超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

夏の終わりの一曲 nagisanite/bloodthirsty butchers

2011-09-12 23:57:58 | 音楽(テーマシリーズ)






今年は私生活でほとんど夏らしいことが出来なかったので
「夏の終わりの一曲」と称して夏の歌のレビューをします。

去年はサマーソング特集と題して10曲ピックアップしたり割と本格的だったんですけど
今年はそういうのなかったんで
その代わりという思いも含めて。夏の残り香を楽しんでいただければ・・・ってな。





nagisanite/bloodthirsty butchers (アルバム「yamane」収録)





ブッチャーズで夏の名曲、と言えば誰もが思い浮かべるのは「7月」でしょう。
でも、そんな「7月」に匹敵するくらい夏の匂いのする名曲がブッチャーズにはあるのです。
それが今から触れる10年前の名曲「nagisanite」です。
ローマ字のまんま「なぎさにて」と読む曲です。

例えば、喪失感を歌った曲って形容が似合うのが「7月」なら
こっちは何ていうのかな・・・
それにも満たない苦しさ、っていうか
息苦しさというか。街を外れて、人を外れて、一人ぼっちの寂しさっていうか。
そこで渚っていうものに触れて
海を見て
何かを感じて持って帰る、それは郷愁だったり感傷だったり、もっと別の何かだったり・・・。
そんな情感だとか感情の揺れ動きが大いに表現されている曲で
これリアルタイムで聴いてたのは学生時だったんで
そんな細かい部分までは
当然当時では分からない部分が多かったんですけど、今聴くとそのおセンチ感というか
感傷に浸るって行為の寂しさと儚さがガッツリと描かれているので
そこに向かって感情移入してしまう
そんな曲にもなっていると思います。ただ題材が夏って事だけじゃなくてね。

でも、この曲って初めて聴いた時から「名曲」って印象が自分の中にあって
それは夏特有の焦燥感だったり
くだるい感じだったり
でも、その中にある爽やかさやきっぱりとした雰囲気、それを音で上手く表現で出来てるような気もしていて。
 更に言うと、メロディラインがスローテンポながらも美しいというか
雄大さだとか懐の深さを大いに感じさせるような
グッと来るし、でも沁みるしっていう意外と馴染み易いものになっていて。ポップでもあると感じられて
その意味でもコアな部分と分かりやすい部分が混在してるっていうか
即ち非常にブッチャーズらしくもあるよな、っていうか。
そんな彼らの王道が気持ち良く発揮されてる曲です。「残り香」感も凄く漂ってるので、その意味でも
この時期に聴くと更に情感豊かに聴こえるんじゃないかと。




この曲が収録されてるアルバム「yamane」も実はそんな全盛期の作品に匹敵するくらい
気持ちの良いオルタナ・ロックが堪能できるアルバムにもなっているので
そっちも是非、って事で。
個人的には最新作が新しい絶頂だな、とも感じてる今日この頃ですが。




最新の画像もっと見る

コメントを投稿