アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

紋別 産廃処理場計画地 説明会

2010-08-24 08:21:41 | インポート
8/23 北海道新聞(http://www.hokkaido-np.co.jp/news/chiiki4/247612.html)の記事にもなりましたが、自然環境の大切さを訴えるイベント「アースデイ紋別2010」が21~22日とあり、土曜日は紋別まで行ってきました。
石川仁さんが指導し、世界初のささ舟作りから始まり、アイヌ民族伝統漁法体験、音楽ステージと盛り沢山でした。

とは、言いつつもわたしは「アースディ」が目的ではなく、同時開催のアイヌ協会紋別支部の畠山敏さんが中心になって異議を唱えている産廃処理場の現地説明会に参加。北大大学院の小野有五さんが来られ、今回の工事を担当するリテック社の説明のもと、現地で説明を受けて来ました。

産廃処理場の詳しい資料を頂いて来なかったので詳しくここで説明出来ないのが残念ですが、藻別川の河口から上流のほうを眺めると、ひと山がはげ山になっている所が見えます。そこは現在、砕石場となっている山ですが、その裏側に入った、そうとう広い一本の沢をまるまる使って処理場を作る計画がなされていました
。この沢は藻別川の支流である豊丘川につながっていますので、万が一、有害なものが産廃から漏れたら藻別川の汚染につながることを畠山さんらは懸念しています。



写真も全体を撮ることが出来ませんでしたが、写真手前が施設予定地の頂上部分で、ここから20メートルほど下がった写真中央の道から沢の下の80メートルほどが埋まる計画。

大まかに説明すると、設計図の赤の部分が山の尾根。黄色が山々の頂点。青い部分が沢。沢を埋め立てるかたちで施設ができ、堆肥化施設や汚水処理場も設置。緑が上の写真を矢印の方向に撮った位置。黒線が沢に造られる処理場を囲うために作られる壁です。図が見にくくてすみません。


説明会の際には、近年の異常な雨量の多さに対応できるのか、100年後を考えて安全と言えるのか、最初の説明ではホタテのうろ(カドミウム含)は受け入れないと言っていたのに途中から報道で違うことが言われるようになったのが信用ならん、等、激しい質疑もあり、リテック社も持ち帰って検討すると答えていました。
わたしも今後、資料を取り寄せて、詳しく追って報告していきます。

その夜は「アースディ」にて小野有五さんのトーク・ライヴもありましたが、わたしは翌日に備えて帰路につきました。



「アースディ」では、藻別川の河口でアイヌ民族伝統漁法での漁を行いました。ここ数年、認可を受けて鮭漁を開催しているとのこと。
とは言いつつ、22日にアシリ・チェップノミ(新しく鮭を迎える儀式)を行った後に本格的な漁をしたようですが、わたしは前日の準備で丸木舟を使って網を仕掛けるところまでの参加のみでした。
現在、この藻別川にはかつてあった孵化施設も撤廃しているため、畠山さんは、いつかアイヌの手で孵化施設も再建して鮭を獲って暮らしたいと夢を語っておられました。そのためにも上流に造られようとしている産廃施設についてもきちんと意見を言っていく、と。