フィールドノート

連続した日々の一つ一つに明確な輪郭を与えるために

6月20日(木) 晴れ

2024-06-21 11:35:18 | Weblog

8時15分、起床。

トースターのスイッチを入れるのを忘れ、焼き上げるのを待っていると目玉焼き、ハムステーキ、珈琲が冷めてしまうので、先に食べ始める。

遅ればせのチーズトースト。

今日は叡王戦第5局(最終局)の日。振り駒で藤井が先手。角換わりから後手が右玉、先手が穴熊の構え。両者共に研究範囲なのだろう長考に沈むこともなく手が進み、局面は後手が5九角と打ったところ。4八角成、あるいは3六歩、同飛、2七角成を狙った手である。ここで藤井は長考して5六角と打つ。

以下、手が進んで、昼食休憩前の盤面(藤井の手番)。形勢は互角。

昨日は会議日だったが、今日は授業日で、3限、4限、5限と授業がある。

3限は大学院の演習。ロスジェネ世代のライフストーリーについて。

4限は修論の指導(指導を始める前におにぎりの昼食)。

指導を終えて、ネットで対局の進行を確認する。先手玉は堅いが狭い場所にいる。後手の玉は薄いが広い場所にいる。AIの形成判断は先手の優勢。

しかし、後手も粘り強い指し手を続け、反撃の手(7六歩や8六歩)が入った。数値的には先手優勢の局面が続くものの、藤井が長考を繰り返し、持ち時間の差がなくなった。「これは後手もやれるぞと思っているのではないでしょうか」と解説の棋士が言っていた。

5限は演習。たぶん研究室に戻ってくる頃には決着がついていることだろう。

今日は個人発表が1本、グループ発表が1本。

 「エレベーターでどのような社交が起こりうるのか」

 「動物カフェでの社交」

ここでいう「社交」とは「会話」の意味である。エレベーターとうい密室でたまたま一緒になった他人同士の間にどういう会話が生じるか、また、動物カフェでたまたま居合わせた客同士の間に(あるいは店員と客との間に)動物を媒介としてどういう会話が生じるかをフィールドワークした報告である。

授業を終えて、研究室に戻り、ネットTVを観ると、伊藤が局後のインタビューに答えていた。画面には「伊藤匠七段勝利 初タイトル獲得 新たな叡王が誕生!」のテロップが出ていた。そうか、藤井が負けたのか。

藤井は、タイトル戦での初めての敗戦(これまで22連覇)について聞かれて、「時間の問題だと思っていたので、これからまた頑張りたい」と答えた。その答えを聞いて、絶対王者藤井も「負ける日がくること」を常に考えながら指し続けてきたのだということを知った。全タイトル独占の先輩・羽生善治の場合、全タイトル(当時は7冠)保持期間は168日だったが、藤井の場合は254日だった。藤井が再び八冠に返り咲くには最短でも1年かかる。つまり、他の7冠をすべて防衛し、次期叡王戦の挑戦者になり、伊藤との5番勝負に勝たなくてはならないのだ。7冠防衛の確率は高いと思うが(過密スケジュールが一番の敵である)、叡王戦は予選・本戦ともトーナメント戦なので、一回も負けることができない。ここが難関かと思う。

夕食は「ごんべえ」で。

いつもの釜揚げうどん。しかし、「藤井ショック」からか、たぶんそうだろう、いつものように味わって食べることができなかった。

8時半、帰宅。

珈琲を淹れて、『バーテンダー』最終話(録画)を観る。観ているアニメ作品はこれ一本だが、後味のよい作品である。

レビューシートのチェック。

ユーチューブで第5局の棋譜を確認する。見ごたえのある終盤だった。

風呂から出て、今日の日記を付ける。

1時半、就寝。