のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

さよなら香味焙煎

2010-12-03 | Weblog
この10年、ワタクシは香味焙煎を買い続けてまいりました。

他のインスタントコーヒーよりお高めでも、一番好きだった「柔らかモカブレンド」が製品ラインナップから消えてしまった後も、ひたすら香味焙煎を買い続けました。少々の変遷はあったにしても、このブランドの高い香りとまろやかな味わい、そして、しゅっとしたパッケージデザインが好きだったからでございます。

しかし今回のリニューアル品は、どうにもこうにもいただけません。
味ばかりかパッケージデザインまで、かつての青くてスリムなボトルに縦書きでロゴが入っているという、きりっと素敵なデザインから一転、ボトルの丈は短くなり、日常的に目にするにはいささか鬱陶しい色合いのラベルに、インスタントコーヒーとしてはごく無難な横書きのロゴと、ちっとものろごのみではなくなってしまいました。



縦のものが横になったぐらい何だ、とおっしゃいますか。しかし青系のいわゆる寒色や縦がちデザインをかくのごとく愛好するワタクシにとっては、まずもってこのデザイン変更がけっこうな落胆だったのでございました。

それに何です、「挽き豆包み製法」って。
細かく砕いたコーヒー豆の粉を混ぜ込みましたって?はあ、さようで。しかしこの「挽き豆」のおかげで、飲んだ後に口の中から喉にかけてえらくざらつくんですが。カップの底にも粉が残りますし。レギュラーの風味に近づけようというご努力も結構ですが、ワタクシ、インスタントコーヒーにこういうものは期待しておりません。何より、蓋を開けたときに深呼吸したくなるようなあの香りは、一体どこへ行ってしまったのでございますか?

なんです。「インスタントコーヒー」じゃなくて「レギュラーソリュブルコーヒー」ですって。ははあ。名前までもレギュラーっぽさを追求なさるのですね。結構でございます。どうぞ存分に追求なさいまし。しかしワタクシはもとの「インスタント」な方を買わせていただきますよ。

と思ったら
「インスタント」な香味焙煎は、もはや製造中止ですと。

そうですか。
そうですか。

つまりもうあのまろやかな味わいと豊かな香りとすっきりとした後味に再会することはかなわぬのでございますね。長年親しんだものとお別れするのは辛いことではございますが、いたしかたございますまい。
さよなら、香味焙煎。今までどうもありがとう。

ドリフ大爆笑'83 エンディング


そうそう、しかたがない。

まあ、考えてみればいい点がないわけでもございません。
少なくとも今回の香味焙煎”リニューアル”は、ワタクシが以下のリストに載っていることを知りながらも唯一手を切れずにいたネスレ商品から、ようやっと縁切りするための機会を与えてくれたのでございました。

イスラエル支援企業リスト:イスラエルのパレスチナ占領と暴力を支援する企業を支援しないために