とかく悪いイメージが定着した<小沢悪>はメディアの世論操作の賜物で
ある。「政治とカネ」に纏わる説明責任を果たしていない、という定番語が定着
し流布している結果である。良きにつけ悪しきにつけイメージが先行し<小沢ノ
ー>を浸透させた。一面、哀れでさえある。古い自民党の体質を今日まで引き
ずっている、というアナリストの評価もある。何れにせよ大物政治家である事に
は間違いないし宿命でさえある。 某大新聞の論説委員は、早期に日本政界
から引退した方が日本のために良い、と嘯く御仁もいる。メディアに操作された
世論調査の結果は、日本国民の良識として是認されているが、私は眉唾物で
ある、と断じたい。挙ってマスコミ・メディアが、これでもか、これでもか、と金銭
に纏わる<小沢悪>を吹聴しているからである。そこを見落としてはいけな
い。― 国民の判断基準がメディアの報道におうところが多いからである ― 報
道の自由を盾に公平さを阻害しバイアスが掛った報道は、良識を誤らせる。時
代の変わり目や重大事件・事故・事象が突発した時に世論調査を実施するの
が従来の在り方であった。ところが1週間も経たないうちに頻繁に世論調査を
実施し関係者は勿論、国民にも一喜一憂させる。そういう遣り方が、果たして、
国民の良識に反映されているとは、到底、思えない。非常時には良識では政治
は動かない。一般論としては言えるかもしれないが、困難、国難を打開するに
は“荒治療”が必要である。菅総理と小沢氏を対比した場合、誰が、この国難
に日本の国を救い打開できるか、それには、政治の裏も表も知りつくした剛腕
政治家が今日の日本には必要になる。遣らせてみない食わず嫌いのアナリス
トや御仁が蔓延する現実を憂慮する。党首・総理を遣らせてみてノーなら永久
に日本政界から葬ったらよい。これが民意だ。円高・株安の喫緊の当面の生活
に纏わる対策も最優先して取り組まなければならないが、同時並行的に10年
先、20年先、否、50年先のこの“国の未来像”、“進むべき方向”を明確に打
ち出して国民の前に提示する。これが責任ある真の政治家である。現実主義
か原理主義かの二分法では複雑怪奇な社会や世相、事象・事項には対処でき
ない。・・・何故、専門家やアナリスト、特に経済評論家の見通しが悉く外れる
か。机上(現場主義の実証的研究の方も居られるが・・・)の数字合わせか数字
上の統計から導き出された結論を盲信して提示し公表しているからである。理
論上は、そう言えるかも知れないが、人間が犇(うご)めく現実の社会は理論通
りには推移しない。動かない。この社会を底辺から突き動かしているのは【“人
間の情念”】である。理論を超えたところにある<人間の怨念>、<恨み>、<
辛み>、そういう【人間の情念】が、この複雑怪奇な社会を動かしているのであ
る。政治の裏も表も知り尽くした老獪(良い意味での)な小沢でなければこの国
の国難を打開できない。良識派の一般受けする菅総理は平和時の首相として
は最大に相応しい方である。しかし、この国難時には、やはり剛腕小沢氏に登
場してもらわないとこの国は救えない、私は、そう思っている。