のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

ホビット忌

2007-09-02 | 忌日
本日は
J・R・R・トールキンの命日でございます。

トールキンといえば『指輪物語』でございますね。
そして『指輪物語』といえばもちろん


ゴクリ(ゴラム)でございますね。



文庫本の挿絵ではカエルと申しましょうか半魚人と申しましょうか、かなりヒトばなれした風貌で描かれておりますが
映画『ロード・オブ・ザ・リング』のゴクリ(ゴラム)は実に可愛らしいですね。
原作を読んだ時点で、ゴクリはのろの一番好きな登場人物でございましたが
映画を見てますます好きになりましたとも。
夜中に鼻歌うたいながら魚を捕るシーンなんて、ええ、そりゃあもう。

と申しましても
のろはゴクリが単に可愛らしいから好きなのではございませんで。

指輪の魔力に取り付かれ、それがために何もかも失ってしまうゴクリ、
人間的な心を完全に捨て去ることはできないまま、闇の底を這い回るゴクリ、
あらゆる者から嫌われ、あらゆる者を憎み返し、とりわけ彼をとりこにした「いとしい」指輪を何よりも憎むゴクリ、
物語が始まる遥か昔に、「他の者にだって起こりえた」悲しい運命を
たまたま引き当ててしまったゴクリが、哀れでならないからでございます。


以前にもちらと申しましたが、のろが『指輪物語』の中でゴクリと並んで愛する登場人物は
蛇の舌 グリマでございます。
彼もまた、ほんとうに哀れな奴なのでございますよ。

以下、蛇の舌について語る予定でございましたが、予想外に長くなりましたので明日に回します。
悪役ばなしってのはどうしてこう楽しいんでございましょうねえ。ヒヒヒ。