読書な日々

読書をはじめとする日々の雑感

『日本ボロ宿紀行』

2019年10月04日 | 評論
上明戸聡『日本ボロ宿紀行』(鉄人社、2017年)

図書館に行ったら返却棚にあって見つけた。なんとも発想が面白い。

普通なら(たぶん私だって)敬遠するようなボロ宿にわざわざ宿泊して、そのボロさ加減や、なかには由緒ある佇まいを楽しもうという主旨の本だ。

第8章の「鳥取の限界集落と出雲への旅」には「山陰エリアは古びた宿の宝庫!?」とある。なんだか嬉しくなる。

私の地元の日野町根雨にもそういう古びた宿がある。ここで紹介したいのは私の同級生がやっていた(というか、彼のお母さんがやっている)「朝勝館」だ。私は地元なので宿泊したことがないが、中学校の同窓会などで使ったことがある。広間もあるし、立派な庭園もあるが、今では老齢の女将が一人いるだけなので、宴会とかはやらず、たまにある宿泊客を受け入れているくらいだろう。

ちょうど撮り鉄の人がこの朝勝館に泊まったときの様子をブログで紹介しているので、そちらにリンクを張っておこう。こちら

そうそうこの朝勝館の老女将は、以前このブログでも紹介したことがある作家の加藤秀行のお祖母さんだ。芥川賞の最終選考に残ったときの記事が、こちら にある。

加藤秀行さんの小説のことは こちら。

私自身が宿泊した宿ということで言えば、大津の三井寺の門前にある「植木屋」旅館がある。高校時代にボート部に所属していた私は、5月のゴールデンウィークに開催される琵琶湖レガッタに参加するために(といっても補欠だったが)一度この「植木屋」に宿泊した。

それで気に入ったので、その二年後に京都に大学受験に来た時にもここに泊めてもらった。その思い出があったので、ずっと気になっていたのだが、数年前に上さんと滋賀に来たついでにここに宿泊した。

突然、見知らぬ人から宿泊予約の電話が入ったので、向こうではびっくりしたらしい。いったい何者だという話になって、予約確認のために私の自宅に電話がきた。その時に、高校時代の話をしたら納得しておられた。今では宿泊する人といえば、西国巡礼の人とか私の母校のボート部が朝日レガッタで宿泊するくらいらしい。そういう人はみんな常連さんなので、知らない人から予約の電話が入ると「だれ?」ということになるらしい。

植木屋旅館を「ボロ宿」に入れるのは失礼かもしれないが、私的には「古い」宿なので、紹介したくなった。決してボロ宿ではありませんよ。

植木屋旅館はこちら



この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 『黄色いベスト運動』 | トップ | 『結婚小説』 »
最新の画像もっと見る

評論」カテゴリの最新記事