平成が終わった。
一つの時代が終わったのだが、私は特段気にしていない。昭和であろうと、平成であろうと、どうでもいい。別に私の人生に大きな影響がある訳ではない。
ただ、気になることはある。
平成を戦争のない平和な時代であったとの一文を読んで、呆れてしまった。本気なのか、本気でそう思っているのか。
たしかに日本は太平洋戦争の敗戦以降、戦争のない平和な国であったとされる。日本の領土に爆弾が落ちたことはないし、日本の兵士が銃弾を撃ったこともない。
しかし、日本は決して戦争と無縁な国ではない。朝鮮戦争の特需が日本経済の復興の引き金になり、その後のヴェトナム戦争でもアメリカ軍の兵站基地として、戦争商人の幸せ(他人の血は、自分の金)を享受してきたことは隠せない事実である。
それは平成になっても変わることはなかった。中東やアフリカでのPKO活動は紛争地帯における軍の治安活動に他ならない。また機雷除去活動は立派な軍事活動である。
日本の国土においては、たしかに戦乱はなかった。でも尖閣諸島周辺では外国の艦船が侵略を匂わせているのは、今も変わっていない。沖縄では、某国の潜入工作員が暗躍して、日本からの離脱を目指していることは軍事的には常識である。
ところが、日本のマスコミ様は相変わらず兵站活動やスパイによる情報工作を軍事行為だと認識していない。シナの武装艦船による領海侵犯により不安を抱える零細漁民のことなんか、報道する価値がないと思っている。
それどころか、現在の日本はアメリカの先導のもと、インド、オーストラリアなどと連携して対シナ包囲網を構築している最中である。マスコミ様は戦前のABCD包囲網のことを忘れているようだ。
私に言わせれば、平成は決して平和な時代ではなかった。それどころか、再び戦争が出来る、普通の国として動き出した時代である。
平成に於いて、日本は戦場であったことはない。自衛隊とか呼ばれている日本軍が戦闘に及んだこともない。だが戦争行為には加担することを強めていたのが、平成という時代であった。
もし、本気で平成を平和な時代であったと思っているのならば、認識を改めて欲しい。
私は決して戦争を望んでいる訳ではない。むしろ戦争の恐怖に怯えずに済むことを安堵している平和愛好者である。だからこそ、嫌でも直視しなければならない現実を、見てみないふりをすることを嫌悪する。
高齢化が進み、少子化が進行する日本が、自ら戦争を望む可能性は低い。でも、日本が戦争に加担している現実、それは今後も進んでいくことを認識しておく必要はあると思います。
令和の日本が、平和な時代であるかどうか。私はいささか悲観的です。日本が主導しての戦争はないでしょうけど、戦争に積極的に加担していくだろうことが、容易に予測できるからです。