超進化アンチテーゼ

悲しい夜の向こう側へ

color bars/東京事変

2012-01-20 23:48:32 | 音楽





東京事変の「color bars」を聴いた。



以前やった10曲選出で語りたい事は全て語ったので
特にどうこうはないんですけど
これ聴くと間違いなく東京事変は東京事変になったんだなあ、というか
最早林檎の~って形容が要らない位、ちょっと眩しいくらいにバンドなんですよね。
そもそも最後に全メンバーの作詞作曲ってアイディアをやる時点で総括的だし
「娯楽」~「大発見」の流れでちゃんとこういうのをやっても許されるような基盤は出来ていたんで。
発表当時は息抜き的なものなのかな?って思ってたら
大間違い、最後に一花咲かせようとしてる本気印のミニアルバムでした。
今回はそれぞれに絞って紹介、最後のオリジナル音源レビューです。




1.今夜はから騒ぎ

2012年版の「歌舞伎町の女王」って感じ、或いはそれを東京事変でブラッシュアップさせてるような。
昭和歌謡と現代的なオシャレ感が融合したビートと雰囲気の演出力はやはり流石。
その中で「これで終わり」的ムードをきちんと演出出来てるのもまた良い仕事してるなあ、と。
恐らくキラーチューンって意味合いではやはりこれでしょう。
「終わりゆく時代に投げキス」という歌詞は色々意味深で面白い。実際そう感じる時もありますし。


2.怪ホラーダスト

でも個人的にはこの曲が一番グッとくるかも。
すっごくキラキラしたナンバーでポップと言えばポップなんですけど
敢えて林檎ではなく伊澤一葉が渋い声で歌ってるあたりに絶妙なロマンと切なさを感じます。
この曲もまた終わり行くイメージの強い曲ですけど
その実前に、未来に向かう感覚もあったりして何気に前の曲からの繋がりが感じられるのが面白いかな、と。


3.タイムカプセル

亀田師匠の作詞作曲・・・なんですが歌詞がめちゃめちゃ青臭い!(笑)。
今時の若手バンドでも敬遠するくらい等身大が過ぎる歌詞なんですが歌うのは林檎な訳で
それ聴いてると逆にストレートで良いかも、って思えるのがちょっと不思議です。
彼女の歌い手としての力量が感じられると同時に、亀田誠治がここまでピュアな詞を書くのが意外で楽しめた曲です。


4.sa_i_ta

この曲はこの中でも最もいつも通りの事変感が出てる曲かな。
割と受け入れられやすく、それでいて即効性のある事変流大人のロック、って印象で。
浮雲と林檎の声の絡みも相変わらず最高、「某都民」好きの私にとってはかなり嬉しいナンバーです。
シングルにも出来そうなくらい鋭くて色気のある事変節が冴えてる一曲!


5.ほんとのところ

変態曲出たー!!(笑)。
ドラムの綴色さんの作詞作曲、彼がボーカルをこなしてるんですけど
どこのインディーバンドだよってくらいマニアックな曲
この曲が最後でいいんすか!?とも思う。
実際賛否分かれるでしょ。
でもこの曲聴いてると不思議に感傷的な気分にもなるんですよねえ・・・曲としては好みです。
しかしこういう格好の付かない曲できれいに終わらない、っていうのもある意味事変っぽいのかもしれない。
個人的には肯定派な一曲です。誰でも死にたくない、は正論。





亀田誠治以外は基本的に作詞作曲者本人がボーカルを担当する企画盤的要素が強いのにも関わらず、
聴いた時の印象が間違いなく東京事変!なのは
やっぱり長年の奮闘の賜物だよなあ、といいますか
それぞれの個性が認知されてきた証拠でもあるので、その観点でも重要なラスト・アイテムになったなという印象。
椎名林檎のソロプロジェクトとしての東京事変ではなく
一つのバンドとしての東京事変に思い入れを持っていたような人なら一度は聴いてみて欲しいアルバム。
これだけバラバラなのに通して聴く楽しさもあるのは流石としかいいようがない。また機会が来たらやって欲しい。




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