均衡を取り戻せ

自惚れも謙遜も止しにして考えてみよう。

わたしには、自分を追い詰める才能がある。たしかに、ある。だが、同時に、破綻から心を守る能力にも恵まれている。それは、非常によく出来ていて、しかもよく働く。その両者の均衡が、わたしという人間の本質だ。

だが・・・自分を守る機能は、他者への愛情によって、強く補強される。だから、今、わたしの心の中は、本来の状態より、セキュリティーが充実しており・・・その分、自分を追い詰める能力は強く押さえ込まれている。

そのことによって、わたしの社会性は増す。本来の自分より、よりよい社会の一構成員、そして家族の一員になれる。

だが・・・それでいいのか・・・それでいいのかという抵抗の声が聞こえる。

でも、わたしは、その声には唆されない。何故なら、わたしには守るべきものがあるから。

けれど・・・このままでは、やはり不自然なのも確かなのだ。だって、両者の均衡こそが、わたしらしさなのだから。だとするなら・・・だとするなら・・・押し広げられた片側に釣り合うように、もう一方も押し広げるしかない・・・それしか、方法は見当たらない。少なくても、今は、それしか道が見えない。

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ハーヒー・ハンコック、フレディー・ハバード、スタンレー・タレンタイン、ロン・カーター、ジャック・デジョネット、エリック・ゲイル　『イン・コンサート』