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仏教ライフを考える西原祐治のブログです

「頭がいい」とはどういうことか②

2024年06月02日 | 日記
『「頭がいい」とはどういうことか ――脳科学から考える』(ちくま新書・2024/4/10・毛内拡著)からの転載です。

能動的に経験しないと見えるようにならない
では幼少期から子守歌のように英語を流していれば話せるようになるのかと言われると、それは少し難しいと考えられます。それを実証する有名な実験があります。
 二匹の生まれたての子ネコを、一匹は自由に歩けるように、もう一匹は自由に動ける子ネコに繋がれたゴンドラの中に乗せられ、自分で動き回ることができない状態におきます。このようにして育てられた二匹の子ネコが大人になった際、彼らの視覚はどのようになったと思いますか。驚いたことに、どちらも目は開いていたにもかかわらず、自由に動き回ることができた方のネコは正常に視覚を発達させることができたのに対して、ゴンドラにただ乗せられて動いていただけのネコは、視覚を発達させることができず、正常にものを見ることができなかったと言います(図示)。
 つまり、脳を正しく働かせるためには、経験が重要なのです。それも単なる経験ではなく、「能動的に」動くことが重要です。能動的ということの裏には、たくさんの試行錨誤、たくさんの失敗の経験が必要という意味が含まれています。
 これまで脳は予測を作り出す臓器であり、経験によってこの世界がどうなっているかの与作である脳内モデルを形成すると説明してきました。この予測は、実測との誤差によって修正されることで日々アップデートを繰り返しています。したがって、いくら経験を積んでも、適切なフイードバックがなければそれが脳内モデルとしては機能しないと考えらます。(つづく)
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