アイヌ民族情報センター活動日誌

日本キリスト教団北海教区アイヌ民族情報センターの活動日誌
1996年設立 

ナルワン合唱団友の会 コンサート&交流会 ご案内

2013-10-28 03:09:28 | インポート
もう明日のことになってしまいましたが、コンサートのご案内です。

台湾には現在、14の原住民族が政府に認められており、約51万人がそれぞれ独自の言語、文化、社会システムをもって生活しています。まさに多様性に富んだ豊かで美しい宝の国です。
原住民族(ユェンツーミンツ=台湾における先住民族のこと)の中で、キリスト者は75%を占めています。そのため、原住民族の教会牧師を養成するための玉山神学院があります。その神学院に「ナルワン合唱団」が作られ、1994年に初めて全国音楽大会に参加し、大学の部で最優秀賞を受賞、その後、海外からも招かれ、聞く人びとを魅了しています。 
この度、合唱団OBによる「ナルワン合唱団友の会」の皆さんの来道に伴い、急きょ、コンサートと交流会の時を持つことになりました。台湾の各民族から集まった牧師たちは深い信仰心と共に自分自身の民族文化を大切にしています。
この機会に皆さんの歌声を聞き、音楽と文化の交流の輪を広げたくご案内いたします。どなたもお越し下さい。

日 時 10月29日(火) 午後6時より8時
       各民族のお話や軽食を囲みながら交流の時間も持ちます。
会 場 北海道クリスチャンセンター 大ホール 
会 費 500円 (軽食も準備いたしますが、持ち込み大歓迎!)

主催 日本キリスト教団北海教区 アイヌ民族情報センター
協賛 北海道クリスチャンセンター・台湾基督長老教会原住民宣教師後援会運営委員会

ナルワン合唱団友の会       4民族が集います!!
 団長:張培理(フヤン、アミ族) 指揮者:葛嘉雯(ヴァヴァゥニ、パイワン族)
 団員:田?榮(サオ、ブヌン族)、古美玲(ブニ、ブヌン族)、王祖祥(ワン・ズシャン、ブヌン族)、田韓娜(テン・ハンナ、ブヌン族)、一萬.星(イワン・シン、アミ族)、羅曉芳(ロ・シャゥファン タイヤル族)、王喆(ウン・ツェ、ブヌン族)

公演曲目
豊作賛歌 Homeyaya 曲 ツオ族  詞 ハユ.ユダゥ
主の宿るところを深く慕う Tada maolah kako to kamaró an iso 曲 アミ族  詞 ナモホ イシン
素晴らしい日 Fangcalay a Romiad 曲 アミ族   詞 ルギィ
原住民族の楽器演奏
Amazing grace Makitvaivi sinkadaidaz  曲 ブヌン族  詞 アピン
いと高きところには栄光、神にあれ La-la-i  曲 パイワン族  詞 ルギィ
ブヌン族&アフリカアンゴラ族の対話 The Dialogue between the Bunun and Africa Angola 編曲 ルギィ
山の民、海の民、共に喜び賛美しましょう    曲 台湾原住民族12族  編曲詞 ハユ・ユダゥ
原住民の賞賛(歌+踊り)    曲 阿美族  詞 ルギィ
祝福 曲詞 ルギィ

ToyToyくんとのセッションもご期待ください。




第5回口頭弁論

2013-10-05 18:31:05 | インポート
9月の活動報告の追加をします。
9月初めに道立文学館で「鳩沢佐美夫自筆資料」を鑑賞しました。『コタンに死す』『若きアイヌの魂』と、センター蔵書にありますが、まだ読んでいません(680蔵書で読んでいるのは数え上げられる程度です。リストは各教会に配布しています)。時間をつくって読みたいと思いました。

9月23日には、旭川のカムイコタン祭で恒例のムックリ製作協力をさせて頂きました。何度やっても奥が深い。今回はデモ用に5つ作りましたが、納得いったのは二つ。そのひとつは時間がないから完成品が欲しいと言われた方にお分けし、もうひとつは、40分以上頑張って作ってもいい音が出ないで落ち込んでおられた方にプレゼント。残りは持ち帰ってきたので後日に修正しようと思います。そのひとつで今年度もムックリ大会入賞を目指します!(過去最高賞10位)。


前回、報告したハポネタイ美術鑑賞

さて、第5回口頭弁論は、8月30日(金)札幌地裁にて行われ、原告側より第二、第三準備書面を提出し、被告に対して反論と釈明を求めました。
これらの準備書面は北大開示文書研究会ウェブサイトの以下の「遺骨返還訴訟」のページにすべてありますので、読む事が出来ます。
http://hmjk.world.coocan.jp/trial/trial.html

第二書面では、被告側は発掘基本台帳などの「『基資料』を発見することはできず現在でもその存在は確認されていない」と主張しているが、すでに提出されている資料が明治期ならまだしも平成13年以降に作成されていることが明らかなことから、学術研究機関としてあり得ないことを指摘し、責任ある答弁を求めています。
 また、返還を求める遺骨は発掘収集の承諾を得ていることのひとつの根拠として道庁令83号に被告は触れるが、それらに関連する承諾書や許可証は公開されていないことから、関係する文書は存在せず、遺骨と道庁令83号とは無関係だ、と主張。そのため、被告が遺骨の占有権原(遺骨を持っている事の権利)はなく、速やかに返還をするべきだと主張しています。
 釈明を求める事項として、被告が前述の道庁令83号によって遺骨の占有権原を主張するならば、具体的な主張と証拠を出すこと、そして、仮にもし証拠を出すなら、なぜ今まで公開しなかったかの説明を求めました。さらに資料を紛失したらならば、その時期と理由を示すよう求めました。
 最後に以下の二点を原告の主張として挙げています。ひとつは、返還を求めている遺骨は埋葬されていた当時において墓地として利用されていた所であり、児玉らは古墳ではなく墓地である事を理解しながらアイヌ人骨を発掘したこと。第二点は、北大が過去にアイヌ協会5支部に対して遺骨を返還した際に、それら各支部が、当該発掘地域の「祭祀承継者」かどうかについて確認したという事実はないことから、この度の原告等が「祭祀承継者」に当たるかどうかを検討する必要はないことだと主張しました。

 被告の北大側は、祭祀承継者に返還するという点と、遺骨は承諾を得て発掘したと主張(占有権原)しています。それに対し、第3準備書面では北大側は過去に北海道ウタリ協会5支部に35体の遺骨を返還したが、5支部それぞれの構成員は返還された遺骨の祭祀承継者ではない事を指摘。
その主張は一貫性に欠けることを指摘。占有権原に関しては、確かな証拠はなく推測に過ぎないことを指摘。さらに、被告が遺骨発掘の承諾を得たという相手は「遺族」「平取アイヌ」「墓地管理者」とあるが、いずれも祭祀承継者ではないことを指摘し、被告の主張の一貫性のなさや矛盾を主張しました。
 被告が祭祀承継者にのみ遺骨を返還するという主張は、旧民法(明治29年制定)および現民法の相続法規に基づく遺骨の所有権からの主張であって、和人とはまったく違う宗教的背景をもつアイヌの遺骨に関する管理行為の権限を和人の民法をもって規律しようとする被告の発想は、明治以降の同化政策と同じ発想であり、世界先住民族国連宣言を受け入れた日本国の立場とは相容れないものだと批判。
 そして、原告側はこの問題点について、一つは先住権という国際法に則った制度から、二つ目は、仮に先住権という概念に頼らなくても慣習上の物権的権限として考察し肯定することが出来ることを主張しました。

できるだけ分かりやすく簡潔に書いたつもりですが、まだ難しいですね。次回の『先住民族の10年News』に、このあたりの事を書く事になっていますので、もう少し練ってみます。


美瑛の風景(夏)


『北海道大学医学部アイヌ人骨収蔵経緯に関する調査報告書』

2013-10-03 20:04:11 | インポート
前回のはじめにNHK国際放送のURLをお伝えしましたが、英語のみで日本語の解説はありませんでした。それを翻訳して、『P.S. #3』さんが出血大サービスで、ナレーション全文を訳出してUPして下さっています。どうぞご覧下さい。
http://ainupolicy.hateblo.jp/entry/2013/09/29/003403

さて、国のアイヌ政策推進会議は、昨年に全国の大学等におけるアイヌの人骨の保管状況等調査を実施し、結果概要が報告されました。各議事概要は以下のURLに行けば見る事が出来ます。

第11回議事概要
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/seisakusuishin/dai11/gijigaiyou.pdf
第12回議事概要
 http://www.kantei.go.jp/jp/singi/ainusuishin/seisakusuishin/dai12/gijigaiyou.pdf

アイヌ民族の人骨を保管していると回答のあったのは11大学1,635人骨で、大学別の内訳は、北海道大学1,027体、東北大学20体、東京大学198体、京都大学94体、大阪大学39体、札幌医科大学251体、大阪 市立大学1体、金沢医科大学4体、南山大学(名古屋)1体となっています。

その内、千体以上もの遺骨を保持している北海道大学は『北海道大学医学部アイヌ人骨収蔵経緯に関する調査報告書』(以下『報告書』)を2013年3月に公にし、この度のアイヌ人骨返還等裁判に証拠として提出しました。

『報告書』は北大開示文書研究会ウェブサイトの「資料室」に保存していますので、以下から読む事が出来ます。
http://hmjk.world.coocan.jp/archives/hokudai_report2013.pdf

『報告書』の「本報告書作成の目的」には、
① 北大「医学部旧解剖学教室が、アイヌ人骨を収蔵するにいたった経緯とその問題点を明らかにする」
② 同解剖教室が「アイヌ人骨を収蔵した後における取り扱いとその問題点を明らかにする」
の2点が挙げられています。180頁もの厚さにも関わらず、内容は学者が調べて書いたと思えないような雑さだという感想を持ちました。

『報告書』はかつて遺骨を発掘する際に学者たちが記入する「野帳(フィールド・ノート)」、および、収集した人骨を管理する「発掘人骨台帳原本」が存在することを「疑う余地はない」(p.5)と、はじめてその存在を認め、公にいたしました。
北大開示文書研究会や、この度の遺骨返還訴訟を起こした遺族たちが何度も質問や要望をしたにも関わらず全く無視をし続けていた北大でしたが、ここにきてはじめて今まで開示された資料の元になる原本があったことを認めたのです。
しかし、それらすべて現在は不詳と結論しています。これに不審を感じるのは『報告書』を見る限り、当時に関わった学者やその子孫から聞き取るなど全くなされておらず、真摯に資料を探していないことです。

さらに驚くべきことは、台帳原本の写しがあったこと(現在、不詳)、それらを使って医学部は2008年1月24日に資料を作成していた事が記されています。実は、原告の小川隆吉さんが北大に対してアイヌ人骨の台帳の存在を知り、1月14日に情報開示請求の手続きを行ったのですが、その時点では医学部には基本台帳(ないし、その写し)が存在していたことになります。後日に小川隆吉さんはその事実を知り、「愕然」とし、「北大には、「虚偽」と「隠蔽」しかありません。真実に近づくための学問の府とは、正反対です」と怒りを込めて語っています(4月19日口頭陳述書)。


第3回口頭弁論前の裁判所前にて 
原告の城野口ユリさん(中央前)と小川隆吉さん(中央後

『報告書』には、「基本台帳」ばかりではなく、多くの未開示資料が記述されており、北大開示文書研究会は再度、開示請求を行う準備を進めています。
 
国のアイヌ政策推進会議での話の中では、遺骨返還は「祭祀承継者(遺族のうち祖先の祭祀を主宰すべき者)個人を基本とし、地域のアイヌ関係団体、また本来の祭祀承継者以外の方への返還は、法的論点の整理を含め今後の検討課題とする。返還手続のガイドラインに関して個人が特定できそうな遺骨については、速やかに検討に着手」するとあります(上記)。

原告側は、アイヌ民族は遺骨をコタン全体で管理していたのだから祭祀主体であるコタンに遺骨を返せ、原告らはコタンの管理権を引き継いでいるのだと主張しています。この部分が争点になってきます。
(次回に、第5回口頭弁論 8/30の報告を続けます)


美瑛の青い池。玉山神学院の研修生らと初めて見に行きました。神秘的でした。


7月からの活動報告

2013-10-01 19:46:45 | インポート
たいへん、久しぶりに記事をUPします。
パソコンが壊れ、しかたなく新調しましたが使い勝手が分からずに難儀しています。

5月以降のいくつかの活動報告をいたします。アイヌ人骨返還等訴訟裁判の報告は次回にまとめます。

が、NHK WORD English(英語版ニュース)が世界に向けて先週の金曜日に遺骨返還訴訟のニュースを発信しました。以下で数日間、観る事が出来ますので、海外の方に紹介頂ける方はお願いします。
http://www3.nhk.or.jp/nhkworld/newsline/201309271620.html

7月15日から21日まで、台湾キリスト長老教会の原住民族の牧師養成大学である玉山神学院の学生カイヌワン(ルカイ民族)さん、レッサー(タイヤル民族)さんを北海道で受け入れました。
二風谷でアイヌ紋様木彫り体験をしたり、旭川で川村カネトアイヌ記念館で学んだり、名寄、留萌、札幌で研修・交流を持ちました。明るく元気な二人とじっくりと意見交換をすることも出来て実りある出会いでした。彼らの感想は、次回のセンター機関紙『ノヤ』45号に掲載予定です。


ディヴァン宣教師と研修生
      
7月末には機関紙ノヤ44号を発行、発送をしました。今号は巻頭言に松坂克世さん(日バプ連旭川東光教会牧師)が文章を寄せて下さり、関根真紀さんのアオテアロア・アイヌモシリ交流プログラム参加報告や、銀のしずく館紹介、アイヌ遺骨返還訴訟報告など掲載。

8月1日から5日まで、日本バプテスト連盟「少年少女・隣人に出会う旅」の協力をさせて頂きました。北海道から沖縄までの全国から21名のティーンズが集まり、アイヌ民族と出会い、学ぶ時を持ちました。札幌バプテスト教会でのオリエンテーション(8/1)、二風谷でのフィールドワーク(8/2)萱野志朗さんの講演、旭川フィールドワーク(8/3)と協力させて頂きました。他宗派との良き出会いでした。


旭川にてアイヌ紋様切り絵体験 

8月17日は第4回親子短期保養プログラムとして東日本大震災被災地の親子20名の来道に伴い、サッポロピリカコタンにてアイヌ民族研修を行いお伴しました。
   
9月17日には、清水町の山奥で開催中のハポネタイ美術鑑賞に行きました。ほんの30分ほどチセ作りのお手伝いも…。来年のゴールデンウィーク頃には笹編みを行うとの事なので、何日か泊まり込みで行けたらと考えています。


今後の計画として、「道東地区アイヌ民族フィールドワーク」(10月7~8日)を、センター主催で各教会にご案内しました。まず、上武佐ギリシャ正教ハリストス正教会を訪問し、千島アイヌ信者のことを学びます。また、中標津の歴史とアイヌ民族の学びを中標津在住の方から伺ったり、翌日は知床アイヌ民族エコ・ツアーに参加します。

10月16日は北海教区の牧師たちの研修会で関根真紀さんをお迎えしてお話を伺います。午後4時~6時まで、新篠津温泉にて公開です。

10月29日(火)、午後6時より、札幌クリスチャンセンター二階大ホールにて、ナルワン合唱団友の会コンサートを行います。台湾政府が現在認めている原住民14民族のうち、4民族(アミ、パイワン、タイアル、ブヌン)8名がそれぞれの民族の讃美歌を披露してくれます。
軽食が付いて会費500円。食べ物持込み大歓迎!!(特に和食がうれしいです)
どなたもいらしてください。
友の会は28日にはとわの森高校、29日午前は酪農学園大学礼拝と奉仕されます。


この夏もこどもたちと遊びました。