OBERON 日記

1999年1月25日。パソコン通信から始まった公開日記。
できれば、死ぬまで続けたい・・・(爆)。

桂枝雀さんの落語に邂逅

2008-08-01 17:14:23 | Weblog
昨夜、藍那を送って車で大阪に行ったら、道が空いているにもかかわらず、わたしたちの車の前に、鋭角に侵入してきた車があったんです。しかも、その後は、さしてスピードを出すわけでもなく、ほど良い速度で前を走り続ける。いったい何なの?

確かに同じタイプのMINI。色も同じペッパーホワイト。微量の繋がりは感じるけど、でもだから何って思いません? でも、まっ、そんなことにカリカリしても仕方ないので、その車のことはさっさと忘れ、わたしは藍那と雑談しつつ運転していました。と、目の前の信号が赤になり、前のMINIが停車。当然、わたしたちもその後ろに停車。そして、何気なく、前のMINIのお尻を眺めたら・・・あれ?!
 
わたしは藍那にたずねました。「この車のナンバーって何番だっけ?」「○○○×」「だよね・・・」わたしたちは、顔を見合わせました。なんと、前のMINIも、まったく同じナンバーだったのです。同じ車種で同じカラーのMINI、しかもナンバーも一緒。違いは神戸ナンバーか大阪ナンバーかだけ。前の車の運転手さんは、それを、わたしたちに知らせたかったのね(^^;。こんなこともあるんだなぁ~と、とても驚いたのでありました。

ところで、先日、何気にTVを見たら、千原Jrさんが落語について語っていました。たぶん、NHKの番組だと思うのですが・・・とにかく、落語家の桂枝雀さんについて、熱く熱く語っていました。

桂枝雀さんは、関西の人である程度の年齢の方なら、落語のことはよく分からないという人でも知っているだろう、とても人気のある落語家さんでした。どんな落語をするかと問われたら、たぶん多くの人が「滑稽でオーバーなアクションをする超おもしろい落語」と答えるのではないかと思うのですが・・・滑稽でオーバーなアクションの裏に、緻密な計算があること、妥協しない努力があることもまた、誰もが知っていることでした。とても繊細で、物事(落語)を突き詰めて考える人だと評判だったので、自ら逝かれたというニュースを聞いたときも、妙な納得を感じてしまったことを覚えています。

そんな桂枝雀さんの落語について、千原Jrさんは、こんな風に仰っていました。オーバーなアクションで観客を笑わせるというのは、決して高級な笑いではないのかもしれないけれど、一人でも多くの人と笑いを共有したいという思いに導かれて辿り着いた形なのではないかって。

それを聞いて、わたしは、なんだか、ものすごくストンと納得がいったのです。桂枝雀さんが、高いインテリジェンスをもった人だというのを知っているし、弟子である桂南光さんがおっしゃるように、単なる虚仮脅かしのオーバーアクションなどではなく、抑えるところは抑え、聴かせるところは聴かせ、考えに考え練りに練った上でのオーバーアクションなのだというようなことも、十分に承知しているけれど・・・観客としては、枝雀さんが命を縮めるほどに精進されたところではなく、枝雀の顔を見ただけで「あ~、おもろかった」と満足してもらえるような芸人になりたい」とおっしゃっていた、その気持ちを彼の落語から受け取ればいいんじゃないかと、そう思ったんです。そして・・・関西人が、なぜに、あんなにも枝雀さんを愛したか、まさにストンと合点がいったんです。

ああ、でも、関東の漫才師さんであるビートたけしさんにも、少し似たものを感じるかもしれません。なんていうか・・・自分が、世間や周りの人に、立派な人間だと思われることを求めていない感じが・・・うん、そう、ちょっと似ている気がします。

なんだか、わたしなりに枝雀さんを理解していたつもりで・・・でも、何かモヤが晴れなかったところを・・・ジュニアさんの一言が晴らしてくれました。枝雀さんの凄い部分にばかり気をとられて、枝雀さんの本当が見えなくなっていたんでしょうね。改めて、枝雀の落語、聴かなくちゃ・・・もう、生で聴くのは無理なんですけどね・・・・。

写真は、青いトマト。決して美味しそうではないけど・・・なんだか切なくて可愛いでしょ(^^)。