読書な日々

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『スティーブ・ジョブズ』

2015年01月13日 | 評論
ウォルター・アイザックソン『スティーブ・ジョブズ』(講談社、2011年)

マックの魅力って何なのだろうかとよく考える。美的センスに裏打ちされたツール、たんなる道具を超えた一流のツール。マックを使うようになると、ハマるという。私の知り合いにも、ウィンドウズから、マックに乗り換えた人がたくさんいる。そういう人たちは、もうマックなしではいられないほどマック好きになるらしい。

以前も書いたが、私はずっとマックを使ってみたいと思いながらも、その価格に躊躇して、結局はウィンドウズを使い続けてきた。90年台の初めは、とにかくマックの方がソフトが充実していたし、本屋に行っても雑誌のコーナーにあるパソコン関係の雑誌はマック関係の方が多かった。

価格に躊躇してなんてケチくさいことと思うかもしれないが、当時マックを本体とプリンタと買うと100万円はしたんですよ。100万でっせ。それにたいしてDOSのパソコンは50万くらいだったかな。この50万の差は大きい。この50万を出すことだって、清水の舞台から飛び降りる決意がいったんだからね。

とにかくウィンドウズは一太郎を使って文書を作る、文書を入力するというだけの、仕事がらみのツールで、遊び心など皆無だった。しかしマックはなんだか楽しそうなことや面白そうなことがあれこれできるのじゃないかという誘惑に満ちていた。

その後、スティーブ・ジョブズがアップルに復帰して次々と新製品を打ち出していくと、さらに私のマック思いは強まった。例えば初期のimac。なんかおもちゃみたいなカラフルさと、内部が丸見えのスケルトン仕様。これとセットに出されたibookも、2000年ころからよく行くようになったパリのあちこちで見かけた。私はゲートウェイの重たいノートパソコン。

そしてiphones、itunes、ipadなどなど、誰もが羨むような製品が発売されて、アップルは、パソコンのメーカーというよりもインターネットを利用した情報機器のメーカーになっている。

その創始者のスティーブ・ジョブズがどんな人間なのか興味を引かれるのは当然だろう。有名なガレージ起業から始まって、アップルを出て、ネクストを作り、ピクシーで大成功して、アップルに返り咲き、一路新しいコンピュータ世界を創りだした、その人生は、なんとも言えないほど、すごいものだ。こういう人の人生こそ一冊の本になるのだろう。

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