のろや

善男善女の皆様方、美術館へ行こうではありませんか。

クモ

2006-06-26 | 映画
もしも
貴方のおうちに
タランチュラみたいな蜘蛛が現れたら、どうします?
困りまさあね。とりあえず。

のろは
困りました。

一昨晩のことです。
ワールドカップ ドイツの2点先制に気をよくしていたのろの前に
どう見ても日本産ではない大きさと容貌の蜘蛛が現れたのでございます。
こんなかんじのやつです。実物大でお届けします。



重ねて申し上げますが、実物大でございます。
脚は太く、全身がふさふさとした毛で覆われております。暑そう。
そりゃ、ザムザ君ほど巨大なわけではございませんが
町中のワンルームマンションで普通にであうような生物でもございません。

のろが
固まっておりますと、向こうもワタクシのただならぬ気配を察知したのでありましょう、
固まってしまいました。

殺虫剤は手の届く所にあります。
しかしのろはこの殺生兵器を、のろがどうしても共生できない生物ーーーゴキブリ諸氏ーーー以外には、使いたくないのでございます。
(できれば彼らとてあやめたくはないのでございますが、頼んでも出てってくれやしませんので、いたしかたございません)
のみならず、目の前のひとが8本の長い脚を激しく痙攣させてのたうち、
断末魔にもがき苦しむ様子をありありと想像してしまうと
いたって脆弱なのろの精神は、それだけでもう身動きとれぬほど疲れきってしまいました。

「どうかお願いです、そちらの窓から出て行ってください」
と、のろがむなしいテレパシーを送っているうちに
彼女は部屋のしきりの隙間から、ソロリソロリと玄関の方へ去って行きました。
とりあえずの危機的状況は回避されたものの、玄関には、彼女が外へ出られるほどの広い隙間は無いのです。
その時以来、彼女の姿を見かけてはおりませんが
まだこの部屋のどこかに潜んでらっしゃるのかもしれません。

蜘蛛は別に嫌いな生物ではございませんし
お互いになるべく関わらないようにしていれば、決して同居できないわけではございませんが
いかんせん相手の素性が知れません。
卵でも産まれてはさすがに困るなあと考えておりましたら
『アラクノフォビア』1990 米 という映画を思い出しました。
アラクノフォビア、つまり蜘蛛恐怖症である主人公が、突然田舎町に現れた、南米産太脚ふわふわボディーの毒蜘蛛と攻防を繰り広げる、というお話です。
ホラーコメディというジャンルになりますが、別に怖くはございません。
夏休み系とでも申しましょうか、当たり障りのない内容ながらなかなか面白く、以外と楽しめる作品でございます。
蜘蛛の動きがたいへんよろしい。
ボスキャラ的に登場する母蜘蛛の母性愛(便宜上この言葉を使います)には、悪役ながらなんだかグッときますよ。

しかしのろが本作を観たのは、なにも蜘蛛が見たかったからではございませんで
のろの愛好するうるわしの英国産ヘンタイ俳優ジュリアン・サンズが出ているからでございます。
この人がいかなるヘンタイ道を歩んで来られたかについては、またとっくりとお話する機会もありましょう。
↓これは『ボクシング・ヘレナ』1993 米 から。



グラマラスな美女に執心して彼女の四肢を切り落とし、自宅に監禁してやさしく世話するマザコンで潔癖性の外科医
の、役です。

『アラクノ~』では、蜘蛛研究の第一人者を演じておられました。
終盤、蜘蛛の糸でぐるぐる巻きになって天井からぶら下げられておりました。
うんうん、よく似合うよ、そういうの。
↓ファンサイトはこちらに。いやあ、いるんですね。ファンが。

A Study of Julian Sands

このサイトでは「全裸シーンがやたら多い」と言われておりますが
確かに、無意味なほどよく脱ぐんですわ。この人。短足なくせに。もう、大笑いです。

うるわしきヘンタイ道。
現在の若手では、ジョナサン・リース・マイヤーズがこの路線を驀進中と思われます。
と思ったらこの2人、『セクシャル・イノセンス』 1998 米 で共演してました。

こう、ヘンタイ的な役ーーー悪魔とか吸血鬼とかマッドサイエンティストとかーーーの似合う人ですから、
ホンダのCMに出てた時には心底たまげました。

自動車CM大全 - CR-VのCM

ビリー・ジョエルの歌をバックにねえ。


さてさて
あの蜘蛛は何処へ行ったのやら分かりませぬが
居るなら居るし
居ないなら居ないんでしょう。
考えていても虫取り網持ったジュリアン・サンズが来てくれるわけでもございませんし(来てもらっても困るが)
なるようになれと腹をくくっている今日この頃。