からの帰りの峠道。よく、走っている途中で道路に落ちてるクワガタを見つけました。
大好きだった道ですが、最近トンネルが出来て、この道が通れなくなりました。


今週にも国会で決議

2008-05-26 09:40:11 | インポート
連日、アイヌ民族関連のニュースが新聞紙面に出ています。
JANJAN 2008/05/23には、先日、北大アイヌ・先住民研究センターで講演をした酒井美直さんのインタビューが掲載されています。
http://www.news.janjan.jp/special/0805/0805227655/1.php

AINU REBELSメンバー15人。
もともとは若いアイヌが集まってアイヌのことを語り合ったり、表現したりを目的に始まったそうです。現在は歌や踊りを披露し、自分達の姿をみてアイヌのみんなに勇気を得て欲しいと願っている、と。


毎日新聞(5月24日地方版)では、「『先住民族』国会決議案まとまる 政府、将来の補償懸念」
の記事で、さる23日、超党派の道内選出国会議員らでつくる議員連盟「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」でまとめて出した文章に対し、政府が懸念しているという記事が出ています。
政府は「先住民族の認定が将来的に土地の補償要求などにつながることを懸念」し、「自民党内には国会決議そのものに慎重論も残っており、北海道ウタリ協会(加藤忠理事長)の悲願である先住民族としての認定には、まだまだ高いハードルが残っている」と。

以前にわたしも書きましたが、先住民族と認定するということは、先住民族としての自決権・戸地領有権を含む様々な権利が伴うわけですが、案の定、政府内では「宣言に規定される権利を要求されると困る」という意見が根強くあるらしく、「先住民族の認定は消極的」だというのです。さらに、ウタリ協会の考えも記載されていました。以下。

政府内の懸念について、議員の会世話人の鈴木宗男・新党大地代表は「ウタリ協会は大所高所にたって判断してくれている。政府や行政が懸念しているような話はない」と否定。代表世話人の今津寛・自民党道連会長も「加藤理事長は『土地の問題などはいっさい要望しない』と町村信孝官房長官にはっきり伝えている」と述べ、先住民族の認定と具体的な権利要求を切り離しているという考えだ。


以下が、超党派の国会議員による「アイヌ民族を先住民族とする国会決議」の案です。
今週にも国会で決議される見通しとのこと。


==============
 《アイヌ民族を先住民族とする国会決議(案)》(要旨)
 我が国が近代化する過程で、アイヌ社会や文化の破壊が進み、「同化政策」により伝統的な生活が制限、禁止された。法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上ったという歴史的事実を厳粛に受け止めなければならない。
 アイヌが民族としての名誉と尊厳を回復し、その文化と誇りを次世代に継承していくことは、国際的な価値観の共有であり、我が国が21世紀の国際社会をリードしていくためにも不可欠である。
 政府は左記の施策を早急に講じるよう、決議する。
 (1)政府は、アイヌの人々を北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認めること。
 (2)政府は、高いレベルで有識者の意見を聞きながら、これまでのアイヌ政策を推進し、総合的な施策の確立に取り組むこと。

毎日新聞記事より http://mainichi.jp/hokkaido/news/20080524ddlk01010163000c.html



旭川嵐山でのカムイノミの後でみんなで踊ったところ(写真は一昨年のもの)


「国会決議案」まとまる

2008-05-24 18:11:47 | インポート
今日は、旭川嵐山の「アイヌ文化の森・伝承のコタン」にあるチセ(家)で行なわれたカムイノミ(祈りの儀式)に参加し、先ほど帰宅しました。
嵐山は自然を残した公園にもなっており、高山植物も多く見られます。
カメラがあったら(修理中)いい写真が撮れたのですが、淡いみどり色のミズナラの葉がとてもきれいでした。
嵐山ビジターセンターのウェブサイトにたくさん写真が載っています。
http://www.h3.dion.ne.jp/~a.v.c.1/sub.13.html

闘う村おさクチンクルや北海道最初に熊の木彫りを作った松井梅太郎さんの顕彰碑もあります(過去ブログ07年3月28日も参照)


帰宅してメールを開けると、署名願いのメールのレスをたくさん頂きました。
みなさん積極的になっていただいてとてもうれしいです。


昨夜の北大アイヌ・先住民研究センターでの酒井さんの講演はとてもよかったです。
広大な北大キャンパスの中の庭での講演で、道ゆく学生達や、となりで焼肉をしているグループ達にも自然に同年代のアイヌの声が届いたように感じました。うしろの方に座っていたのですが、気がついたら立って聞いている人たちがたくさんいました。

地域の差はあれ、まだまだ差別と偏見の目が厳しい事をご自身の経験を語って下さいました。「アイヌ」から意識的にも避けようとして生きてきた学生時代、友だちとアイスを食べていても、いつアイスから「アイヌ」へと連想されるか不安だったと言われたことがとても痛く感じました。
その彼女がカナダの先住民族を訪ねる旅に参加し、そこで衝撃的な出会いをします。
ある青年が自分の民族のシンボル文様と民族名を腕に入墨し、誇りを持って生きている姿を見たのです。そこで彼女は、先住民族はかっこいいんだ、自分もアイヌ民族として誇りをもって生きていこうと決めたそうです。

現在、アイヌ・レブルスという首都圏の若いアイヌたちと若者の感性を活かしてアイヌ音楽をアレンジし、公演や講演を行なっておられます。
伝統的に演奏すること、文化を大切にするようにと言われることもあるようですが、彼女は、沖縄や韓国に関する問題は重いけれど、アムロなど沖縄出身のミュージシャンの流行や、韓流ブームという現象から沖縄・韓国は身近になった。同じように、自分達も自分たちらしいさでアイヌを語ろうと考えている、と。
応援していきたいと思います。
なんどもつけていますが、彼女達のウェブサイト
http://www.ainurebels.com/


今日は読売新聞(5月23日)のウェブサイトに、「アイヌ民族、国会決議案まとまる」のニュースがUPされていました。
超党派の国会議員で作る「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(代表・今津寛衆院議員)が23日、国会内で会合を開き、政府がアイヌ民族を先住民と認定することなどを求める国会決議案をまとめたようです。今後、各党に持ち帰り、党内手続きを経、「早ければ来週中の国会決議を目指す」とのこと!! 以下、読売ニュースの引用。

決議案では、「法的には等しく国民でありながらも差別され、貧窮を余儀なくされたアイヌの人々が多数に上った」とし、「その文化と誇りを次世代に継承していくことは国際的な価値観の共有」だとした。
その上で、政府に〈1〉アイヌの人々を、北海道に先住し、独自の言語、宗教や文化の独自性を有する先住民族として認めること〈2〉「先住民族の権利に関する国際連合宣言」を参照しつつ、アイヌ政策をさらに推進し、総合的な施策の確立に取り組むこと――を求めている。
同日の会合には、自民、公明、民主、共産、新党大地に加え、社民、国民新、新党日本からも議員が参加した。
これに関連し、町村官房長官は同日午前の閣議後の記者会見で、「国会決議の案文を見た上で対応を考えたい。ただ、昨年9月に国連総会で(先住民族の権利に関する)宣言が採択され、日本も賛成したことは重い事実としてある。前向きに考えていいのではないか」と述べた。
http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hokkaido/news/20080523-OYT8T00458.htm


この報道での町村発言は「ニュートラル」発言と比べて、かなり積極的なニュアンスに受け取れます。
北海道新聞他にもニュースが出ていました。まとめてわたしの関連ブログにUPしていますのでごらんください。

さて、これから留萌市民の平和を願う会があるので行ってきます。
帰ってから明日の準備・・・




ウタリ協会の国会への要請行動 報道

2008-05-23 08:29:39 | インポート
昨日のウタリ協会の国会への要請行動が道新、毎日、読売で記事になっていました。
行なわれました。
(まとめて情報をUP http://u-ko-usaraye.cocolog-nifty.com/ )

加えて、毎日新聞には「アイヌ先住権:政府が有識者懇設置へ 国会決議条件に」の見出しで、ウタリ協会の請願書の「(2)権利を審議する有識者懇談会を官邸に設置」に対し、政府高官が「国会決議が採択されれば設置する」と述べ前向きな意向を示した、と記述。

また、首相官邸で町村信孝官房長官と面会し、効果的な施策の確立などを求める要望書を提出した際、加藤理事長らによると、町村官房長官は「しっかりやります」と答えたといいます。以下、毎日URL
 「http://mainichi.jp/hokkaido/news/20080523hog00m040002000c.html

昨日の夕方のニュースでも街頭アピールと町村官房長官のコメントが流されていました(とっさの事だったので番組名をメモせず)。それによると町村官房長官のコメントは「ニュートラル(中立)です」と、イメージ的にはとても消極的に聞こえたのはわたしだけでしょうか。



今年もキツネとよく出会います。
写真は去年のもの。来週にはカメラが修理されて戻ってきますので、またUPします。
こぎつねも逃げません。




合唱劇「カネト」旭川公演のチラシ完成

2008-05-23 06:28:23 | インポート
昨日、今朝と署名のお願いのメールを個人宛にたくさん送りました。
自分のできることをしたいと思いつつ、できるだけひと言添えて送らせて頂きました。
長文だったため、先方は迷惑だったかも・・・すみません

今日は、午前中に原稿をひとつ仕上げて午後から札幌に向かい、
夜は北大アイヌ・先住民研究センターでの酒井さんの講演を聞き、
その後、先住民族サミットのボランティアのことなど話し合う予定です。
土曜日は午前11時から旭川嵐山のカムイ・ノミに参加します。
その後、旭川の諸教会を訪ね、7月20日に開催される合唱劇「カネト」のチラシを預かって頂こうと思います。

合唱劇「カネト」楽しみです。
(劇に関しては過去ブログ07年10月25日、カネトさんご本人の紹介は07年3月20日のブログを参照下さい)


素敵なチラシが出来ました。
デザインは昨年、アイヌ絵本の賞を取られた旭川のデザイナー黒瀬さん。
彼女の絵本「くまのしっぽがみじかくなったわけ」はアイヌ文化推進機構のURLで見ることが出来ます。
http://www.frpac.or.jp/kodomo/flash/ehon/shippo/shippo.html



クリックしたら大きくなります。
チケット預かっていますのでご協力お願いします。
なお、資金を得るために黒瀬さんデザインの絵葉書(4枚入り200円)も販売中!





「アイヌの権利を審議する有識者懇談会」へ期待

2008-05-22 15:57:07 | インポート

朝のニュースチェックをしていたら、今日もアイヌ関連がヒットしました。
毎日新聞の「アイヌ決議案:アイヌは先住民族 決議案、今国会提出目指す 議連」(5月22日)です。
http://mainichi.jp/hokkaido/news/20080522hog00m040004000c.html

連日、伝えられていますが、本日、北海道ウタリ協会が衆参両院へ請願書を出します(街頭でも先住民族アイヌとしてのアピールをするなど、今日は注目しています)。

この日を前に、昨日、超党派の道内選出国会議員らで作る議員連盟「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(代表世話人=今津寛・自民党道連会長)が、世話人会を開き、23日に開催する全体会でアイヌを先住民族と認める国会決議案をまとめることを決めたというのです。
この決議案では、アイヌの先住民族認定だけではなくアイヌの権利を審議する有識者懇談会を政府に設置を求めることなども検討課題としているようです。大変、重要なことです。

23日に開催する全体会で了承されれば、今国会での決議案提出を目指し、各党の承認の手続きに入る方針。



さて、1997年に「アイヌ文化振興法」が制定されますが、その際、政府は「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」を設置しました。その辺りのことをまとめてみますと・・・、

‘84年7月、北海道ウタリ協会は差別と貧困の抜本的解決のため、アイヌ民族自から法律案を作り、北海道知事および、北海道議会に陳述しました(いわゆる「アイヌ新法」という)。
それを受け、‘88年に北海道、北海道議会および北海道ウタリ協会の三者により「アイヌ民族に関する法律」の制定について国に要望がだされます。
国は‘95年7年3月に「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」(内閣官房長官の私的懇談会)を設置し、同懇談会は翌年に報告書を提出。

アイヌ民族に関する法律はここにあります 
http://www.geocities.co.jp/WallStreet/8729/ainu.html

その翌年5月に、「アイヌ関連施策関係省庁連絡会議」を設置し、懇談会報告書に基づく立法措置を含む新たな施策の実現に向けた検討実施が確認され、‘97年5月に「アイヌ文化の振興並びにアイヌの伝統等に関する知識の普及及び啓発に関する法律」(いわゆる「アイヌ文化振興法」)が公布され、7月1日に施行されます。
ウタリ協会の作成した「アイヌ新法」とはかなりかたちが変えられたものとなりましたが、このことについては違う時に書きます。


「ウタリ対策のあり方に関する有識者懇談会」報告の一部にこのような文があります。

「アイヌの人々は当時の「和人」との関係において日本列島北部周辺、とりわけ我が国固有の領土である北海道に先住していたことは否定できないと考えられる。」(「アイヌの人々」より)

「我が国におけるアイヌの人々は引き続き民族としての独自性を保っているとみるべきであり、近い将来においてもそれが失われると見通すことはできない。」(「アイヌの人々の民族性」より)


以前にも紹介した文です。先住していた住民だった、ことは認めているのです。
さらに、新しい施策の概要を、4項目あげて提言しています(1.アイヌに関する総合的かつ実践的な研究の推進。2.アイヌ語をも含むアイヌ文化の振興。3.伝統的生活空間の再生。4.理解の促進。)。

いいことが書かれていますが、以下のような、引っかかるところもあります。

「我が国におけるアイヌの人々に係る新たな施策の展開については、我が国の実情にあった判断をしていく必要がある。
その場合、我が国からの分離・独立等政治的地位の決定にかかわる自決権や、北海道の土地、資源等の返還、補償等にかかわる自決権という問題を、我が国におけるアイヌの人々に係る新たな施策の展開の基礎に置くことはできないものと考える。」(「国連等における議論の動向」より)


ここでは「自決権」(自分達で決定する権利)に、条件がつけられているのです!
先住していた住民だけれども、先住民族ではないから、先住民族が保障されている「自決権」はないよ、ということだったのでしょうか。この度の動きで、アイヌ民族は先住民族であることが認められた後、「自決権」はどうなるのでしょう。認めつつ進めていってもらいたいものです。
「先住民族アイヌ」が認められた後、「アイヌの権利を審議する有識者懇談会」を作って、この「条件付自決権」を含めてしっかりと話し合ってもらいたいです。



24日は午前11時から旭川の嵐山(アイヌ文化の森伝承のコタン)にて、カムイ・ノミが行なわれます。最後にはみんなで輪になって踊ります!

嵐山には旭川市博物館分館もあり、杉村キナラブックさんの資料なども展示されています。
地図も以下のURLに書かれていますから、どうぞ。
http://www.pref.hokkaido.jp/kseikatu/ks-bsbsk/bunkashigen/parts/4508.html




明日行なわれる北大アイヌ・先住民研究センター講演のチラシ
なかなかおしゃれなチラシです。センター専従のYさん。なかなかやるね~
酒井さんかっこいいですね。

目が離せない権利回復への活動

2008-05-21 16:16:11 | インポート
今朝の北海道新聞記事によると、
首都圏のアイヌ民族4団体でつくる「アイヌウタリ連絡会」は、20日、アイヌ民族を先住民族と認めるように政府に求める署名、計約六千六百人分と要請書を福田康夫首相らにあてて提出したようです。
22日には北海道ウタリ協会が要請行動をとることは昨日、知りましたが、昨日のうちにすでに、このような行動があったのですね。
要請書は、政府に対してアイヌ民族が先住民族と認めた上で、政治的責任を明確にして謝罪すること、さらに、道外在住のアイヌ民族を対象にした奨学金など生活支援策がないことに触れて支援策実施も求めた、とあります。
対応した内閣官房、国交省など三省の担当者は「問題は認識している」などの発言にとどまった様子。
北海道新聞 http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/93981.php

もう一つ、大事なニュースがありました。

国連人権理事会による人権状況の審査で、日本政府は「先住民族の権利に関する国連宣言」の国内適用に向けて、アイヌ民族と対話するよう勧告されたことが、十九日明らかになったというのです!
この審査についても記事に詳しく書かれていますので、下記のURLをご覧下さい。
政府は六月二日から始まる次回の人権理事会で、この勧告を受け入れるかどうか表明する、とのこと。不受理の可能性もあるのですね。
北海道新聞(05/20 07:03)http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/93770.php

ほんとうに、目が離せないですね。 どんどんと行動が起こされています。
わたしもあらためて、知人や諸教会に署名の呼びかけをメールにて呼びかけます。
第一次の署名提出は終わりましたが、次の提出まで、さらに力を入れて集めたいと思います。ご協力をお願いします。
昨日は、留萌九条の会(三浦光世さん講演)で、大雨の中を旭川2往復し、かなり疲れているのと、元気がでないために今から行こうと思っていたさっぽろ自由学校“遊”の以下の講座はお休みします。金曜日の北大の講演は行きたいと思っています。


今日(5月21日)のさっぽろ自由学校“遊”アイヌ民族連続講座は、以下の通り。
 
アイヌと和人との共生に向けて~大地を愛することを共有する~
結城 幸司(ゆうき こうじ) アイヌアートプロジェクト代表

北海道の先住民族であるアイヌ民族と、現在の多数者である和人。
その間には、簡単には拭えない差別・抑圧の歴史が横たわっています。
そうした歴史から目を背けずに、「共に生きる」未来をつくりあげていくには
どうすればよいか、アイヌ民族からの提案をもとに共に考えましょう。
http://www.sapporoyu.org/modules/sy_course/index.php?id_course=136



次は、北海道大学アイヌ・先住民研究センター5月の講演会の案内です。

5月23日(金)18:00~20:00
酒井美直[AINU REBELS]
「AINU PRIDE―私の生きる道―」
会場:エルムの森 憩い空間ゾーン(北大総合博物館横、芝生)
※参加自由,無料.雨天時,人文社会科学総合教育研究棟(W棟)2階 W202号室
※屋外でおこないます.防寒具をご準備ください.
http://www.cais.hokudai.ac.jp/kouenkai.htm



アイヌ語が聞けます

2008-05-20 11:40:12 | インポート
北海道新聞(05/20)報道で、もう一つ紹介します。
「アイヌ民族の昔話をネット配信 白老の博物館がデジタル絵本に 古老の語りも収録」の記事です。
(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/culture/93726.php)

胆振管内白老町のアイヌ民族博物館が、アイヌ民族の伝承を収録した「デジタル絵本」のインターネット配信を開始。お二人のフチ(おばあさん)の肉声とイラストが簡単に見聞きすることができます。お勧めです。
アイヌ語を聞いたことのない方は、是非、同館URLへ! 
http://www.ainu-museum.or.jp/





なんという名の野草でしょうか。プリムラ・マラコイデスに似ています。

東京での街頭行進が22日に!

2008-05-20 11:23:20 | インポート
東京で来る22日、アイヌ民族の先住権確立を求める大規模な街頭行進が行なわれるというニュースが入りました。行進には全国から二百五十人が参加する予定。
そのことを前に、さる18日、道ウタリ協会の十三支部から70人が静内町真歌の英傑シャクシャイン像前にてカムイノミ(神への祈り)をしたそうです。

国連における先住民族の権利宣言が決議される前から頻繁に国会に足を運び訴えて来られましたが、この度も、「政府による高レベルの有識者懇設置などを求め、衆参両院議長あてに陳情書を提出する」(北海道新聞5月19日)とのこと。
(北海道新聞  http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki/93679.php)

今年3月に発足した超党派の議員連盟「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(世話人代表、今津ひろし 自民党)の動きに関しては前述(5月15日ブログ)しましたが、今国会中に、アイヌを先住民族と認めることを求める国会決議の提出が検討されていますので、目が離せません。
わたしも飛んでいきたいところですが・・・。


今日は留萌九条の会で、三浦光世さん(三浦綾子文学記念館)の平和講演です。
準備を重ねてきましたが、悪天候の中、どれだけ集まってくださるでしょう。
わたしは光世さんの送迎でもう少ししたあとに出かけます。往復160キロの二往復します。



神戸空港近くの「花鳥園」の放し飼いの鳥です。ほんとに楽しかったです。
また行きたいです(4月1日ブログ詳細)
カメラ修理中なので過去の写真ですみません。


先住民族の権利

2008-05-17 15:19:09 | インポート
昨日は北海道ウタリ協会の総会を傍聴しました。
北海道新聞をはじめ、各紙に記事が載っていますのでごらんください。
事前の報道には今総会にて名称を「アイヌ協会」へと変更するかのようなニュアンスに聞こえていましたが、総会ではこの一年をかけて名称を変えるべく話し合い、次年度総会にて名称変更することが話されました。

「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(代表・今津寛自民党道連会長)について一昨日は調べましたが、日が立つにつれて情報も多くなり、さらに、昨日のウタリ協会総会資料に、アイヌ民族の皆さんの政府への働きかけについて詳しい資料が掲載されていました。
それによると、国連先住民族宣言が出る前から、アイヌ民族の皆さんらは何度も国会議員のところに足を運び要望を続けていたのです。すごい回数です。

さて、しつこいようですが、日本政府はアイヌ民族を先住民族として認めていません。
国連先住民族宣言が可決された後の鳩山由紀夫(民主)の質問に対し、福田首相は
「御指摘の宣言には先住民族を定義づける記述はなく、アイヌの人々が同宣言に言う先住民族であるかについては結論を下せる状況にはございません。なお、政府としては、アイヌの人々が固有の文化を発展させてきた民族であるということは認識しており、文化振興等に関する施策を引き続き推進してまいります。」
と答え、その後の答弁でも同じ言葉を繰り返すのみでした。
 第168回 衆議院本会議録 第4号(10月3日)より
 (http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_kaigiroku.htm)

ところが、G8洞爺湖サミットが日本を議長国として開催されるにあたり、「真の先進国たるためにも政府自らが一日も早くアイヌ民族が先住民族であるとの認知を行い、サミットの場においてもG8首脳にホスト国としての声明を発することが我が国の利益に適う」との考えで超党派で「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」が設立され、今国会期中にアイヌ民族が先住民族であるという「声明」を出そうと言うのです。
(今津ひろしURL http://hiroshi-i.net/2008/03/313_1.html)

昨日のウタリ総会には鈴木宗男(新党大地 衆議院議員)もかけつけ、今国会最終日の6月13日までに、必ず決議をすると熱弁。

政府によってアイヌ民族が先住民族として認められたら、アイヌ民族は国連先住民族宣言(以下、「宣言」)で述べられている「先住民族」に該当するということであり、当たり前のことですが「宣言」に述べられている権利に関してもアイヌ民族は該当するということです。
全46条からなる「宣言」は国家が補償するべき先住民族の権利を幅広く規定しています。
外務省のURLに「宣言」仮訳全訳が掲載されています。
http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/udhr/1b_001.html

その中には以下の権利についても述べられています。これからおいおい紹介していきます。
第3条 自決(自分達のことを自分達で決める)の権利
第11条 歴史的な場所、加工品、文様、儀式、技術、演芸などの維持と保護。
第14条 自らの言語で教育を受ける権利、
第26条 伝統的な生活にかかせない土地や領域、資源を使用・発展、管理する権利


それらの権利をどう位置づけて実践へとうつすかも、今後の大きな課題でしょう。
それと、昨日の総会でも質問が出ていましたが、アイヌ民族とは誰か、も考えていかないといけませんね。ある民族は八分の一までを先住民族と認めているそうです。たとえばわたしの父がアイヌで母は和人とすると、わたしは二分の一(二分の一というよりダブルだと思うのですが、その議論は置いておいて・・・)。わたしのこどもは四分の一、孫が八分の一ですから、孫までが先住民族として認められるということです。

さらに加えて、過去の謝罪と共に、過去に権利侵害をしたことの調査窓口も。


英語本文(国連URL)
http://www.un.org/esa/socdev/unpfii/en/drip.html
日本語訳はわたしの手元に北海道ウタリ協会日本語仮訳‘07年11月14日があるので、参照させて頂いています。(‘94年のはインターネット上にありますが、これは国連人権小員会にて1994年に採択された「草案」です。国連総会で決議されたものとどう違うのかもいづれ報告したいと思います)




「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」について調べてみました

2008-05-15 18:29:40 | インポート
今朝の北海道新聞の記事内にある「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(代表・今津寛自民党道連会長)について調べてみました(元気はないけど興奮気味のわたしです)。

3月27日の北海道新聞紙面に、この会が出来たことが掲載されたとのことでしたが、見ていませんでしたし、北海道新聞URLには出ていませんでした。知っていたらもう少し早めに追っていたのに・・・。
我が家の新聞はすでにリサイクルに出しましたので、もし、皆さんのところにまだ残っていたら、記事を送って頂けたらうれしいです。

代表である今津ひろし(自民 衆議院議員)さんのURLを中心に、流れを追っていきます。
3月13日の彼の日記に「アイヌ問題を考える会(仮称)世話人会」が行なわれたことが書かれています。以下、引用
*本年は、環境サミットとも言われるG8洞爺湖サミットが日本を議長国として開催されます。
20世紀は自然・環境破壊の世紀、21世紀は自然との共生の世紀とも言われますが、アイヌ民族は正に自然を神とし畏敬の念を持ち、自然と共生してきた民族でもあります。真の先進国たるためにも政府自らが一日も早くアイヌ民族が先住民族であるとの認知を行い、サミットの場においてもG8首脳にホスト国としての声明を発することが我が国の利益に適うことと考え、超党派でアイヌ民族の人権確立に向けて進めていくことになりました。
 http://hiroshi-i.net/2008/03/313_1.html


世話人会には設立総会に向けて、橋本聖子(自民 衆議院議員)、鈴木宗男(新党大地 衆議院議員)、鳩山由紀夫(民主 衆議院議員)、風間昶(公明 参議院議員)が集まり、会合の名称、今後の指針等が話し合われたようです。

続けて、3月26日には「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」の設立総会を開催。そこで世話人として橋本聖子、鳩山由紀夫、風間昶、鈴木宗男、そして、今津ひろしが代表世話人と決定。
その日は代表を含む超党派21名(代理含む)が参加。
冒頭で各党世話人と北海道ウタリ協会加藤忠会長が挨拶し、規約等の確認、内閣官房と北海道局アイヌ施策室から状況報告、意見交換をした。
以下、引用。
昨年9月に採択された「先住民族の権利に関する国連宣言」を生きた文書とし、日本が真の先進国足るためにも、政府自らが、一日も早くアイヌ民族が先住民族であるとの認知を行い、G8洞爺湖サミットの場においてもホスト国として声明を発することが国益に適うと考え、今後、本会では「アイヌ民族の権利の確立」を目指してゆく事を確認しました。
今後は月2回程度会合を開催し、政府への働きかけやアイヌ民族との協議機関の設置等、具体的な行動に向けて、議論を深めて参ります。
http://hiroshi-i.net/2008/03/326.html


と、いうこと。

その後、4月9日、17日(いづれも内容記載なし)、22日には「国連の権利宣言について関係省庁からの説明」と会議があったことが記載されています。
その他、今津代表がひとりでか、4月11日には「レクチャー・アイヌ関連・内閣官房」と記載あり。内閣官房にアイヌ関連のレクチャーをしたということでしょうか。また、4月16日にも「レクチャー・内閣官房・国土交通省アイヌ施策室」と記載あり。
22日以来、今津ひろしURLには何も記載がありません。

もう少し、広範囲に調べると、鈴木宗男「ムネオ日記」4月17日記事には、以下のことが書かれています。以下、引用。
超党派で進める「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」の世話人会を今日開く。もう一回勉強会をし、その後連休明けには国会決議をできる様、各党でそれぞれ党内協議をしていくことを決める。
http://www.muneo.gr.jp/html/diary200804.html


今津代表の記載にも一致するので、4月22日で勉強会も終え、意見もまとまったということでしょうか。3月26日の設立総会をあわせても、たったの4回で、今回の大きな動きが決まったということでしょうか・・・。
こんなとき、衆参各議会の質問・政府回答がURLですぐに閲覧できるように、議事録を見ることが出来たら嬉しいのですが・・・。


かつて、中曽根元首相が1986年の衆議院本会議でこんなことを言い、アイヌ民族から批判を受けました。
「わたくしは日本におきましては、日本の国籍を持つ方々で、いわゆる差別を受けている少数民族ってものはないであろうとわたくしは思っております。わたしなんかも眉毛は濃いし髭は濃いし、アイヌの血はそうとう入っているのではないかとおもっております」
議場はヤジよりも笑いが目立ちました(08年1月13日NHK教育ETV特集「僕たちのアイヌ宣言」にもその場面が出ています)。どこで、コロリと変わったのでしょう・・・。これも地道に権利回復のために労した方たちの力もあるでしょう。
政府はかつての認識は誤りだったということも含めて、謝罪は必要でしょう。

いずれにしても、新聞にあるように、アイヌ民族を先住民族として認めようとの動きが起こるのでしょう。G8前に動きがあるとの事ですから、目が離せません。

明日、北海道ウタリ協会の総会が行なわれますので、傍聴に行きます。総会でも話が出るでしょう。今総会では、協会名称を「アイヌ協会」へと変更することを審議するようです。
余談ですが、とある情報によると、総会後、「アイヌ協会」変更を喜び、トンコリ奏者OKIのコンサートがあるとか・・・。う~~~ん。その時間はアイヌ民族委員会だあ~~。残念!





当ブログを見て問合せが頻繁にあるこの頃。昨日はわたしども日本キリスト教団教育部で1993年10月に出版した本「アイヌとして生きて」語り 白沢ナベ(500円)の問合せがあったり、署名用紙送付の依頼があったりと、ずいぶん用いられるようになってうれしいかぎりです。


「アイヌ民族、先住民認定」の動きが国会で

2008-05-15 09:45:20 | インポート
すごいニュースが飛び込んできました!
呼びかけてきた署名も必要なくなるかもしれません。
いや、今だからこそ早急に署名集めをして、わたし達の声を届けることが必要でしょうか。
以下、北海道新聞ニュース

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アイヌ民族、先住民族認定へ 今国会決議 サミット前政府声明
北海道新聞(05/15 06:41)
 自民、民主、公明、共産などの各党は十四日、アイヌ民族を先住民族として認め、権利の確立を求める国会決議を今国会中に行う方針を固めた。国会決議を踏まえ、政府も七月の北海道洞爺湖サミット前に、アイヌ民族を先住民族と認める声明を正式に発表する方向で調整に入った。
 三月に発足した超党派の北海道関係国会議員による「アイヌ民族の権利確立を考える議員の会」(代表・今津寛自民党道連会長)が、政府や各党と水面下で調整をしてきた。
 「議員の会」は十五日に各党代表による世話人会を開き、決議案の文案調整に着手する。決議案は、《1》先住民族として認める《2》名誉や尊厳、権利の確立を図る《3》政府にも先住民族の認定を働きかける-ことが軸になる。
 二十二日にはアイヌ民族の代表が官邸を訪れ、福田康夫首相や町村信孝官房長官らに権利の確立を要請する。政府は国会決議後に、首相自らによる声明文か、官房長官談話の発表を検討している。
 国連は昨年九月の総会で「先住民族の権利に関する宣言」を採択した。しかし、政府は「アイヌ民族の権利を認めると財政措置が必要になる」(首相周辺)などの理由から、国内での適用に難色を示していた。
http://www.hokkaido-np.co.jp/news/politics/92785.php


「北海道洞爺湖サミット前に、アイヌ民族を先住民族と認める声明を正式に発表する」とのこと。
是非、首相自らが「声明文」を読むことを望みます。そして、「声明」だけではなく、
アイヌ民族への謝罪と、先住民族アイヌに与えられるべき先住権を迅速な手続きで返すことを約束してもらいたいです。