のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

オリンピックと子どもたちの甲状腺

2013-09-06 | Weblog
国を挙げてスポーツイベントにかまけている場合ではぜんぜんないと思うのですよ。

原発事故との因果関係は? 福島で増え続ける子供の甲状腺がんの実態 - Infoseek ニュース

皆様ご存知原発推進機関であるIAEAさえ、ビキニ環礁についての報告書で「ここで暮らしてると被爆量が年間15msvにもなっちゃうから、ずっと住むのはオススメできません」と言ったのですよ。それに対して日本の政府は「年間20msvまでならダイジョウブだから帰って住みなさい」ですと?

Life is beautiful: ICRPの勧告に照らしても、年間被ばく量が5~20mSvの地域への帰還は不適切

天下一運動会の招致なんぞに使うお金や人員があるなら、被災者支援や移住の促進・補助にあてるべきでしょうに。
震災からまだ2年半、原発事故はどう見ても継続中、子供たちの身体を危険に晒し、放射性物質が海や地下水に流れ出るのを止める根本的な方策もなく、壊れた原子炉から燃料を取り出す方法もわかんないけど、とりあえずオリンピック招致って、優先順位がおかしくないですか。

オリンピックで景気浮揚なんて言いますけれど。
景気がよくなったら、子供たちの喉のしこりが消えるんでしょうか。
景気がよくなったら、海洋汚染は帳消しになるんでしょうか。
某出戻り総理は「政府が本気出すから7年後には無問題」なんてことをおっしゃってるようですが、政府が本腰入れれば何とかなるような話なら、もっと早くから本腰入れて取り組めばよかったんじゃないですか。こんな汚染水ざぶざぶ状態になるまでほっとかないで。政権をお取りになってからもう9ヶ月くらい経つような気がするんですが。地下水への影響を懸念する指摘は事故直後からありましたし。東電が汚染水漏れを公表してからさえも、1ヶ月以上経っているわけなんですが、その間いったい何を...えっ、外遊と夏休み?

この国の優先順位はなんかおかしい、と感じるのはオリンピック招致に限ったことではございませんし、今に始まったことでもございません。しかし、一方にあまり報道されない子供たちの甲状腺異常のニュースを見、もう一方でさもさも重大事であるかのように報じられるオリンピック云々のニュースを見ますと、つくづくやるせなくなるのでございます。

放射線管理区域の東京でオリンピックなど正気の沙汰ではない BLOGOS(ブロゴス)
↑9月1日に日比谷公会堂で開かれた「さようなら原発講演会」での発言の一部要旨。
落合恵子さん、小出裕章さん、澤地久枝さん、内橋克人さんほか。

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2 コメント

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のろさま。 (菜菜)
2013-09-08 05:15:25
この記事を書いてくださって、ありがとうございます。
同意いたしますよ、隅から隅まで~同意させて頂きます。

秋には京都みなみ会館にて『朝日のあたる家』が上映されるかと?思うのです。

仕事仲間がボランティアで出演しています。
私も制作に米粒ほど…の、協賛の気持ちを示した作品です。

日本はちゃんと両足を地に付けて歩いているのでしょうか?
未来のある国であってほしいと心から願っております。
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こちらこそ、 (のろ)
2013-09-08 22:34:48
お読みいただいてありがとうございます。
臆病者ゆえこんな程度のことしか申せませんが、それでも何も言わないでいるよりはましだと思って、記事にしてみた次第です。

私自身はオリンピックに全く興味がないのですが、かといってとりわけ恨みがあるわけでもありません。
また、深刻な事態が進行中なのだから全ての楽しみを放棄するべきだ、などという考えも持っておりません。
ただ、今回の招致を巡る、お偉いさんがたやマスメディアこぞっての狂騒と、その反対に福島の子どもたちにやだだ漏れ汚染水問題に対する彼らの淡白さや虚しい言葉、そしてそこで取りざたされる金額の多寡などを思うと、どうしても「優先順位がおかしいだろ」と言わずにはいられないのです。

『朝日のあたる家』、関わりを持たれたとあればなおのこと、京都でも公開されるようでよかったですね。
こういう所にこそ、みなみ会館の存在意義があろうってもんです。
(ちなみに先日『第七の封印』を観るため久しぶりにこの劇場に行った所、あのせせこましい上に流れの悪かったトイレが、奇跡と見まごうほどに改善されていて感動しました)

自主規制や、やんわりとした「団結」の強要、楽しい他者排除という形をとって、辺見庸氏が「おのずからファシズム」と呼ぶ現象が着々と進行中、あるいは「積み重ねられ」中のような気がしてなりません。

本当はブログでこんなことを話題にしたくはないのです。
映画や展覧会やクラウス・ノミのことばかり語っていたいのです。
昨今はニュースも聞きたくないくらいです。
日本はおろか世界が滅びようと知ったことかと思ったりもします。
でも古今の歴史を振り返り、ニーメラー牧師の有名な「彼らが最初共産主義者を攻撃したとき...」で始まる詩を思い出したりなぞしますと、せめて声を上げるくらいのことはせねばなるまいと思うのです。

http://ja.wikipedia.org/wiki/彼らが最初共産主義者を攻撃したとき

もはやとっくに手遅れなのかもしれませんけれども。
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