ヌマンタの書斎

読書ブログが基本ですが、時事問題やら食事やら雑食性の記事を書いています。

十連休

2019-05-01 14:51:00 | 日記

10連休、嬉しいですか?

私にとって、この連休はあまり嬉しくない。基本的には、カレンダー通りに出勤するつもりだ。自営業者にとっては、休み=仕事をしない、である。仕事しなければ、収入もない。だからそうそう休めない。

真面目な話、事務所の顧客のうち4割くらいは、連休中でも仕事をしている。サービス業、飲食業などを営む方にとっては、連休は稼ぎ時である。だから、うちの事務所もある程度、それに対応しなければならない。

もっとも、そうそう電話などの連絡がある訳ではない。以前は連休前には倒産の連絡などがあり、たいへんな騒ぎであった。でも大騒ぎになるような危険度の高い顧問先は全て既に倒産済み。

最近は倒産がらみの仕事もなく、良くも悪くも平穏である。だからこの時期は日頃出来ない仕事とか、勉強が中心になる。連休中は営業の電話も稀で、静かに一人仕事が出来るのが嬉しい。

反面、稼げる仕事がなく、この先の資金繰りを考えると頭が痛い。とりわけ今回は、銀行も長い休みをとるようなので、顧客からの入金も不定期なものとならざるを得ない。

この十連休は安倍政権の肝煎りである。どうも政府は休みが増えれば、景気が活気づくと思い込んでいる。

本当だろうか。私はけっこう疑問に思っている。日本の産業構造は、製造業中心からサービス業中心に移行しつつあるのが実情であろう。連続した休みが取りやすい製造業とは異なり、サービス業では休日は稼ぎ時であることが多い。

また正社員が減って、パートや派遣社員が増えたことも、長期休暇促進の逆風となっている。アルバイト社員や派遣社員には有休制度が適用されないほうが多い。つまり休日=収入減なのである。

でも、霞が関の快適なオフィスで経済政策を立案するエリート様方には、この辺りの下々の事情は分からないのでしょうね。だから安易に長期休暇=日本経済の活性化だと思い込める。

これは、大手のマスコミ様におかれても同様だと思われ、自分たちが長期休暇を満喫できるのだから、日本国民もすべて同様だと思い込める。官庁の記者クラブで配布される長期休暇の実現に関する青写真を真に受け、それを検証する気概なんざ欠落しているのが、今のマスコミ様。

もちろん全てのマスコミではない。中小出版社の雑誌記者や、大手のパート社員、フリーランスの零細事業者である記者たちは、自身の生活実感からけっこう冷静な記事で批判しているが、大新聞様やTV局様の目に留まることはない。

これは経済産業省に限ったことではないが、霞が関のエリート様方は、日本の雇用形態の変化や、就業形態の変貌に鈍感だ。役人と大企業の情報しか頭に入っていない。

これはある意味、必然の結果である。何故なら日本の雇用の過半を支える中小企業では、官庁から送られてくる雇用統計などの調査票に丁寧に対応している暇なんかない。

決して無意味な調査だとは思わないけど、多忙な中小、零細事業者は、あのようなアンケートに対応する時間なんてない。だから霞が関に集まる情報には、致命的に中小企業、零細事業者の情報が不足してしまう。

限られた情報のなかで最善を尽くしていると思っているのだろうが、社会の変化に対応できていない官庁の傲慢さが透けてみえる。本来ならば、そのような行政の瑕疵に対しては、選挙で選ばれた議員たちこそが注目し、声を上げねばならないはずだ。

しかし、与党自民党の議員様は選挙区のドブ板回りを面倒臭さがり、資金集めのパーティに奔走するばかり。野党に至っては、安倍政権を誹謗するネタばかり注目して、声の小さな有権者たちの苦しみには鈍感だ。

ついでだから書いておく。大企業の下請けの立場でいる中小事業者は、今回の10連休に追随している。だから長期休暇を享受しているかと思いきや、実際は「仕事がないから金がない」と嘆いている。

ところが、それでいて人手不足のサービス業界などで短期バイトをする気はない。短期の求人はずいぶん出ていたはずなのに、それに応じる気がない。それでいて、お金がないと云われても、少し首を傾げざるをえない。第一、パチンコする金と時間はあるようですしね。

高度成長期の日本ならば、もっと働く気持ち、稼ぐ気持ちが強かったはずだ。でも、ある程度生活が満ち足りた現在の日本では、たとえ貧しくとも無理に働かない人たちが増えている。

高齢化社会を迎えた現在の日本に欠けているのは、生きるための強い意志ではないだろうか。体力の落ちたわが身に鞭打って仕事している私としては、限定的な効果しかもたない政策しか出せない政府よりも、生きるための必死さがない貧困層の無気力さが、どうも理解しがたいのです。

文句ばかり言っている私ですけど、連休中はのんびり仕事、合間にリラックスとナマケグマらしい時間を過ごしています。確かにあまり必死ではないよなァと、我が身を省みてそう思います。

あまり偉そうなこと、言えませんねぇ・・・

コメント (2)
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