フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

6月16日(日) 晴れ

2024-06-17 16:57:45 | Weblog

7時半、起床。

チーズトースト、目玉焼き、サラダ、牛乳、珈琲の朝食。

食事をしながら『日曜美術館』を観る。「福田平八郎」の再放送。代表作は「漣(さざなみ)」。

書斎用の小さな扇風機。何度か床に落としていたら、回り始めるまでに時間がかかるようになった。でも、まだ使用に耐える。

昨日のブログを書いてアップする。

1時からオンライン句会なのだが、昼食を食べに出ている時間がない。カップヌードルで済ます。

「句会のある日はそうなりやすいですね」

本日のオンライン句会の出席者は、画面左上から、恵美子さん、私(たかじ)、月白さん、渺さん、さやかさん。それと事前選句(選挙でいえば期日前投票)での参加が蚕豆さん、花さん、港さん。

今回の投句は18句(各自、兼題の「天」を入れた句を1句と自由題2句)。

月白さんが18句を読み上げ、選句タイムに入る。各自、天(5点)1句、地(3点)2句、地(1点)2句を選ぶ。資料は2日前に配布していて、あらかた選句はしているとは思うが、最終的な確認作業ということ。

私は次の5句を選んだ。

天 アマリリス天のあくびのごとく咲く

 アマリリスが咲いている様子を詠んだ句。こういういわゆる一点ものの写生句の場合、どのように咲いているかの描写がすべてである。「あくびのごとく」だけでも面白いが、兼題の「天」を使って、「天のあくびのごとく」と詠んだところがポイントである。崇高な倦怠感とでもいうべき雰囲気が伝わってくる。


(写真はネットから拝借)

地 青蛙われは未完の人なりき

 一茶に「やせ蛙まけるな一茶これにあり」という句があるが、そこでは作者は弱者(やせ蛙)を応援しつつ、自分自身をも励ましている。この「青蛙」の句でも、作者は自身と青蛙を同一視しているが、「自分はまだこれからの人間である」という自負が強く前面に出ている。「青」は、「青臭い」という言い方もあるように、未熟なものを象徴する色である。

(写真はネットから拝借)

地 天気雨困惑顔の犬帰る

晴れているのに雨が降っている。天気雨というのは不思議な現象である。いつだったか、銀座を歩いているいるときに天気雨が降り出し、デパートの入口で雨宿りをした。そのときたまたま隣にいた女性に「天気雨って綺麗ですよね」と話しかけたら、その女性は「え、えぇ・・・」とちょっと困惑した表情をした。この句を見てそのことを思い出した。

人 山下り天津司(てんづし)舞の幕の声

天津司の舞は甲府市小瀬町の天津司神社に伝わる日本最古ともいわれる人形芝居。毎年4月の第一日曜日に行われる。天津司神社から隣町の下鍛冶屋町の鈴宮諏訪神社まで、ご神体である九体の人形がおみゆきし(山を下る)、幕を張られた境内で舞が行われる。句にはとくにオリジナルは表現はないが、五七五の調べに合わせてコンパクトにまとめた点を評価した。


(画像はネットから拝借)

人 勇ましや大海老天丼夏がくる

 私の以前の句「頼もしや五つ並んだ牡蠣フライ」へのオマージュかと思う(笑)。今回、兼題句の中に「天丼」を詠んだものが2句あった。もう一つの句もよい句だが、大人の事情から、こちらの句を選んだ。

全員の選句結果が披露され、集計され、得点の高いものから順に感想が語られた後、作者が明らかにされた。

16点 アマリリス天のあくびのごとく咲く 渺

今回の特選句は渺さんの作。「天」を付けた私の感想はすでに述べたが、月白さんによると、ご夫婦で散歩をしているときに渺さんが「これは何という花?」とアマリリスを見て月白さんに尋ねたそうである。私は「天のあくびのごとく」という表現に感心して天を付けたのだが、アマリリスを知らなかったのか(笑)。

15点 天気雨困惑顔の犬帰る 月白

港さんが「天」を付けた。なぜ「家に帰る」のかという点については、犬が雨を嫌ったという解釈と、散歩の飼い主が傘を持っていなかったという解釈があったが、私の日頃の観察からすると、一般に犬は雨に濡れるのをいとわない。傘を持っていなかったという飼い主の事情ではないかと思う。では、なぜ困惑顔なのかというと、晴れているのに雨が降っているという現象が犬には不可解だったのではなかろうか。

14点 オリーブの花散る朝の相談者 月白

これも月白さんの作。渺さんが「天」を付けた。ご夫婦で上位独占である。「朝の訪問者」ではなく「朝の相談者」であることろがポイント。探偵小説の書き出しみたいである。ここから物語が始まるる予感がする。一体何の相談に来たのだろうと、作者の解説を聴いたところ、「朝のラジオ番組のリスナーさんからのお悩み相談」とのことだった。な~んだ、玄関に誰かがやってきたのだとばかり思っていた。ちょっと拍子抜け。


月白さんのお宅のオリーブの木

12点 青蛙われは未完の人なりき 蚕豆

恵美子さんが「天」を付けた。私の感想はすでに述べたが、この句について渺さんが異色の解釈をした。この「われ」は青蛙を見ている作者ではなく、青蛙その「人」であると。一同唖然。「われは未完の人なりき」と青蛙「本人」が言っているのだという解釈である。完全なる擬人化!

11点 ツバメ飛ぶ超合金の潔さ 渺

さやかさんが「天」を付けた。たしかにツバメという鳥は、その形状や飛び方が、超合金でできた戦闘機を連想させるところがある。ただし、句としては「潔さ」がしっくりこなかったので私は選ばなかった。そのシャープな感じを出すならもっと別の表現の方がよかったろうと思う。たとえば? いえ、急に言われても(笑)。

6点 風船のごと紫陽花はふくらめり たかじ

私の句。花さんから「天」をいただいた。コメントに曰く、「ほんまや~、風船💛って思いました。風船という感じ方に素敵と思いました」。我が家の庭には紫陽花が咲いていて、中でも、大きくふっくらと咲いている白い紫陽花がお気に入りで、毎日、「行ってくるよ」「ただいま」と言いながら私はその白い紫陽花に触れているのである。きっと紫陽花も自分が愛されていることを感じていることだろう。(私の説明に一同ちょっと引く)

5点 真夏日の意を決したる上天丼 たかじ

これも私の句。港さんから「地」をいただいた。コメントに曰く、「わかる、のひと言。暑い日に店の前でよし入るぞ!食べるぞ!と思ったことがしばしばあるので大きく頷きました」。作意としては、「意を決したる」は、真夏日に天丼を食べることと、もう1つ、並ではなく上(高い方)を注文することにもかかっている。昨今の値上げラッシュでこれからますますわれわれは「意を決する」場面が増えるのではなかろうか。

5点 初夏やエレベーターの十五階 恵美子

蚕豆さんが「天」を付けた。コメントに曰く「てらいもなく素直な句ですが、それだけにすんなりと腑に落ちました。空気感とか人々(会社の同僚?)の雰囲気(服装など)が夏を感じさせたのでしょう」。ただ、他の参加者の間では、「十五階」というのが、もちろん低層階ではないものの、高層ビルの林立する都会ではそれほど高層とはいえない、ちょっと中途半端な階であると認識されていた。実は、作者の意図もそうで、初夏から盛夏に向かってこれから気温がどんどん上がっていくということを言わんとしているのだった。つまり、寒暖計における水銀柱の現在の位置を「エレベーターの十五階」という「高くはあるがまだまだ」という言葉で表したのである。

5点 勇ましや大海老天丼夏がくる 恵美子

これも恵美子さんの句。これはわかりやすい(笑)。「地」を付けた蚕豆さんのコメント。「今回天丼の句が二つありますが、美味しそうなこちらを取りました。豪快にかきこむさまが思い浮かびます」。私(たかじ)と恵美子さんの「天丼対決」は同点引き分けに終わった。禍根を残さずよかったと思う(笑)。

以下、選句された作品と作者をあげておく。

4点 山下り天津司舞の幕の声 港

4点 手術日に菜の花を摘む空き時間 蚕豆

3点 風光り鐘を鳴らして彼女逝く 月白

2点 煮え切らぬ男のような梅雨模様 たかじ

1点 新緑の光につられしゃんと朝 港

1点 天地のあわいに遊ぶ我鬼忌かな 蚕豆

みなさん、お疲れ様でした。


(恵美子さんは次の予定があるため、少し早めに退席)

次回は8月11日(日)午後1時から(3時まで)

兼題は「スポーツを詠むこと」(出題者は渺さん)

4時半に予約を入れておいた「ティールーム101」へ行く。

この時間だと客は私だけのことが多い。

今日のシフォンケーキはオランジェットをチョイス。

紅茶はあとで注文するとして、まずは、今週からメニューに登場したグレープフルーツのセパレートディーである。そういう季節になりましたか。

混ぜないで飲むのが私流。ストローを上下することで、紅茶、グレープフルーツジュース、そして両者の境界面あたりという3種の味を楽しむのである。

オランジェットのシフォンケーキ。チョコレートにオレンジピールを混ぜたものである。

紅茶はマダムにお任せ。アールグレー(ラッフルズホテル)を選んでくださった。

マダムが作った巾着。色と刺繍(店名、ケーキ、ポット&をソーサー)の組み合わせはさまざま。

オリーブ色の布にカップ&ソーサーの刺繍のものを選んだ。何を入れて使おうかな。使い途を考えずにとりあえず買うというのはノートを買うときに似ている。

6時半頃、店を出て、リュウイチさんのショップ&アトリエ「ATELIER DOUX REPOS」に顔を出す。3月に『ぶらり途中下車の旅』で紹介されたとマダムから聞いたからである。やあ、お久しぶりです。

マカロンを使ったフェイクスイーツがたくさん並んでいる。

これは注文を受けて制作中の還暦記念の桃を使ったケーキ。

こちらは別の完成品。

番組の動画を見せてもらう。旅人は上地雄輔さんですね。

実際にフェイクスイーツを作ってみたんですね。

苺ですね。

店内には何かのイベントのときに作ったポスターが飾ってある。この手はリュウイチさん?「はい、そうです」

同じポーズをしてもらう。

これは偽物ではありません(笑)。

店の片づけを終えた「ティールーム101」のマダムがやってきた。私とリュウイチさんのツーショットを撮っていただく。この巨大なマカロンはこういうときの宣伝用ですか。「母が先生のブログをよく見ているので、喜ぶと思います」。それは親孝行のお手伝いができてよかった(笑)。

そろそろ7時になろうとしている。

チャイが出窓のところにいた。

抱っこしてちょっと出してやる。

夕食はアスパラとキノコの炒め、肉じゃが、タラコ、味噌汁、ごはん。

食事をしながら『花咲舞が黙ってない』最終話(録画)を観る。

レビューシートのチェック。

9時から『アンチヒーロー』最終話をリアルタイムで観る。妻の要望である。通常は録画しておいて明日の夕食を食べながら観るのだが、「スマホに最終話の情報がいろいろ入ってきちゃうから」というのが妻の言い分である。見ないようにすればいいんじゃないのと思うが、それはなかなか難しいようである。はい、お付き合いいたしましょう(妻だけが観ると、書斎にやってきて、最終話の話を私にしようとするのである)。

そういう終わり方でしたか。野村萬斎の形相が凄かった。

レビューシートのチェック。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

1時半、就寝。