イスラエルの強引な入植や砲撃はパレスチナのみならず中東、ひいては世界を敵にまわす事になりかねない。パレスチナのアッパス議長は国連に正式に加盟を申請した。パレスチナ自治政府の存続に賭けての行為である。オバマ大統領はイスラエルと直接交渉するのが和平合意に達する近道だと主張している。もし安全保障理事会で加盟承認を申請したなら拒否権を行使すると恫喝している。米大統領選を来年に控えているオバマ大統領は国内のイスラエル寄りの政治圧力を無視できない。苦悩の程はよく分かる。それを見越してアッパス議長は加盟申請に踏み切った。国連を楯にイスラエルとの交渉を図るのが狙いである。世界の宿願、中東の和平は風雲急を告げる事態に陥った。どうなるか、今後を見極めたい。・・・イスラエルは左派や中道勢力の地盤沈下が進み妥協を拒む右派や宗教勢力が台頭している。そういう状況下で米国とイスラエル間では、オバマ大統領が占領地の新規の入植活動の凍結を求めてもイシラエルは応じなかった。両国の隔たりは、更に大きくなるばかりである。一方、パレスチナの自治政府は全体を統率する力がない。ガザ(イスラム原理主義組織ハマスの実効支配している地域)からのロケット攻撃とイスラエルの報復攻撃によって暴力の応酬が続いている。パレスチナ問題の国際的常識は、《第3次中東戦争の1967年境界線を将来の2国間の領土策定の基本とする》という事である。両国間は、その合意を基に土地の一部を交換して<和平交渉>を進めることが必要である。しかし、その障害になっているのが、<入植による現状変更>である。アッパス議長は国連演説でイスラエルが入植停止すれば直接交渉に応じる用意がある、と言っている。従ってイスラエルは、直ちに入植を停止すべきである。イスラエルと親密なエジプトの独裁政権も倒れ、軍事同盟のトルコとも急速に関係が悪化している。四面楚歌の状態だ。そういう状況下で、米国、ロシア、欧州連合、国連の4者は2012年末までにイスラエルとパレスチナの和平交渉の新たな工程表を提案した。さて、それが、どう進捗していくか、今後を見極めたい。
イスラエルの強引な入植や砲撃はパレスチナのみならず中東、ひいては世界を敵にまわす事になりかねない。パレスチナのアッパス議長は国連に正式に加盟を申請した。パレスチナ自治政府の存続に賭けての行為である。オバマ大統領はイスラエルと直接交渉するのが和平合意に達する近道だと主張している。もし安全保障理事会で加盟承認を申請したなら拒否権を行使すると恫喝している。米大統領選を来年に控えているオバマ大統領は国内のイスラエル寄りの政治圧力を無視できない。苦悩の程はよく分かる。それを見越してアッパス議長は加盟申請に踏み切った。国連を楯にイスラエルとの交渉を図るのが狙いである。世界の宿願、中東の和平は風雲急を告げる事態に陥った。どうなるか、今後を見極めたい。・・・イスラエルは左派や中道勢力の地盤沈下が進み妥協を拒む右派や宗教勢力が台頭している。そういう状況下で米国とイスラエル間では、オバマ大統領が占領地の新規の入植活動の凍結を求めてもイシラエルは応じなかった。両国の隔たりは、更に大きくなるばかりである。一方、パレスチナの自治政府は全体を統率する力がない。ガザ(イスラム原理主義組織ハマスの実効支配している地域)からのロケット攻撃とイスラエルの報復攻撃によって暴力の応酬が続いている。パレスチナ問題の国際的常識は、《第3次中東戦争の1967年境界線を将来の2国間の領土策定の基本とする》という事である。両国間は、その合意を基に土地の一部を交換して<和平交渉>を進めることが必要である。しかし、その障害になっているのが、<入植による現状変更>である。アッパス議長は国連演説でイスラエルが入植停止すれば直接交渉に応じる用意がある、と言っている。従ってイスラエルは、直ちに入植を停止すべきである。イスラエルと親密なエジプトの独裁政権も倒れ、軍事同盟のトルコとも急速に関係が悪化している。四面楚歌の状態だ。そういう状況下で、米国、ロシア、欧州連合、国連の4者は2012年末までにイスラエルとパレスチナの和平交渉の新たな工程表を提案した。さて、それが、どう進捗していくか、今後を見極めたい。