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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

孤独は社会問題

2021年08月26日 | 現代の病理

『孤独は社会問題 孤独対策先進国イギリスの取り組み』 (光文社新書・2021/7/13・多賀幹子著)、図書館の新刊案内にあった本です。


内容紹介
2018年1月、テリーザ・メイ首相(当時)は「孤独は現代の公衆衛生上、最も大きな課題の一つ」として世界初の「孤独担当大臣」を設けた。英国家庭医学会によると、孤独は肥満や1日15本の喫煙以上に体に悪く、孤独な人は、社会的なつながりを持つ人に比べ、天寿を全うせずに亡くなる割合が1・5倍以上に上がるという。(以上)

 

西欧社会は個人主義が基本にあるので、社会システムとして孤独への配慮そして、各種の寄付金による諸政策やロンドンで町中での配慮がなされているようです。そうしたイギリス社会の孤独に対する配慮が紹介されている本でした。

 

以下、本からの転載です。

英国赤十字社は約6560万人の人口のうち、「常に」または「しばしば」孤独を感じる人は900万人以上いると報告している。約7人に一人という計算だ。ただ、孤独であるとは認めない「隠れ孤独」も少なくないだろうから、実際はこれ以上の数字が予想される。

 孤独は、退職や離婚、配偶者の死亡など大きな転機に意識されやすく、適切なタイミングで支援が受けられない場合は、健康にも悪影響をもたらす。

 英国家庭医学会によると、孤独は肥満や一日15本の喫煙以上に体に悪い。孤独な人は、社会的なつながりを持つ人に比べ、天寿を全うせずに亡くなる割合が1.5倍に上がる。若者の場合、ソーシャルメディアのヘビーユーザーほど孤立度が高い傾向が見られた。65歳以上に限ると、5人に2人がテレビかペットが「一番の友人」と答えている。ロンドンの移民・難民の6割弱は孤独が最人の課題だという。

 孤独が原因の体調不良による従業員の欠勤率生産性の低下で、雇用主は年に約3560億円の損失を被っていろとの調査もある。75歳以上になると半数以上が一人暮らしだ。障害者は、半数が絶えず孤独を感じている。孤独で生じる経済的損失は、約4.8兆円に達するといわれる。

 

  コーヒーチェーンが設けた「おしゃベリテーブル」

 コスタコーヒーは、イギリスの最大手のコーヒーチェーンだ。1971年ロンドンに、コスタファミリーによって設立された。イギリスには約2500(2019年)の店舗を構える。

 メニューは、コーヒーと紅茶の他に、サンドイッチ、クッキーなどかおる。人気コーヒー店のコスタが、店内に「おしゃべりテーブル」を設けた目的は、ずばり孤独の撲滅だ。コスタはまず全国25店に「チャター・アンド・ナター (chatter and natte)テーブル」を準備、しばらく様子を見た結果、反応がよいとして全国約300広に広げた。

 仕組みはシンプルだ。店内のテーブルの一つを客同士が話をする専用場所と決める。話はわずか5分間でもいいし、会話が弾んで1時間になってもかまわない。互いに顔を合わせて会話することがポイントで、「固い友情に発展させなくては」と肩に力を入れる必要はない。気軽なおしゃべりで充分だ。(以上)

 

孤独も問題は、独居老人だけの問題ではなく、全世代に関わる問題となりつつあるのが日本の現状です。特にコロナ禍後の社会の社会問題になるかも知れません。上記の「おしゃベリテーブル」なら実践できるという感慨を持ちました。

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