世界一健康長寿のニライの風来坊

豊饒を齎す理想郷は海の彼方の蓬莱島!ニライの島夢郷!!その桃源郷を求めて南の風来坊は今日も迷走する。

上海協力機構と日米同盟のスタンス

2006年06月25日 | Weblog

「上海協力機構(SCO)」は中国とロシアの2大国と中央アジア3カ国(カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン{後に加盟})の5カ国で1,996年に"上海ファイブ"を前身として発足した。現在は後に加盟したウズベキスタンの計6カ国の構成となっている。発足から今年で10年目を迎えた。機構創設5周年目の今回は上海で首脳会議を開き次の事項で合意した。・・・

1.国境信頼の醸成

2.反テロ地域安全保障

3.経済協力関係の強化

4.資源エネルギーの協力構築

5.来年、初の「合同軍事演習」を実施する

事を合意等の機構拡大の取り組みの強化を前面に打ち出した。「SCO実業家委員会」も正式に発足した(加盟国企業で構成)。中国の胡錦濤主席は「平和と民主の原則、善隣友好、域外に開かれたSCO」を掲げた。又、張徳広秘書長は中国誌に「NATO(北大西洋条約機構)の様な軍事集団にはならないし"東方NATO"の指摘にも根拠はない」と言明した。日米同盟、とりわけ米国にとっては「5周年宣言」に{政治体制の相違を内政干渉の口実にすべきではない}と謳った事に懸念を示している。この事は米国の"民主化と人権の要求"を牽制したもの、と米側は受け止めている。しかも核疑惑とテロ支援国家と名指ししているイランをオブザーバーとして参加させた事にも懸念を示している。演説の中でイランのアフマディネジャド大統領は「上海協力機構が影響力のある強大な機構となり、世界各国への脅威と不法な強権的干渉を阻止する必要がある」と暗に米国を牽制し西側との対抗姿勢を強調した。オブザーバー4カ国(パキスタン、モンゴル、イラン、インド)の内、インドだけが唯一、首脳の派遣を取り止め石油相を代理出席させた。米国への配慮である。上海協力機構の加盟国間にも石油等の利権に絡む互いの軋轢があり呉越同舟の側面もある、と指摘されている。今のところ日米同盟は静観を装っているが内心、疑心暗鬼を隠しきれない。その動向に神経を尖らしている。日本にとっては日米同盟を基軸としている関係上、細心の配慮が必要不可欠である。しかもアジアの一員としてSCO参加国とも緊密に連携する必要を怠ってはならない。日米を基軸としてSCO加盟諸国との均衡あるスタンスも要請される。