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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

大多数バイアス

2016年09月06日 | 日記
人は「みんなと同じ」でるところに安心を見出すようです。

大阪大学教授の大竹文雄氏のホームページに次のような話題が書かれていました。

大竹文雄の経済脳を鍛えるhttp://www.jcer.or.jp/column/otake/index717.html
督促文で異なる納税率

税金の確定申告はしたけれど、期限内に納税していないという人がイギリスで問題になっていた。そこで、Hallsworth, List, Metcalfe and Vlaev (2014)は、イギリスの徴税組織である歳入税関庁とイギリスの内閣府のBehavioural Insight Team(行動洞察チーム)と共同で、確定申告をしたが未納税の人10万人に、納税を督促する手紙のメッセージ文として何が有効かを調べる実験を行った。具体的なメッセージはつぎの5つである。

(1)「10人のうち9人は税金を期限内に支払っています」

(2)「イギリスにおいて10人のうち9人は税金を期限内に支払っています」

(3)「イギリスにおいて10人のうち9人は税金を期限内に支払っています。あなたは今のところまだ納税していないという非常に少数派の人になります」

(4)「税金を支払うことは、私たち全員が、国民健康保険、道路や学校などの必須の社会的サービスからの便益を受けることを意味します」

(5)「税金を支払わないことは、私たち全員が、国民健康保険、道路や学校などの必須の社会的サービスを失うことを意味します」

 Hallsworthらは、納税の督促状に上記のメッセージがない場合に比べて、5つのうち1つの文章が手紙に追加されていたとき、人びとの納税行動がどの程度変わるかを調べたのである。

 あなたならどのメッセージがあったときに、税金を支払わねばと思うだろう。一番効果が大きかったのは、(3)のあなたが少数派であることを強調したメッセージである。このメッセージがない場合と比べて23日間で、5.1%納税率が高まったのである。そのつぎが(2)のイギリスの中でということを強調したメッセージで、2.1%の上昇である。つづいて、(4)と(5)の社会的サービスを強調したものが1.6%の増加、(1)が1.3%の増加であった。数パーセントの違いのように見えるが、文章のちょっとした違いだけで、納税額では莫大な額の違いになってくるのである。

「少数派」強調が効き目

 彼らはさらに約12万人のイギリス人に対して同様の実験を行った。その際には、「他の人はどうしている」という表現か、「他の人はどうすべきだと思っている」という表現のどちらが有効かということも検証した。その結果、「他の人はどうしている」というタイプの表現の方が有効であること、本人がごく少数のグループに入っていることを示すことが有効であることが、明らかにされている。

 書類提出の締め切りに遅れた人に催促するメールには、「締め切りに遅れているのは、あなただけです」とか「大多数の方からは既に書類を提出して頂きましたが、あなたからはまだ頂いておりません」といった文章を失礼にならないように付け加えてみてはどうだろうか。(以上)

法事の折の、志の額を訊ねられることが多い。これも、みんなと一緒という安心感を持ちたいからでしょう。
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