アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

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楊啓寿さん著『台湾基督長老教会の過去・現在・未来』

2012-10-30 19:06:22 | インポート
11月1日から台湾を訪ねるにあたり、楊啓寿さん著『台湾基督長老教会の過去・現在・未来 ~原住民宣教と民主化運動~』(センターブックレット 300円取扱中)を読み直し、台湾原住民族とキリスト教の歴史の簡単なおさらいをしました。
少し紹介します。

1624年から1661年の間に植民地支配の波に乗ってオランダから宣教師が台湾で宣教を開始。オランダは台湾を利用して鹿や樟脳を貿易対象とし、宣教師がキリスト教の教えを伝えました。侵略者の宗教として台湾の人々はキリスト教を拒否します。

1865年、イギリスの宣教師であるJ.マックスウェルが台湾の南部で宣教を開始。7年後の1872年にマカイがカナダ長老教会の宣教師として台湾の北部で宣教を開始。この南北2つの教会は1951年に合同し台湾基督長老教会を設立。

マックスウェルが宣教を始めたとき、人びとは反抗し石を投げ追い払ったため、彼は最初の拠点であった台南からさらに南に下って高雄で新たに宣教を始め、そこで教会ができます。初代の台湾のキリスト者は「いわゆる台湾社会の下層部の人たち、無学で、字の分からない、周縁の」人々でした。これらの人々の子孫は、信仰と教育によって変化を遂げ、その中の1人に、高俊明氏の祖父もおられました。

マックスウェルは医師として患者を治療し、福音を伝えました(マカイも医者)。また教育にも力を注ぎました(台湾で歴史の一番古い病院、学校は、台湾基督長老教会の宣教師の手で始められたもの)。

日本政府が台湾を植民地支配した時に、原住民に対して「理蕃政策」(原住民が他の人々と接触することを避ける隔離政策)を行います。原住民居住区の要所に「隘勇線」を設け、監視をしました。平地に行くのも禁じ、キリスト教に触れるのももちろん禁止したのです。同時に日本政府は山地から木材や樟脳を取るために原住民に強制労働をさせます(その状況下で1930年に霧社事件)。

井上伊之助という人物名も出てきます。彼は宣教目的で衛生官として原住民の中に入って彼ら彼女らを支えます。井上についてはわたしの高校の恩師より以前に『台湾山地伝道記』(井上著)を頂いたので後日、紹介できればと考えています。

日本政府は原住民に対して様々な禁止令を強いましたが、それでも原住民の中で幾人かキリスト教に接しキリスト者になった人物もいました。その中の1人がタロコ民族のチワンという女性です。彼女は二度、漢民族と結婚し、いずれも騙され自殺をはかろうとした時にキリスト教に触れ、信者になります。その後、台北の神学校で聖書を学び、自分の村へ帰って警察の目を逃れ、洞窟の中で福音を伝えました。数年前にチワン教会を訪ねましたが、教会の脇にその洞窟が残され、碑が建てられています(その教会役員の一人イワンさん夫婦は留萌にも来てくださった)。
洞窟は入口以外にもたくさんの抜け道があり、警察がきても見張りの合図で逃げ、捕まらずにすんだとのこと。このように日本政府の弾圧に抵抗しつつ熱心に福音を伝えていきます。キリスト教が解放への力となっていったのです。

台湾の民主化運動と教会の働きについても、大きく影響がありますが、過去ブログにも掲載しましたので参照ください。

チワン教会横の洞窟(2009年に訪ねたときの写真)


NHK室蘭放送局開局70周年記念「アイヌの神様ものがたり」「影絵:ポロ・オイナ~超人アイヌラックル伝~」全編
の案内を頂きました。

OKIとMAREWREWによるライブ演奏! アイヌ神話を題材に、アイヌのデザインがちりばめられた最高のエンターテイメント。巨大なスクリーンに人影が踊る、舞う!映画を超えた音楽影絵冒険活劇!!

日時:12月1日(土)
開場:午後1時30分  開演:午後2時  終演予定:午後3時30分
会場:白老町中央公民館(白老郡白老町本町1丁目1番1号)

入場無料ですが、下記へ申し込むと入場整理券を送付されるとのこと。
先着順で定員(500人)になり次第締め切り
申込先/NHK室蘭放送局 電話:0143-22-7271(平日午前9時30分~午後6時)

より詳しくは、「イヴェントブログに掲載しましたのでご覧下さい。
http://blog.goo.ne.jp/sakura-ive



留萌は寒くなりました。冷たい風にのって落葉の香りが漂っています。
海に湯気が出るケアラシも寒い朝に発生しだしました。
二日後の台湾は25度とのこと。09年の台湾一週間も10年のカナダ二週間も機内持込可能なリュック一つで行きましたので、今回の二週間もそうするべく準備中です。暖かいので大丈夫でしょう!


講演会「アボリジニー言語と日本のアイヌ語の教育」

2012-10-27 20:43:37 | インポート
毎朝の日課として、インターネット上のニュースを調べ、アイヌ民族や世界の先住民族関連の記事を集めてニュースブログで紹介しています。毎月60ほどのニュースが集まるのです。いくつか最近のニュースを紹介します。
来週から二週間ほど留守をするのでUPできません。あしからず。

http://blog.goo.ne.jp/ivelove/

・【武四郎のご縁】「足跡」ツアー来春商品化(朝日新聞 2012年10月25日)
北海道釧路市の阿寒湖温泉。アイヌ民族の千家(せんけ)盛雄さん(72)は、アイヌ文化の伝承や木彫活動の傍ら、観光語り部を10年以上続けている。
「舟をこぎ、命がけで北海道に上陸した武四郎は、鉄道も道路もない中、アイヌの人たちの案内で川を遡上(そじょう)。9千以上のアイヌの地名を記録した」
45分ほどの「語り」の半分ほどは、松阪出身の希代の探検家、松浦武四郎(1818~88)をたたえ、感謝する内容だ。そんな武四郎ゆかりの「足跡めぐり紀行」が来春、ツアーとして商品化される。(略)

・俳優ラッセル・ミーンズさんが死去(シネマトゥデイ 10月23日)
映画『ラスト・オブ・モヒカン』などで知られる俳優・活動家のラッセル・ミーンズさんが現地時間22日、死去した。72歳。The Wrap Moviesほか複数のメディアが伝えた。
ラッセルさんはアメリカ先住民族、ラコタ・スー族の活動家であり、権利団体「アメリカインディアン運動」のスポークスマンとして活動。その一方で、1992年には映画『ラスト・オブ・モヒカン』で、ダニエル・デイ=ルイス演じるホークアイの育ての親、モヒカン族の酋長チンガチェックにふんし、俳優デビューを果たした。(略)

・北米先住民が初めて聖人に(クリスチャントゥデイ 2012年10月23日)
教皇べネディクト16世が10月21日、北米先住民の女性を含む7人を聖人に列した。北米先住民の列聖は初めて。 「モホーク族のユリ」と呼ばれるカテリ・テカウィザさんは、長く抑圧されてきた北米先住民たちの希望の象徴だった。1980年には前教皇ヨハネ・パウロ2世により福者に列せられ、バチカンのサンピエトロ広場で列福式が行われている。(略)



初手作りハロウィーン・ランタン

10月20日に開催された講演会「アボリジニー言語と日本のアイヌ語の教育」は、午前の部だけ出席しました。
「オーストラリア・アボリジニの言語‐再生と復興」をヒーザーさん(Heather Bowe)が講演されました。
オーストラリアのビクトリア(南東部)地方の先住民族であるヨータヨータ(Yorta yorta)民族の言語回復プログラムについての講演でしたが、感動したのはインターネットによる情報提供の充実していること。
そこでは、ヨータヨータの詩人が自らの民族の言葉を使って詩を朗読しているのを視聴できたり、様々な単語のスペルも詳しく記され、さらに参考文献をクリックするとその単語がどのような資料で使われていたかの原典まで閲覧できるようになっているのです。インターネットで出典資料まで調べる事が出来るとは、すばらしい情報開示です。そのことによって誰もが簡単に言葉を覚えたり調べたり出来るとのこと。

さらに、驚いたのは、ヨータヨータの民族言語を調べる際に基礎となった伝統的な歌があり、その歌はなんと、200年前にアフリカ系の人々から教えられて自分達の言葉に訳して歌い続けているもので、その内容が旧約聖書の出エジプト記の記述なのだ、と。研究家たちはこの歌からヨータヨータ民族語の文法を学んだというのです。

そのことで、かつて台湾の牧師から聞いた話を思い出しました。台湾原住民族の言語がどうして継承され続けているかというと、キリスト教が各民族に伝えられていった際に、それぞれの民族が自らの言葉で聖書翻訳を行ったからだ、と。後々に、その聖書翻訳が文法の基礎となって、現在に継承されてきたのだそうです。聖書や讃美歌が各民族の多様性、そして、それぞれのアイデンティティや言語を認め、守った歴史があるのですね。
カイルさん(Kylie Martin)とジェフさん(Jeff Gayman)の講演、そして、パネルディスカッションは時間切れで聞けず!残念。パネラーの萱野志朗さんと太田マルクさんとはご挨拶のみとなりました。


マレウレウの舞台

23日は酪農学園大学のキリスト教教育強調週間というもので、マレウレウの皆さんを招いてのイヴェントの協力をさせて頂きました。最初に短く前座としてわたしがメッセージをし、マレウレウの皆さんに1時間弱のミニ・コンサートをして頂きました。
大学1年生を対象にしてのプログラムで500人ほどの学生さんたちへのものでしたから、アイヌ民族の歴史とマレウレウの歌や踊りに触れるいい機会だったと思います。
学生さんをじょうずにのせて、豊かなコンサートでした。終わったあとに、数人がマレウレウに「楽しみにしていた」、「聞けてとてもよかった」と声をかけておられ、わたしもうれしかったです。
このことは、活動ブログ上ではご案内していませんでしたが、FB(フェイスブック)などでは呼びかけさせて頂きました。センターFBもよろしくお願いします。

11月1日から台湾を訪ねます。そこで発題するアイヌ民族の最近の情報をまとめるため、あらためていろいろと調べ直し、新たな気付きをしています。
台湾では台湾原住民族の権利回復の道筋、原住民族の権利回復運動にキリスト教がどのように関わったか、現在の課題と取り組みについて学んできます。



明日は留萌宮園教会のチャリティーフリーマーケットを開催します。恒例の行事となり、開始前に50人ほど並ぶ勢いです。士別からも規格外のじゃがいも、たまねぎ、かぼちゃも頂いてきたので販売します。ハロウィン用のかぼちゃも頂いたので初めてランタンをつくって教会前に飾りました(上の写真)。いろいろな準備も終わり、いよいよ明日です。


カナダ合同教会の先住民族への謝罪

2012-10-19 18:24:00 | インポート
カナダ合同教会は1986年に先住民族へ謝罪を行い、さらに1998年にカナダ政府と共に関わった先住民族寄宿学校に対する謝罪を行いました。その全文が手に入ったので紹介します
(今回は1986年の分のみ)。

先住民族の人々への謝罪 
わたしたちがこの地に移住してきた時よりはるかに昔から、あなた方はこの地におられました。またあなた方は元老たちから、創造や、わたしたち皆を包む神秘についての深く、豊かな理解を受け継いでこられました。
けれども、あなた方が、あなたがたのビジョンについて分かち合おうとしても、わたし達は耳を傾けませんでした。イエス・キリストの福音を伝える熱心さのあまり、わたし達はあなた方の霊性の価値に対して心を閉ざしました。
わたし達は、西洋の習慣や文化が、キリストの福音の深さ、広さ、奥行きを指し示すものであると誤解していました。
わたしたちは、福音を受け入れる条件として、わたし達の文化を強要しました。
わたし達は、あなた方をわたし達のように変えようとし、そうすることで、あなた方の存在意義をしめす幻を壊すことに加担しました。その結果として、あなた方、そしてわたし達も、貧しくなり、わたし達の内にある創造者の似姿は歪み、ぼやけてしまいました。こうしてわたし達は、神がほんらい意図されたわたし達の姿ではなくなってしまいました。
わたし達をお赦しください。そして、我々双方の民が神に祝され、神の創造されたものが癒されるように、わたし達と共にキリストの霊の内に歩んで下さることを求めます。
1986年8月 カナダ合同教会第31回総会


謝罪は関係をつくり直すのに必要なものです。先住民族側はこれを受け取ったという返事をまだしていないそうです。この謝罪が真実なものか、まだ見ているとのこと。


さて、北大開示文書研究会主催のシンポジウム「さまよえる遺骨たち Part2 アイヌのお骨はアイヌのもとへ遺骨返還訴訟と「象徴空間」計画」(2012年9月14日開催)の報告を少しずつしていましたが、研究会のウェブページにパネルディスカションの記録がUPされましたので紹介します。
http://hmjk.world.coocan.jp/symposium/sympo2012/panel2012.html


シルバーフォックス(阿寒湖に向う途中にあるキツネ牧場の子 写真代100円置いていきました。)


間近になりましたが、明日、講演会「アボリジニー言語と日本のアイヌ語の教育」 及び 「東京アイヌ」上映会が下記のとおりに開催されます。

2012年10月20日11:00~21:00
北大・情報教育館3 階スタジオ型多目的中講義室(マルチメディアビルディング)
『教育における多様性ーオーストラリアにおける先住民族の諸言語と日本におけるアイヌ語の教育ー』
講演と、パネルディスカッション、「東京アイヌ」映画上映(19:30~21:00) 英語の講演には全て同時通訳有
どなたでも参加できます。(事前登録不要)

プログラム
11:00~12:30 Heather Bowe(Monash!University,Australia)
          「オーストラリア・アボリジニの言語‐再生と復興」
14:00~15:00 Kylie Martin(RFMC)
          「東京と北海道におけるアイヌのアイデンティティ形成とアイヌ語学習の検討」
15:00~16:00 Jeff Gayman(RFMC)
「アイヌ文化・言語復興に影響を及ぼす構造的、制度的、社会的要因についてー北海道のある町の事例を中心にー」
16:30~17:30 パネルディスカッション
         パネラー 萱野志朗(萱野茂二風谷アイヌ資料館 館長)
                太田満(旭川大学、北海道教育大学 非常勤講師)
Heather Bowe、Kylie Martin , Jeff Gayman
19:30~21:00 ドキュメンタリー映画「TOKYO アイヌ」(森谷博、2010 年、114 分)



11月1日から二週間ほど台湾を訪ねます。はじめの一週間は台湾基督長老教会原住民族委員会のみなさんと共同研究会。アイヌ民族情報センタースタッフとアイヌ民族の若手のお二人で玉山神学院や原住民教会で交流をします。後半はひとり残り、ディヴァン宣教師のブヌン民族母教会をお訪ねし、交流と礼拝メッセージ奉仕を予定しています。
たくさんの原住民族関連の学びをしてこようと願っていますが、「九族文化村」にも一日中いられそうなので、情報を集めてみました。
1986年に創立され、62ヘクタール(東京ドームが4,7なので13個分)もの敷地に建つ台湾原住民族の情報満載の施設のようです。
他の情報では、「台湾中部で最大のアミューズメント施設」、「台湾五大テーマパークの一つ」とか、「フリーホールとウオータースライダーは東洋一こわい」とか、なにやら遊園地としての楽しみもあるようです(が、残念ながらわたしはそちらには全く興味はありません)。
千々岩助太郎という人物名も出て来ました。彼は1897年に佐賀で生まれ、建築家として日本の工業学校などで教諭を勤め、1925年に台湾に渡って1947年まで教諭をするかたわら、原住民族の住居の調査や多くの写真・イラストを残したようです。これらの資料を参考に九族村の各民族の家屋が再現された、と。
九族村のウェブページには、でかでかと日本のアニメ ONE PIECEの映画「メモリアルログ」の案内が書いてありました(汗)。新千歳空港で売っているONE PIECEの北海道限定版のクリアファイルをおみやげに持って行ったら喜ばれるだろうか・・・。
http://www.nine.com.tw/


阿寒湖シアター イコロ 前回訪ねた時は
10月9日にマリモ祭に参加するべく阿寒湖へ。なんとアイヌ民族のお祭は夜からとのことで、お昼にまりも行列を見て、イコロでアイヌ民族舞踊を見学させて頂き、夜は新篠津へ。
翌日、北海教区教職講座のひとコマにアイヌ民族講演として、原田公久枝さんにおいで頂いてお話を伺いました。詳しくはクリスマスに発行する次号の機関紙ノヤに掲載します。


ノヤ42号発行

2012-10-05 10:21:44 | インポート
当センターの機関紙ノヤ最新号(42号)が完成し、発送を終えました。
年2回(6月・12月)の発行ですが、今号は組織改変でもたつき、9月末の発行となりました。
内容は巻頭言にはスタッフの一員であるロバート・ウイットマー(カナダ合同教会宣教師・道北センター館長)が、8月にカナダに帰国して参加したカナダ合同教会総会での先住民族関連の報告を寄せてくださいました。
総会が「会議」というより、「イベント」という感じで、たくさんの議案を取り扱うその前後にいつも歌、踊りと祈り、メッセージがあったとのこと。それが難しい議論を円滑にさせていたそうです。いいですね。

「カナダ合同教会は1986年に先住民族の伝統的な霊性の価値を否定したことを謝罪し、1998年に教会が経営に関わっていた寄宿学校で多くの先住民族の子どもたちを苦しめたことを謝罪しています。現段階で、教会の先住民族はどちらの謝罪もまだ受け入れず、カナダ合同教会の姿勢が本当に変わったかどうかを見守っています。この総会でカナダ合同教会の紋章を変える決議がなされました。先住民族のメディスン・ウィール(聖なる輪)の4つの色を加え、また先住民族の言葉の一つであるモ―ホーク語で「すべての被造物がつながっている」という意味を持つ″AKWE NIA’ TETEWÁ:NEREN″という言葉を加えることになりました。これが決まった時、議員全員が立って長い時間拍手(standing ovation)をしました。」(本文より引用)

カナダ合同教会の取り組みに多くを学ばされます。ウイットマーさんは最後にこう記します。
「今回の総会で知らされたのは、これまでの歴史と課題を言葉で表現する大切さです。表現することによって課題がより明確にされ、私たちがしなければならない、また求められている行動が見えてきます。そして、それが具体的な行動を生み出します。これからの北海教区とアイヌ民族の歩みにおいても課題がより明確にされ、行動が生まれ、神様が喜ぶ新たらしい関係が築かれることを心から願っています。」

わたしたちもアイヌ民族の皆さんと心からの和解を望み、課題を明確にし、行動へと促されて行きたいと願います。
ウイットマーさんの文は、当センターWEBページの「メッセージ」で見ることが出来ます。
http://www.douhoku.org/ainu/

他に、5月末に来道した台湾基督長老教会原住民委員会の研修報告と、オミ・ウィラン原住民委員会幹事の講演「台湾原住民15族の生存空間と発展」内容、浦河ノンノ学校・とかちエテケカンパの会報告、そして、手稲はこぶね教会のアイヌ民族(台湾原住民族含む)の学習祈祷会報告など掲載しています。

道北地区では、9月にカナダ合同教会の協力のもと、カナダへの交流の旅が企画・実施され8名が行ってきました。参加者からの情報もまた、後日にUPしたいと思いますが、先住民族との豊かな交流と、学びが出来たとのこと。
過去ブログに先住民族をめぐる課題を体験的に学ぶ「ティフ星人はパセリを食べる」ワークショップについて体験報告を書いたことがありますが、今回も、先住民族の立場に立って、土地が次々と奪われるワークショップを経験されたようで、「我が事に近づけて考えられるようになった」と感想を頂きました。近く、日本語に訳し、アイヌ民族との関連でプログラムを作り直すとウイットマーさんが前向きです。乞うご期待。
(「ティフ星人」プログラムは『先住民族とESD』(立教大学ESD研究センター)に詳しく書かれています)


コクワの実

『アイヌモシリと平和~<北海道>を平和学する!』(越田清和編)を、著者のお一人である高橋一さん(酪農学園大学農食環境学群循環農学類教授)より、寄贈頂きました。前から気になっていた本でしたので、とてもうれしいです。著者、テーマは以下の通り。
「アイヌモシリから考える平和-「人間の静かな大地」という平和」 越田清和
「近代アイヌ民族のたたかい-十勝アイヌ民族を中心に」 井上勝生
「アイヌ民族の軍事化-旭川における陸軍基地の創設をめぐって」 越田清和
「『北海道開拓』と朝鮮人の強制連行・労働」 林炳澤
「足もとからの平和-北海道の「民衆史掘りおこし運動」から学ぶ」 小田博志
「憲法から見る北海道」 清水雅彦
「女性自衛官人権裁判の意義」 秀嶋ゆかり
「アイヌ民族の権利回復と平和」 島崎直美
「眼差しを受け止める」 影山あさ子
「出会い直しの時代へ-アイヌと日本人の新たな出会いを求めて」 結城幸司
「フェアトレードのローカルイニシアチブ」 萱野智篤
「北海道における反原発から脱原発運動へのあゆみをふりかえる」 山口たか
「詩と平和」 矢口以文
「東日本大震災ボランティア活動と「平和教育」 高橋一
コラム(谷上隆、平井敦子、阿知良洋平、佐々木かおり、千徳あす香、橋本まほろ、伊藤早織)

これを打ち込む間にいくつか読めたはずですが、どうしても紹介したくなったのでUPしました。読むのが楽しみです。




自由学校「遊」講座最終回「アイヌ民族が本当に求めている政策とは」報告  

2012-10-03 17:59:16 | インポート
9月25日、さっぽろ自由学校「遊」の前期講座「日本がアイヌにしてきたこと~アイヌ民族が本当に求めている政策とは」最終回はアイヌ民族党代表の萱野志朗さんでした。
講演はアイヌ民族党の政策としてではなく、萱野さん個人の意見(今、実際に何をしなければならないかの主張)だと前置きしてのお話でした。萱野さんは優先的に解決するべき課題として、以下を指摘。
①日本政府の「アイヌ民族政策に対する」総括が必要。
②アイヌ民族には国会における特別議席を認めるべき。
③アイヌ民族議会(仮称)の設置が必要。
④アイヌ民族の「自治権」が認められるべき。


いずれも重要な課題ですが、特に印象に残ったのはアイヌ民族として国政の場で意見表明できる機会をつくらなければならないといわれた事。
吉田邦彦著『アイヌ民族の先住補償問題』(2012/08/04自由学校遊発行)にも、民族としての集団的権利を認めていると紹介。
(補足・前掲書P10参照。そこで吉田さんは奥野恒久『アイヌ民族の文化享有権と日本国憲法』(法律文化社)の、個人の権利を害しない限りで集団的権利を認めてもよいとする考えを紹介しています)。

そして、アイヌとしての高度な「自治権」を求めるといわれたこと。「自治権」については、かつて野村義一北海道ウタリ協会理事長(当時)が1992年、国連「世界の先住民の国際年」開幕式典に招待された際の記念演説の中でアイヌ民族として自決権の要求をされたことに触れ、それが指針になると。
野村元理事長の講演内容は過去ブログ参照(http://pub.ne.jp/ORORON/?entry_id=1222432)

さて、「遊」の後期の連続講座の案内が届きました。

テーマは「アイヌ先住権とは何か?」。講師は市川守弘弁護士。先住権を法学から4回に分けて取り扱うとのこと。
①12/5 アイヌ問題を法的に考える
②1/16 アメリカ先住民法から学ぶこと、特に主権論
③2/6  アイヌ先住権を具体的に考える
④3/6  国の政策との対決、今後どう取り組むか (10/4訂正)
この講座も楽しみです。時間は19:00より、会場は「遊」。詳しくは下記へ。
http://www.sapporoyu.org/modules/sy_course/index.php?id_course=325




あまり見ない鷹の種類です。イヌワシでしょうか?


遺骨返還訴訟の訴状内容を続けます。
北大が盗掘したご遺骨を返還する意志があることをご遺族みなさんに伝えられていたかという点に関して前回記したように、多くの方は知りませんでした。
それ以前に、自分の先祖のご遺骨が盗掘されたこと自体も知らない方がおられたのです(あるいは、泣き寝入りしている方も)。

このような状況の中、原告のおひとりである小川隆吉エカシは北大に対して、関連資料を開示請求するのですが、そのきっかけは隆吉エカシから伺ったところ、とある一本の電話からなのです。
それは、2008年1月10日、小川エカシへ北海道大学医学部の一学生から、『北海道大学医学部児玉作左衛門収集のアイヌ遺骨台帳』(これを仮に『原本台帳』と付けます)を見つけたという電話が入りました。
小川エカシはその後、北大副学長と面談。その際に副学長はそれを認め、小川エカシに「このままではあまりにアイヌにとって差別的だから待ってくれ」と述べた、と。
小川エカシはどうしても開示させたいとの思いをもって、同年1月17日から北大に対し開示請求を始めます。
はじめに日本語のワープロで打たれたと見られる「アイヌ人骨台帳」1点のみが開示されました。小川エカシは「元となる台帳があるはず」と、北大に質問を出します。これに対し、北大側は「把握していない」と回答。さらに小川エカシは、開示文書は不完全と異議申し立てを行いつつ、一方で、副葬品およびその保管に関する文書一切の開示請求を展開。
その後、北大は数回に分けて計35点を開示しました。中には児玉作左衛門教授が担当していた「医学部解剖学第二講座」によるリスト「アイヌ民族人体骨発掘台帳(写)」(作成年不明)など、初公開資料も含まれていますが、当時の諸資料に照らして精査すると、遺骨人数や副葬品数などに多くの矛盾点が見つかったのです。
開示公文書を精査したした中、浦河町杵臼におけるアイヌの遺骨の発掘の事実及び発掘された遺骨数についてある程度の情報を得ることができ、小川エカシと城野口さん他一名のご先祖のご遺骨の情報を得ることが出来たのです。
訴状はこう述べます
「本件訴訟は、この被告(北大)による誠意のない情報開示によって得られた情報を基に提訴するものである」。

(北大開示文書研究会は、こられの開示文書を精査し、当時「研究」の名目で道内外にて行われたアイヌ墳墓「発掘」の真実を明らかにすることを目的に、2008年8月5日に発足)

北大開示文書研究会のWebサイトおよびブログにて、シンポ当日に使った資料および集会決議文をUPしています。
原告の小川隆吉さん、城野口ユリさんの発言も映像で見ることが出来ます。
http://hokudai-monjyo.cocolog-nifty.com/blog/


天塩在住の教会員の牧場 近所

<オスプレイ>が沖縄に強行配備されました。
沖縄の民意を国家権力が踏みにじる(またもや沖縄が犠牲になる)行為に怒りを覚えます。
毎日新聞(10月3日)に、ハワイ先住民族のアルバティーニさんが「我々の神聖な土地を踏みにじる侵略行為だ」とオスプレイの着陸訓練に反対し、計画撤回に追い込んだことが報じられていました。
そして、「それだけの住民が反対しているのに配備したり訓練したりするのはおかしい」と両政府の対応をハワイ住民が疑問視していることも。
http://mainichi.jp/select/news/20121003k0000m040157000c.html