ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

トランプ大統領の来日

2019-05-30 16:44:00 | 社会・政治・一般

どうやら広島市長は、トランプ大統領が原爆被災地に来ないことがご不満であられるらしい。

週末、TBSのニュースを視ていたら、盛んに広島市長の不満を垂れ流していた。まァ反日自虐を推し進めたいTBSらしい報道姿勢ではある。

だがTBSばかりを責めるのも何なので、少し見方を変えてみたい。元を質せば、広島市長のご不満の原因は、やはりオバマ前大統領であろう。2016年の5月27日は、アメリカの大統領が初めて広島を訪れた記念すべき日であるそうだ。TBSが舞い上がるのも無理はない。

二期8年間、アメリカ大統領を務めたオバマ大統領は、なかなかに評価の難しい人物である。歴史の評価には、半世紀程度の猶予が必要なので、現段階では真っ当な評価は下せない。

だから戯言程度の話だと思って読み流して下さい。

歴史上、覇権国の王は何時でも、どこでも傲慢なものだ。それは現在の覇権国であるアメリカの大統領にも云えることだと思う。オバマ大統領にとって就任一期目での日本の印象は最悪であったと思う。

なにせ、あの民主党政権の鳩ポッポである。あの「Trust ME」の御仁である。元々アメリカの民主党自体が、日本に対してあまり好意的でない傾向が強く、事実日米関係は表面上友好的であったが、中身は冷えたスープそのものであった。

しかし、自民党が政権に返り咲き、二度目の首相となった安倍は、アメリカを満足させる交渉相手であった。そのお返しとしての広島訪問であったのだろう。実際アメリカが懸念したのは、原爆投下に対する謝罪の要求であったが、そこは上手く誤魔化して、未来志向を訴える安倍首相の姿勢は、オバマを満足させるものであった。

だからこそ、あの時オバマはアメリカ大統領らしからぬ妙な発言をしている。あの「核兵器なき未来」発言は、日本に対するリップサービスとしては最上級のものであった。これに舞い上がった日本人は少なくない。

だからこそ、広島市長は今回、広島に見向きもしないトランプにご不満だっただろう。でも、冷静に鑑みれば、オバマは冷戦後のアメリカ軍の再編にこそ力を入れていたが、核兵器の廃絶には冷淡であった。広島市長はこの事をどう思っているのだ?

まァ、あのお方々のことだから、見たくないものは見ない、知りたくないものは知らないで済ませているのだろう。

そこで今回のトランプである。

世界史的には、なんら意味を持たない令和という時代になってからの最初の国賓である。意味はなくても、新時代の日本の最初の国賓という栄誉を享受できた以上、トランプもオバマに倣いなんらかの返礼が必要である。

おそらくだが、その返礼は北朝鮮拉致被害者親族との会談であろう。ここで不愉快な予測をしておくと、アメリカ軍は日本人拉致被害者のためにアメリカ軍を動かすことは、まずないと思う。アメリカの兵士の命を駆けるに相応しい任務ではないからである。

しかし、アメリカ大統領がこの拉致被害者親族と会談したことは、日本人にとってはなによりの吉報であると思い込む人は少なくないはずだ。同時に北朝鮮の刈り上げデブ君は肝を冷やしているはずだ。

外交とは、かくあるべしの見本のようなトランプの言動であった。これだから、アメリカは油断ならない。オバマが核兵器の廃絶に一本の指を動かさなかったのと同様に、トランプも日本人拉致被害者救出の為に、実際に動くことはあるまい。私はそう確信している。

同時に日本は痛感すべきだ。本気で拉致被害者を救出したいのならば、その主役は日本であらねばならぬことを。私は少々悲観的なんですけどね。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする